ミニテスト 建築物環境衛生管理技術者

光・放射線ミニテスト第1回|285lx・Bq/Sv・距離1.5mの5問

光と放射線は、「何を測った数値か」をそろえてから判断します。照度のlx、電磁界の電界・磁界、放射能のBq、吸収線量のGy、防護量のSvは、数値を直接足したり大小比較したりできません。

この第1回は、現行の照度基準、グレアの切り分け、周波数の違う電磁界、Bq・Gy・Sv、距離と遮へいを扱う独自5択5問です。単位から現場の次の一手まで選んでください。

制度・資料確認日:2026年8月8日。現行の事務所衛生基準規則、厚生労働省の情報機器作業ガイドライン、環境省の電磁界・放射線資料を照合しました。理論の全体は「光環境・電磁波・放射線の基礎」で解説し、このページは測定と計算の演習に特化しています。

解く前の3分整理|量・単位・対象を分ける

評価するもの 主な単位 意味
作業面の照度 lx 面へ入る光束の密度
放射能 Bq 1秒間の原子核壊変数
吸収線量 Gy 1kg当たりの吸収エネルギー
防護量・実用量 Sv 放射線の種類や組織影響等を考慮

電磁界は周波数によって人体との相互作用や評価量が変わります。例えば商用周波の設備周辺と無線LAN周辺の測定値は、単位が違うまま一つの「電磁波の強さ」に合計しません。

第1問|平均は400lx、一点は285lx

一般的な事務作業を行う4席の作業面で、525、460、330、285lxを得た。最も適切な判断と対応はどれか。

  1. 平均値が400lxなので、全4席とも適合とする。
  2. 最大倥525lxが300lx以上なので、残りは測定しない。
  3. 285lxの席で作業面・通常使用状態を再確認し、300lx以上に改善して同条件で再測定する。
  4. 旧基準の「粗な作業70lx」を適用し、一般事務でも問題なしとする。
  5. 付随的な事務作業の基準は70lxのままなので、用途確認は不要とする。
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正解:3

現行の事務所衛生基準規則第10条は、一般的な事務作業を300lx以上、付随的な事務作業を150lx以上とします。四点平均は(525+460+330+285)÷4=400lxですが、285lxの作業面を平均で隠してはいけません。

1・2は作業面の分布を見落とします。4・5は2022年12月1日より前の区分を混ぜた選択肢です。器具の汚れ、机や書棚の移動、ランプの劣化、局所照明の向きを確認し、修正前後を同じ測定点で比べます。

第2問|450lxある画面が午後だけ見づらい

書類とキーボード上は450lxだが、西日が入る時間だけディスプレイに窓が映り込み、文字が見づらい。最初の改善と確認はどれか。

  1. 照度は300lx以上なので、光環境は原因から除外する。
  2. 天井照明を増設し、画面へ入る光も強くする。
  3. 画面の輝度を常に最大にし、窓の状態は記録しない。
  4. 見づらい時刻・席・視線方向を記録し、ブラインド、画面と机の向き、輝度差を調整して再現条件で確認する。
  5. ディスプレイ上は現行ガイドラインで500lx以下と決まっているので、その一点だけを測る。
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正解:4

450lxという照度だけで、映り込みや視野内の輝度差は判定できません。厚生労働省の情報機器作業ガイドラインは、書類・キーボード上を300lx以上とし、画面・書類・周辺の明るさの差をなるべく小さくすること、太陽光等の入射時にブラインド等を用いることを示しています。

1は照度とグレアを同じものと扱う誤りです。2・3は輝度差を悪化させる可能性があります。5の「画面上500lx以下」を現行の一律基準とする説明は適切ではありません。

第3問|50Hz配電盤と無線LANを比べる

50Hzの配電盤近傍で磁界45μT、2.4GHzの無線LAN近傍で電力密度0.12W/m2を測った。結果の扱いとして最も適切なものはどれか。

  1. 45と0.12を足し、電磁波の合計倥45.12とする。
  2. 数値が大きい50Hzのほうが、必ず健康影響も大きいとする。
  3. どちらも電磁波なので、周波数を記録せず同じ基準値と比べる。
  4. 周波数帯、測定量・単位、機器、位置・距離、稼働条件を分けて記録し、それぞれに適した指針と比べる。
  5. 0.12W/m2はゼロではないため、その数値だけで直ちに使用禁止とする。
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正解:4

50Hzの低周波磁界と2.4GHzの高周波電磁界では、周波数も主な相互作用も評価量も異なります。μTとW/m2をそのまま足す、大きな数字だけで危険度を決める、といった扱いはできません。

この設問の値は「測定結果の整理方法」を問うための仮定値です。適合性の正式評価は、対象機器の周波数・変調・近傍界/遠方界、測定の不確かさ、適用する法令・規格を確認し、必要に応じて専門家が行います。

第4問|3MBq・0.010Gy・0.08mSvの意味

管理資料に「密封線源3MBq」「物質の吸収線量0.010Gy」「個人線量計の評侤0.08mSv」とあった。単位の説明として正しいものはどれか。

  1. Bqは人体影響、Gyは壊変数、Svは光の明るさを表す。
  2. 3MBqは、その人が必ず3mSvを受けたことを意味する。
  3. GyとSvは名前が違うだけで、いつでも数値は等しい。
  4. Bqは線源の放射能、Gyは物質1kgが吸収したエネルギー、Svは放射線の種類や組織影響等を考慮する防護量・実用量に用いられる。
  5. Bqだけが分かれば、核種、距離、遮へい、時間に関係なくSvを一意に決められる。
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正解:4

1Bqは1秒間に1個の原子核が壊変する放射能です。1Gyは物質1kgが1Jのエネルギーを吸収したときの吸収線量です。Svは放射線加重係数や組織加重係数で重み付けした防護量、またはそれを実測で保守的に近似する実用量に用いられます。

2・5のようにBqからSvへ単純変換はできません。核種、放射線の種類・エネルギー、距離、遮へい、時間、内部/外部ばく露などの条件が必要です。3も、GyとSvの概念を混同しています。

第5問|0.5mから1.5mへ離れ、遮へい後に15分作業する

点線源と見なせる練習条件で、線源から0.5mの線量率が36μSv/hだった。1.5mへ離れると距離の逆二乗で低下し、さらに遮へいで4分の1になるとする。その場所で15分作業した線量はどれか。

  1. 0.25μSv
  2. 1.0μSv
  3. 2.25μSv
  4. 4.0μSv
  5. 36μSv
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正解:1(0.25μSv)

距離は0.5mから1.5mへ3倍です。点線源・同じ方向などの理想化条件では、線量率は36×(0.5÷1.5)2=4μSv/hです。遮へい後は4×1/4=1μSv/h、15分は0.25時間なので、1×0.25=0.25μSvです。

2は15分を1時間とした値、3は距離と時間の扱いが異なる値、4は遮へいと時間を反映しない値です。実線源は大きさ、散乱、周辺構造、遮へいの材料と厚さの影響を受けるため、正式な作業は専門家の計画と実測に従います。

採点|数値を「次の行動」へ変えられたか

正解数 判定 戻るポイント
5問 判断は安定 条件を残して再測定
4問 1分野を再確認 照度か放射線単位
2~3問 量と単位が混在 表から対象を分ける
0~1問 親記事から復習 名称より作用と単位

実務では、「数値が大きいか」だけではなく、対象、単位、位置、時間、測定器、運転状態を一組で記録します。比較条件をそろえて初めて、改善の効果を説明できます。

間違えた分野の戻り先

追加演習

情報機器作業・紫外線・赤外線は「光・電磁波・放射線と健康 ミニテスト第2回」、電離放射線と組織反応・確率的影響は「光・電磁波・放射線と健康 ミニテスト第3回」で確認できます。第1回の単位と測定条件を固めてから進んでください。

公式の確認先

まとめ|平均値で隠さず、異なる単位を足さない

一般的な事務作業の作業面は300lx以上です。平均400lxでも、285lxの作業面は個別に改善します。また、照度が足りていても、窓の映り込みは時刻・視線・輝度差から切り分けます。

Bqは出す側の放射能、Gyは吸収エネルギー、Svは放射線防護で用いる量です。点線源の練習例では、距離を3倍、遮へいを4分の1、時間を15分とした線量は0.25μSvです。距離・遮へい・時間を別々に反映してください。

制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月8日

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