ボイラーの構造

【二級ボイラー技士・構造】自動制御装置と燃焼安全装置(オンオフ・比例・シーケンス制御・インタロック)

この記事で分かること

  • オンオフ・ハイロー・比例制御の違い
  • シーケンス制御とインタロックを分ける考え方
  • 火炎検出から安全遮断弁までの燃焼安全装置の流れ
  • 低水位・異常消火・送風停止などで燃料を遮断する理由

結論:自動制御は圧力・温度・水位などを目標範囲へ保つ仕組み、燃焼安全装置は異常を検出して燃料を遮断する仕組みです。シーケンス制御は「決めた順序で進める制御」、インタロックは「安全条件が成立しなければ先へ進ませない条件」です。調節・順序・許可条件・安全停止の4つに分けると混同しません。

公式資料の確認先

法令・公表問題確認日:2026年7月28日。実設備では製造者の取扱説明書、承認図、事業場の操作・点検手順を優先してください。

自動制御は「検出・判断・操作」の一周で考える

1. 検出

圧力・温度・水位
流量・火炎・空気

2. 判断

調節器・制御盤
主安全制御器

3. 操作

燃料・空気・給水
安全遮断弁

蒸気使用量が増えて圧力が下がると、圧力を検出した調節器が燃焼量を増やします。蒸気発生量が変わって水位が動けば、給水量を調整します。このように、測定値を目標値と比較し、操作した結果を再び検出する一周がフィードバック制御です。

制御対象 主な検出値 主な操作
蒸気圧力 圧力 燃料量・燃焼用空気量
温水温度 出口温度など 燃焼の開始・停止、燃焼量
ボイラー水位 水位、蒸気・給水流量 給水弁・給水ポンプ

現行の構造規格第84条は、蒸気ボイラーごとに自動給水調整装置を設けることを基本としています。また、貫流ボイラーを除く蒸気ボイラーには、起動時または運転時に安全低水面以下となった場合の低水位燃料遮断装置を求めています。一定の場合は低水位警報装置へ代えられるため、水位調節と低水位安全停止は別機能として整理します。

オンオフ・ハイロー・比例制御の違い

方式 出力 見分け方
オンオフ 燃焼/停止の2位置 上下の動作点の間で切り替える
ハイローオフ 高燃焼/低燃焼/停止 段階制御であり、連続制御ではない
比例 偏差に応じ連続的に変化 比例帯があり、オフセットが残り得る

オンオフ制御は動作すき間を持たせる

オンオフ制御で同じ1点を境に毎回切り替えると、わずかな変動で発停を繰り返します。そこで、例えば圧力が下側の設定点まで下がると燃焼を開始し、上側の設定点まで上がると停止するように動作すき間を持たせます。圧力や温度は設定値の周囲を変動しますが、これは直ちに異常なハンチングを意味しません。発停回数や変動幅が基準を外れたときに、負荷、設定、検出部、バーナ容量を確認します。

比例制御は偏差と比例帯で考える

比例制御では、設定値と測定値の差である偏差に応じて操作量を連続的に変えます。比例帯を狭くすると小さな偏差で操作量が大きく動きますが、狭すぎると不安定になりやすくなります。比例動作だけでは負荷が変わった後にオフセットが残ることがあり、積分動作を加えたPI制御などで補正する構成もあります。

試験に出るオンオフ式温度調節器

令和8年4月掲載の公表問題では、温水ボイラーの電気式オンオフ温度調節器が出題されています。感温体内の液体が温度で膨張・収縮し、ベローズやダイヤフラムの変位でマイクロスイッチを開閉します。液体にはトルエン、エーテル、アルコールなどが使われます。

誤りやすい点:オンオフ式で一般に設定するのは調節温度と動作すき間です。「調節温度と比例帯」ではありません。また、保護管を使う場合は、感温体との熱伝達を良くするためシリコングリスなどを用いる構成があります。実機は指定された充填材と取付方法に従います。

シーケンス制御とインタロックは役割が違う

シーケンス制御は、時間や条件に従って工程を順番に進めます。インタロックは、各工程へ進むための許可条件です。インタロックを「物理的に操作できなくする装置」に限定せず、リレー回路やPLCを含めた条件が成立しない限り動作させない仕組みと理解します。

自動点火の代表的な安全シーケンス

始動条件
水位・圧力
燃料・空気
プレパージ
炉・煙道を換気
点火
点火用火炎
火炎確認
主燃焼
燃料・空気調節
火炎監視

各段階で条件が成立しなければ次へ進みません。点火許容時間内に火炎を確認できなければ燃料を遮断し、ロックアウトします。プレパージの風量・時間、点火用火炎の有無、再点火の扱いは燃焼装置によって異なるため、一般図をそのまま実機操作へ使わないでください。

厚生労働大臣が定める自動制御装置では、点火前に燃焼室・煙道内容積の4倍以上の空気を通して換気した後でなければ点火できない機能が規定されています。これは同告示の認定対象となる自動制御装置の要件です。すべてのボイラーへ「一律4倍」とだけ当てはめず、適用法令と製造者のパージ条件を確認します。

燃焼安全装置は異常を検出して燃料を遮断する

構造規格第85条は、異常消火または燃焼用空気の異常な供給停止が起こったとき、自動検出して直ちに燃料を遮断できる装置を求めています。また、作動用動力源が断たれた場合にも燃料を遮断し、動力が復帰しただけでは遮断を自動解除しない構成とします。

起動を許可しない

低水位、パージ未完了、誤った火炎信号など。

燃料を遮断する

点火失敗、異常消火、送風停止、異常圧力など。

勝手に再起動しない

原因を確認し、必要な手動操作後に復帰する。

火炎検出器と主安全制御器

検出方式 利用する性質 確認点
フレームロッド 火炎の導電性・整流作用 汚れ、絶縁、接地、取付位置
紫外線式 火炎の紫外線 受光窓、視野、自己点検機能
光電式・赤外線式 可視光・赤外線など 燃料・火炎特性との適合、汚れ

火炎検出器は「火炎あり/なし」の信号を主安全制御器へ送ります。主安全制御器は点火シーケンス、火炎確認、燃料遮断を管理します。自動点火できるボイラーでは、点火できない、または点火後に火炎を検出できない場合に燃料を自動遮断し、手動操作をしない限り再起動できないことが構造規格に定められています。燃焼前に火炎を誤検出している場合も、燃焼を開始させてはいけません。

燃料遮断弁が作動する原因を整理する

令和8年4月掲載の公表問題では、低水位、異常消火、送風量低下、油圧過昇が遮断原因として挙げられています。一方、蒸気圧力の低下は通常、負荷増加に対応して燃焼量を増やす側の信号であり、それだけを燃料遮断原因とはしません。異常低圧を別の保護条件としている設備もあるため、実機の原因・結果表で確認します。

現場では「最初に作動した原因」を残す

燃焼が停止すると、その結果として圧力低下、送風停止、弁閉止など複数の警報が続くことがあります。復帰を急いで一括リセットすると、最初の原因が分からなくなります。

停止時に追う順番

  1. ファーストアウト表示、警報履歴、停止時刻を記録する
  2. 水位、圧力、燃料圧力、送風、ダンパ、火炎信号を確認する
  3. 燃料漏れや炉内残留燃料がないか安全を確認する
  4. 原因を除去し、指定されたパージ・復帰手順を最初から行う

火炎検出器、低水位遮断、空気圧力スイッチ、安全遮断弁などの機能試験は、稼働中に配線を外すような自己流では行いません。取扱説明書と点検要領に従い、インタロックを無効化したまま運転しないことが重要です。

理解度チェック

【問1】比例制御の説明として適切なものはどれですか。

(1) 常に全開か全閉だけで動く
(2) 決められた時刻だけで動く
(3) 偏差に応じて操作量を連続的に変える
(4) 安全遮断弁だけを手動操作する
(5) 火炎信号を無視して燃焼する

解答を見る

正解:(3)
設定値と測定値の偏差に応じて、燃料量などの操作量を連続的に変えます。

【問2】インタロックの説明として適切なものはどれですか。

(1) 条件に関係なく工程を進める
(2) 安全条件が成立しないと次の動作を許可しない
(3) 水位を目視するだけの表示
(4) 蒸気圧力を下げる手動弁
(5) 燃料を予熱する装置

解答を見る

正解:(2)
低水位やパージ未完了など、許可条件が成立しないと点火などの次工程へ進ませません。

【問3】現行の構造規格で、燃焼安全装置が直ちに検出・遮断する対象に含まれるものはどれですか。

(1) 異常消火
(2) 蒸気使用量の通常変動
(3) 室温のわずかな変化
(4) 給水タンクの塗装劣化
(5) ボイラー室の照明切れ

解答を見る

正解:(1)
異常消火や燃焼用空気の異常な供給停止を検出し、燃料を遮断します。

【問4】燃焼安全装置が作動した後の対応として適切なものはどれですか。

(1) 原因を見ず何度もリセットする
(2) インタロックを短絡して起動する
(3) 最初の警報を記録し、原因除去後に指定手順で復帰する
(4) パージを省略して再点火する
(5) 火炎検出器を外したまま運転する

解答を見る

正解:(3)
ファーストアウトを記録して原因を除去し、取扱説明書に従ってパージから復帰します。

関連学習とまとめ

自動制御は運転値を整え、燃焼安全装置は異常時に燃料を遮断します。オンオフ・比例は調節方法、シーケンスは順序、インタロックは許可条件です。試験では名称を、現場では検出器から遮断弁までの信号経路を追いましょう。

最終更新日:2026年7月28日

※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。

内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。

-ボイラーの構造