建築物環境衛生管理技術者 清掃

【ビル管理士・清掃】汚れの分類と清掃用具・機械(汚れの種類・パッド色分け・ポリッシャー・自動床洗浄機)

ポリッシャーのパッド色分け ― 色で用途が決まる!
洗浄用(日常的な床洗浄)
軽洗浄(日常メンテナンス)
磨き用(バフ仕上げ・艶出し)
剥離用(古いワックス除去)← 最も粗い

色が濃いほど研磨力が強い。試験では「黒=剥離」が頻出!

結論:汚れの正体を知ることが「正しい清掃」の出発点

結論から言います。清掃で最も大切なのは「汚れの種類を見極めて、それに合った方法で除去する」ことです。

同じ「汚れ」でも、ホコリなのか油汚れなのか、水垢なのかカビなのかで、使うべき洗剤も道具もまったく違います。ホコリにいきなり水をかければ泥になって余計に取れなくなりますし、大理石の床にアルカリ性洗剤を使えば表面が傷みます。

ビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)試験では、汚れの分類フロアパッドの色と用途清掃機械(ポリッシャー・自動床洗浄機)の特徴が頻出です。この記事では、汚れの科学的分類から現場で使う道具・機械まで網羅します。

汚れの分類(★超頻出★)

建物に付着する汚れは、その成分によって大きく3つに分類されます。

分類 具体例 除去方法
水溶性の汚れ 砂、泥、ホコリ、食べこぼし 水拭き・中性洗剤
油溶性の汚れ 油脂、ワックス、タール、排気ガスの汚れ アルカリ性洗剤・溶剤
その他の汚れ 水垢(スケール)、さび、カビ 酸性洗剤・漂白剤

オフィスビルで最も多い汚れは水溶性の汚れ(ホコリ・砂・泥)です。外から靴の裏について持ち込まれる砂やホコリが、床面の汚れの大部分を占めています。だからこそ、エントランスの除じんマット(靴の汚れを落とすマット)が重要なのです。

汚れの付着力による分類

汚れは「どれだけ強く付着しているか」でも分類できます。

付着の程度 説明
付着汚れ 表面に乗っているだけ。ホコリや砂など。掃き掃除や拭き掃除で除去
沈着汚れ 表面にしみ込んだり固着した汚れ。洗剤と機械力が必要
変質汚れ 素材自体が変質。さびや変色など。通常の清掃では除去困難

日常清掃で対応できるのは主に付着汚れです。沈着汚れは定期清掃でポリッシャーや洗剤を使って除去します。変質汚れは清掃では対処しきれず、修繕や取替えが必要になることもあります。

試験のポイント:汚れの3分類(水溶性・油溶性・その他)と、付着力の3段階(付着・沈着・変質)はセットで出題されます。

清掃用具の種類

ほうき・モップ類

用具 用途・特徴
ダストモップ 化学繊維のモップ。ホコリを吸着して除去。日常清掃の床除じんの主力
水モップ(ウェットモップ) 水拭き用のモップ。汚れの除去と除菌に使用
自在ぼうき 化学繊維のほうき。屋外やカーペット以外の床に使用
フロアスクイージー ゴム製の水切り。洗浄後の床面の水を集めて排水口へ流す

オフィスビルの日常清掃で最もよく使われるのがダストモップです。朝の清掃時間に、清掃スタッフが長い柄のモップを使ってフロア全体のホコリを集めている姿を見たことがあるでしょう。ダストモップの繊維にはダストクロス用の吸着剤(ダストオイル)が含まれており、ホコリを舞い上げずに吸着して集めることができます。

掃除機の種類

種類 特徴
アップライト型 立てて使うタイプ。カーペット清掃の主力。回転ブラシでゴミをかき出す
キャニスター型 本体を引いて使うタイプ。家庭用に多い。吸引力が高い
バックパック型 背負って使うタイプ。階段や狭い場所の清掃に適する
ウェットバキューム 水と汚水を吸引する掃除機。床洗浄後の汚水回収に使用

ビルのカーペット清掃で欠かせないのがアップライト型掃除機です。底面の回転ブラシがカーペットの繊維の奥に入り込んだゴミやホコリをかき出してくれます。家庭用のキャニスター型では吸引力だけに頼るためカーペットの奥のゴミは取りきれません。

試験のポイント:「アップライト型=カーペット清掃の主力」は超頻出です。また「ウェットバキューム=汚水回収」も押さえましょう。

フロアパッドの色分け(★超頻出★)

フロアパッドは、ポリッシャー(床磨き機)の底部に取り付けて使う円形のパッドです。色によって研磨力が異なり、用途が違います

研磨力 用途
最も弱い 磨き仕上げ(バフィング)・艶出し
弱い スプレーバフ・軽い洗浄
中程度 日常の洗浄
やや強い 重度の汚れの洗浄
最も強い ワックスの剥離(はくり)

覚え方は「白→赤→青→緑→黒の順に研磨力が強くなる」です。白が最もソフトで仕上げ用、黒が最もハードで剥離用です。

現場では、日常的な床の洗浄には赤パッドを使い、定期清掃でしっかり汚れを落とすときは青パッドや緑パッドを使います。古いワックスを完全に剥がす剥離作業では黒パッドを使います。白パッドは高速バフィング(艶出し)で使用し、ワックスの表面を磨いて光沢を出します。

試験のポイント:パッドの色と用途の対応は毎回のように出題されます。特に「白=磨き仕上げ(研磨力最弱)」「黒=剥離(研磨力最強)」は必ず覚えましょう。

清掃機械の種類と特徴

ポリッシャー(床磨き機)(★超頻出★)

円形のブラシやパッドを回転させて床面を洗浄・磨きする機械です。ビルの清掃で最も頻繁に使われる機械と言っても過言ではありません。

種類 回転数・特徴
標準型ポリッシャー 回転数 150〜300 rpm。洗浄・ワックス塗布・剥離に使用
超高速バフ機(バーニッシャー) 回転数 1,000〜3,000 rpm。ワックスの艶出し(バフィング)専用

標準型ポリッシャーは、フロアパッドの種類を変えることで洗浄・剥離・磨きと1台で何役もこなせる万能機械です。直径は約43cm(17インチ)が一般的です。

超高速バフ機(バーニッシャー)は、高速回転の摩擦熱でワックスの表面を溶かし、鏡のような光沢を出す専用機械です。ホテルのロビーや商業施設の床がピカピカに光っているのは、このバーニッシャーで磨いた結果です。

自動床洗浄機(★頻出★)

洗剤の散布→ブラシで洗浄→汚水の回収を1台で同時に行う機械です。「スクラバードライヤー」とも呼ばれます。

人が歩くような速さで機械を押して進むだけで、前方から洗剤が出て、ブラシが回転して汚れを落とし、後方のスクイージーで汚水を吸い取ります。広い面積の床を短時間で洗浄できるため、大型のオフィスビルやショッピングモール、空港などで威力を発揮します。

タイプ 特徴
歩行型(手押し型) 操作者が機械を押して歩く。中規模フロアに適する
搭乗型 操作者が機械に乗って運転。大面積の清掃に適する。作業効率が高い

カーペット清掃機械

機械 特徴
スチームクリーナー 高温の蒸気で汚れを浮かせて除去。カーペットの深部の汚れに効果的
エクストラクター 洗剤液を噴射し、汚水を吸引回収する機械。カーペットの湿式洗浄の主力

エクストラクターは「カーペットのシャンプー洗浄」に使う機械です。洗剤液をカーペットに噴射し、ブラシで汚れをかき出し、汚水を吸い取るところまで1台で行います。ホテルの客室のカーペット清掃で活躍する機械です。

除じんマットの役割

建物の汚れの約80%は外部から持ち込まれると言われています。靴の裏に付いた砂や泥が最大の汚染源です。

そこで、エントランスに除じんマットを設置して、入口で汚れの大部分を落としてもらうのが最も効率的な汚染防止策です。

項目 内容
推奨長さ 歩行方向に6歩分以上(約3〜4m)
効果 適切な長さのマットで約80〜90%の土砂を除去可能

マットが短すぎると十分にホコリが落ちず、建物内に持ち込まれてしまいます。「6歩分以上」というのは、人が6歩以上歩くことで靴裏の砂がほぼ完全に取れるという実験結果に基づいています。

試験のポイント:除じんマットの推奨長さ「6歩分以上」は頻出です。また「建物の汚れの約80%は外部から持ち込まれる」も出題されます。

理解度チェック

【第1問】汚れの分類

汚れに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

(1) 油脂汚れは水溶性の汚れである。
(2) 水垢(スケール)は油溶性の汚れである。
(3) 砂やホコリは水溶性の汚れである。
(4) 変質汚れは日常清掃で容易に除去できる。
(5) 沈着汚れは掃き掃除だけで除去できる。

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正解:(3)
砂やホコリは水溶性の汚れに分類されます。水拭きや中性洗剤で除去できます。(1)は誤りで、油脂汚れは油溶性です。(2)は誤りで、水垢は「その他の汚れ」に分類されます。(4)は誤りで、変質汚れ(さび・変色)は通常の清掃では除去困難です。(5)は誤りで、沈着汚れは洗剤と機械力が必要です。

【第2問】フロアパッドの色

フロアパッドの色と用途の組合せとして、正しいものはどれか。

(1) 白パッド ── ワックスの剥離
(2) 赤パッド ── ワックスの剥離
(3) 黒パッド ── 磨き仕上げ(バフィング)
(4) 緑パッド ── 重度の汚れの洗浄
(5) 青パッド ── ワックスの剥離

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正解:(4)
緑パッドは研磨力がやや強く、重度の汚れの洗浄に使用します。(1)は誤りで、白パッドは研磨力が最も弱く磨き仕上げ用です。(2)は誤りで、赤パッドはスプレーバフ・軽い洗浄用です。(3)は逆で、黒パッドは研磨力が最も強くワックスの剥離用です。(5)は誤りで、青パッドは日常洗浄用です。パッドの色は白→赤→青→緑→黒の順に研磨力が強くなると覚えましょう。

【第3問】清掃機械

清掃機械に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1) 標準型ポリッシャーの回転数は150〜300 rpm程度である。
(2) 超高速バフ機は1,000 rpm以上の高速回転でワックスの艶出しを行う。
(3) 自動床洗浄機は洗剤散布・洗浄・汚水回収を1台で行う。
(4) エクストラクターはカーペットの湿式洗浄に使用する機械である。
(5) アップライト型掃除機は硬質床の洗浄に最も適している。

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正解:(5)
アップライト型掃除機は硬質床ではなくカーペット清掃の主力です。回転ブラシでカーペットの繊維の奥のゴミをかき出す構造です。硬質床の洗浄にはポリッシャーや自動床洗浄機が適しています。

【第4問】除じんマット

除じんマットに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 建物の汚れの約80%は外部から持ち込まれる。
(2) 除じんマットの推奨長さは歩行方向に6歩分以上である。
(3) 適切な長さのマットで約80〜90%の土砂を除去できる。
(4) 除じんマットは屋内にのみ設置すればよい。
(5) ダストモップは化学繊維でホコリを吸着して除去する用具である。

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正解:(4)
除じんマットは屋外と屋内の両方に設置するのが効果的です。屋外マットで大きな砂や泥を落とし、屋内マットで細かいホコリを除去するという二段構えが理想的です。「屋内にのみ」では不十分です。

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まとめ

この記事では、汚れの分類と清掃用具・機械について解説しました。最後に重要ポイントを振り返りましょう。

テーマ 暗記ポイント
汚れの分類 水溶性・油溶性・その他の3分類
パッドの色順 白→赤→青→緑→黒(研磨力が強くなる順)
黒パッド ワックスの剥離用(研磨力最強)
アップライト型 カーペット清掃の主力
除じんマット 6歩分以上の長さ

清掃用具・機械は範囲が広いですが、試験で問われるポイントは決まっています。特にフロアパッドの色分けは毎回出題されますので確実に覚えましょう。

清掃計画の全体像については清掃計画と管理体系・品質評価をあわせて確認してください。

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