この記事で分かること
- 容器検査・刻印・表示・容器再検査のつながり
- 刻印と塗色から読み取れる情報の違い
- 容器の種類ごとに異なる再検査期間
- 圧縮ガスの圧力制限と液化ガスの質量制限
結論:検査・刻印・表示・再検査を別々に覚える
高圧ガス容器は、製造または輸入の段階で容器検査を受け、合格後に刻印または標章が付けられます。所有者はさらに、ガス名、塗色、所有者情報などの表示を行います。使用を続ける容器は、種類ごとの期間内に容器再検査を受けなければなりません。
高圧ガス保安法第48条は、充塡できる容器の条件を定めています。見た目がきれいでも、必要な刻印等や表示がない、再検査期間を経過した、損傷している、といった容器へそのまま充塡することはできません。
旧稿の重要な訂正:一般継目なし容器の再検査期間は原則5年で、製造後20年以上を理由に2年へ短縮される規定ではありません。20年未満5年・20年以上2年の区分は、主に溶接容器、超低温容器、ろう付け容器に適用されます。また、アセチレン容器はねずみ色ではなく、かっ色です。
公式資料の確認先
法令確認日:2026年7月29日。実際の充塡・検査は容器の種類、刻印、告示、登録容器検査所の案内まで確認してください。
容器のライフサイクルは5段階で追う
ガス・圧力に合う容器を用意
強度・欠陥・気密性等を確認
容器固有情報とガス表示を付す
種類・圧力・質量の上限を守る
期限内と損傷時に再確認
容器検査は新品・輸入容器の入口、容器再検査は使用中の安全性を確かめる仕組みです。再検査で見る内容は容器の種類により異なりますが、一般的な鋼製容器では外観、腐食や割れ、耐圧性能などを確認します。合格後は再検査年月等の刻印または標章が付されます。
刻印等は容器の仕様、表示は使用中の識別情報
高圧ガス保安法第45条の刻印等は、容器検査に合格したことと容器の仕様を示します。刻印が難しい容器には標章を掲示します。一方、第46条の表示は所有者が行い、充塡できるガス名、塗色、所有者の氏名・名称、住所、電話番号などを示します。
| 区分 | 主な情報 | 行う者 |
|---|---|---|
| 刻印・標章 | ガス種類、容器番号、内容積、検査年月等 | 検査実施者 |
| 表示 | 塗色、ガス名、燃・毒、所有者情報 | 容器所有者等 |
刻印内容は容器の種類で変わります。最高充塡圧力(FP)は、圧縮ガス容器、超低温容器など所定の容器で刻印されます。液化ガス容器を含むすべての容器にFPが刻印される、と一律に覚えないことが大切です。
塗色は原則として表面積の2分の1以上に行う
容器保安規則第10条は、原則として容器外面の見やすい箇所について、表面積の2分の1以上を所定色に塗るよう定めています。全面塗装が法令上の共通条件ではありません。
| ガス | 塗色 | 記憶ポイント |
|---|---|---|
| 酸素 | 黒色 | 酸素=黒 |
| 水素 | 赤色 | 水素=赤 |
| 液化炭酸ガス | 緑色 | 炭酸=緑 |
| 液化アンモニア | 白色 | アンモニア=白 |
| 液化塩素 | 黄色 | 塩素=黄 |
| アセチレン | かっ色 | 「その他」ではない |
| その他 | ねずみ色 | R32等は原則ここ |
ただし、着色加工していないアルミニウム・アルミニウム合金・ステンレス鋼製の「その他のガス」用容器、LPガス容器、自動車燃料装置用の一部容器などには例外があります。色だけで判断せず、刻印とガス名表示を併せて確認します。
再検査期間は容器の種類から判定する
容器保安規則第24条では、容器検査合格月または前回の容器再検査合格月を基準に期間を計算します。まず容器の構造を確認し、その後に経過年数や内容積などの条件を当てはめます。
| 主な容器 | 期間 | 注意点 |
|---|---|---|
| 一般継目なし容器 | 5年 | 20年超でも原則5年 |
| 溶接・超低温・ろう付け | 20年未満5年 20年以上2年 |
別区分を除く |
| 所定の小型溶接容器等 | 20年未満6年 20年以上2年 |
3.0MPa以下・25L以下等 |
| 一般複合容器 | 3年 | 医療用酸素用は5年 |
容器に損傷がある場合は、期間内だから自動的に充塡できるわけではありません。法第48条は、損傷した容器についても容器再検査への合格と刻印等を要求しています。
圧縮ガスは圧力、液化ガスは質量で上限を守る
法第48条第4項では、圧縮ガスは刻印等に示された圧力以下、液化ガスは内容積と容器保安規則第22条の定数から求める質量以下とします。液化ガスの式はG=V÷Cです。
独自計算例:内容積40Lの容器へ液化R32を充塡する場合
G=40L ÷ 1.24L/kg = 約32.3kg
第22条のR32の定数Cは1.24です。したがって法令式上の上限質量は約32.3kgです。実務では容器の刻印・仕様、回収容器の残量、充塡設備の手順も確認し、この計算だけで作業を決めません。
ガスの種類または圧力を変えたい場合は、低い圧力なら自由に別ガスを入れられるわけではありません。法第54条に基づき、刻印等を行う機関へ申請し、変更後の規格適合が認められたうえで新しい刻印等と表示が必要です。
附属品にも検査と再検査がある
バルブ、安全弁、緊急遮断装置など、容器保安規則で定める附属品には附属品検査があります。期間経過または損傷時には附属品再検査を受け、外観、気密・漏えい、作動などを確認します。
一般の附属品は、装置されている容器が所定時期に受ける容器再検査までを期間とする仕組みが基本です。「バルブは容器本体の検査に合格すれば無条件に使える」と切り離して覚えないようにします。
理解度チェック
【問1】製造後25年の一般継目なし容器について、原則の再検査期間はどれですか。
(1) 1年
(2) 2年
(3) 3年
(4) 5年
(5) 再検査不要
【問2】内容積40Lの容器へ、定数C=1.24の液化R32を充塡するとき、法令式による上限質量に最も近いものはどれですか。
(1) 12.4kg
(2) 24.8kg
(3) 32.3kg
(4) 40.0kg
(5) 49.6kg
【問3】容器の表示について正しいものはどれですか。
(1) 塗色はすべて全面に行う
(2) アセチレンはねずみ色である
(3) R32容器は例外なく赤色である
(4) 所有者はガス名や所定の塗色等を表示する
(5) 刻印と表示は常に同じ者が行う
【問4】刻印等に示されたものと別種類のガスへ変更したい場合の対応として適切なものはどれですか。
(1) 圧力を半分にすれば自由に充塡する
(2) 容器を洗浄すれば表示だけ変更する
(3) 所定機関へ申請し、規格適合後に刻印等と表示を変更する
(4) バルブだけ交換して充塡する
(5) 色が同じなら手続不要
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まとめ
容器検査は新しい容器の入口、容器再検査は使用中の安全確認です。刻印等は検査実施者が容器仕様を示し、表示は所有者がガス名・塗色・所有者情報等を示します。
一般継目なし容器は原則5年、溶接・超低温・ろう付け容器は主に20年未満5年、20年以上2年です。塗色は酸素が黒、水素が赤、液化炭酸ガスが緑、液化アンモニアが白、液化塩素が黄、アセチレンがかっ色、その他がねずみ色。液化ガスの充塡上限はG=V÷Cで確認します。
最終更新日:2026年7月29日
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