清掃計画は、作業名を分類するだけでは完成しません。面積、作業能率、準備・移動時間、清掃周期を時間へ換算し、未実施箇所を報告し、作業者とは別の視点で品質を確かめます。
この第1回は、必要工数15.1時間、定期清掃の周期変更による年44時間増、入室できなかった6室の扱い、3月以内ごとを標準とする自主点検、24室抽出時の検出率84.2%を扱う独自5択5問です。
資料確認日:2026年8月12日。厚生労働省の建築物衛生関係法令・告示と、国土交通省「建築保全業務共通仕様書 令和5年版」を照合しました。同仕様書の周期や自主点検は官庁施設の委託仕様を組む際の標準であり、すべての民間建物に一律適用される法定周期ではありません。法令と計画設計の全体像は「清掃計画と品質評価」で確認してください。
解く前の3分整理|清掃計画を5つの数字へ分ける
| 判断 | 使う数字 | 見落としやすい点 |
|---|---|---|
| 必要工数 | 面積÷能率 | 準備・移動・報告 |
| 周期変更 | 1回工数×年回数 | 養生・片付け |
| 実施確認 | 対象数と未実施数 | 省略箇所の記録 |
| 自主点検 | 周期と点検者 | 作業者との独立性 |
| 抽出検査 | 母数・不具合数・抽出数 | 見逃し確率 |
作業能率は建物共通の定数ではありません。床材、什器密度、区画、移動距離、利用者がいる時間帯によって変わります。ここで使う能率と実働率は計算練習用の条件です。実務では自館の作業記録から更新してください。
第1問|正味12.4時間を実働率82%で割り戻す
事務室2,400m²を480m²/時、廊下1,600m²を800m²/時で清掃し、便所18か所には各0.30時間かかる。準備・移動・報告を含む実働率を0.82とすると、必要な支払時間に最も近いものはどれか。
- 10.2時間
- 12.4時間
- 15.1時間
- 17.8時間
- 24.8時間
第2問|年4回から6回へ変更すると44時間増える
床3,600m²の定期清掃を180m²/時で行い、1回ごとに養生・片付け2時間を要する。年4回から年6回へ変更したとき、年間工数は何時間増えるか。
- 20時間
- 40時間
- 44時間
- 88時間
- 132時間
第3問|入室できなかった6室を「実施済み」にしない
定期清掃の対象80室のうち、利用者の要請で6室へ入れなかった。最も適切な処理はどれか。
- 契約対象だったので80室すべて実施済みと記録する
- 6室を報告書から削除し、次回まで何もしない
- 未実施6室と理由を報告し、施設管理担当者と代替日を協議する
- 利用者の要請だったので、口頭共有だけで記録は残さない
- 作業員の判断で、別の6室を追加清掃すれば同じとみなす
第4問|3月以内ごとの自主点検は「標準」と「法令」を分ける
国土交通省「建築保全業務共通仕様書 令和5年版」の清掃業務における自主点検について、最も適切な説明はどれか。
- 毎月、当日の作業担当者だけで行う法定検査である
- 3月以内ごとを標準に、業務責任者・担当者以外の者が作業成果や管理体制等を点検する
- 6月以内ごとの大掃除と同じ法令上の作業である
- 苦情があったときだけ、施設利用者が行う
- 床の光沢だけを測れば、自主点検は完了する
第5問|120室中8室が不良、24室抽出の検出率は84.2%
全120室のうち不具合が8室にあるとする。重複なしで24室を無作為抽出するとき、少なくとも1室の不具合を見つける確率に最も近いものはどれか。
- 6.7%
- 20.0%
- 59.8%
- 84.2%
- 100%
採点|分類暗記から計画・記録・検出へ進めたか
| 正解数 | 判定 | 復習の焦点 |
|---|---|---|
| 5問 | 計画判断は安定 | 自館データへ置換 |
| 4問 | 1条件を再確認 | 総工数か記録 |
| 2〜3問 | 分類暗記に偏る | 割戻し・見逃し率 |
| 0〜1問 | 親記事から復習 | 法令と仕様の区別 |
現場へ持ち帰るチェック|実績値を次回計画へ戻す
- 区域:床材、用途、什器密度、利用時間帯ごとに区分する
- 工数:面積÷実測能率に、準備・移動・搬出・報告を加える
- 実績:実施区域、未実施区域、理由、代替対応を同じ報告書へ残す
- 品質:作業者の自己点検と、別担当者の点検を分ける
- 抽出:無作為抽出と、苦情・変更区画の重点抽出を併用する
- 改善:苦情件数だけでなく、能率、未実施率、再作業時間も次期仕様へ反映する
間違えた分野の戻り先
- 作業能率、登録基準、大掃除、品質評価:清掃計画と品質評価
- 用具・機械と汚れの除去:汚れの分類と清掃用具・機械
- 洗剤の希釈と床維持剤:洗剤と床維持剤
- 床材ごとの清掃と復旧:床材別清掃方法
追加演習
日常・定期清掃や品質評価手法の基礎は「清掃計画と管理体系・品質評価 ミニテスト第2回」、臨時清掃・組織体制・品質管理サイクルは「同 第3回」で確認できます。第2回・第3回は用語の復習用、この第1回は数値と記録を使う代表演習として役割を分けています。
公式資料の確認先
- e-Gov法令検索「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」
- e-Gov法令検索「同法施行規則」
- 厚生労働省「建築物衛生のページ」
- 国土交通省「建築保全業務共通仕様書」
- 国土交通省「建築保全業務共通仕様書 令和5年版」PDF
まとめ|15.1時間・年44時間増・検出率84.2%を計画へ戻す
3区域の正味12.4時間を実働率0.82で割り戻すと、必要時間は約15.1時間です。3,600m²の定期清掃は養生込み22時間/回で、年4回から6回へ変えると44時間増えます。頻度を上げる提案は、必ず年間工数と体制へ変換します。
入室できなかった6室は実施済みにせず、理由と代替対応を報告します。自主点検は、共通仕様書では3月以内ごとを標準に作業担当者以外が行いますが、法定の大掃除とは別です。120室中8室が不良という条件で24室を抽出しても検出率は約84.2%なので、点検結果を全数保証と誤解しないことが重要です。
資料確認日/最終更新日:2026年8月12日
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。