希釈計算が合っても、対象・用途・接触条件を取り違えれば安全な消毒にはなりません。先に対象微生物と処理物を決め、製品の有効成分・実濃度・期限を確認してから、必要な原液量を計算します。
この第1回は、ppm換算、最終液量、紫外線照射量、貯水槽清掃後の確認をつないだ独自5択5問です。計算値を現場の作業手順へ変換できるか確認しましょう。
制度・資料確認日:2026年8月8日。厚生労働省の消毒・除菌情報、ノロウイルスQ&A、建築物衛生の技術基準、水道のクリプトスポリジウム等対策指針、水道法施行規則を確認しました。方法の選定と安全管理は「消毒法と希釈計算|次亜塩素酸ナトリウム・ppm・紫外線を使い分け」で解説し、このページは数値と作業判断の演習に特化しています。
解く前の3分整理|式の前に4条件をそろえる
| 確認 | 見るもの | 見落とすと |
|---|---|---|
| 対象・用途 | 微生物、手指・床・水 | 効かない方法を選ぶ |
| 製品 | 成分、原液濃度、期限 | 計算の前提が崩れる |
| 処理条件 | 濃度、量、時間、温度 | 接触不足になる |
| 処理後 | 水拭き、すすぎ、測定 | 残留・腐食を見逃す |
希釈式は C1×V1=C2×V2 です。C1は原液濃度、V1は原液量、C2は目標濃度、V2は調製後の全量。1%=10,000ppmを使い、%同士、mL同士へ単位をそろえます。
第1問|ppmを%へ戻して考える
次亜塩素酸ナトリウム液の濃度表示200ppmと1,000ppmを、質量分率の%へ換算した組み合わせとして正しいものはどれか。
- 200ppm=0.002%、1,000ppm=0.01%
- 200ppm=0.02%、1,000ppm=0.1%
- 200ppm=0.2%、1,000ppm=1%
- 200ppm=2%、1,000ppm=10%
- ppmと%は換算できない。
第2問|6%原液から200ppmを9L作る
表示濃度6%の原液から、200ppmの液を最終量9L調製する。必要な原液量と水量の組み合わせとして、最も適当なものはどれか。
- 原液3mL、水を加えて全量9L
- 原液30mL、水を加えて全量9L
- 原液30mLを水9Lへ加えるのが唯一の正確な作り方
- 原液300mL、水を加えて全量9L
- 原液1,800mL、水を加えて全量9L
第3問|作った液の濃度を逆算する
6%原液50mLを使い、水を加えて最終量3Lにした。計算上の濃度として正しいものはどれか。
- 100ppm
- 200ppm
- 500ppm
- 1,000ppm
- 10,000ppm
第4問|紫外線量は強度×時間で確認する
練習条件として、水へ届く紫外線強度が0.50mW/cm2、照射時間が20秒だった。照射量と管理上の評価として、最も適当なものはどれか。
- 照射量は0.025mJ/cm2で、点灯だけ確認すればよい。
- 照射量は10mJ/cm2で、流量・濁度・透過率・石英管の汚れも確認する。
- 照射量は25mJ/cm2で、処理後も配管内に残留効果が続く。
- 照射量は40mJ/cm2で、水質条件は影響しない。
- 紫外線量は強度÷時間で求める。
第5問|貯水槽清掃後は通常時の値と分ける
貯水槽を清掃・消毒し、塩素剤を排除して水張りした。厚生労働大臣が定める技術上の基準による確認として、最も適当なものはどれか。
- 槽内だけで遊離残留塩素0.1mg/L以上を確認する。
- 給水栓だけで結合残留塩素0.4mg/L以上を確認する。
- 給水栓と槽内で、遊離残留塩素0.2mg/L以上または結合残留塩素1.5mg/L以上を確認する。
- 塩素臭があれば、濃度測定は不要である。
- 消毒は1回だけ行い、使用した塩素剤を槽内へ残す。
採点|計算から安全な手順までつなげられるか
| 正解数 | 判定 | 復習ポイント |
|---|---|---|
| 5問 | 計算と用途は安定 | 製品表示で最終確認 |
| 4問 | 1条件を再確認 | 最終量と水量を分ける |
| 2~3問 | 単位が混在 | %へそろえて式に入れる |
| 0~1問 | 親記事から復習 | 対象→製品→計算の順 |
次亜塩素酸ナトリウムは酸性洗剤等と混ぜると有害な塩素ガスを生じます。換気、製品表示に沿う保護具、専用計量器、容器表示、調製日時、すすぎ・水拭きまでを作業手順に含めてください。計算値だけを見て薬剤を扱わないことが大切です。
間違えた分野の戻り先
- 消毒法の選定と希釈式:消毒法と希釈計算
- 感染源・感染経路の初動:ビルの感染症対策
- 貯水槽の清掃と構造:貯水槽の構造・容量・清掃
- 水質項目と残留塩素:水道の分類と52項目の水質基準
追加演習
エタノール・次亜塩素酸ナトリウム・逆性石けん等の特徴は「消毒法と溶液濃度計算 ミニテスト第2回」、ppm換算と希釈計算の追加問題は「消毒法と溶液濃度計算 ミニテスト第3回」で確認できます。第1回で最終量と安全確認を固めてから進んでください。
公式の確認先
- 厚生労働省「消毒・除菌方法について」
- 厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」
- 厚生労働省「空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準」
- e-Gov法令検索「水道法施行規則」
- 厚生労働省「水道におけるクリプトスポリジウム等対策指針」
まとめ|濃度は目的を決めてから計算する
200ppmは0.02%、1,000ppmは0.1%です。6%原液から200ppmを全量9L作るなら原液30mL、6%原液50mLを全量3Lにすれば1,000ppmになります。「水を9L入れる」と「全量を9Lにする」は同じではありません。
紫外線は強度×時間で照射量を求めても、水質・流量・透過率・汚れまで見なければ処理を保証できません。薬剤も同じです。対象、製品、処理条件、処理後確認をそろえ、初めて計算が安全な作業につながります。
制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月8日
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