ミニテスト 建築物環境衛生管理技術者

飲料水・水質診断ミニテスト第1回|PFAS47ng/L・残塩0.07の5問

水質判定は「一つ通れば安全」ではなく、水道区分、採水点、単位、各項目の基準、異常の広がりを別々に見ます。大腸菌が不検出でも一般細菌が基準を超えることはあり、入口が正常でも末端だけ残留塩素が下がることがあります。

この第1回は、受水槽合計11m³、PFOS・PFOA合算47ng/L、一般細菌140/mL、上階末端の遊離残留塩素0.07mg/L、濁り・異臭時の初動を扱う独自5択5問です。

法令・資料確認日:2026年8月9日。2026年4月1日施行の水質基準は52項目で、PFOS及びPFOAは合算0.00005mg/L(50ng/L)以下です。環境省の現行基準表・PFAS資料、国土交通省の貯水槽水道資料、厚生労働省の建築物環境衛生管理基準、e-Govの水道法を照合しました。制度全体は「水道の分類と52項目の水質基準」で解説し、このページは別の採水値による現場判定に特化します。

解く前の3分整理|水質結果は5列で読む

確認列 記録例 見落とし
区分 直結・受水槽・自家水源 建物名で決める
場所 入口・槽出口・系統末端 採水点を消す
時刻 滞留・清掃・降雨・断水 条件を残さない
数値 値・単位・定量下限 mgとngを混同
判断 基準・再確認・初動 一項目で安全宣言

設問の値は学習用です。実際の採水、保存、検査方法、判定、給水停止・再開は、法定方法、自治体・水道事業者の指示、建物の衛生管理手順を優先してください。

第1問|受水槽6.5+4.5=11m³なら簡易専用水道

オフィスが水道事業者の水だけを受け、飲料用の受水槽Aは有効容量6.5m³、連通する受水槽Bは4.5m³である。別に飲用へ全く使わない消防専用水槽3.0m³がある。専用水道の人口・給水量・管路等の要件には該当しない。この設備の区分として最も適切なものはどれか。

  1. 飲料用受水槽の合計は8.0m³なので小規模貯水槽水道
  2. 消防専用水槽まで足した14.0m³で専用水道
  3. 飲料用受水槽の有効容量合計が11.0m³で10m³を超えるため簡易専用水道
  4. 井戸がなくても必ず専用水道
  5. オフィスは居住用でないため水道法の区分はない
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正解:3(6.5+4.5=11.0m³で簡易専用水道)

水道事業から受ける水だけを水源とし、専用水道を除き、受水槽の有効容量合計が10m³を超えるものが簡易専用水道です。6.5+4.5=11.0m³なので該当します。

1は加算誤り、2は飲用に全く使わない消防専用水槽を区分用の受水槽へ足しています。4は水源だけで専用水道と決め、5は用途を理由に制度から外しています。実設備では連通状態、最高・最低水位からみた有効容量、飲用・消防の共用、専用水道要件、自治体条例を図面と現地で確認します。

第2問|0.000047mg/Lは47ng/L・基準まで3ng/L

2026年4月以降の水道水検査で、PFOSが0.000027mg/L、PFOAが0.000020mg/Lだった。合算値と水質基準50ng/L以下に対する判定として正しいものはどれか。

  1. 合算0.000047ng/Lで、基準の約100万分の1
  2. 合算4.7ng/Lで、基準まで45.3ng/L
  3. 合算47ng/Lで基準以下だが、基準との差は3ng/Lなので単位・採水・検査条件と推移を確認する
  4. PFOSとPFOAは別々に50ng/L以下ならよく、合算しない
  5. 合算470ng/Lで、基準の9.4倍
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正解:3(合算47ng/L・基準まで3ng/L)

0.000027+0.000020=0.000047mg/Lです。1mg=1,000,000ngなので、0.000047×1,000,000=47ng/L。PFOS及びPFOAは合算で50ng/L以下が基準のため、この値は基準以下です。

1・2・5は換算桁を誤り、4は「合算」の条件を落としています。基準以下は「ゼロ」や将来も同じという意味ではありません。検査法、定量下限、採水点、原水・浄水の推移を確認し、水道事業者等の水質検査計画とリスク管理へつなげます。

第3問|一般細菌140/mLは超過・大腸菌不検出でも相殺しない

給水栓の検査で、一般細菌は1mL当たり140集落、大腸菌は不検出だった。現行の水質基準に対する判定として最も適切なものはどれか。

  1. 大腸菌が不検出なので、一般細菌の値に関係なく全項目適合
  2. 一般細菌は1mL当たり100以下が基準なので超過し、大腸菌不検出とは別項目として原因・再検査・必要な措置を進める
  3. 一般細菌も検出されないことが基準なので、140だけ超過
  4. 一般細菌の基準は1mL当たり1,000以下なので適合
  5. 二つの結果を平均して70とし、適合とする
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正解:2(一般細菌は超過・大腸菌は別に適合)

一般細菌は「1mLの検水で形成される集落数が100以下」、大腸菌は「検出されないこと」が基準です。一般細菌140/mLは基準を40上回り、大腸菌不検出がこの超過を取り消すことはありません。

1は別項目を相殺し、3は大腸菌の表現と混同、4は基準値を10倍にしています。5の平均には意味がありません。採水操作、容器、輸送、残留塩素、受水槽、末端滞留、工事履歴を確認し、所定の再検査と衛生措置を進めます。

第4問|入口0.34・槽出口0.22でも上階0.07mg/Lは不足

通常時の遊離残留塩素を同時刻に測ると、水道引込直後0.34mg/L、受水槽出口0.22mg/L、最遠の上階給水栓0.07mg/Lだった。建築物の飲料水管理として最も適切な判断はどれか。

  1. 入口が0.1mg/L以上なので、上階の値は無視できる
  2. 3点平均0.21mg/Lなので、全系統に問題はない
  3. 上階0.07mg/Lは通常時の0.1mg/L以上を満たさない。測定・採水条件を確認して再測定し、確定後は滞留・槽管理・配管系統・使用量を追い、衛生手順どおり措置する
  4. 0.07mg/Lは0.1mg/Lより大きいので適合
  5. 原因確認前に薬剤を給水栓へ直接投入する
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正解:3(上階0.07mg/Lを個別に不適合として診断する)

通常時の給水栓における遊離残留塩素は0.1mg/L以上です。0.07mg/Lは0.03mg/L不足します。入口や槽出口が適合しても、最遠点の不足は平均で消せません。

1・2は位置情報を捨て、4は大小関係が逆です。5は過剰注入、混合不足、材質影響等を招きます。試薬・計器、採水前の流し方、時刻を確認したうえで、槽内滞留、死水部、上階使用量、配管長、温度、清掃・断水履歴を系統図と測定マップで追います。

第5問|濁り・異臭・残塩0.03なら「流して様子見」で終えない

大雨の翌朝、上層3フロアの複数給水栓で濁りと異臭があり、遊離残留塩素は0.03mg/Lだった。水道引込直後の水は外観正常だった。建物管理者の初動として最も適切なものはどれか。

  1. 一つの給水栓を5分流して透明になれば、記録せず通常利用へ戻す
  2. 残留塩素がゼロではないため、安全と断定する
  3. 利用者の自己判断に任せ、次回定期検査まで待つ
  4. 異臭だけなので大量の塩素剤を受水槽へ直接投入する
  5. 飲用・調理への使用制限を含む安全措置を取り、発生時刻と範囲を周知・記録し、入口・槽・系統別に採水、受水槽と周辺を点検し、所管窓口等と連携して給水停止・再開を判断する
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正解:5(利用を守りながら範囲・経路・原因を切り分ける)

複数階で外観異常と残留塩素不足が重なっており、人の健康を害するおそれを否定できない状態です。飲用・調理を止めるなど利用者を先に守り、時刻、場所、写真、苦情、測定条件、設備運転を保存します。健康影響のおそれを知ったときは、給水停止と利用者周知が必要です。

1は局所フラッシングで証拠と広がりを消し、2・3は安全確認前に放置、4は原因不明のまま薬剤を加えています。引込水、受水槽入口・出口、低層・高層、別系統を比較し、槽の蓋・通気・越流・周囲排水、ポンプ、逆流、工事・断水履歴を点検。検査結果と所管窓口等の判断を得て復旧します。

採点|「採水点ごと・項目ごと」に判断できたか

正解数 判定 復習の焦点
5問 水質診断は安定 建物別計画へ
4問 1条件を再確認 単位か採水点
2~3問 平均で判断しがち 項目別基準
0~1問 親記事から復習 区分・基準・初動

異常時チェック|測定値を設備系統へ戻す

  1. 利用者保護:飲用制限、代替水、対象範囲、連絡先を明示する
  2. 採水地図:引込、受水槽入口・出口、立管、末端を同時刻で比較する
  3. 設備確認:蓋、通気、越流、排水、ポンプ、逆流、滞留を点検する
  4. 検査記録:容器、時刻、残留塩素、保存、搬送、検査機関を残す
  5. 復旧条件:原因是正、洗浄・消毒、所定検査、周知を終えて再開する

色や臭いが正常でも、PFOS・PFOAや微生物の基準適合までは判断できません。反対に、一時的な見た目の異常だけで原因を断定もしません。五感、現場測定、登録検査機関等の分析、設備履歴を同じ時系列へ並べます。

間違えた分野の戻り先

追加演習

専用水道、結合残留塩素、濁度・色度、汚染時の残留塩素は「水道の分類と水質基準ミニテスト第2回」、水道事業、総トリハロメタン、一般細菌、検査頻度は「水道の分類と水質基準ミニテスト第3回」で確認できます。第2・3回には改正前の項目数表記が残る可能性があるため、最新値はこのページと環境省の現行表を優先してください。

公式資料の確認先

まとめ|11m³・47ng/L・140/mL・0.07mg/Lを別々に読む

飲料用受水槽6.5m³と4.5m³の合計11m³は、設例条件では簡易専用水道です。PFOS 0.000027mg/LとPFOA 0.000020mg/Lは合算47ng/Lで、現行基準50ng/L以下との差は3ng/Lでした。

一般細菌140/mLは100以下の基準を超え、大腸菌不検出とは別判定です。入口0.34mg/L、槽出口0.22mg/Lでも、上階末端0.07mg/Lは通常時の遊離残留塩素0.1mg/L以上を満たしません。濁り・異臭が重なれば、利用者保護を先に行い、入口から末端まで採水点を分けて原因と復旧条件を閉じてください。

法令・資料確認日/最終更新日:2026年8月9日

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