構造種別の暗記より先に、「力がどこを通るか」を追います。床の荷重は梁・柱・壁へ流れ、基礎から地盤へ伝わります。途中の開口、撤去、集中荷重、偏心は、流れと応力分布を変えます。
この第1回は、30kN集中荷重の反力18・12kN、最大曲げ36kN·m、偏心圧縮の縁応力5.87MPa、機器脚部262kPa、45度ブレース軸力424kNを扱う独自5択5問です。
資料確認日:2026年8月9日。e-Govの建築基準法・同施行令、国土交通省の既存建築物資料、建築研究所の構造研究情報を照合しました。RC・S・SRC、架構形式、荷重5種類、改修時の確認順は「建築構造と荷重経路」で解説し、このページは別の数値による力学演習に特化しています。
解く前の3分整理|材料・架構・荷重経路を分ける
| 見る軸 | 例 | 判断の焦点 |
|---|---|---|
| 材料 | RC・S・SRC・木質 | 強度・剛性・耐久 |
| 架構 | ラーメン・壁・ブレース | 力への抵抗方法 |
| 荷重 | 固定・積載・雪・風・地震 | 大きさ・方向・組合せ |
| 経路 | 床→梁→柱等→基礎 | 欠損・不連続・偏り |
| 変状 | ひび割れ・腐食・変形 | 位置・進行・原因 |
以下の計算は、条件を限定した学習用モデルです。反力、平均応力度、支圧を一つ計算できても、部材強度、座屈、ひび割れ、接合、疲労、振動、地震、施工状態を含む安全判定にはなりません。
第1問|設備荷重は床から基礎・地盤へ流れる
既存階へ大型機器を設置する。一般化した鉛直荷重の伝達順序と、設置前の初動の組合せとして最も適切なものはどれか。
- 機器→天井→外壁→地盤/質量だけ確認する
- 機器→床→梁→柱・耐力壁→基礎→地盤/構造図・支持点・満水質量等を確認する
- 機器→間仕切壁→窓→地盤/床面積だけ確認する
- 機器→屋根→基礎→地盤/製品名だけ確認する
- 機器→床仕上げで完結/ラーメン構造なら確認しない
第2問|5m梁の30kN集中荷重は反力18・12kN
支間5mの単純梁に30kNの集中荷重が、左支点から2mの位置に作用する。梁自重を無視したとき、左反力RA、右反力RB、最大曲げモーメントの組合せはどれか。
- RA 12kN・RB 18kN・24kN·m
- RA 15kN・RB 15kN・30kN·m
- RA 18kN・RB 12kN・36kN·m
- RA 30kN・RB 30kN・60kN·m
- RA 60kN・RB 0kN・120kN·m
第3問|400kNを100mm偏心させると一方5.87MPa
幅b=0.30m、せいh=0.50mの均一な長方形断面へ、圧縮力N=400kNがせい方向にe=0.10m偏心して作用する。弾性・平面保持を仮定し、A=bh、Z=bh²/6、縁応力σ=N/A±Ne/Zで求める両縁応力の組合せはどれか。
- 両縁とも圧縮2.67MPa
- 圧縮5.87MPa・反対縁は引張0.53MPa
- 圧縮3.20MPa・反対縁0MPa
- 圧縮8.53MPa・反対縁2.67MPa
- 両縁とも引張5.87MPa
第4問|2.4t機器の1脚は5.88kN・局部圧力262kPa
質量2,400kgの機器を4本の脚が均等に支持し、各脚のベースプレートは150mm×150mmとする。重力加速度9.80665m/s²、動的影響を無視したとき、1脚の鉛直力とプレート下面の平均圧力に最も近いものはどれか。
- 0.60kN・26.2kPa
- 5.88kN・26.2kPa
- 5.88kN・262kPa
- 23.54kN・262kPa
- 23.54kN・1,046kPa
第5問|45度ブレース1本で300kNなら軸力424kN
水平に対して45度のブレース1本が、単純化して層せん断力300kNの全水平成分を負担する。接合部・座屈等を無視し、Ncos45°=300kNとすると、ブレース軸力に最も近いものはどれか。
- 150kN
- 212kN
- 300kN
- 424kN
- 600kN
採点|構造名から力の流れへ進めたか
| 正解数 | 判定 | 復習の焦点 |
|---|---|---|
| 5問 | 荷重経路は安定 | 実図面との照合へ |
| 4問 | 1計算を再確認 | 釣合いか単位 |
| 2~3問 | 平均値中心の判断 | 偏心・集中・分力 |
| 0~1問 | 親記事から復習 | 材料・架構・経路 |
建築基準法施行令第83条は、固定、積載、積雪、風、地震を荷重・外力として挙げ、実況に応じて土圧、水圧、振動、衝撃も採用します。設備更新や間取り変更では、変更した力がどの部材・接合・基礎へ流れるかを図面と現況で確認します。
間違えた分野の戻り先
- 構造材料・架構・荷重5種類・改修初動:建築構造と荷重経路
- 耐震・免震・制振・地震時の設備慣性力:耐震・免震・制振と材料診断
- 既存建築物の改修と建築基準法:建築基準法の実務判断
- 設備振動と防振支持:騒音・振動の診断
追加演習
SRC、RCの成立条件、ブレース、積載荷重、応力の種類は「建築構造の種類と力学ミニテスト第2回」、木質構造、構造比較、壁式、中立面は「建築構造の種類と力学ミニテスト第3回」で確認できます。
公式資料の確認先
まとめ|反力18kNからブレース424kNまでつなぐ
5m単純梁の左から2mに30kNが作用すると、左反力18kN、右反力12kN、最大曲げ36kN·mです。400kNを100mm偏心させた長方形断面では、一方の圧縮応力が5.87MPa、反対縁は0.53MPaの引張になりました。
2.4t機器の4脚均等モデルは1脚5.88kNでも、150mm角の局部圧力は262kPaです。45度ブレースで水平300kNを負担するには軸力424kNが必要です。平均面荷重や構造名だけで設置・開口・撤去を決めず、支持点から地盤までの経路を図面と現況で追ってください。
資料確認日/最終更新日:2026年8月9日
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。