全35問の解答・解説
第三種冷凍機械責任者 模擬試験 第1回の正答と解説です。先に35問を解き、解答用紙へ記録してから開くことをおすすめします。
2026年9月5日に全35問の正答を高圧ガス保安法・冷凍保安規則・容器保安規則と突き合わせました。旧版は誤答の選択肢が「〜は不要である」「〜は任意である」に偏っていて消去法で解けてしまい、解説も正答の理由だけでした。全35問の選択肢を作り直し、容器の塗色や冷凍保安責任者の選任義務など法令の誤りも訂正しました。本模試は当サイト独自の学習問題で、公式試験問題でも公式の合否判定でもありません。
採点方法
各問1点です。科目ごとに集計し、保安管理技術は15問中9問以上、法令は20問中12問以上あるかを確かめます。本試験にはボイラーのような全体基準がなく、2科目とも60%以上が唯一の基準です。合計で30点あっても、片方が8点なら不合格になります。
| 科目 | 問題番号 | 得点欄 | 合格ライン |
|---|---|---|---|
| 第1科目:保安管理技術 | 問1〜問15(15問) | / 15 | 9問以上(60%) |
| 第2科目:法令 | 問16〜問35(20問) | / 20 | 12問以上(60%) |
| 合計 | 35問 | / 35 | 2科目とも60%以上 |
第1科目:保安管理技術
問1 正解:(3)冷媒は、圧縮機 → 凝縮器 → 膨張弁 → 蒸発器の順に流れて循環する
蒸気圧縮冷凍サイクルは、圧縮機で冷媒蒸気を高温高圧にし、凝縮器で外へ熱を捨てて液にし、膨張弁で低温低圧まで下げ、蒸発器で被冷却物から熱を奪って蒸発する、という4つの過程を繰り返します。(1)は蒸発器と凝縮器が入れ替わっており、この順序では熱を捨てる場所と奪う場所が逆になります。(2)は凝縮器と蒸発器の働きが逆で、凝縮器は冷媒が熱を放出して液化する場所です。(4)は膨張弁の働きが逆で、絞り膨張によって圧力が下がり、その結果として温度も下がります(このとき比エンタルピはほぼ変わりません)。(5)は蒸発器出口の状態が違い、そこを出た冷媒は熱を吸って蒸発した低温低圧の蒸気です。高温高圧の液になるのは凝縮器の出口です。
問2 正解:(4)圧縮機で冷媒蒸気が圧縮され、高温高圧になる過程である
ア→イは、低圧から高圧へ向かって右上に立ち上がる線です。これは圧縮機が冷媒蒸気に仕事を加えて圧力と比エンタルピを同時に高めている過程で、圧縮機の出口では高温高圧の過熱蒸気になっています。p-h線図では、横軸が比エンタルピ(1 kg当たりの保有熱量)、縦軸が圧力なので、「右へ動けば熱が入り、上へ動けば圧力が上がる」と読みます。(1)の凝縮はイ→ウで、高圧のまま左へ進む水平線として現れます。(2)の膨張はウ→エで、比エンタルピがほぼ変わらないまま圧力だけが下がる垂直線です。(3)の蒸発はエ→アで、低圧のまま右へ進む水平線です。(5)の過冷却は凝縮器の出口側で飽和液よりさらに温度を下げた状態を指し、ウの手前の短い区間にあたります。冷凍能力はエ→アの比エンタルピ差、圧縮仕事はア→イの比エンタルピ差で読み取れます。
問3 正解:(3)3.6
冷凍装置の成績係数は、COP=冷凍能力÷圧縮機の軸動力で求めます。18 kW ÷ 5 kW=3.6 なので(3)が正解です。COPは「投入した動力の何倍の熱を汲み上げられたか」を表す値で、大きいほど効率がよいことになります。(4)の4.6は、凝縮器が放出する熱量(18+5=23 kW)を分子にして 23÷5 と計算したときに出る値です。これは同じ装置を暖房に使う場合の成績係数にあたり、冷凍のCOPより必ず1だけ大きくなります。(1)(2)(5)は、分母と分子を取り違えたり、冷凍能力と動力を足し引きしたりしたときに出る値です。COPには単位がなく、冷凍能力と動力を同じ単位(ここではkW)にそろえてから割る点にも注意してください。
問4 正解:(5)固体壁を隔てた流体どうしの間の伝わりやすさは、熱通過率で表す
固体の壁で仕切られた高温流体と低温流体の間では、「流体から壁への熱伝達 → 壁の中の熱伝導 → 壁から流体への熱伝達」が直列に起こります。これらをまとめて1つの係数で表したものが熱通過率で、凝縮器や蒸発器の性能を考えるときの基本になります。(1)は熱伝導と対流の説明が入れ替わっています。物質が動かずに伝わるのが熱伝導、流体そのものが動いて熱を運ぶのが対流です。(2)は誤りで、放射は電磁波による伝熱なので、真空中でも起こります。太陽の熱が地球に届くのがその例です。(3)は逆で、熱伝導率が小さい材料ほど熱を通しにくく、断熱材に向きます。(4)も誤りで、熱が自然に移動するのは高温側から低温側へ向かう方向だけです。冷凍装置は圧縮機で仕事を加えることで、その自然な流れに逆らって熱を汲み上げています。
問5 正解:(2)アンモニアは銅及び銅合金を腐食するため、配管には鋼管を用いる
アンモニアは銅や銅合金を侵すため、配管や部品には鋼(鋼管・鋼製部品)を使います。フルオロカーボンでは銅管が使えるので、冷媒によって使える材料が変わるという点が実務でも試験でも重要です。(1)は誤りで、アンモニアは毒性があり、可燃性でもあります(安全性の区分ではB2Lなど)。漏えいすれば刺激臭で気づきやすい反面、人体への影響は小さくありません。(3)も誤りで、オゾン層を破壊するのは塩素を含むCFCやHCFCで、塩素を含まないHFCはオゾン層を破壊しません。ただしHFCは地球温暖化係数が大きいため、別の規制の対象になっています。(4)は逆で、アンモニアは蒸発潜熱が大きく、同じ質量ならフルオロカーボンより大きな冷凍能力を得られます。(5)も誤りで、フルオロカーボンは水分をほとんど溶かさないため、混入した水分が膨張弁で凍って流路をふさいだり、冷媒や冷凍機油を分解させたりします。
問6 正解:(3)ブラインが空気に触れると酸素が溶け込み、金属を腐食させやすくなる
ブラインは空気に触れると酸素を吸収し、装置の金属を腐食させやすくなります。そのため、できるだけ空気に触れない密閉形の循環系にし、pHを管理して腐食抑制剤を使います。(1)は誤りで、ブラインは相変化せずに温度が上下することで熱を運ぶ二次冷媒です。潜熱で熱を運ぶのは蒸発器の中の冷媒のほうです。(2)は途中までしか正しくありません。塩化カルシウム水溶液は濃度を上げると凍結温度が下がりますが、共晶点(およそ質量比30 %、-55 ℃前後)を超えて濃くすると、逆に凍結温度は上がります。(4)は誤りで、使用温度より低い凍結温度になるように濃度を決めなければ、ブラインが凍って循環が止まります。(5)も誤りで、エチレングリコールやプロピレングリコールの水溶液は有機ブラインです。無機ブラインは塩化カルシウムや塩化ナトリウムの水溶液を指します。
問7 正解:(1)往復圧縮機は、シリンダ内のピストンの往復運動で冷媒蒸気を吸い込み、圧縮して吐き出す
往復(レシプロ)圧縮機は、シリンダとピストン、吸込み弁・吐出し弁を組み合わせた最も基本的な形式で、ピストンの往復で吸込みと圧縮を繰り返します。(2)はスクリュー圧縮機とスクロール圧縮機の説明が入れ替わっています。渦巻状の部品を組み合わせるのがスクロール、かみ合う雄ロータと雌ロータで圧縮するのがスクリューです。(3)は逆で、圧縮比が大きくなるほどシリンダのすきま容積に残ったガスが再膨張する割合が増えるため、体積効率は下がります。(4)も誤りで、密閉圧縮機は電動機と圧縮機を1つの容器に密閉したもので、冷媒漏れが少ない代わりに内部の点検や修理ができません。電動機が容器の外にあるのは開放圧縮機です。(5)は容量が逆で、遠心圧縮機は羽根車で冷媒蒸気に速度を与える形式で、大容量の装置に向きます。
問8 正解:(2)水冷シェルアンドチューブ凝縮器では、円筒の中に通した多数の管の内側に冷却水を流す
水冷シェルアンドチューブ凝縮器は、円筒形のシェルの中に多数のチューブを通した構造です。チューブの内側を冷却水が流れ、シェル側にある高温高圧の冷媒蒸気が冷やされて液になります。冷却水側が管内なので、水あかが付いたときは管の内面を清掃します。(1)は逆で、空冷は空気で冷やすため凝縮温度が高くなりがちです。水冷のほうが低い凝縮温度を保ちやすくなります。(3)は蒸発式凝縮器の原理が逆で、この形式は管の外に水を散布し、その水が蒸発するときの潜熱で冷媒を冷やします。水の消費量はむしろ少なくて済みます。(4)も逆で、凝縮温度が高くなると圧縮機の仕事が増えるため、成績係数は悪くなります。(5)も誤りで、不凝縮ガスがたまると分圧の分だけ凝縮圧力が上がり、圧縮機の動力が増えて冷凍能力が落ちます。
問9 正解:(4)満液式蒸発器では、蒸発器の中に液冷媒がたまった状態で運転する
満液式蒸発器は、器内に液冷媒をためた状態で運転し、その中に浸した管の内側を水やブラインが流れます。液に接する面積が広いので熱の伝わりがよく、大きな冷凍能力を得やすい形式です。(1)は乾式と満液式が入れ替わっています。乾式蒸発器は管の中を冷媒が流れながら蒸発していく形式で、出口では過熱蒸気になります。(2)は誤りで、霜は熱を通しにくいうえ空気の通り道もふさぐため、厚くなるほど熱交換を妨げます。だからこそ除霜(デフロスト)が必要になります。(3)も誤りで、着霜は空気中の水分が凍って付くものですから、蒸発温度が0 ℃以下のときに起こります。(5)も誤りで、冷凍サイクルは低温側で熱を奪って高温側へ捨てる仕組みなので、蒸発温度は必ず凝縮温度より低くなります。
問10 正解:(1)受液器は、凝縮器と膨張弁の間に置き、液冷媒を一時的にためる容器である
受液器は凝縮器の後ろに置き、凝縮した液冷媒をためておく容器です。負荷が変わって必要な冷媒量が増減しても、その差を受液器が吸収するため、膨張弁へ安定して液を送れます。(2)は取付け位置が違い、油分離器は圧縮機の吐出し管に取り付けて、吐出しガスに混じった冷凍機油を分けます。(3)も位置が逆で、液分離器は圧縮機の吸込み側に置き、蒸発しきれなかった液冷媒が圧縮機へ戻る(液戻り)のを防ぎます。(4)はフィルタドライヤの役割が違い、これは冷媒中の水分やごみを取り除く機器です。(5)も誤りで、分離した冷凍機油は圧縮機へ戻します。油が戻らないと圧縮機の潤滑が不足し、一方で装置内に油がたまると熱交換の妨げにもなります。
問11 正解:(5)温度自動膨張弁は、蒸発器出口の過熱度を検知して冷媒の流量を調節する
温度自動膨張弁は、蒸発器の出口に付けた感温筒で冷媒蒸気の温度を感じ取り、蒸発圧力に対応する飽和温度との差(過熱度)が一定になるように弁の開度を調節します。過熱度が大きければ弁を開いて冷媒を増やし、小さければ絞ることで、液戻りを防ぎながら蒸発器を有効に使えます。(1)は取付け位置が違い、感温筒は蒸発器の出口の吸込み管に密着させます。(2)は容量が逆で、キャピラリチューブは細い管の抵抗で流量を決める簡単な絞り装置なので、家庭用冷蔵庫やルームエアコンのような小容量向けです。(3)は働きが違い、高圧圧力スイッチは吐出し圧力が異常に上がったときに圧縮機を止めて、装置を過圧から守ります。(4)も誤りで、電磁弁はコイルに電気を流して開閉する自動弁で、手で操作するものではありません。
問12 正解:(1)フラッシュガスは、液配管の中で液冷媒の一部が蒸発して生じたガスである
液配管の中で圧力が下がったり、外から熱を受けて液温が上がったりすると、膨張弁の手前で液冷媒の一部が蒸発します。これがフラッシュガスです。(2)は誤りで、フラッシュガスが混じると膨張弁を通る冷媒の量が減り、冷凍能力の低下や騒音、蒸発器への冷媒分配の乱れにつながります。防ぐには、液を十分に過冷却する、液配管の圧力降下を小さくする、断熱するといった対策をとります。(3)は材料の選び方が誤りで、アンモニアは銅や銅合金を腐食させるため、鋼管を使います。(4)も誤りで、吸込み管にたまった液が一度に圧縮機へ流れ込むと、液圧縮によってシリンダや弁を壊すおそれがあります。だから吸込み管には適切な勾配やトラップを設けます。(5)も誤りで、圧力降下が大きいほど圧縮機の吸込み圧力が下がり、冷凍能力は落ちて動力は増えます。
問13 正解:(2)安全弁は、圧力が設定値を超えたときに自動的に開いてガスを逃がす装置である
安全弁は、容器や配管の圧力が設定値を超えたときにばねの力に打ち勝って開き、ガスを逃がして圧力を下げる装置です。圧力が下がれば再び閉じるので、繰り返し働きます。(1)は溶栓の原理が違い、溶栓は一定の温度で溶ける金属を使った装置で、感知するのは圧力ではなく温度です。可燃性ガスや毒性ガスの設備には使えません。(3)は誤りで、破裂板(ラプチャディスク)は薄い板が破れてガスを逃がす構造なので、作動したら交換が必要です。(4)は高圧遮断装置の要件と逆で、圧力が許容圧力以下に下がるまで自動的には復帰しない構造にしなければなりません。下がらないまま復帰すると、また危険な状態で運転が始まってしまいます。(5)も誤りで、安全弁の元弁は、修理や検査のとき以外は常に全開にして施錠などをしておきます。閉じたままでは安全弁が働きません。
問14 正解:(4)不凝縮ガスが装置内に混入すると、凝縮圧力が上がって冷凍能力が低下する
空気などの不凝縮ガスが装置に入り込むと、凝縮器の中で液にならずに残り、その分圧だけ凝縮圧力が高くなります。圧縮機の圧縮比が大きくなるので、動力は増え、冷凍能力は落ちます。運転中に凝縮圧力だけが不自然に高いときは、不凝縮ガスの混入を疑います。(1)は誤りで、冷媒を入れすぎると凝縮器に液がたまって有効な伝熱面が減り、凝縮圧力の上昇や液戻りを招きます。適正量があります。(2)は逆で、過熱度が大きいほど吸込み蒸気の温度が高く、吐出しガスの温度も高くなります。高くなりすぎると冷凍機油が劣化します。(3)も誤りで、液が圧縮機に戻ると液圧縮によってシリンダや弁を壊すおそれがあります。(5)も誤りで、冷却水の温度が上がれば凝縮温度も上がり、凝縮圧力は高くなります。
問15 正解:(5)フルオロカーボン装置に混入した水分は、フィルタドライヤで吸着して取り除く
フルオロカーボン装置では、冷媒回路にフィルタドライヤを入れ、乾燥剤で水分を吸着させて取り除きます。(1)は誤りで、フルオロカーボン冷媒に溶ける水分はごくわずかです。溶けきれない水分が装置内に残ると、さまざまな不具合の原因になります。(2)も誤りで、水分は膨張弁の絞り部分(温度が最も低くなる場所)で凍りつき、冷媒の流れをふさぐことがあります。これを氷結(アイスプラグ)といい、冷凍能力が急に落ちる原因になります。(3)も誤りで、密閉された回路の中の水分が自然に抜けることはありません。(4)は目的が逆で、真空乾燥は装置内を真空に引いて水分を蒸発させ、外へ排出する作業です。修理や冷媒充填の前に行い、水分を持ち込まないようにします。
第2科目:法令
問16 正解:(2)常用の温度において圧力が1 MPa以上となる圧縮ガスであって、現にその圧力が1 MPa以上であるものは高圧ガスである
圧縮ガスは、常用の温度で1 MPa以上になるもので現にその圧力が1 MPa以上であるもの、または温度35 ℃において1 MPa以上となるものが高圧ガスです(法第2条)。「常用の温度」と「現にその圧力」の両方を見る点が問われます。(1)は目的が逆で、この法律は高圧ガスによる災害を防止して公共の安全を確保することを目的としており、そのために製造・貯蔵・販売・移動などを規制しています。(3)は誤りで、液化ガスの基準は圧縮ガスと別に定められており、常用の温度において圧力が0.2 MPa以上となる液化ガスであって現にその圧力が0.2 MPa以上であるもの、または圧力が0.2 MPaとなる場合の温度が35 ℃以下であるものが高圧ガスです。(4)も誤りで、法の目的には民間事業者の自主的な活動を促進することが明記されており、高圧ガス保安協会による検査の仕組みもその表れです。(5)も誤りで、冷凍設備の冷媒ガスは高圧ガスの代表的な例であり、冷凍保安規則という専用の規則が設けられています。
問17 正解:(1)第一種製造者は、事業所ごとに都道府県知事等の許可を受けなければならない
冷凍のため高圧ガスを製造しようとする者のうち、政令で定める規模以上のものは第一種製造者にあたり、事業所ごとに都道府県知事等の許可を受けます(法第5条第1項)。(2)は誤りで、第二種製造者は許可ではなく、製造開始の日の20日前までの届出です(法第5条第2項)。(3)も誤りで、区分の境目は冷媒ガスの種類によって変わります。第一種製造者は1日の冷凍能力50トン以上(不活性のフルオロカーボンや二酸化炭素も、アンモニアや不活性でないフルオロカーボンも50トン以上。その他のガスは20トン以上)、第二種製造者はそれ未満で、不活性のフルオロカーボン・二酸化炭素は20トン以上、アンモニア・不活性でないフルオロカーボンは5トン以上、その他のガスは3トン以上が目安です。(4)は誤りで、規模に応じて許可・届出・適用除外が分かれます。(5)も誤りで、製造施設の位置・構造・設備を変更しようとするときは、改めて許可(軽微な変更工事は届出)が必要です。
問18 正解:(3)1日の冷凍能力は、冷凍トン(法定冷凍トン)で表す
製造者の区分や冷凍保安責任者の要否は「1日の冷凍能力」で決まり、これを冷凍トン(法定冷凍トン)という単位で表します。(1)は誤りで、往復式などの容積式では、1時間当たりのピストン押しのけ量Vを冷媒ガスごとに定められた定数Cで割って求めます(R=V÷C)。回転数は押しのけ量を決める要素の一つにすぎません。(2)は誤りで、遠心式圧縮機を使用する設備は、原動機の定格出力1.2 kWをもって1日の冷凍能力1トンとします。(4)も誤りで、上の式のCが冷媒ガスの種類ごとに定められているとおり、同じ押しのけ量でも冷媒が違えば冷凍能力は変わります。(5)は算定方法が違い、吸収式冷凍設備は発生器を加熱する1時間の入熱量27,800 kJをもって1日の冷凍能力1トンとします。設備の形式ごとに算定方法が決められている、という点が要点です。
問19 正解:(2)冷凍保安責任者には、製造保安責任者免状の交付を受け、かつ高圧ガスの製造に関する一定の経験を持つ者を選任しなければならない
冷凍保安責任者は、製造保安責任者免状の交付を受けていることと、高圧ガスの製造に関する一定の経験があることの両方を満たす者から選任します(法第27条の4)。免状だけでも経験だけでも足りない、という点が問われます。(1)は誤りで、一定規模以上の第二種製造者にも選任義務があります。ただし、製造施設が認定指定設備である場合など、政令で定める者は除かれます。(3)は免状ごとの範囲を無視しており誤りです。第三種冷凍機械責任者免状で担当できるのは1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設で、第二種は300トン未満、第一種はすべての製造施設を担当できます。第三種免状で必要な経験は、1日の冷凍能力20トン以上の製造施設での1年以上の製造経験です。(4)は誤りで、冷凍保安責任者が旅行や疾病などで職務を行えないときに備え、あらかじめ代理者を選任しておかなければなりません。(5)も誤りで、選任したときも解任したときも、遅滞なく都道府県知事等に届け出ます。代理者についても同じです。
問20 正解:(4)危害予防規程は、第一種製造者が定めて都道府県知事等に届け出る
危害予防規程は、第一種製造者が製造施設の保安について自ら定める規程で、定めたときは都道府県知事等に届け出ます(法第26条)。記載する事項には、保安管理の体制、設備の運転・保守の基準、保安教育、災害発生時の措置、定期自主検査、記録の作成と保存などが含まれます。(1)は誤りで、第一種製造者にとっては法律上の義務です。(2)も誤りで、第一種製造者とその従業者は、危害予防規程を守らなければならないと定められており、周知は前提になります。(3)も誤りで、変更したときも届出が必要です。(5)は別の制度で、危害予防規程は保安のルールそのもの、保安教育計画は従業者にどう教育するかの計画です。危害予防規程が届出を要するのに対し、保安教育計画に届出の定めはありません。
問21 正解:(5)第一種製造者は、その従業者に対する保安教育計画を定めなければならない
第一種製造者は、従業者に対する保安教育計画を定め、これを忠実に実行しなければなりません(法第27条)。(1)は誤りで、保安教育計画に認可の制度はありません。都道府県知事等は、計画が適当でないと認めるときに変更を勧告できるにとどまります。(2)は誤りで、法令に「10年に1回」といった周期の定めはなく、計画に基づいて継続的に行うものです。(3)も誤りで、第二種製造者などにも、その従業者に保安教育を施す義務があります。計画の作成が義務づけられているのが第一種製造者、という違いです。(4)も誤りで、対象は冷凍保安責任者に限らず、高圧ガスの製造に従事する従業者です。保安は資格者一人で守るものではなく、現場全体で守るものだ、という考え方が背景にあります。
問22 正解:(1)定期自主検査は、1年に1回以上行わなければならない
定期自主検査は、製造施設の位置・構造・設備が技術上の基準に適合しているかを、事業者自身が1年に1回以上調べるものです(冷凍保安規則第44条)。(2)は実施者が違い、都道府県知事等や高圧ガス保安協会などが行うのは保安検査です。自主検査は「自主」の名のとおり事業者が行います。(3)は誤りで、検査の結果は記録を作成して保存しなければなりません。(4)も誤りで、冷凍保安責任者を選任している事業所では、その冷凍保安責任者に検査を監督させます。保安の責任者が現場を見るからこそ、検査に意味があります。(5)も誤りで、保安検査と定期自主検査は別の制度なので、保安検査を受けた年も定期自主検査は必要です。目的も実施者も頻度も違う2つの検査を、混同しないようにしてください。
問23 正解:(3)保安検査は、特定施設について3年以内に少なくとも1回受けなければならない
保安検査は、第一種製造者が特定施設について、3年以内に少なくとも1回受ける検査です(法第35条、冷凍保安規則第40条)。(1)は実施者が違い、自ら行うのは定期自主検査です。保安検査は都道府県知事等が行うほか、高圧ガス保安協会または指定保安検査機関が行う検査を受ける方法もあります。(2)は対象が広すぎます。保安検査の対象は特定施設で、認定指定設備など一部の施設は除かれます。(4)は誤りで、協会などの検査を受けたときは、その旨を都道府県知事等に届け出なければなりません。(5)も誤りで、完成検査は設置や変更の工事が終わったときに、使用を始める前に受ける検査です。保安検査は使い続けている施設を定期的に確かめるもので、受ける場面が違います。
問24 正解:(2)完成検査は、製造施設の設置又は変更の工事が完成したときに受ける検査である
完成検査は、許可を受けて行った製造施設の設置工事や変更工事が完成したときに受ける検査で、技術上の基準に適合していることを確かめます(法第20条)。(1)と(3)はどちらも順序が誤りで、完成検査を受けて合格するまでは、その施設で製造をしてはなりません。使ってから検査するのでは、危険な施設を稼働させてしまいます。(4)は誤りで、軽微な変更の工事は許可も完成検査も不要で、工事完成後に遅滞なく届け出れば足ります。何が軽微に当たるかは冷凍保安規則に列挙されています。(5)も誤りで、高圧ガス保安協会や指定完成検査機関の検査を受けたときは、その旨を都道府県知事等に届け出ます。検査を代行できても、行政に情報が届く仕組みは残されています。
問25 正解:(4)圧縮機の常用の吐出し圧力は、その設備の許容圧力以下に保たなければならない
常用の吐出し圧力が許容圧力を超えるということは、設備が耐えられる圧力を日常的に超えるということなので、認められません(冷凍保安規則第7条)。(1)は順序が逆で、まず耐圧試験で強さを確かめ、それに合格してから気密試験で漏れがないかを確かめます。(2)は圧力が足りず、耐圧試験は液体で行う場合は許容圧力の1.5倍以上、気体で行う場合は1.25倍以上の圧力で実施します。許容圧力と同じ圧力では、余裕があるかどうかを確かめられません。(3)は危険な誤りで、安全弁の元弁は修理や検査のとき以外は常に全開にしておきます。閉じたままでは安全弁が働かず、過圧を逃がせません。(5)も誤りで、高圧遮断装置は圧力が許容圧力を超える前に作動して圧縮機を止める必要があります。超えてから止めたのでは手遅れです。
問26 正解:(5)可燃性ガス又は毒性ガスの製造設備を設置する室は、ガスが滞留しない構造としなければならない
可燃性ガスや毒性ガスが室内にたまると、引火や中毒につながります。そのため、これらのガスを冷媒とする製造設備を設置する室は、ガスが滞留しない構造にしなければなりません(冷凍保安規則第7条)。(1)は誤りで、製造施設には外部から見やすいように警戒標を掲げます。関係者以外を近づけないための基本の措置です。(2)も誤りで、可燃性ガスを扱う場所の電気設備は、その場所に応じた防爆性能を持つ構造としなければなりません。(3)も誤りで、アンモニアは毒性ガスなので、漏えいしたときに備えて除害の措置を講じます。(4)も誤りで、冷媒設備には圧力計を設け、運転状態を見られるようにします。圧力が分からなければ、異常が起きても気づけません。
問27 正解:(1)容積300 m³以上の高圧ガスを貯蔵するときは、貯蔵所について許可又は届出が必要になる
高圧ガスの貯蔵は量に応じて規制され、容積1,000 m³以上を貯蔵するときは第一種貯蔵所として都道府県知事等の許可を、300 m³以上1,000 m³未満のときは第二種貯蔵所として届出を要します(法第16条・第17条の2)。(2)は誤りで、充填容器と残ガス容器はそれぞれ区分して置きます。中身の状態が違うものを混ぜると、取り違えのもとになります。(3)も誤りで、容器の温度が上がると内部の圧力も上がるため、直射日光を避け、常に40 ℃以下に保ちます。(4)も誤りで、容器置場の周囲には火気を持ち込まず、引火性・発火性の物も置かないのが原則です。(5)も誤りで、貯蔵する量が届出を要する規模に達しなくても、貯蔵の方法についての技術上の基準は守らなければなりません。
問28 正解:(3)車両で高圧ガスを移動するときは、車両の見やすい箇所に警戒標を掲げる
高圧ガスを積んだ車両には、外から見て分かるように警戒標を掲げます。事故が起きたときに、周囲の人や消防が中身を判断できるようにするためです。(1)は誤りで、可燃性ガスや酸素を移動するときは、消火設備や応急措置に必要な資材・工具を携行します。(2)も誤りで、移動中も充填容器等の温度は常に40 ℃以下に保ちます。(4)も誤りで、可燃性ガスや毒性ガスを一定量以上運ぶときは、資格を持つ移動監視者を同乗させるか、それに代わる措置をとらなければなりません。(5)も誤りで、駐車するときは特に配慮が要り、第一種・第二種保安物件の近くを避け、容器の状態を監視できるようにします。移動中の事故は周囲に被害が及びやすいため、平常時より厳しい注意が求められます。
問29 正解:(2)可燃性ガスを廃棄するときは、通風のよい場所で少量ずつ放出する
可燃性ガスを廃棄するときは、火気を扱う場所や引火性・発火性の物をためた場所から離れた、通風のよい場所で少量ずつ放出します(一般高圧ガス保安規則第62条)。一度に大量に放出すると、周囲に可燃性の雰囲気ができて引火のおそれがあります。(1)は誤りで、ガスを充填したままの容器を廃棄すると、その後の取扱いで破裂や漏えいを招きます。(3)も誤りで、毒性ガスは吸入しないよう、除害の措置をとってから廃棄します。(4)も誤りで、廃棄した後は容器のバルブを閉じ、容器の転倒や損傷を防ぎます。開いたままでは、残ったガスが漏れ続けたり、外気や異物が入り込んだりします。(5)も誤りで、火気を使用する場所の近くは、可燃性ガスの廃棄場所として最も避けるべき場所です。
問30 正解:(4)液化アンモニアを充填する容器の塗色は、白色である
容器保安規則では、ガスの種類ごとに容器の塗色が定められています。酸素は黒色、水素は赤色、液化炭酸ガスは緑色、液化アンモニアは白色、液化塩素は黄色、アセチレンは褐色、そしてこれら以外のガスはねずみ色です。フルオロカーボン冷媒はねずみ色にあたります。したがって正しいのは(4)だけで、(1)の酸素は黒色、(2)の液化炭酸ガスは緑色、(3)の水素は赤色、(5)の液化塩素は黄色です。塗色を決めているのは、遠くからでもガスの種類が分かるようにして、誤充填や誤使用を防ぐためです。あわせて、容器の外面には充填するガスの名称と、可燃性ガスなら「燃」、毒性ガスなら「毒」の性質を示す文字を明示することも定められています。
問31 正解:(5)容器検査に合格した容器には、所定の刻印又は標章の掲示がされる
容器検査に合格した容器には、経済産業大臣等が定めるところにより刻印がされるか、または標章が掲示されます(法第45条)。これが「検査に通った容器である」ことの証しになります。(1)は誤りで、刻印等のない容器に高圧ガスを充填してはなりません。素性の分からない容器を使えば、破裂の危険を確かめる手段がなくなります。(2)も誤りで、刻印には検査実施者の記号、容器製造業者の名称または符号、充填すべきガスの種類、容器の記号及び番号、内容積、容器の質量、耐圧試験圧力、最高充填圧力などが含まれます。(3)も誤りで、容器検査は経済産業大臣、協会または指定容器検査機関が行います。(4)も誤りで、外面にはガスの名称に加え、可燃性ガスは「燃」、毒性ガスは「毒」の文字で性質を示します。
問32 正解:(1)容器の再検査の期間は、容器の種類や製造からの経過年数によって異なる
再検査の期間は容器保安規則で定められており、溶接容器等は製造後20年未満のものが5年、20年以上のものが2年、継目なし容器は5年というように、容器の種類と経過年数で変わります。したがって(1)が正しく、(2)の「一律10年」も、(4)の「経過年数にかかわらず同じ」も誤りです。古い容器ほど短い間隔で確かめる、という考え方が背景にあります。(3)は危険な誤りで、再検査に合格しなかった容器は、くず化するなどして容器として使用できないように処分しなければなりません。圧力を下げれば使えるというものではありません。(5)も誤りで、再検査に合格した容器には、再検査を行った年月などが刻印されます。刻印を見れば、次にいつ再検査を受けるべきかが分かります。
問33 正解:(3)指定設備の認定を受けた設備には、その旨を明示した銘板が付けられる
指定設備の認定を受けた設備には、認定を受けた者が「認定指定設備」であることを明示した銘板を付けます。これによって、その設備が所定の要件を満たしていることが外から分かります。(1)は誤りで、使用できる者を製造者の区分で限る定めはありません。(2)も誤りで、認定を受けても日常の点検や運転管理は必要です。認定は設備の作りが基準に適合していることを確かめたものであって、使い方まで免除するものではありません。(4)も誤りで、冷媒ガスの種類を変えるような変更を加えれば、認定指定設備としての要件を満たさなくなります。(5)も誤りで、指定設備になれるのは、あらかじめ一つの架台上に組み立てられていること、使用場所へ分割されずに搬入されるものであることなど、冷凍保安規則が定める要件を満たす設備に限られます。
問34 正解:(4)第一種製造者は帳簿を備え、製造施設に異常があった年月日とその措置を記載しなければならない
第一種製造者は事業所ごとに帳簿を備え、製造施設に異常があった年月日と、それに対してとった措置を記載しなければなりません(法第60条、冷凍保安規則第65条)。異常の記録は、同じ原因による事故を繰り返さないための基礎資料になります。(1)は誤りで、記載すべきは上記の異常と措置の内容です。(2)は保存期間が短すぎ、記載の日から10年間保存しなければなりません。(3)は義務者が逆で、帳簿の備付けが定められているのは第一種製造者です。(5)も誤りで、法律上の義務であって任意ではありません。なお、異常がなかった日について記載を求めるものではなく、異常があったときに確実に残すことが求められている点も押さえておくとよいでしょう。
問35 正解:(5)高圧ガスについて災害が発生したときは、遅滞なく都道府県知事等又は警察官に届け出なければならない
所有し、または占有する高圧ガスについて災害が発生したときは、遅滞なく、都道府県知事等または警察官に届け出なければなりません(法第63条)。(1)は誤りで、「遅滞なく」とは事情の許すかぎり速やかにという意味で、30日といった猶予はありません。事故の届出は、二次災害を防ぎ、同種の事故を防ぐための情報になるからです。(2)も誤りで、災害の発生だけでなく、高圧ガスまたはその容器を喪失し、または盗まれたときも同じく届出の対象です。悪用されるおそれがあるためです。(3)も誤りで、被害の大小で届出の要否が変わる定めはありません。(4)は届出先が違い、都道府県知事等または警察官です。夜間や休日など、行政の窓口に連絡できない場面を想定して、警察官への届出も認められています。
採点後の復習方法
誤答は知識不足だけが原因ではありません。「正しいもの/誤っているもの」の読み違い、数値や単位の取り違え、手続の主体(誰が・どこへ・いつまでに)の混同、時間切れの4つに分けて数えてみてください。冷凍は法令が20問と多く、届出・許可・検査の主体と期限を取り違えると一気に失点します。科目別の得点と原因の両方を残すと、次に読み直す記事がはっきりします。
冷凍の原理と蒸気圧縮冷凍サイクル | p-h線図の読み方と冷凍能力・成績係数(COP)の計算 | 附属機器の役割|受液器・油分離器・液分離器・ドライヤ | 製造の許可・届出|第一種・第二種製造者の区分 | 定期自主検査・保安検査・完成検査の違い
正答の確認に使った公式情報
問題・正答・法令の最終照合日:2026年9月5日