IPMは「薬剤を減らす考え方」だけではありません。区域、頻度、調査結果、目標水準、措置、再調査、記録をつなぎ、次の担当者が同じ判断を再現できる管理手順です。
この第1回は、重点4区域と一般6区域の年間36区域回、捕獲の65%が集中する地点の局所対策、指数2.00から0.40への80%減、是正完了60%、2026年8月17日の記録を5年間保存する判断を扱う独自5択5問です。
制度・資料確認日:2026年8月17日。建築物衛生法施行規則第4条の5・第20条、厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル」「建築物環境衛生管理基準」を照合しました。6月・2月は法令上の最長間隔であり、季節、用途、発生・苦情に応じて臨時調査や短い間隔を追加します。
解く前の流れ|調査結果が次の作業を決める
| 段階 | 決めること | 証拠 |
|---|---|---|
| 計画 | 区域・対象・頻度 | 区域台帳・年間表 |
| 調査 | 虫種・密度・分布 | 個別値・図面 |
| 措置 | 原因・担当・期限 | 是正票・作業記録 |
| 評価 | 目標達成・再計画 | 同条件の再調査 |
施行規則は、原則6月以内ごとに統一的調査を行い、その結果に基づいて必要な措置を講じるよう定めています。食料取扱区域、排水槽、阻集器、廃棄物保管設備周辺など、特に発生しやすい場所は2月以内ごとです。
第1問|年間36区域回を見積もる
厨房・食品庫・排水槽周辺・廃棄物保管室の4重点区域を年6回、事務室等の6一般区域を年2回、最低計画として調査する。年間の区域回数はいくつか。
- 12区域回
- 20区域回
- 30区域回
- 36区域回
- 60区域回
第2問|捕獲の65%が集中した地点から直す
厨房の10トラップでゴキブリを計40匹捕獲し、グリストラップ横のT07・T08だけで26匹だった。付近に残菜と配管隙間がある。IPM計画として最も適切なのはどれか。
- 捕獲40匹を10で割り、全地点へ同量の薬剤を撒く
- T07・T08を撤去し、次回は別位置へ変えて捕獲を減らす
- 残菜除去と隙間補修を担当・期限付きで行い、必要範囲を処置して同位置で再調査する
- 建物全体でゼロになるまで毎日空間噴霧する
- 年間調査済みなので、次の6か月まで何もしない
第3問|指数2.00から0.40への変化を評価する
措置前は15トラップを3日間設置して90匹、措置後は同じ位置・数・日数で18匹だった。前後の指数と減少率として正しいものはどれか。
- 前2.00・後0.40・80%減
- 前6.00・後1.20・20%減
- 前2.00・後0.40・400%減
- 前30.0・後6.0・72%減
- 前90・後18・指数は計算できない
第4問|是正15件のうち完了を検証できたのは9件
防除計画で是正15件を登録した。現地で完了確認できたのは9件、作業中4件、未着手2件だった。検証済み完了率と未完了件数はどれか。
- 40%・9件
- 60%・6件
- 73.3%・4件
- 86.7%・2件
- 100%・0件
第5問|2026年8月17日の防除記録を保存する
2026年8月17日に調査・防除・効果判定を行った。施行規則第20条の5年保存と、監査できる記録の組合せとして最も適切なのはどれか。
- 2027年8月17日まで、請求書だけを保存
- 2029年8月17日まで、薬剤名だけを保存
- 2031年8月17日まで、完了印だけを保存
- 2031年8月17日まで、区域・調査・判定・措置・薬剤・安全・再評価を保存
- 永久保存し、調査位置は毎回削除する
採点|「実施した」から「効果を説明できる」へ
| 正解数 | 判定 | 復習の焦点 |
|---|---|---|
| 5問 | 計画を監査できる | 自館の区域台帳 |
| 4問 | 1条件を再確認 | 頻度か前後条件 |
| 2〜3問 | 作業量を成果にしがち | 原因・目標・再調査 |
| 0〜1問 | 親記事から復習 | 計画から記録の流れ |
一枚の区域台帳|計画と結果を同じ行で管理する
- 区域:ID、用途、対象生物、発生源、侵入経路、リスク区分
- 計画:調査法、位置、個数、期間、頻度、目標水準、担当
- 結果:虫種、個別値、総数、最大値、目撃・苦情、判定理由
- 措置:環境・構造・物理・化学、担当、期限、利用者安全
- 評価:同条件の再調査、目標達成、未完了、再計画、次回日
別々の報告書でも案件番号と区域IDで結べれば構いません。重要なのは、捕獲結果から措置が決まり、措置から再調査条件が決まることです。「全館薬剤散布済み」だけでは因果を追えません。
間違えた分野の戻り先
- 法定頻度、区域台帳、3水準、5年記録:IPMと防除計画・調査法
- ねずみの無毒餌・黒紙・侵入口:ねずみの生態と防除
- ゴキブリ指数とダニ対策:ゴキブリ・ダニの防除
- 蚊・ハエの指数と発生源:蚊・ハエの防除
- 薬剤の承認・希釈・曝露管理:殺虫剤・殺鼠剤の安全管理
- 別問題で復習:IPMミニテスト第2回/第3回
公式資料
- e-Gov法令検索「建築物衛生法」
- e-Gov法令検索「同施行規則」第4条の5・第20条
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」
- 厚生労働省「建築物における維持管理マニュアルについて」
- 厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル 第6章」
まとめ|36区域回を、同じ条件の80%減へつなぐ
重点4区域を年6回、一般6区域を年2回なら年間36区域回です。調査の結果、T07・T08に全捕獲の65%が集中したら、残菜と隙間を担当・期限付きで直し、必要範囲を処置して同じ位置で再調査します。
15トラップ・3日で90匹から18匹へ減れば、指数2.00から0.40、80%減です。是正15件中9件しか現地確認できなければ完了60%、未完了6件。2026年8月17日の記録は少なくとも2031年8月17日まで、区域・判断・措置・安全・再評価を一体で保存してください。
制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月17日
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