法規

接地工事 ミニテスト第1回|A〜D種・B種の計算・緩和と省略の5問

「何Ωか」を決める前に、接地する場所と、遮断装置が何の事故を検知するかを確かめましょう。

設備台帳・計算書・保護装置の記録を使う全5問です。各問で正しいものを1つ選び、「解答を見る」で条件の読み方を確認してください。正解以外の選択肢にも理由を付けています。

電験三種の法規科目に向けた演習です。基本から復習する場合は、接地工事のA種〜D種・抵抗値・省略条件の解説から読めます。

以下の「解釈」は、経済産業省の電気設備の技術基準の解釈を指します。電流が本来の通り道から大地などへ流れる故障が「地絡」、変圧器の高圧側と低圧側が電気的につながってしまう事故が「混触」です。接地は異常時の危険を小さくするための対策で、接地した部分の電圧が常に0Vになるという意味ではありません。

第1問|同じ変圧器でも、外箱と中性点は別に考える

受電設備の台帳で、次の4箇所に施す接地の種類を確認しています。ア・ウ・エは解釈第29条第1項の原則による金属製外箱の接地、イは第24条第1項による接地です。接地を省略する規定や別の施設方法は使いません。

  • ア:6,600Vから210Vへ変成する変圧器の金属製外箱
  • イ:アと同じ変圧器の低圧側中性点
  • ウ:使用電圧が交流300Vの機械器具の金属製外箱
  • エ:使用電圧が交流380Vの機械器具の金属製外箱

ア・イ・ウ・エの順に並べた組合せとして、正しいものはどれですか。

  1. (1)B種・B種・D種・C種
  2. (2)A種・B種・D種・C種
  3. (3)A種・D種・D種・C種
  4. (4)A種・B種・C種・C種
  5. (5)A種・B種・D種・A種

第2問|B種の計算書で、端数処理と1秒の境界を読む

6,600Vと210Vの電路を結合する変圧器について、B種接地抵抗の上限を確認します。高圧側電路の1線地絡電流を解釈第17条の17-2表の式で計算すると、端数処理前の値は6.1Aでした。実測値ではありません。

高圧側と低圧側の混触によって低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に、高圧側の電路を1.0秒以内に自動遮断する装置があります。別の接地方法や特例は使いません。

この条件での上限を表す式はどれですか。括弧内の小数は目安で、判定には式の値を使います。

  1. (1)(600÷6.1)Ω(約98.36Ω)
  2. (2)(300÷7)Ω(約42.86Ω)
  3. (3)(150÷7)Ω(約21.43Ω)
  4. (4)(600÷7)Ω(約85.71Ω)
  5. (5)(600÷6)Ω(100Ω)

第3問|3台の接地抵抗と遮断時間を照合する

交流の低圧用機械器具X・Y・Zについて、接地は既に施されています。第29条による省略・別の抵抗値特例、第18条等の別の接地方法は使わず、第17条第3・4項第1号の接地抵抗の条件だけを判定します。

記録中の時間は、各機器の低圧電路に地絡が起きたとき、設置された装置がその電路を自動遮断する最長時間です。

  • X:使用電圧380V、接地抵抗240Ω、最長遮断時間0.5秒
  • Y:使用電圧220V、接地抵抗140Ω、最長遮断時間0.6秒
  • Z:使用電圧300V、接地抵抗90Ω、最長遮断時間0.6秒

接地抵抗の条件を満たすものだけを挙げた選択肢はどれですか。

  1. (1)Xだけ
  2. (2)Zだけ
  3. (3)XとZ
  4. (4)XとY
  5. (5)X・Y・Zのすべて

第4問|漏電遮断器があれば、外箱の接地を省略できるか

交流200Vの低圧用機械器具ア〜エに、それぞれ電気用品安全法の適用を受ける電流動作型漏電遮断器を通じて給電します。いずれも、小規模発電設備である燃料電池発電設備ではありません。

解釈第29条第2項第5号だけを根拠に、外箱の接地を省略できるものを選びます。他の号による省略の可否は、この設問では判断しません。

  • ア:水気のある場所以外。定格感度電流15mA、動作時間0.1秒。
  • イ:水気のある場所。定格感度電流15mA、動作時間0.1秒。
  • ウ:水気のある場所以外。定格感度電流30mA、動作時間0.1秒。
  • エ:水気のある場所以外。定格感度電流15mA、動作時間0.2秒。

同号の条件を満たすものだけを挙げた選択肢はどれですか。

  1. (1)アだけ
  2. (2)アとイ
  3. (3)アとウ
  4. (4)アとエ
  5. (5)ア・イ・ウ・エのすべて

第5問|B種接地は、低圧側のどこに施すか

いずれも高圧6,600Vと低圧を結合する変圧器で、第24条第1項第1号によりB種接地を施します。同条第2項の例外に当たる変圧器ではありません。各設備の条件は次のとおりです。

  • P:低圧側の使用電圧は300V。低圧側の中性点に接地工事を施し難く、低圧側の1端子に施す計画。
  • Q:低圧側の使用電圧は400V。中性点を利用でき、その中性点に施す計画。
  • R:低圧側の使用電圧は230Vで、低圧電路を非接地に保つ。高圧巻線と低圧巻線の間に金属製の混触防止板を設け、板に施す計画。

同号に示された接地箇所に該当する計画だけを挙げたものはどれですか。接地抵抗・線の太さ等はこの設問の判定対象外です。

  1. (1)Qだけ
  2. (2)PとQ
  3. (3)QとR
  4. (4)PとR
  5. (5)P・Q・Rのすべて

復習表|A〜D種の対象と、最初に使う抵抗値

A・C・D種の対象欄は第29条第1項の金属製外箱等について、例外・特例を使わない場合です。B種は第24条の代表的な接地箇所を示します。

種類・主な対象 基本値と確認点
A種:高圧・特別高圧用機器の外箱等 10Ω以下。低圧機器のC種とは対象が異なる。
B種:高圧・特別高圧と低圧を結合する変圧器の低圧側中性点等 150/Ig Ωを基本に、17-1表の遮断条件と第24条の条件を確認。
C種:300Vを超える低圧用機器の外箱等 10Ω以下。所定の地絡自動遮断で500Ω以下に緩和できる。
D種:300V以下の低圧用機器の外箱等 100Ω以下。所定の地絡自動遮断で500Ω以下に緩和できる。

Igは変圧器の高圧側・特別高圧側電路の1線地絡電流で、単位はAです。負荷電流や漏電遮断器の感度電流を代入するものではありません。

B種は式を選んだ後も確認が必要です。第24条第1項第2号では5Ω未満まで下げることを要求していません。例えば17-1表の計算値が3Ωでも、この規定では5Ω以下でよく、「5Ω以上にする」という下限の指定ではありません。

特別高圧と低圧を結合する変圧器では、同項第3号による10Ω以下の制限も確認します。35kV以下の特別高圧側で地絡時1秒以内に自動遮断する装置がある場合や、第108条の特別高圧架空電線路に当たる場合は、その10Ω制限の例外です。第2問は高圧6,600Vなので、この特別高圧の条件は使いません。

復習表|遮断時間は「事故・遮断する側・効果」とセットにする

規定と対象 条件と変わるもの
B種:第17条第2項・17-1表 高圧または35kV以下の特別高圧と低圧の結合。混触で低圧対地電圧が150V超となるとき、高圧・特別高圧側を自動遮断。1秒超〜2秒以下なら300/Ig Ω、1秒以下なら600/Ig Ω。
C・D種の抵抗値緩和:第17条第3・4項第1号 低圧電路の地絡時、0.5秒以内にその電路を自動遮断する装置があれば500Ω以下。接地工事を省略する規定ではない。
外箱等の接地省略:第29条第2項第5号 水気のある場所以外の低圧用機器。電気用品安全法の適用を受ける電流動作型漏電遮断器で、15mA以下・0.1秒以下。同項から小規模発電設備である燃料電池発電設備は除外。

B種の300・600は、低圧側の漏電遮断器が速く動くというだけでは使えません。また、第29条には二重絶縁や絶縁変圧器など、ここに挙げていない条件もあります。第4問は第5号に限った判定で、すべての省略規定を網羅する問題ではありません。

抵抗の条件を満たしても、接地線の選定は別に必要です。第17条では故障電流を安全に通せることも求めています。直径を表すmmと断面積を表すmm²を区別し、抵抗値が小さいことだけで細い線を選ばないようにします。

間違えた問題から、次の学習へ

根拠と確認先

設備の組合せ・数値設定・選択肢・解説は、この演習のために作成したものです。公式過去問や市販教材の問題文を転載したものではありません。

法令確認日:2026年11月6日。省令は2023年3月20日施行版を確認しました。受験時は、その回に適用される法令の基準日を確認してください。運営者は資格を独学中の個人です。

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