午後科目のカギは「足切り回避」と「得点源の確保」
午後の部(科目4〜7)は4科目・合計90問。午前が3科目だったのに対し、午後は4科目に増えます。科目の切り替えが多いぶん、時間配分と集中力の維持が重要です。
午後科目で最も注意すべきは、科目4(構造概論)と科目7(防除)の足切りです。この2科目は各15問しかなく、6問ミスで不合格。全体で65%を超えていても、この2科目のどちらかが40%未満なら問答無用で落ちます。
| 科目 | 出題数 | 性格 |
| 科目4:構造概論 | 15問(足切り注意) | 建築の基礎知識 |
| 科目5:給排水 | 35問(得点源) | 現場直結の実務知識 |
| 科目6:清掃 | 25問 | 実務経験が活きる |
| 科目7:防除 | 15問(足切り注意) | 害虫・ねずみの知識 |
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午前科目の攻略法は「【午前科目】ビル管理士 科目1・2・3の出題傾向と攻略法」、勉強法の全体像は「ビル管理士の勉強法と学習スケジュール【5か月合格プラン】」をご覧ください。
科目4:建築物の構造概論(15問)の攻略法
科目4の特徴 — 「足切りの罠」に注意
科目4は建築物の構造・材料・設備に関する基礎知識を問う科目です。ビルメンの日常業務とは少し離れた内容が多く、最も苦手とする受験者が多い科目と言われています。
RC造(鉄筋コンクリート造)とS造(鉄骨造)の違い、コンクリートの中性化、建築基準法の用語——「ビルの設備管理はわかるけど、ビルそのものの構造は……」と感じる方が多いのです。
| 出題数 | 15問 |
| 合格ライン目安 | 10問以上(67%)を目標に |
| 足切りライン | 6問以上(40%)は絶対に必要 |
| 難易度 | 苦手な人が多い。足切り最注意科目 |
15問で足切り — 1問の重みが大きい
科目4は15問中6問で足切りです。つまり10問間違えたらアウト。科目3(45問)で足切りになるには27問ミスが必要なのに対し、科目4はたった10問です。「出題数が少ない=ラク」ではなく、「出題数が少ない=1問の重みが大きい」と考えてください。
科目4の頻出テーマと攻略ポイント
| 頻出テーマ | 出題頻度 | 解説記事 |
| RC造・S造の特徴と力学 | 毎年出題 | 詳細 |
| コンクリート・建築材料 | 毎年出題 | 詳細 |
| 建築設備(電気・消防) | 毎年出題 | 詳細 |
| 建ぺい率・容積率の計算 | ほぼ毎年 | 詳細 |
| 建築基準法の用語 | 頻出 | 詳細 |
科目4の得点テクニック
- RC造とS造の比較は表で整理。「RC造は耐火性に優れる」「S造は大スパンに向く」の基本が分かれば解ける
- コンクリートの中性化は頻出。「年月とともにアルカリ性が失われ、鉄筋が錆びやすくなる」——ビルの外壁のヒビはこれが原因のことも(耐震・免震・制震と建築材料)
- 建ぺい率・容積率は計算問題。公式を覚えれば確実に1〜2問取れる。「建ぺい率=建築面積÷敷地面積×100」「容積率=延べ面積÷敷地面積×100」の2つだけ(建築計画・設計図面・環境)
- 消防設備(スプリンクラー・消火栓の種類)は現場で毎日見るもの。「あの赤い箱が屋内消火栓」とイメージすれば覚えやすい(建築設備)
ビルの中を歩くとき、「この壁はRC造だな」「この防火扉は何のためにあるんだろう」と意識してみてください。科目4の内容は、毎日働いている建物そのものに関する知識です。
科目5:給水及び排水の管理(35問)の攻略法
科目5の特徴 — 午後最大の得点源
科目5は35問で、午後科目の中で最も出題数が多い科目です。内容はビルの給水・排水設備の管理——受水槽、給湯設備、排水トラップ、浄化槽など、ビルメンの日常業務に直結する分野です。
現場で受水槽の点検をしたことがある方、排水管の詰まり対応をしたことがある方にとっては、教科書の内容が「あの現場のことか」と実感できる科目です。
| 出題数 | 35問(午後90問のうち最多) |
| 合格ライン目安 | 24問以上(69%)を目標に |
| 足切りライン | 14問以上(40%)は必須 |
| 難易度 | 実務経験があれば取り組みやすい |
科目5の頻出テーマと攻略ポイント
| 頻出テーマ | 出題頻度 | 解説記事 |
| 給水方式と給水設備 | 毎年出題 | 詳細 |
| 貯水槽の構造と管理 | 毎年出題 | 詳細 |
| レジオネラ対策・給湯 | 毎年出題 | 詳細 |
| 排水トラップ・排水管 | 毎年出題 | 詳細 |
| 水質基準・残留塩素 | 毎年出題 | 詳細 |
| 通気設備と排水槽 | ほぼ毎年 | 詳細 |
| 浄化槽と排水処理 | ほぼ毎年 | 詳細 |
科目5の得点テクニック
- 給水方式の比較(直結直圧・高置水槽・ポンプ直送・直結増圧)は表で整理すれば確実に得点できる(給水方式と給水設備)
- レジオネラ対策は頻出中の頻出。「貯湯槽の温度は60度C以上」「冷却塔の清掃は年1回以上」の数値を覚える(給湯設備とレジオネラ対策)
- 排水トラップは「封水」の仕組みを理解すれば応用が効く。キッチンのシンク下にあるS字管が排水トラップです——あの水が「封水」で、下水の臭気が上がるのを防いでいます(排水設備とトラップ)
- 残留塩素の基準「遊離残留塩素0.1mg/L以上」は毎年のように出る。現場の水質検査でDPD法を使って測定した経験があれば、そのまま得点源になる(水道の分類と水質基準)
科目5は「量」で稼げる科目です。35問もあるので、得意分野で確実に取り、苦手分野をカバーする余裕があります。ここで貯金を作っておくと、足切り注意の科目4・7のプレッシャーが軽くなります。
科目6:清掃(25問)の攻略法
科目6の特徴 — 現場経験がそのまま得点に
科目6はビルの清掃業務と廃棄物管理に関する科目です。日常清掃と定期清掃の違い、床材別の清掃方法、洗剤の種類、廃棄物処理法——清掃の現場で毎日目にしている内容が試験に出ます。
ビルの共用部を清掃している業者さんが使っているポリッシャー(床磨き機)、ワックスの種類、パッドの色分け——そういった「見たことはあるけど名前は知らなかった」ものが試験の正解になります。
| 出題数 | 25問 |
| 合格ライン目安 | 17問以上(68%)を目標に |
| 足切りライン | 10問以上(40%)は必須 |
| 難易度 | 実務経験があれば比較的取りやすい |
科目6の頻出テーマと攻略ポイント
| 頻出テーマ | 出題頻度 | 解説記事 |
| 清掃計画と品質管理 | 毎年出題 | 詳細 |
| 床材別の清掃方法 | 毎年出題 | 詳細 |
| 洗剤と床維持剤 | 毎年出題 | 詳細 |
| 廃棄物処理法・分類 | 毎年出題 | 詳細 |
| 汚れの分類と清掃用具 | ほぼ毎年 | 詳細 |
| リサイクル関連法 | 頻出 | 詳細 |
科目6の得点テクニック
- 床材の分類は「弾性床(Pタイル・ビニルシート)」「硬性床(石材・テラゾー)」「繊維床(カーペット)」の3つに分けて覚える。それぞれ清掃方法が違う(床材別清掃方法)
- パッドの色は「白→ベージュ→赤→茶→黒」の順に研磨力が強くなる。オフィスビルのエレベーターホールで見かけるピカピカの床——あれは白パッドで仕上げた「バフィング」です
- 廃棄物の分類は「一般廃棄物」「産業廃棄物」「特別管理産業廃棄物」の3段階。ビルから出るごみがどの区分に該当するかを判断できれば得点源になる(廃棄物処理法と廃棄物の分類)
- ドライメンテナンスとウェットメンテナンスの違いは近年の出題トレンド。現場でも水を使わないドライメンテナンスが主流になりつつある(床材別清掃方法)
科目7:ねずみ、昆虫等の防除(15問)の攻略法
科目7の特徴 — もう一つの足切り注意科目
科目7は害虫・ねずみの生態と防除方法を問う科目です。科目4と同じく15問しかなく、足切りのリスクが高い科目です。
内容はねずみ3種(クマネズミ・ドブネズミ・ハツカネズミ)の生態、ゴキブリやダニの防除法、殺虫剤の分類など。「虫が苦手」という方には辛い科目かもしれませんが、覚える量は科目の中で最も少ないとも言えます。
| 出題数 | 15問 |
| 合格ライン目安 | 10問以上(67%)を目標に |
| 足切りライン | 6問以上(40%)は絶対に必要 |
| 難易度 | 覚える量は少ないが、足切りに注意 |
科目7の頻出テーマと攻略ポイント
| 頻出テーマ | 出題頻度 | 解説記事 |
| ねずみ3種の生態と防除 | 毎年出題 | 詳細 |
| ゴキブリ・ダニの防除 | 毎年出題 | 詳細 |
| 殺虫剤・殺鼠剤の分類 | 毎年出題 | 詳細 |
| IPMと防除計画 | 毎年出題 | 詳細 |
| 蚊・ハエと媒介疾病 | ほぼ毎年 | 詳細 |
科目7の得点テクニック
- ねずみ3種の比較は鉄板。クマネズミ(天井裏に住む・警戒心が強い)、ドブネズミ(地下や下水に住む・泳ぎが得意)、ハツカネズミ(小型・好奇心旺盛)の特徴を表にまとめよう(ねずみの生態と防除法)
- ゴキブリは「チャバネゴキブリ」と「クロゴキブリ」の違いが頻出。ビルの厨房に多いのはチャバネ。飛べないが繁殖力が極めて強い(ゴキブリ・ダニの生態と防除法)
- IPM(総合的有害生物管理)の考え方は近年の重要テーマ。「薬剤だけに頼らず、環境整備と組み合わせて防除する」という基本方針を理解しておく(IPMと防除計画・調査法)
- 殺虫剤の分類(有機リン系・ピレスロイド系・カーバメート系・IGR)は名称と特徴をセットで覚える。「ピレスロイド系=人体への毒性が低い=家庭用にも使われる」のような関連付けが有効(殺虫剤・殺鼠剤の分類と安全管理)
ビルの地下の飲食店街にネズミが出た——そんな報告が設備管理室に入ることがあります。そのとき「クマネズミかドブネズミかで対策が違う」と判断できるのがビル管理士の知識です。
午後4科目の時間配分
午後の部は3時間で90問。4科目に分かれているため、切り替えを意識した時間配分が重要です。
| 科目 | 問題数 | 配分の目安 |
| 科目4:構造概論 | 15問 | 30分 |
| 科目5:給排水 | 35問 | 65分 |
| 科目6:清掃 | 25問 | 45分 |
| 科目7:防除 | 15問 | 25分 |
| 見直し | — | 15分 |
午後の集中力対策
午前3時間を戦ったあとの午後3時間は、集中力との戦いです。昼休憩では軽い食事+少し歩くのがおすすめ。満腹で眠くならないよう、おにぎり1〜2個程度に留めましょう。
午後の後半(科目6・7)で疲れが出やすいので、科目4は最初に集中して片付けるのが戦略的です。足切り注意の科目を疲れた状態で解くのは避けたいところです。
理解度チェック — この記事の内容から3問
午後科目の攻略ポイントを確認しましょう。
【第1問】科目4(構造概論)と科目7(防除)で足切りを回避するには、15問中何問以上の正解が必要ですか?
(1) 4問以上 (2) 5問以上 (3) 6問以上 (4) 8問以上
【第2問】午後4科目の中で最も出題数が多い科目はどれですか?
(1) 科目4(構造概論) (2) 科目5(給排水) (3) 科目6(清掃) (4) 科目7(防除)
【第3問】IPM(総合的有害生物管理)の基本方針はどれですか?
(1) 殺虫剤を大量に散布する (2) 害虫を見つけたら即座に駆除する (3) 薬剤だけに頼らず環境整備と組み合わせる (4) 年1回の一斉防除で対応する
まとめ
午後科目(科目4〜7)の攻略法を振り返ります。
この記事のポイント
- 科目4(構造概論):15問で足切り注意。RC造・S造の比較、建ぺい率計算が頻出
- 科目5(給排水):35問の得点源。給水方式・レジオネラ対策・排水トラップを重点的に
- 科目6(清掃):実務経験が活きる。床材別清掃・洗剤分類・廃棄物処理法がポイント
- 科目7(防除):15問で足切り注意。ねずみ3種・ゴキブリ・IPMを確実に押さえる
- 時間配分:科目4を最初に集中して解く → 科目5・6で得点を稼ぐ → 科目7で仕上げ
- 集中力対策:昼は軽食、午後後半の失速に注意
各科目の解説記事で知識を深めよう
午後4科目のテーマ別解説記事で、
頻出ポイントをしっかり押さえましょう。
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