ミニテスト 建築物環境衛生管理技術者

雑用水・再利用診断ミニテスト第1回|回収76.1%・ピーク残0.2m³の5問

雑用水設備は、処理装置の出口水質だけでは運転を判定できません。原水量、処理ロス、製造量、需要量、補給水、槽水位を同じ時間軸でつなぎ、用途ごとの水質条件と誤接続防止まで確認します。

この第1回は、処理水33.5m³/日の回収率76.1%、需要38m³/日の再利用率88.2%、ピーク4時間後の運転余裕0.2m³、理論滞留18時間、濁度3.1度の用途判定を扱う独自5択5問です。

資料確認日:2026年8月10日。厚生労働省の雑用水維持管理マニュアル・建築物環境衛生管理基準、国土交通省の排水再利用・雨水利用計画資料を照合しました。水質基準と基本構成は「雑用水・排水再利用・雨水利用」で解説し、このページは別条件の運転診断に特化します。

解く前の3分整理|製造・需要・貯留を同じ期間でそろえる

見る値 計算・比較 診断の焦点
原水・処理ロス 製造量÷原水量 回収率
製造量・需要量 不足量と供給割合 補給水
時間別流量 初期量+流入-流出 ピーク残量
有効容量・送水量 容量÷日量 理論滞留
水質・用途 用途別条件と照合 使用可否

回収率や再利用率に法令上の一律合格値があるわけではありません。以下の数値は水量収支を学ぶ例です。実設備では原水の水質・安定性、用途、処理方式、使用量、自治体の指導、設計条件を確認します。

第1問|44-7.5-3.0=33.5m³/日、回収率は76.1%

雑用水の原水は44.0m³/日、濃縮排水などの処理ロスは7.5m³/日、逆洗排水は3.0m³/日だった。その他の増減を無視すると、製造量と回収率の組合せはどれか。

  1. 33.5m³/日・76.1%
  2. 36.5m³/日・82.9%
  3. 40.5m³/日・92.0%
  4. 44.0m³/日・100%
  5. 54.5m³/日・123.9%
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正解:1(33.5m³/日・76.1%)

製造量は44.0-7.5-3.0=33.5m³/日。回収率は33.5÷44.0×100=76.136…%、約76.1%です。

2は逆洗排水を、3は処理ロスの一部を差し引いていません。4は全量回収、5は損失を加算した誤りです。回収率が下がったときは計器の集計期間をそろえ、逆洗回数、膜・ろ材差圧、濃縮排水、漏水、オーバーフローを分けて調べます。

第2問|需要38m³/日に対し、補給4.5m³・再利用率88.2%

第1問の処理水33.5m³/日を、需要38.0m³/日の雑用水系統へ全量供給する。槽の増減を無視すると、上水等の補給量と需要に対する再利用率の組合せはどれか。

  1. 補給0m³/日・再利用率76.1%
  2. 補給4.5m³/日・再利用率88.2%
  3. 補給4.5m³/日・再利用率113.4%
  4. 補給7.5m³/日・再利用率80.3%
  5. 補給38.0m³/日・再利用率0%
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正解:2(補給4.5m³/日・再利用率88.2%)

不足量は38.0-33.5=4.5m³/日。需要に対する再利用率は33.5÷38.0×100=88.157…%、約88.2%です。

1は原水基準の回収率と需要基準の再利用率を混同し、3は分子・分母が逆です。4は処理ロスを補給量と誤認し、5は処理水を無視しています。飲料系から補給する場合は、吐水口空間などで逆流・逆サイホンを防ぎます。数値が合っても直接接続を認めるものではありません。

第3問|ピーク4時間後は2.2m³、最低運転水量との差は0.2m³

ピーク開始時の雑用水槽は7.0m³。4時間、製造流入2.2m³/h、需要送水3.4m³/hが一定だった。最低運転水量2.0m³に対する終了時の判定はどれか。

  1. 残量0.2m³で、最低水量を1.8m³下回る
  2. 残量2.0m³で、余裕はない
  3. 残量2.2m³で、余裕0.2m³
  4. 残量7.0m³で、余裕5.0m³
  5. 残量9.2m³で、余裕7.2m³
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正解:3(残量2.2m³・余裕0.2m³)

4時間の流入は2.2×4=8.8m³、流出は3.4×4=13.6m³。終了時は7.0+8.8-13.6=2.2m³で、最低運転水量との差は2.2-2.0=0.2m³です。

1は残量と余裕を混同し、2は流入を0.2m³少なく見ています。4は流入・流出を相殺し、5は流出を引いていません。計算上は下限を上回りますが、0.2m³は小さい余裕です。需要変動、計器誤差、処理停止、低水位警報の設定を確認し、実測水位で検証します。

第4問|有効12m³・平均送水16m³/日なら理論滞留18時間

雑用水槽の有効容量は12m³、平均送水量は16m³/日である。完全混合・連続流入出を仮定した回転数と理論滞留時間の組合せはどれか。

  1. 0.75回/日・32時間
  2. 1.00回/日・24時間
  3. 1.33回/日・18時間
  4. 1.50回/日・16時間
  5. 16回/日・1.5時間
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正解:3(1.33回/日・18時間)

回転数は16÷12=1.333…回/日。理論滞留時間は12÷16日=0.75日、0.75×24=18時間です。

1は容量÷日量を回転数とし、その逆数を滞留時間にする途中で取り違えています。2と4は容量・日量の比を無視し、5は容量を割っていません。18時間は平均値であり、死水域や短絡流を隠します。低需要期は水位設定、撹拌、配管末端、臭気・外観、残留塩素の分布も確認します。

第5問|濁度3.1度は用途別に判定する

同じ雑用水系統の最遠端で、遊離残留塩素0.18mg/L、pH7.2、臭気異常なし、外観ほとんど無色透明、大腸菌不検出、濁度3.1度だった。示された項目だけで法定の用途別基準と照合した判断はどれか。

  1. 飲用を含むすべての用途に使える
  2. 便所洗浄と散水・修景・清掃のすべてで適合する
  3. 便所洗浄の列挙項目は満たすが、散水・修景・清掃は濁度2度以下を満たさない
  4. 大腸菌不検出なら残留塩素は不要である
  5. 雑用水では濁度をどの用途でも確認しなくてよい
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正解:3(用途を分け、濁度超過側を止めて原因を調べる)

遊離残留塩素0.18mg/Lは0.1mg/L以上、pH7.2は5.8~8.6、大腸菌不検出、臭気・外観も示された条件を満たします。法定表で便所洗浄水に濁度項目はありません。一方、散水・修景・清掃用水は濁度2度以下なので、3.1度は不適合です。

1は雑用水を飲料水と誤認し、2と5は用途別の濁度条件を無視、4は残留塩素管理を外しています。共用系統なら散水等への供給を止め、処理・逆洗・槽内堆積・採水条件を確認します。設計条件や自治体指導が便所洗浄水にも追加管理値を定める場合は、それにも従います。

採点|日量だけでなく時間変動と用途まで追えたか

正解数 判定 復習の焦点
5問 運転診断は安定 実測トレンドへ
4問 1条件を再確認 収支か用途
2~3問 日量だけで判断 槽残量・滞留
0~1問 親記事から復習 水質・系統分離

運転診断チェック|同じ時刻・同じ単位で閉じる

  1. 原水:種類、流入量、水質、曜日・季節変動を記録する
  2. 処理:製造量、逆洗・濃縮排水、差圧、薬品、停止時間を分ける
  3. 貯留:有効容量、水位、流入出、オーバーフロー、死水域を確認する
  4. 需要:用途別送水量、補給水、ピーク時間、低需要期を比較する
  5. 衛生:最遠端の水質、槽清掃、配管表示、誤接続、吐水口空間を確認する

製造量と需要量が一致しないとき、どちらかの流量計だけを補正して終わらせません。集計時刻、メーター位置、槽の増減、排水・漏水を一枚の収支表へ置き、原因と是正後の値を残します。

間違えた分野の戻り先

追加演習

再生処理、雨水槽、用途別水質の基礎は「雑用水設備と排水再利用ミニテスト第2回」、クロスコネクション、色分け、残留塩素、利用制限は「雑用水設備と排水再利用ミニテスト第3回」で確認できます。

公式資料の確認先

まとめ|76.1%・88.2%・残0.2m³を用途別水質へつなぐ

原水44.0m³/日から処理ロス7.5m³/日と逆洗3.0m³/日を引くと、製造量33.5m³/日、回収率76.1%です。需要38.0m³/日なら補給水4.5m³/日、再利用率88.2%。ピーク4時間後の残量2.2m³は最低運転水量に対し0.2m³の小さな余裕でした。

有効12m³を16m³/日送る理論滞留は18時間です。末端の濁度3.1度は便所洗浄と散水等で判定が分かれます。原水、処理、槽、需要、補給、水質、系統分離を同じ記録へつなぎ、日量が合うだけの管理から一段進めることが雑用水診断の基本です。

資料確認日/最終更新日:2026年8月10日

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