蚊・ハエ防除は、総数だけで判定すると発生源を見落とします。捕獲指数を出した後、1個の最大捕獲数、吸血・目撃、幼虫が育つ水や有機物の位置まで照合します。
この第1回は、チカイエカの指数1.60、屋上容器18個の発生源除去率88.9%、ハエ指数2.00、媒介生物の組合せ、再調査後の捕獲数87.5%減を扱う独自5択5問です。
制度・資料確認日:2026年8月17日。厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル」、千葉市保健所の蚊の防除資料、e-Gov法令検索の感染症法を照合しました。目標水準は標準的な管理の目安です。施設条件、薬剤の承認内容・表示、自治体の指導を優先してください。
解く前の3点|平均・局所・被害を分けて記録する
| 確認 | 記録 | 見落とし |
|---|---|---|
| 平均 | 総捕獲数÷個数÷日数 | 日数の割り忘れ |
| 局所 | 1個の最大捕獲数 | 平均への埋没 |
| 被害 | 吸血・生体目撃 | 捕獲ゼロへの過信 |
チカイエカは、指数3以上、1個に3匹以上、屋内で吸血被害がある場合のいずれかで措置水準です。数値を出す目的は薬剤量を決めることではなく、最多地点から地下水槽、排水槽、連通管、マンホールの隙間へ調査を絞ることです。
第1問|10個を3日置いて48匹を判定する
地下機械室にトラップ10個を3日間設置し、チカイエカを合計48匹捕獲した。最多の1個は4匹で、同期間に屋内の吸血被害が1件あった。計算と判定の組合せとして最も適切なのはどれか。
- 指数0.16・許容水準
- 指数1.60・警戒水準で確定
- 指数1.60・局所4匹と吸血被害により措置水準
- 指数4.80・措置水準
- 指数16.0・措置水準
第2問|屋上の水域18個を減らす
屋上で水がたまる物を18個確認した。11個は撤去し、5個は排水・洗浄後に逆さで保管したが、2個は未処置で残った。処置できた割合と次の行動として最も適切なのはどれか。
- 61.1%。11個を撤去したため作業終了
- 88.9%。残る2個を処置し、降雨後に再点検
- 90.0%。未処置は1個とみなす
- 111.1%。撤去と洗浄を別々に数える
- 16.7%。処置済み16個を分母にする
第3問|ハエの指数2.00と1個4匹を読む
ごみ保管室にトラップ8個を2日間設置し、ハエを合計32匹捕獲した。最多の1個は4匹で、生体の大量目撃はない。標準的な数値判定と初動として最も適切なのはどれか。
- 指数0.50・許容。記録を終了する
- 指数2.00・措置。直ちに全館へ空間噴霧する
- 指数4.00・措置。ごみ保管室を閉鎖する
- 指数2.00・警戒。腐敗物、容器、排水、扉を調べて再調査する
- 指数16.0・判定不能。虫種を記録しない
第4問|場所・虫の特徴・媒介疾病をつなぐ
発生場所、虫の特徴、関連する感染症の組合せとして最も適切なのはどれか。
- 地下湧水槽・チカイエカ・日本脳炎の代表的媒介蚊
- 水田・コガタアカイエカ・デング熱の代表的媒介蚊
- 屋外の小型容器・ヒトスジシマカ・デング熱等との関連
- 客室ベッドの隙間・トコジラミ・マラリアの媒介
- ごみ保管室・イエバエ・ペストの生物学的媒介
第5問|同じ方法の再調査で87.5%減を確認する
第1問の場所で水槽清掃と侵入防止を行い、同じ10個・3日間・同じ位置で再調査した。チカイエカは合計6匹、最多1匹、吸血被害なしだった。捕獲数の減少率と評価として最も適切なのはどれか。
- 12.5%減。指数0.60で警戒
- 42.0%減。指数2.00で警戒
- 75.0%減。最多1匹でも措置
- 80.0%減。調査日数が同じなので指数計算は不要
- 87.5%減。指数0.20で許容条件を満たすが継続監視
採点|式より先に分母と虫種を確定できたか
| 正解数 | 判定 | 復習の焦点 |
|---|---|---|
| 5問 | 調査から再評価まで安定 | 自館の水域・有機物地図 |
| 4問 | 1条件を再確認 | 最大値か媒介生物 |
| 2〜3問 | 総数だけで判断しがち | 個数・日数・被害 |
| 0〜1問 | 親記事から復習 | 発生源と3水準 |
現場記録|「48匹」だけでは再現できない
- 調査条件:区域、虫種、トラップ番号・位置、個数、設置・回収日時
- 捕獲内訳:総数、各トラップ数、最大値、指数、目撃・吸血苦情
- 発生源:水域、有機物、排水、容器、隙間、防虫網、扉の状態
- 措置:除水・清掃・閉鎖・修繕、薬剤名と使用場所、利用者周知
- 効果判定:同じ方法での再調査値、減少率、残存地点、次回確認日
「48匹から6匹」だけでも減少は分かります。しかし個数や日数が違えば指数は比較できません。薬剤処理の有無だけでなく、どの発生源をなくし、どの侵入経路を閉じたかまで残すと、再発時に原因を追えます。
間違えた分野の戻り先
- チカイエカ、ハエ、コバエ、媒介疾病:蚊・ハエ・その他の害虫と媒介疾病
- 薬剤の選定と利用者の安全:殺虫剤・殺鼠剤の分類と安全管理
- 調査、目標水準、効果判定:IPMと防除計画・調査法
- 別問題で復習:蚊・ハエ等ミニテスト第2回/第3回
公式資料
- 厚生労働省「建築物における維持管理マニュアルについて」
- 厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル 第6章」
- 千葉市保健所「蚊の生態と防除方法等」
- 千葉市保健所「トコジラミ(ナンキンムシ)」
- e-Gov法令検索「感染症法」
まとめ|指数の後に最大値と発生源を見る
チカイエカ48匹を10個・3日で捕れば指数1.60です。しかし1個4匹と吸血被害があるため措置水準。平均だけで警戒と決めてはいけません。屋上の水域18個中16個を処置した割合は88.9%ですが、残り2個も処置し、降雨後に確認します。
ハエ32匹を8個・2日で捕れば指数2.00、1個4匹と合わせて警戒域です。まず腐敗物、容器、排水、扉を直します。処置後に同じ方法で48匹から6匹へ減れば87.5%減、指数0.20です。許容条件へ戻ったことを記録し、発生源が再形成されていないか監視を続けてください。
制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月17日
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