ミニテスト 建築物環境衛生管理技術者

湿り空気ミニテスト第1回|露点18.9℃・除湿2.2kg/hの5問

結露は、相対湿度の数字だけでなく、水蒸気分圧→湿度比→露点→表面温度の順に比べると判断できます。空気を加熱して相対湿度が下がっても、水蒸気を排出・凝縮しなければ湿度比は減りません。

この第1回は、26℃・65%の状態点、18.0℃面の結露判断、13℃まで冷却した除湿量、2流の混合、10℃・80%を22℃へ加熱した後のRHを扱う独自5択5問です。

資料確認日:2026年8月8日。気象庁の湿度用語、国土交通省の防露・断熱資料、NISTの湿り空気物性計算法を照合しました。計算は大気圧101.325kPaの近似値です。線図の読み方と計算式は「湿り空気線図の読み方」で解説し、このページは新しい数値の演習に特化しています。

解く前の3分整理|相対湿度と水蒸気量を分ける

主な単位 この問題での役割
相対湿度RH 同じ温度の飽和に対する割合
水蒸気分圧pv kPa pws×RH
湿度比x g/kg(DA) 乾き空気1kg当たりの水蒸気
露点 同じpvで飽和する温度

湿り空気では「絶対湿度」を湿度比kg/kg(DA)の意味で使うことがあります。気象や計測で用いる単位体積当たりのg/m3とは別なので、数値と単位を一組で見ます。

第1問|26℃・65%の水蒸気分圧と露点

26℃の飽和水蒸気圧を3.36kPaとする。相対湿度65%の空気の水蒸気分圧と露点の組合せに最も近いもはどれか。

  1. pv=0.65kPa、露点約1.5℃
  2. pv=1.18kPa、露点約9.5℃
  3. pv=2.18kPa、露点約18.9℃
  4. pv=3.36kPa、露点26℃
  5. pv=5.17kPa、露点約33℃
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正解:3(2.18kPa、約18.9℃)

pv=3.36×0.65=2.184kPaです。水蒸気分圧が約2.18kPaのまま冷却すると、約18.9℃で飽和します。これが露点です。近似式や線図の読み取りで小さな差が出るため、計算過程と使った物性値を残します。

1は65%を0.65kPaとする誤り、4は65%を100%とする誤り、5は割り算の向きが逆です。この状態の湿度比は約13.7g/kg(DA)となります。

第2問|熱橋の表面が18.0℃だった

室内空気は第1問と26℃・65%、金属柱周辺の室内表面温度は18.0℃だった。判断と対応として最も適切なものはどれか。

  1. 18.0℃は室温26℃より低いだけで、結露とは無関係である。
  2. 表面温度が露点18.9℃を下回るため結露リスクがある。湿気源・換気と熱橋・断熱を両面から調べる。
  3. 相対湿度は100%ではないので、表面結露は絶対に起こらない。
  4. 暖房を止めて表面温度をさらに下げる。
  5. 加湿して露点を上げ、表面温度に近づける。
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正解:2

表面温度18.0℃は露点約18.9℃を下回ります。その面に接する空気が冷やされると飽和し、水蒸気が凝縮する可能性があります。対策は、換気・除湿・発生源管理で露点を下げるか、断熱・熱橋改修・気流で表面温度を上げるかの両側から考えます。

1は比較対象を室温だけにし、3は室内代表点のRHと表面近傍の状態を混同しています。4・5はどちらも「表面温度-露点」の余裕を小さくする方向です。

第3問|13℃まで冷却したときの除湿量

26℃・65%の入口空気の湿度比を13.7g/kg(DA)、13℃飽和空気の湿度比を9.3g/kg(DA)とする。理想的に13℃飽和まで冷却し、乾き空気流量が500kg(DA)/hのとき、凝縮水量に最も近いもはどれか。

  1. 0.22kg/h
  2. 1.10kg/h
  3. 2.20kg/h
  4. 4.40kg/h
  5. 11.5kg/h
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正解:3(約2.20kg/h)

湿度比差は13.7-9.3=4.4g/kg(DA)=0.0044kg/kg(DA)です。凝縮水量は500×0.0044=2.20kg/hです。「g/kg」のまま500を掛けた2,200をkg/hと読まないよう、0.0044kg/kgへそろえます。

1はgからkgへの桁、2は湿度比差の扱い、4は流量を1,000kg/hとした値です。実際の冷却コイル出口は飽和線上とは限りません。コイル表面温度、バイパスファクタ、風量、汚れを含む実測値で確認します。

第4問|湿度比8g/kgと16g/kgの空気を混ぜる

湿度比8g/kg(DA)の空気300kg(DA)/hと、16g/kg(DA)の空気100kg(DA)/hを定常混合する。凝縮や外部への水分移動はないものとし、混合後の湿度比はどれか。

  1. 8g/kg(DA)
  2. 10g/kg(DA)
  3. 12g/kg(DA)
  4. 14g/kg(DA)
  5. 24g/kg(DA)
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正解:2(10g/kg(DA))

水蒸気の質量収支から、x=(300×8+100×16)÷(300+100)=4,000÷400=10g/kg(DA)です。2流の流量が3:1なので、単純平均の12g/kgではなく、8g/kg側に近い値になります。

3は流量を無視した平均、4は重みの方向を反対にした値、5は湿度比を足しただけです。相対湿度は温度に依存するため、RHをそのまま質量平均せず、湿度比とエンタルピーの収支から混合状態を求めます。

第5問|10℃・80%を22℃へ加熱する

10℃の飽和水蒸気圧を1.23kPa、22℃は2.64kPaとする。10℃・80%の空気を、加湿・除湿せず22℃へ顕熱加熱した。加熱後の相対湿度と水蒸気量の説明に最も近いもはどれか。

  1. RH約37%、湿度比はほぼ不変
  2. RH約65%、湿度比は半分
  3. RH80%、湿度比はほぼ不変
  4. RH100%、加熱だけで結露する
  5. RH約215%、湿度比は2.15倍
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正解:1(約37%、湿度比はほぼ不変)

加熱前のpvは1.23×0.80=0.984kPaです。水分の出入りがない理想的な顕熱加熱では、pvと湿度比はほぼ不変です。22℃のRHは0.984÷2.64×100=37.3%です。

2は「RHが下がる=水蒸気が減る」と誤解した選択肢です。3は相対湿度の温度依存を無視し、4・5は加熱の方向と反対です。暖房でRHが下がっても、排気や凝縮なしに室内の水蒸気自体が消えたわけではありません。

採点|状態点を追い、単位をそろえられたか

正解数 判定 復習の焦点
5問 状態変化の判断は安定 実機の測定と比較
4問 1計算を再確認 g→kgかRHのpws
2~3問 水蒸気量とRHが混在 pv・x・露点を分ける
0~1問 親記事から復習 線図で状態点を取る

線図の読み取り値と近似式の値は、丸め方や大気圧でわずかに変わります。試験では与えられた表・線図を優先し、実務では機器の必要精度と測定の不確かさを含めて判断します。

間違えた分野の戻り先

追加演習

乾球・湿球・露点の関係とエンタルピーは「結露の原理と湿り空気線図 ミニテスト第2回」、複層ガラス・防湿層・結露対策は「結露の原理と湿り空気線図 ミニテスト第3回」で確認できます。

公式・一次資料の確認先

まとめ|露点と表面温度を直接比べる

26℃・65%の空気は、飽和水蒸気圧3.36kPaを使うとpv=2.18kPa、露点は約18.9℃です。表面が18.0℃なら露点を下回るため、湿気源と表面温度の両方から対策します。

理想的に13℃飽和まで冷却する例の凝縮水は2.2kg/h、2流混合後の湿度比は10g/kg(DA)です。10℃・80%の空気を22℃へ加熱するとRHは約37%まで下がりますが、湿度比はほぼ変わりません。「RH低下=除湿」と思い込まないことが大切です。

資料確認日/最終更新日:2026年8月8日

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