結論:第三種冷凍機械責任者は、1日の冷凍能力が100トン未満の製造施設に関する保安を扱える国家資格です。
2026年度の国家試験は11月8日。全科目受験は法令20問と保安管理技術15問で、受験手数料は電子申請9,800円です。ただし、免状を取ることと、事業所の冷凍保安責任者へ選任されることは同じではありません。
制度・日程・統計確認日:2026年8月1日。年度日程と申請方法はKHKの最新受験案内を優先してください。
第三種でできること|100トン未満と経験要件
KHKは第三種冷凍機械責任者免状の職務範囲を、1日の冷凍能力100トン未満の製造施設に関する保安と説明しています。冷媒ガスの種類による免状範囲の制限はありません。
| 免状 | 冷凍能力の範囲 | 冷媒の制限 |
|---|---|---|
| 第一種 | 制限なし | なし |
| 第二種 | 300トン未満 | なし |
| 第三種 | 100トン未満 | なし |
ここでいう冷凍能力は、冷房面積や消費電力ではなく、法令上の計算で求める1日当たりの冷凍能力です。またKHKは、法定責任者へ選任されて職務を行うには、免状だけでなく定められた経験が必要と案内しています。
免状の交付:国家試験に合格し、都道府県知事へ申請して資格証明を得る
冷凍保安責任者への選任:施設条件と法令上の経験要件を確認したうえで事業者が選任する
すべての業務用空調設備に資格者選任が必要という意味でもありません。設備の冷媒、冷凍能力、認定指定設備などで法的な扱いが変わります。
資格の知識を使う現場
冷凍とは、冷蔵・冷凍だけでなく、冷房や冷凍設備を使う暖房も含む法令上の概念です。KHKは、事務所、商業施設、病院、ホテル、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場などを活用例として挙げています。
空調設備
圧縮機・凝縮器・蒸発器・安全装置の関係を理解する
冷凍冷蔵設備
運転状態、漏えい、圧力、保安装置を保安の視点で見る
法令管理
許可・届出、責任者、検査、記録の適用条件を判断する
免状があっても、冷媒回収、電気工事、配管施工など別制度の資格や登録が自動的に付くわけではありません。現場で行う作業ごとに必要資格と事業者手順を確認します。
2026年度の国家試験概要
| 項目 | 2026年度 |
|---|---|
| 試験日 | 2026年11月8日(日) |
| 電子申請 | 8月17日10時〜9月2日17時 |
| 受験資格 | 制限なし |
| 試験科目 | 法令・保安管理技術 |
| 受験手数料 | 9,800円(電子申請) |
| 試験区分 | 都道府県知事試験 |
2026年度の法令科目は、2026年4月1日現在施行の法令に基づき出題されます。古い問題集を使う場合は、法改正時点を確認してください。
2科目35問と試験時間
| 科目 | 問題・時間 | 学ぶ中心 |
|---|---|---|
| 法令 | 20問・60分 | 高圧ガス保安法令 |
| 保安管理技術 | 15問・90分 | 冷凍の初歩的な保安技術 |
2026年度案内では、法令が9時30分〜10時30分、保安管理技術が11時10分〜12時40分です。第三種には第一種・第二種にある独立した「学識」科目がありません。
保安管理技術では、冷凍サイクル、圧縮機、凝縮器、蒸発器、膨張弁、安全装置などを、単語ではなく流れで理解します。「冷凍の原理と蒸気圧縮冷凍サイクル」から始め、計算の基礎は「p-h線図の読み方とCOP」へ進めます。
合格基準は「各科目60%程度」
KHKの2026年度案内は、合格基準を各科目とも満点の60%程度としています。単純計算では法令12問、保安管理技術9問が60%ですが、公式表現は「程度」です。
全科目受験:法令と保安管理技術の両方が基準に達する必要がある
講習免除:所定の講習課程を修了し、検定合格後に国家試験で免除申請すると法令のみ受験
合計35問の60%を取ればよい制度ではありません。片方が高得点でも、もう片方が基準未満なら合格になりません。
合格率は全科目と科目免除を分けて見る
KHKの公式結果は受験区分別です。全体合格率だけを見ると、全科目受験と保安管理技術免除の違いを見落とします。
| 年度・区分 | 受験/合格 | 合格率 |
|---|---|---|
| 令和7・全科目 | 7,716/3,476 | 45.0% |
| 令和7・保安免除 | 1,384/1,217 | 87.9% |
| 令和6・全科目 | 7,605/2,744 | 36.1% |
| 令和6・科目免除 | 1,388/1,237 | 89.1% |
令和7年度の全区分合計は9,100人中4,693人、51.6%です。しかし、その数字を「一般受験者の合格率」とは呼べません。全科目受験だけなら45.0%です。
免除区分の合格率が高いことは確認できますが、講習の受講が合格率差の唯一の原因とは断定できません。学習時間、受験者層、受ける科目数も違います。
→ KHK「令和7年度 知事試験結果」
→ KHK「令和6年度 知事試験結果」
科目免除は「講習に出れば終わり」ではない
KHKの講習課程を受講し、その講習に対する検定試験(保安管理技術)に合格すると、国家試験で保安管理技術の免除を申請できます。国家試験自体は別に申し込み、法令科目を受験します。
1.講習
指定期間内に法令・保安管理技術を履修
2.検定
保安管理技術の検定試験に合格
3.国家試験
別途申込・免除申請をして法令を受験
KHKは、講習検定合格後の科目免除に有効期限はないと案内しています。全科目受験と講習経由は、費用、日程、検定を含む学習計画で選びます。
全科目受験と講習経由の選び方
| 判断軸 | 全科目受験 | 講習経由 |
|---|---|---|
| 国家試験 | 2科目 | 法令のみ |
| 事前の検定 | なし | 保安管理技術あり |
| 費用 | 受験料中心 | 講習・教材等も必要 |
| 日程 | 11月試験中心 | 講習・検定・国家試験 |
冷凍サイクルを自力で学べ、費用を抑えたい人は全科目受験を検討できます。体系的な講義を受け、国家試験では法令へ集中したい人は講習経由が候補です。「合格率が高いから」だけでなく、検定を含む総費用と日程を比較します。
難易度を合格率だけで決めない
第三種は2科目ですが、保安管理技術では冷媒の状態変化と機器の役割を関連づけ、法令では冷媒・能力・設備条件による分岐を判定します。暗記量だけで難しさを比較する試験ではありません。
- 保安管理技術:圧縮→凝縮→膨張→蒸発の流れから現象を説明する
- 法令:誰に、どの設備に、どの能力境界が適用されるかを整理する
- 共通:似た装置・用語・数値条件を比較し、誤りの理由まで確認する
学習時間の全国平均や「ビルメン4点セットで最難関」とする公式統計はありません。初回問題の科目別得点から、自分の必要期間を決めます。
よくある質問
受験資格や実務経験は必要ですか?
国家試験の受験資格に制限はありません。ただし、合格・免状交付後に冷凍保安責任者として選任されるには、法令上の経験要件を別に確認します。
実技試験はありますか?
第三種冷凍機械の国家試験は法令と保安管理技術の択一式筆記試験です。実技試験はありません。講習経由を選ぶ場合は、国家試験とは別に保安管理技術の検定があります。
免状があれば100トン未満の設備を自由に修理できますか?
できるとは限りません。第三種の範囲は製造施設に関する保安です。電気工事、冷媒充塡回収、施工などは別制度と事業者の作業資格・手順を確認します。
理解度チェック
第三種冷凍機械責任者免状の職務範囲としてKHKが示すものはどれか。
- 30トン未満
- 50トン未満
- 100トン未満
- 300トン未満
- 能力制限なし
令和7年度の第三種冷凍機械で、全科目受験7,716人中3,476人が合格した。合格率はどれか。
- 36.1%
- 45.0%
- 51.6%
- 60.0%
- 87.9%
KHKの講習を申し込んだ人が、国家試験で保安管理技術の免除を受けるまでの説明として正しいものはどれか。
- 出席だけで国家試験全科目が免除
- 検定合格後、国家試験を別途申し込み免除申請する
- 法令の講習だけ受ければ免状交付
- 国家試験への申込は不要
- 講習修了後は法令も免除
まとめ|免状・選任・試験区分を分けて考える
第三種冷凍機械責任者は、1日の冷凍能力100トン未満の製造施設に関する保安を扱う免状です。法定責任者への選任には、施設条件と経験要件も確認します。
2026年度は11月8日、全科目受験は法令20問・保安管理技術15問、各科目60%程度が合格基準です。令和7年度の合格率は全科目45.0%、保安管理技術免除87.9%でした。申込と当日の変更点は「第三種冷凍機械責任者の2026年度受験申込〜当日の流れ」で確認してください。
制度・日程・統計確認日/最終更新日:2026年8月1日
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