安全管理は「低毒性らしい薬剤を選ぶこと」ではありません。承認、製品ラベル、SDS、使用量、曝露する人・食品・水域、回収、効果判定を一つの作業票でつなぐことです。
この第1回は、96m²へ使う40倍希釈液7.2L、原液180mL、毒餌の確認喫食24g、LD50の比較条件、8月27日施工の掲示期間と再入室時刻を扱う独自5択5問です。数値は計算練習用の架空ラベルです。実作業では必ず手元の製品表示を使ってください。
制度・資料確認日:2026年8月17日。建築物衛生法施行規則第4条の5、厚生労働省の安全管理通知・維持管理マニュアル、国立医薬品食品衛生研究所の急性毒性資料を照合しました。製品表示やSDSが記事の例と異なる場合は、製品表示、現場のリスク評価、関係法令を優先してください。
解く前の順序|承認とラベルを確認してから計算する
| 順序 | 確認 | 作業票へ残す値 |
|---|---|---|
| 1 | 承認・対象害虫 | 製品名・対象・場所 |
| 2 | 用法・用量 | 倍率・mL/m²・必要量 |
| 3 | 曝露管理 | 養生・保護具・立入 |
| 4 | 回収・評価 | 残量・回収数・再調査 |
建築物衛生法施行規則は、ねずみ等の防除に殺そ剤・殺虫剤を使う場合、承認を受けた医薬品・医薬部外品を用いるよう求めています。ただし薬剤使用が必須という意味ではありません。清掃、除水、餌・侵入口の管理で対応できるかを先に検討します。
第1問|製品名より先に作業条件をそろえる
厨房のゴキブリ防除で薬剤を使う。作業計画として最も適切なのはどれか。
- 同じ有効成分なら、蚊幼虫用製品をゴキブリへ流用する
- LD50が大きい製品なら、ラベル濃度を超えて使う
- 市販品なら承認区分と対象害虫を確認しない
- 承認、対象害虫、用法・用量、場所、食品養生、保護具、換気・立入を確認する
- ベイト剤なら誤食と回収を考えなくてよい
第2問|96m²へ40倍希釈液を作る
架空のラベルに「40倍希釈液を75mL/m²」とある。対象面積96m²に必要な使用液、原液、水の組合せとして正しいものはどれか。
- 使用液7.2L・原液72mL・水7.128L
- 使用液7.2L・原液180mL・水7.02L
- 使用液9.6L・原液240mL・水9.36L
- 使用液7.2L・原液2.88L・水4.32L
- 使用液3.0L・原液75mL・水2.925L
第3問|毒餌の紛失分を喫食へ入れない
施錠型ベイトステーション18個へ毒餌を各6g、計108g配置した。点検時の回収残量は75gで、破損した1台から9gが流失したと記録されている。確認できる喫食量と対応として最も適切なのはどれか。
- 9g。残量75gは計算に使わない
- 24g。流失9gもねずみが食べたとみなす
- 33g。108-75だけで喫食と断定する
- 24g。108-75-9で求め、破損原因と流失先を確認する
- 108g。配置した全量を喫食量とする
第4問|LD50の6.67倍を「安全倍率」にしない
資料Aはラット経口・製剤でLD50が300mg/kg、資料Bはウサギ経皮・有効成分原体で2,000mg/kgだった。読み方として最も適切なのはどれか。
- BはAより必ず6.67倍安全である
- AはBより必ず6.67倍殺虫効果が高い
- 動物・経路・試料が違うため安全倍率にできず、ラベルと曝露条件を別に確認する
- LD50だけで反復曝露、刺激性、環境影響まで比較できる
- 値が大きいBの方が急性致死性は必ず強い
第5問|8月27日施工の掲示と再入室を決める
8月27日18時30分から19時30分まで空間処理を行う。安全管理通知に沿って少なくとも実施3日前から3日後まで掲示し、架空ラベルは「処理終了後4時間は立入禁止」とする。最低掲示期間と最早再入室時刻の組合せはどれか。
- 8月24〜30日・8月27日23時30分
- 8月25〜29日・8月27日22時30分
- 8月24〜27日・8月27日23時30分
- 8月27〜30日・8月28日0時30分
- 8月24〜30日・8月27日19時30分
採点|計算結果を安全行動へつなげられたか
| 正解数 | 判定 | 復習の焦点 |
|---|---|---|
| 5問 | 作業票まで組める | 自館のラベル・SDS |
| 4問 | 1条件を再確認 | 希釈か回収差 |
| 2〜3問 | 成分名で判断しがち | 用法・曝露・記録 |
| 0〜1問 | 親記事から復習 | 承認→ラベルの順 |
作業票|使用量と回収量を別の欄にする
- 製品:承認区分、製品名、ロット、対象害虫、使用期限、ラベル・SDS版
- 計算:面積、mL/m²、倍率、使用液、原液、水、実使用量
- 曝露:利用者、食品、水域、ペット、設備、養生、保護具、立入時間
- 配置:ステーション番号、初期量、回収残、喫食、紛失・流失、補充量
- 完了:換気・清掃、残薬・容器・死鼠回収、再調査結果、異常・連絡
薬量の「計画値」だけでは過不足を検証できません。実使用量、残量、こぼれ、回収量を分けます。毒餌も、減った量をすべて喫食とせず、紛失・流失・清掃除去を区別してください。
間違えた分野の戻り先
- 承認、ラベル、LD50、剤形、抵抗性:殺虫剤・殺鼠剤の分類と安全管理
- ねずみ調査と毒餌配置:ねずみの生態と防除
- 薬剤前後の調査と効果判定:IPMと防除計画・調査法
- 別問題で復習:殺虫剤・殺鼠剤ミニテスト第2回/第3回
公式資料
- e-Gov法令検索「建築物衛生法施行規則」第4条の5
- 厚生労働省「建築物におけるねずみ、こん虫等の防除における安全管理について」
- 厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル 第6章」
- 国立医薬品食品衛生研究所「急性毒性・LD50等の説明」
- 厚生労働省「化学物質対策Q&A(ラベル・SDS関係)」
まとめ|7.2Lを作る前に、使ってよい条件を確定する
40倍希釈液を75mL/m²で96m²へ使う架空条件では、使用液7.2L、原液180mL、水7.02Lです。ただし式が正しくても、承認対象、対象害虫、場所、用法・用量、曝露管理が違えば実施できません。
毒餌108gから75gを回収し、9gを流失したなら、確認喫食は24gです。LD50が300と2,000でも、動物・経路・試料が違えば6.67倍安全とはいえません。8月27日施工なら最低掲示は24〜30日、19時30分終了後4時間の最早再入室は23時30分。計算値をラベル、回収、利用者安全へつないでください。
制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月17日
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