ねずみ、昆虫等の防除 建築物環境衛生管理技術者

ねずみの生態と防除|1.2cmの隙間・無毒餌は10m²に1個・3水準

「粘着シートの上に餌を置いて、ねずみを慣らしてから捕る」——これは逆効果です。東京都の保健所資料は、粘着シートについて「シートの上には何も置かないほうがよい」と明記しています。餌を置くと、ねずみは警戒して立ち止まり、餌だけを取っていくからです。餌ならしをするのは、かご式(生け捕り式)トラップのほうです。

ねずみの防除は、経験則ではなく「調査 → 水準判定 → 措置」という型が国の資料で決まっています。この記事では、厚生労働省の「建築物における維持管理マニュアル」に基づいて、無毒餌は1か所10gを10m²に1個黒紙はA4版を1〜2週間という調査の作法と、許容・警戒・措置の3水準の判定を整理します。

制度・資料確認日:2026年8月5日。建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則はe-Gov法令検索のAPIで条文XMLを取得して原文を確認し、防除の実施方法は厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル」(平成20年1月・建築物環境衛生維持管理要領等検討委員会)、ねずみの生態と侵入対策は東京都多摩府中保健所の資料によりました。

結論|防除は「調査 → 水準判定 → 措置」の順で決まる

ねずみを見かけたから殺鼠剤を置く、という順番では管理になりません。国が示す手順はこうです。

順番 やること ポイント
1 目標水準を設定する 区域ごとに設定してよい
2 生息調査を行う 目視→トラップ等の客観調査
3 どの水準かを判定する 許容/警戒/措置
4 水準に応じた措置をとる 環境整備が基本
5 効果判定し、記録する 許容水準の達成を確認

この考え方をIPM(総合的有害生物管理)といいます。維持管理マニュアルは、特定建築物におけるIPMを「建築物において考えられる有効・適切な技術を組み合わせて利用しながら、人の健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめるような方法で、環境基準を目標に有害生物を制御し、そのレベルを維持する有害生物の管理対策」と定義しています。

大事なのは、生息密度をゼロにすることを目標にしないという発想です。マニュアルは、ゼロを求めると過度の薬剤使用を招き、その弊害を受けてきた例が多いと明記しています。目指すのは許容水準の維持です。

この記事ではねずみへの当てはめを扱います。IPMの全体像、防除計画の立て方、ゴキブリ指数を含む調査法の総論は「IPMと防除計画・調査法」で整理しています。

調査の頻度は「6月以内ごと」と「2月以内ごと」の2本立て

法令が定める調査頻度は1つではありません。ここは試験でも実務でも間違えやすい部分です。

対象 頻度 根拠
建築物全体 6月以内ごとに1回、定期に統一的に調査 施行規則4条の5第2項1号
特に発生しやすい箇所 2月以内ごとに1回、生息状況等を調査 平成15年厚生労働省告示第119号

「特に発生しやすい箇所」として告示が挙げているのは、食料を取り扱う区域排水槽阻集器廃棄物の保管設備の周辺です。年2回でよい区域と、年6回必要な区域が同じ建物の中に混在します。

廃棄物の保管場所が名指しされているのは偶然ではありません。「建築物内廃棄物の管理と保管場所」で見たとおり、廃棄物処理法の産業廃棄物保管基準も「保管の場所には、ねずみが生息し、及び蚊、はえその他の害虫が発生しないようにすること」と定めています。ごみ置き場は、清掃・廃棄物・防除の3つの基準が重なる場所です。

もう1つ、規則4条の5第2項2号も押さえてください。殺そ剤・殺虫剤を使う場合は、医薬品医療機器等法の承認を受けた医薬品または医薬部外品を用いることと定められています。市販の「効きそうな薬剤」を独自に使うことは認められていません。

生息調査は4つの方法を組み合わせる

維持管理マニュアルが示すねずみの生息調査は次の4つです。1つだけでは判定できません。

方法 やり方
目視による証跡調査 新しい糞、尿によるシミ、足跡、囓り跡、ラブサイン(こすり跡)、鳴き声、侵入場所、営巣場所を区域ごとに調べる
無毒餌による喫食調査 就業時間終了後、1か所あたり10gの餌を餌皿に入れ、対象区域に10m²に1個程度配置。翌日以後に回収して喫食量を調べる
黒紙設置による調査 天井の点検口などにA4版程度の黒い紙を置き、1〜2週間で足跡が付くかを見る
聞き取り調査 各区域の利用者・管理者にアンケートを配布して回答を得る

調査場所として挙げられているのは、厨房とその周囲、食品売場、ペット・観葉植物売場、ゴミ集積場、機械室、電気室、天井裏、パイプスペース。外部との遮断がしにくい駐車場や、外周部に植え込みのある建物では、その周辺も対象です。

黒紙が有効な理由は、ねずみが決まった通り道を通るからです。天井裏のように目視が難しい場所でも、通り道さえ押さえれば足跡が残ります。1〜2週間で跡が付かなければ、その区域は「発生なし」と判断できます。

【計算1】調査に必要な無毒餌の数と量

「10m²に1個」がどれくらいの規模になるか、実際の建物で計算します。

条件:厨房300m²、食品売場200m²、ゴミ集積場50m²、機械室150m²、電気室100m²=合計800m²

必要な餌皿の数 = 800 ÷ 10 = 80個

必要な餌の量 = 80 × 10g = 800g

作業は就業時間終了後に配置し、翌日以後に回収する

80個を配って翌日に回収する——これが法令に基づく調査の実際の姿です。「見回って糞がなかったので問題なし」は調査ではありません。目視は入口にすぎず、マニュアルは「まず十分な知識を有する技術者が全体について目視を行い、次いで、問題があると思われる場所について、トラップを用いた捕獲調査等客観的に判断できる調査を行う」と書いています。

委託業者の作業計画書を見るときは、餌皿の数と設置面積の関係を確認してください。800m²の対象区域に対して餌皿が10個なら、密度は基準の8分の1です。

標準的な目標水準|許容・警戒・措置の判定

調査結果をどう判定するか。維持管理マニュアルは、ねずみについて次の3水準を示しています。

水準 判定の条件
許容水準
(以下の全て)
①生きた個体が確認されない
②配置した無毒餌が喫食されない
③黒紙に足跡や囓り跡が付かない
警戒水準
(以下の全て)
①生きた個体が確認されない
②無毒餌の喫食、黒紙の跡のどちらか一方が確認される
措置水準
(いずれか1つ以上)
①生きた個体が確認される
②食品や家具・什器等に咬害が見られる
③無毒餌の喫食と黒紙の跡の両方が確認される

整理すると、生きた個体と咬害がない場合は、喫食と足跡が「いくつ出たか」で機械的に決まります

喫食・足跡の状況 水準 とるべき措置
どちらもなし 許容 定期調査を継続(6月または2月以内ごと)
どちらか一方 警戒 整理・整頓・清掃など環境整備を見直す
両方 措置 環境的対策+薬剤・器具による防除作業

この表の価値は、「生きたねずみを見なくても措置水準になり得る」ことを示している点にあります。糞も見ていない、姿も見ていない。それでも餌が減って黒紙に足跡があれば、すぐに防除作業が必要な状態です。

警戒水準の措置がまず環境整備である点も重要です。マニュアルは「整備を行うにもかかわらず毎回発生する場所では、管理者や利用者の了解を得て、人などへの影響がないことを確認した上で、掲示をして、毒餌などを中心に薬剤処理を行う」としています。薬剤は環境整備の次という順番が明示されています。

3種のねずみ|「殺そ剤感受性」と「警戒心」で分かれる

種類ごとの生態は、体の特徴だけでなく防除の効きやすさとセットで覚えると実務で使えます。東京都多摩府中保健所の資料をもとに整理します。

項目 クマネズミ ドブネズミ
体長 15〜20cm 22〜26cm
胴長より長い 胴長より短い
大きい 小さい
腹部・尾の色 腹部は黄褐色、尾は黒い 腹部は灰色、尾は白っぽい
生態 身軽で運動能力が高く、電線を伝い壁を駆け上がる 地面に穴を掘り、泳ぎが得意
食性 植物質を好む 動物質を好む
生息場所 ビル内部の高い所、壁の中、天井裏 下水管・下水溝、ビル低層階
殺そ剤感受性 低い(毒えさが効きにくい) 高い(毒えさが効く)
警戒心 非常に強い(わなにかかりにくい) 低い(わなにかかりやすい)

ハツカネズミは体長6〜9cm程度で3種の中で最も小さく、倉庫や物置、郊外の建物に多い種類です。狭い隙間から侵入し、好奇心が強く新しい物を怖がりにくいという特徴があります。

ビル管理でいちばん問題になるのはクマネズミです。東京都の保健所資料は「当保健所には毎年多くのねずみの相談が寄せられます。そのほとんどがクマネズミです」と述べ、さらに「毒えさやトラップはあまり効果がありません」と明言しています。

ここが実務の分かれ目です。クマネズミには、毒えさとトラップだけの対策が通用しない。だから同資料は「対策は環境的防除」——①えさを与えない、②巣を作らせない、③侵入口をふさぐ——の3本柱を推しています。維持管理マニュアルが環境整備を基本に置いているのと、まったく同じ結論です。

クマネズミは1.2cmの隙間を通る

侵入口をふさぐ話に移ります。基準になる数字は1.2cmです。

クマネズミは1.2cm以上の大きさのすき間なら通り抜けることができる(東京都多摩府中保健所)

→ 12mm。単三乾電池(直径約14.5mm)が入らない隙間でも、ねずみは通れる

建物の基礎の隙間、配管まわりの隙間、通気口、戸袋、柱と屋根の隙間。クマネズミは高い所に登れるので、地面から遠い開口部も侵入口になります。1階だけ点検して安心してはいけません。

そして重要な注意が1つ。木材などであれば、かじって通れる大きさの穴にしてしまいます。今は5mmの隙間でも、木部なら明日には12mmになり得ます。ねずみの歯は伸び続けるため、常に硬いものをかじって削る習性があるからです。

ふさぐ材料として東京都の資料が挙げているのは次の3つです。

材料 使い方
金属タワシ 細かい隙間に詰め込む
亀甲金網 丸めて詰める/広げて隙間にかぶせる(接着剤で固定)
外壁用パテ 狭い隙間に詰めてふさぐ

いずれもかじられないことが選定理由です。逆にゴム、プラスチック、発泡ウレタン、薄い木板は、時間をかけて必ず突破されます。防鼠構造の材料選定は「今ふさげるか」ではなく「かじって広げられないか」で判断してください。

なお、天井裏や高所の作業は危険を伴います。東京都の資料も「専門業者に依頼したほうがよい場合もあります」と注意しています。高所作業の安全については「外装清掃と高所作業の安全」も確認してください。

殺鼠剤|抗凝血性と急性、そして抵抗性

維持管理マニュアルが挙げている薬剤は次のとおりです。

分類 薬剤名 特徴
抗凝血性殺鼠剤 ワルファリン、クマテトラリル 血液凝固を妨げる。連続摂取が必要
急性殺鼠剤 シリロシド 短期間で効果が出る
忌避剤 カプサイシン、シクロヘキシミド 囓られては困る場所に処理する

抗凝血性殺鼠剤は、血液を固めるのに必要なビタミンKの働きを妨げます。効き目がゆっくりで、ねずみが毒と気づかずに食べ続けるのが利点です。人が誤って口にした場合、ビタミンKが解毒に用いられます

使い方にも決まりがあります。マニュアルは、毒餌を餌皿や毒餌箱(ベイトステーション)に入れて配置し、配置の初期には頻繁に点検して不足分を補充喫食がまったくなくなるまで継続すると定めています。置きっぱなしにして減っていることに気づかないのは、防除ではなく餌付けです。

そして抵抗性。マニュアルは「殺鼠剤抵抗性が疑われる場合、獲得の有無を調査し、薬剤の変更等を考慮する」としています。ワルファリンなどが効かない個体群は俗にスーパーラットと呼ばれ、都市部のクマネズミで問題になっています。「毒餌を置いたのに減らない」を「食べていないから大丈夫」と読み違えないでください。喫食があるのに減らないなら、抵抗性を疑う場面です。

薬剤の分類と安全管理は「殺虫剤・殺鼠剤の分類と安全管理」で詳しく扱います。

トラップ|粘着シートに餌を置かない

冒頭で触れた訂正です。トラップは種類ごとに使い方が違います。

種類 使う場面 作法
粘着トラップ 殺鼠剤が使いにくい場所 できるだけ多く配置。床が油や水で濡れた場所は避けるか清掃してから設置。シートの上に餌は置かない
圧殺式(パチンコ) 床や排水溝など水の多い場所、餌が少ない場所 設置場所に掲示し、図面に記入、回収時に個数を確認
生け捕り式(かご) 密度が低く、餌場がない場所 餌ならしを行い、喫食が見られたらバネをセット

粘着シートに餌を置くと、ねずみは餌の手前で立ち止まり、体を伸ばして餌だけを取ります。捕獲率が下がるうえ、餌を与えて居着かせることになります。設置は、ラットサインを手がかりに壁沿いへ。ねずみは隅から隅へ移動する習性があるためです。

頻度も決まっています。マニュアルは「トラップによる対策は、少なくとも週1回の頻度で継続する」としています。6月以内ごとの調査サイクルの間に、週1回なら約26回の点検。敷いて放置は対策に数えられません。

圧殺式で「図面に記入し、回収時に個数を確認する」と定められているのは、回収漏れが事故と衛生問題を生むからです。天井裏に残ったトラップは、誰も知らないまま次の工事業者が手を入れる場所になります。

防鼠工事は、タイミングを間違えると失敗する

意外と知られていない実務の原則です。維持管理マニュアルは防鼠工事について、こう定めています。

a) 対策を実施する場合には必ず取り入れる。

b) 生息数が多い段階での工事は避け、侵入がある前に予防的に行うか、殺鼠対策が完了した時点で実施する

理由は単純です。中にねずみがいる状態で出入口をふさぐと、内部に閉じ込めることになるからです。東京都の資料によれば、餌がない場合、ねずみは寒いと1日以内、暖かいと4〜5日で餓死します。どこで死ぬかは分かりません。天井裏や壁の中で死ねば、腐敗臭とハエの発生が数週間続きます。

したがって順序は①環境整備(餌と巣材をなくす)→ ②殺鼠・捕獲 → ③封鎖。封鎖を先にやりたくなりますが、それは生息数がゼロに近いと確認できてからです。もし封鎖を先行させたなら、その後1週間は死鼠と臭気の点検を続ける覚悟が要ります。

死んだねずみの周りに殺虫剤を撒く理由

マニュアルの事後処理には、こう書かれています。「殺鼠剤を使用した場合、ネズミの死骸は速やかに除去し、周辺への影響がないことを確認して、その周囲に殺虫剤を散布する」。

ねずみの体にはノミやダニが寄生しています。宿主が死ぬと、それらは新しい宿主を探して移動し、人を刺すようになります。死骸を片づけて終わりにすると、数日後に「原因不明の虫刺され」が発生する——これがよくある失敗です。死骸の除去と殺虫剤散布は必ずセットにしてください。

ダニによる被害の詳細は「ゴキブリ・ダニの生態と防除法」で扱います。

現場では、この順で点検する

順番 見るところ 判断
1 厨房・ゴミ集積場・食品売場 2月以内ごとの調査対象か
2 ラットサイン(糞・こすり跡・囓り跡) 新しいかどうかで現在の生息を判断
3 無毒餌と黒紙の結果 3水準のどれに当たるか
4 建物の隙間(1.2cm以上) 材質はかじられないか
5 整理整頓・食物管理 段ボール、残飯、ペット用飼料
6 トラップの点検記録 週1回以上か、図面と個数が合うか
7 薬剤の種類 承認を受けた医薬品・医薬部外品か

2と3の使い分けが肝心です。ラットサインは「いた証拠」、無毒餌と黒紙は「今いる証拠」。古い糞だけで措置水準と判定すると、必要のない薬剤散布を招きます。逆に、糞がないからと調査を省くと、天井裏の個体を見落とします。

理解度チェック|5択4問

Q1. 建築物における維持管理マニュアルが示すねずみの生息調査に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) 無毒餌は1か所あたり10gを餌皿に入れる
(2) 無毒餌は対象区域に10m²に1個程度配置する
(3) 無毒餌は就業時間終了後に配置し、翌日以後に回収する
(4) 黒紙はA4版程度の大きさのものを1〜2週間配置する
(5) 目視調査で糞が見つからなければ、トラップ等による調査は不要である

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正解:(5)
マニュアルは「まず十分な知識を有する技術者が全体について目視を行い、次いで、問題があると思われる場所について、トラップを用いた捕獲調査等客観的に判断できる調査を行う」としています。目視は入口であって、これで完結させることは想定されていません。(1)〜(4)はいずれもマニュアルの記載どおりです。

Q2. ねずみの生息調査の結果、生きた個体は確認されず、咬害もなかったが、無毒餌の喫食が確認され、黒紙にも足跡が確認された。標準的な目標水準の判定として正しいものはどれか。

(1) 許容水準 (2) 警戒水準 (3) 措置水準 (4) 判定不能で再調査が必要 (5) 生体が確認されていないため水準は適用しない

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正解:(3)
措置水準は「①生きた個体が確認される ②食品や家具・什器等に咬害が見られる ③無毒餌の喫食、黒紙に足跡や囓り跡の両方が確認される」のいずれか1つ以上に該当する場合です。設問は③に当たるため措置水準で、すぐに防除作業が必要です。どちらか一方だけなら警戒水準になります。

Q3. ねずみの防除に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

(1) クマネズミは1.2cm以上のすき間があれば通り抜けることができる
(2) 粘着トラップは、シートの上に餌を置くと捕獲率が上がる
(3) 防鼠工事は、生息数が多い段階での工事を避ける
(4) トラップによる対策は少なくとも週1回の頻度で継続する
(5) 殺鼠剤を使用した場合、死骸を除去したうえで周囲に殺虫剤を散布する

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正解:(2)
東京都の資料は「シートの上に餌を置くと、ねずみが警戒して立ち止まり、餌だけを取られることがある。シートの上には何も置かないほうがよい」としています。餌ならしを行うのは生け捕り式トラップです。(3)は閉じ込めを避けるため、(5)は宿主を失ったノミ・ダニが人を刺すのを防ぐための措置です。

Q4. 特定建築物におけるねずみ等の防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。

(1) 調査は6月以内ごとに1回行えば足り、区域による違いはない
(2) 食料を取り扱う区域や廃棄物の保管設備の周辺は、2月以内ごとに1回調査する
(3) 殺そ剤は効果があれば承認の有無を問わず使用できる
(4) 防除の目標は生息密度を0にすることである
(5) 措置水準に該当した区域では、まず薬剤散布を全面的に実施する

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正解:(2)
施行規則は6月以内ごとの統一的な調査を求め、平成15年厚生労働省告示第119号が、食料を取り扱う区域、排水槽、阻集器、廃棄物の保管設備の周辺など特に発生しやすい箇所について2月以内ごとに1回の調査を定めています。(3)は規則が承認を受けた医薬品・医薬部外品に限定、(4)はマニュアルが0を目指さない方針を明記、(5)は環境整備を基本とした発生源対策・侵入対策が先で、薬剤は範囲をできるだけ限定して使います。

公式の確認先

まとめ|見なくても措置水準になる

ねずみ防除は調査 → 水準判定 → 措置の順です。調査は6月以内ごとに1回、食料取扱区域・排水槽・阻集器・廃棄物保管設備の周辺2月以内ごとに1回。殺そ剤・殺虫剤は承認を受けた医薬品または医薬部外品に限られます。

調査は4つ。目視の証跡調査、無毒餌(1か所10g・10m²に1個)黒紙(A4版・1〜2週間)、聞き取り。800m²の対象区域なら餌皿は80個、餌は800gが目安です。

判定は、生体と咬害がなければ喫食と足跡の数で決まります。どちらもなければ許容、どちらか一方で警戒、両方で措置生きたねずみを見ていなくても措置水準になり得るのがポイントです。

クマネズミは殺そ剤感受性が低く警戒心が非常に強いため、毒えさとトラップだけでは足りません。1.2cmの隙間を通り、木材ならかじって穴を広げます。ふさぐ材料は金属タワシ・亀甲金網・外壁用パテ。粘着シートに餌は置かない、餌ならしは生け捕り式で。トラップは週1回以上継続します。

防鼠工事は生息数が多い段階では行わない。閉じ込めれば、寒いと1日以内、暖かいと4〜5日で餓死し、どこで死ぬかは分かりません。死骸を除去したら、周囲に殺虫剤を散布してノミ・ダニの移動を防ぎます。

害虫側の防除は「ゴキブリ・ダニの生態と防除法」、薬剤の分類は「殺虫剤・殺鼠剤の分類と安全管理」で扱います。演習は「ねずみの生態と防除法 ミニテスト第1回」へ、科目全体の攻略は「科目4・5・6・7の出題傾向と攻略法」で確認できます。

制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月5日

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