法規

架空・地中電線路 ミニテスト第1回|高さ・裸電線・埋設深さの5問

高さや深さは、数字を覚える前に「どこに、どの方式で施設するか」を読み分けましょう。

図面や点検記録を読む場面を想定した、電験三種・法規の独自5問です。各問で正しいものを1つ選び、「解答を見る」で全選択肢の理由を確認できます。

基本事項は架空電線路と地中電線路の解説で復習できます。以下の「解釈」は経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」です。問題で指定した条文・表と条件を使って判断してください。

空中に張る電線が「架空電線」、地中に施設する電線が「地中電線」です。「低圧架空引込線」は一般の架空配電線と高さの表が異なります。また、電線と大地との間の電圧である「対地電圧」と、電路の「使用電圧」を読み替えないことも大切です。

第1問|配電線・引込線・鉄道横断の図面を照合する

図面に書き込む最低高さを、次の3区間について確認します。ア・ウは引込線ではなく、解釈第68条・68-1表を適用します。イは第116条・116-1表を適用し、技術上やむを得ない場合の高さの緩和を使いません。他の特例も用いません。

  • ア:交流200Vの架空配電線が、車両の往来がまれではない車道を横断する。
  • イ:交流200Vの低圧架空引込線が、同じ条件の車道を横断する。
  • ウ:交流6,600Vの架空配電線が、鉄道を横断する。

ア・イは路面、ウはレール面から測ります。ア・イ・ウの順に並べた最低高さとして、正しいものはどれですか。

  1. (1)5m・5m・5.5m
  2. (2)6m・6m・5.5m
  3. (3)6m・5m・5.5m
  4. (4)6m・3m・5.5m
  5. (5)6m・5m・6m

第2問|屋外照明なら、どの電圧でも4mでよい?

低圧架空電線3区間の点検記録があります。いずれも引込線ではなく、道路・鉄道を横断せず、横断歩道橋上でもありません。解釈第68条・68-1表を使い、他の特例は用いません。記録の高さは対象区間の最も低い電線位置です。

  • ア:道路上を道路に沿って施設した屋外照明用の絶縁電線。対地電圧150V、地表上4.25mで、交通に支障はない。
  • イ:アと同じ場所・用途・電線の種類で交通に支障はないが、対地電圧は151V。地表上4.25m。
  • ウ:道路ではない敷地内に施設した、屋外照明用ではない交流200Vの低圧架空電線。地表上4.25m。

同表の高さ条件を満たさない区間はどれですか。電線路全体の適合ではなく、記録された高さだけを判断します。

  1. (1)アだけ
  2. (2)イだけ
  3. (3)ウだけ
  4. (4)アとイ
  5. (5)不足する区間はない

第3問|裸電線を選べる条件があるのはどの案?

電線の選定案を、解釈第65条第1項第1号と65-1表で確認します。次のうち、電線の種類についてその規定に合う案の組合せはどれですか。太さ・引張強さ・高さ・支持方法は別に確認するものとし、他の条文の特例は使いません。

  • ア:交流200Vの低圧架空電線のうち、B種接地工事を施した中性線を裸電線とする。
  • イ:交流400Vの低圧架空電線に、引込用ビニル絶縁電線を使用する。
  • ウ:交流6,600Vの高圧架空電線の谷越え箇所で、人が容易に立ち入るおそれがない場所に裸電線を使用する。
  • エ:交流6,600Vの高圧架空電線を、ア・ウのような例外に当たらない市街地に施設する。鋼心アルミより線という材質・構造だけを理由に裸電線を使用する。
  1. (1)アとウ
  2. (2)アとイ
  3. (3)イとウ
  4. (4)ウとエ
  5. (5)アとエ

第4問|車が通らない場所でも、重量物がある

直接埋設式の低圧地中電線路について、次の施工記録を確認します。解釈第120条第4項第1号の基本の深さを使い、同項及び同号のただし書は適用しません。ケーブルや衝撃防護など、深さ以外の条件は満たしています。

  • P:車両は通行しないが、重量物の圧力を受けるおそれがある資材保管場所。記録された埋設深さは0.90m。
  • Q:車両その他の重量物の圧力を受けるおそれがない場所。記録された埋設深さは0.55m。

基本の最低深さに達するために追加で必要な深さを、P・Qの順に示したものはどれですか。地表の位置など、ほかの条件は変えません。

  1. (1)0m・0m
  2. (2)0m・0.05m
  3. (3)0.30m・0m
  4. (4)0.30m・0.65m
  5. (5)0.30m・0.05m

第5問|管路式と暗きょ式の確認を取り違えない

地中電線路の検討会で、担当者が次の確認メモを書きました。解釈第120条の施設方法について、適切なメモはどれですか。

  1. (1)管路式はケーブルが管で保護されるため、裸電線を管に通してもよい。
  2. (2)管路式の管は、内部のケーブルが丈夫であれば、加わる重量物の圧力に耐えるか確認しなくてよい。
  3. (3)暗きょ式は、内部に作業用の空間があるため、防火措置を省略できる。
  4. (4)管路式には管が重量物の圧力に耐える条件がある。直接埋設式の1.2m・0.6mだけで、管路式の適否を一律に判定してはいけない。
  5. (5)直接埋設式は必要な深さまで埋めれば、掘削などの衝撃に対する防護を確認しなくてよい。

復習表1|高さは「電線路の種類」と「場所」で選ぶ

本問で使った区分と、取り違えやすい区分をまとめました。第68条の欄は他の特例を用いない場合です。

電線・場所の条件 高さの下限と基準面
第68条:低圧・高圧の道路横断。車両の往来がまれな道路、歩行専用部分を除く 路面上6m
第68条:鉄道・軌道の横断 レール面上5.5m
第68条:横断歩道橋の上 橋の路面上、低圧3m/高圧3.5m
上の横断・歩道橋の区分以外で、所定の屋外照明用 地表上4m。絶縁電線又はケーブル、対地電圧150V以下、交通に支障なしの条件が必要
上の横断・歩道橋の区分以外で、道路以外に施設する低圧電線 地表上4m
第68条のその他の場合 地表上5m。道路沿いの電線を一律4mにしない
第116条:低圧引込線の道路横断。歩行専用部分を除く 通常は路面上5m。技術上やむを得ず交通に支障がない場合は3m

水面上は船舶の航行等に危険を及ぼさない高さを保持します。また、氷雪の多い地方の高圧架空電線では、積雪上の高さにも配慮する規定があります。場所を省いて「一般は何m」とだけ覚えないようにしましょう。

復習表2|地中は「ケーブル・工法・圧力・防護」を確認

工法・条件 判断の要点
各方式に共通 地中電線にはケーブルを使用する
管路式 管が、加わる車両その他の重量物の圧力に耐えること。直接埋設式の深さだけで判定しない
暗きょ式 暗きょの耐圧力と、所定の防火措置を確認する
直接埋設式:重量物の圧力を受けるおそれがある場所 基本の深さは1.2m以上。自動車が通らない場所でも重量物を考慮する
直接埋設式:その他の場所 基本の深さは0.6m以上。圧力を受けるおそれがないことが前提
直接埋設式の防護・例外 深さとは別に衝撃防護を確認する。第120条第4項・第1号のただし書にはそれぞれ条件がある

間違えた問題から復習する

  • 第1・2問:親記事の高さ・場所の区分へ戻り、適用する表に線を引いて読み直しましょう。
  • 第3問:同じ親記事で電線の種類を確認し、前テーマの接地工事でB種接地の役割も復習できます。
  • 第4・5問:親記事の地中電線路を読み、深さと防護を分けて説明してみましょう。
  • ミニテスト第2回・第3回でも追加の演習ができます。適用条件は本ページ・親記事・公式資料を併せて確認してください。
  • 次テーマ:電気使用場所で、屋内配線・幹線・保護装置の学習へ進めます。

公式資料の確認箇所

  • e-Gov「電気設備に関する技術基準を定める省令」:第21条(感電防止)、第25条(高さ)、第47条(地中電線路の保護)。
  • 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(2025年11月20日改正版):第65条・65-1表、第68条・68-1表、第116条・116-1表、第120条。
  • 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈の解説」:同じ条番号の背景・考え方を確認できます。

補助資料として、日本電気技術者協会の「電気設備技術基準・解釈の解説〔その5〕電線路に関する規制」も参照できます。過去の解説と現行の規定に違いがある場合は、現行の省令・解釈本文を優先してください。

法令確認日:2026年11月7日。省令は2023年3月20日施行版を確認しました。問題・解説・整理表は独自作成です。受験時は試験実施機関が指定する法令の基準日も確認してください。運営者は資格を独学中の個人です。

※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。

内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。

-法規