ねずみを見なかった日も、調査結果が「発生なし」とは限りません。無毒餌の喫食と黒紙の足跡を組み合わせれば、生体を目撃していなくても警戒水準や措置水準を判定できます。
この第1回は、対象430m²へ無毒餌43皿・430gを配置し、回収差69g・16.0%を計算します。2区域の水準、年間32区域回の調査計画、14mmの侵入口まで追う独自5択5問です。
制度・資料確認日:2026年8月17日。建築物衛生法施行規則第4条の5、厚生労働省の技術上の基準・維持管理マニュアル、東京都多摩府中保健所のクマネズミ対策資料を照合しました。薬剤・捕そ器は製品表示、承認内容、対象施設の安全手順に従い、専門知識を持つ者が選定してください。
解く前の流れ|目撃からではなく調査から始める
| 段階 | 記録 | 判断 |
|---|---|---|
| 1 調査設計 | 区域・面積・頻度 | 重点区域を落とさない |
| 2 客観調査 | 喫食・足跡・咬害 | 新しい証跡を残す |
| 3 水準判定 | 許容・警戒・措置 | 区域別に決める |
| 4 防除 | 餌・水・巣・侵入口 | 薬剤だけに頼らない |
| 5 効果判定 | 同じ方法の再調査 | 許容水準を確認する |
IPM(総合的有害生物管理)は、使える手段を組み合わせ、人と環境への負荷を抑えながら有害生物を管理する考え方です。捕獲数だけで終わらず、侵入と定着の条件を減らし、同じ調査で効果を比べます。
第1問|430m²に必要な無毒餌
厨房180m²、食品庫90m²、廃棄物保管場所60m²、機械室100m²を無毒餌で調査する。10m²に1か所、1か所10gとすると必要な餌皿数と餌の量はどれか。
- 4皿・40g
- 43皿・43g
- 43皿・430g
- 44皿・440g
- 430皿・4,300g
第2問|回収差から喫食量と喫食率を出す
第1問の430gを就業後に配置し、翌日以後の回収時に合計361gだった。こぼれ・清掃移動・他動物による減少は除外できた。喫食量と配置量に対する喫食率はどれか。
- 43g・10.0%
- 69g・16.0%
- 69g・19.1%
- 361g・84.0%
- 430g・100%
第3問|喫食と黒紙の組合せで2区域を判定
どちらの区域も生体の目撃と咬害はない。A区域は無毒餌の喫食あり・黒紙の足跡なし、B区域は喫食あり・黒紙の足跡ありだった。標準的な目標水準の組合せはどれか。
- A許容・B警戒
- A警戒・B措置
- A措置・B警戒
- AもBも許容
- AもBも判定不能
第4問|重点3区域と一般7区域の年間調査量
食料取扱い・排水槽・廃棄物保管設備周辺の重点3区域と、一般7区域を管理する。重点区域は2月以内ごと、一般区域は6月以内ごとの最大間隔で計画した場合、年間の区域別調査回数の合計はどれか。
- 10区域回
- 20区域回
- 26区域回
- 32区域回
- 60区域回
第5問|14mmの侵入口をいつ塞ぐか
B区域で生体を確認し、配管貫通部に14mmの隙間、夜間の食品残さ、未整理の段ボールが見つかった。最も適切な是正順はどれか。
- 食品を残したまま、全館へ一律に薬剤を散布する
- 生息数が多いまま全侵入口を塞ぎ、効果判定を省く
- 餌・水・巣材を減らし、必要な捕獲・薬剤で生息を抑え、再調査後にかじられにくい材料で隙間を塞ぐ
- 14mmは12mmより大きいが、天井側なので侵入口ではない
- 段ボールだけを移動し、14mmの隙間は残す
採点|「いた・いない」を数値と水準へ変えられたか
| 正解数 | 判定 | 復習の焦点 |
|---|---|---|
| 5問 | 調査から是正まで安定 | 自館の区域図 |
| 4問 | 1条件を再確認 | 頻度か水準表 |
| 2〜3問 | 目撃だけで判断 | 喫食・黒紙・咬害 |
| 0〜1問 | 親記事から復習 | IPMの5段階 |
現場記録|43皿を「43」で終わらせない
- 設置:区域番号、図面位置、設置時刻、餌量、黒紙番号
- 回収:残量、喫食、足跡、糞・咬害、移動・こぼれの有無
- 判定:区域ごとの許容・警戒・措置と根拠
- 是正:食品、水、巣材、侵入口、捕そ器、薬剤、作業者安全
- 再確認:同じ調査条件、結果、許容水準到達日、次回日
合計だけでは、ねずみの通路を特定できません。43皿のどこで69g減ったのかを配置図に戻すことで、厨房全体への一律処理ではなく、侵入・採餌・営巣の経路へ対策を絞れます。
間違えた分野の戻り先
- 無毒餌、黒紙、3水準、防鼠:ねずみの生態と防除
- IPM全体と防除計画:IPMと防除計画・調査法
- 殺そ剤の分類と安全管理:殺虫剤・殺鼠剤の分類と安全管理
- 別問題で復習:ねずみ防除ミニテスト第2回/第3回
公式資料
- e-Gov法令検索「建築物衛生法施行規則」第4条の5
- 厚生労働省「空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準」
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」
- 東京都多摩府中保健所「クマネズミ対策」
まとめ|43皿の結果を、水準と是正順へつなぐ
430m²なら、10m²に1皿・1皿10gで43皿・430gです。回収361gなら喫食69g、配置量比16.0%。ただし水準は率の大きさではなく、喫食、黒紙、生体、咬害の組合せで判定します。喫食だけのAは警戒、喫食と足跡があるBは措置です。
重点3区域を年6回、一般7区域を年2回なら計32区域回です。14mmの隙間はクマネズミの侵入候補ですが、生息数が多いまま塞ぎません。餌・水・巣材を減らし、必要な捕獲・薬剤で低減を確認し、かじられにくい材料で封鎖して再調査します。
制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月17日
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