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床材別清掃方法|大理石18μm溶解・体育館はワックス禁止

体育館の木質床に「乳化性ワックスを塗る」と覚えていたら、更新が必要です。文部科学省は令和7年5月の手引きで、体育館の床板について水拭き及びワックス掛けは行うべきではないと明示しました。ワックスが塗られていると、本来必要なポリウレタン樹脂塗料の重ね塗りができない場合があるためです。

この記事では、床材を「材質が何に負けるか」で整理します。pH2の酸性洗剤100mLが大理石を約18μm溶かすことを化学量論で計算し、ビニル床タイルはJISのバインダー含有量30%で種類が分かれること、リノリウムはpH9以上が使えないことを、規格とメーカー資料で確認します。

制度・資料確認日:2026年8月5日。文部科学省「体育館の床板の剥離による事故防止について」(令和7年5月)、消費者庁 消費者安全調査委員会の事故等原因調査報告書、JIS A 5705(ビニル系床材)、リノリウム製造者の技術情報、日本左官業組合連合会、厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル 第5章」を照合しています。個別の製品は必ず床材メーカーの維持管理指示に従ってください。

結論|床材は「何に負けるか」で3つに割れる

負ける相手 該当する床材 起きること
大理石、テラゾ、リノリウム カルシウム分が溶けて艶が消える
アルカリ リノリウム、木質床 油分がけん化されて変色する
水分 木質床、リノリウム 膨張・反り・接着層の劣化
強い摩擦 繊維床、軟質の弾性床 パイル損傷、表面の摩耗
ほぼ負けない ビニル床タイル、花崗岩 日常清掃の自由度が高い

床材名を丸暗記すると、新しい材料が入ったときに判断できません。「この材料は何でできているか」から「何に負けるか」を導くのが実務の順序です。薬剤の側の理屈は「洗剤と床維持剤の選定」で整理しました。ここでは受け止める側を見ます。

弾性床|JISはバインダー含有量30%で種類を分ける

オフィスビルで最も多いのがビニル系の床材です。JIS A 5705(ビニル系床材)は、ビニル樹脂・可塑剤・安定剤を組み合わせた基本材料をバインダーと定義し、その含有量で床タイルを分けています。

種類 記号 バインダー含有量
単層ビニル床タイル TT 30%以上
複層ビニル床タイル FT 30%以上
コンポジションビニル床タイル KT 30%未満

30%という数字が、性質の分かれ目です。バインダーが少ないコンポジションタイプは、その分だけ充填材(無機質の粉)の割合が高くなります。安価で寸法安定性が高い一方、樹脂分が少ないぶん表面は硬く、傷が付いたときに元へ戻りにくい。バインダーの多い単層タイプは柔軟性があり、意匠も自由度が高くなります。

清掃側の判断はこうなります。バインダーの多い床材ほど、溶剤や可塑剤に影響されやすいと考えてください。溶剤を含む薬剤や、ゴム製のマット・キャスターを長時間置いたときの汚染(可塑剤の移行による着色)は、樹脂分の多い床材で目立ちます。清掃で落とせない着色は、洗い方の問題ではなく材料同士の相性の問題です。

なお、ビニル床タイルは水性フロアポリッシュとの相性がよく、日常清掃で中性から弱アルカリ性の洗剤を使えます。この記事に出てくる床材のなかでは、いちばん扱いやすい部類です。ここを基準にすると、他の床材の制約が見えやすくなります。

リノリウムはビニルの仲間ではない。pH9以上が使えない

「弾性床」とひとまとめにされるため誤解されがちですが、リノリウムはビニル系ではありません。製造者が公表している原材料は、亜麻仁油、木粉、ロジン(松やに)、石灰石、天然色素、ジュート(裏打ちの麻布)です。石油由来の樹脂ではなく、天然素材の複合材です。

この組成が、そのまま弱点になります。

含まれるもの 負ける相手と理由
亜麻仁油(乾性油) アルカリ|けん化されて変色する
石灰石(炭酸カルシウム) 酸|溶けて表面が荒れる
木粉・ジュート 水分|膨潤・寸法変化

アルカリに弱いのは、亜麻仁油が油脂であるためです。仕組みは「洗剤と床維持剤の選定」で扱った反応がそのまま床の上で起きるだけなので、別に覚え直す必要はありません。

数値の目安もあります。リノリウム製造者は、pH9以上の強アルカリ製品(剥離剤やアルカリ水溶液を含む)は変色のおそれがあるため避けるとしています。pH9は「弱アルカリ性」と表示される範囲に入りますから、市販の弱アルカリ性洗剤の多くがこの目安に触れます。「強アルカリでなければ大丈夫」ではありません。

剥離をどうするかも問題になります。リノリウム対応をうたう中性系の剥離剤はありますが、アルカリ系に比べて剥離力は落ちます。実務では、そもそも剥離が必要になるほど被膜を重ねない運用、つまり日常の除じんと軽い洗浄で保たせる設計が現実的です。やむを得ず作業する場合は、希釈を守り、汚水を素早く回収し、床面を濡らしたままにしない。この3点に尽きます。

硬性床|pH2の洗剤100mLが大理石を約18μm溶かす

「大理石に酸性洗剤は厳禁」は正しいのですが、どれくらいまずいのかを数字にしておくと、現場での緊張感が変わります。大理石の主成分は炭酸カルシウム(CaCO₃)で、酸と次のように反応します。

CaCO₃ + 2H⁺ → Ca²⁺ + H₂O + CO₂

条件:pH2(水素イオン0.01mol/L)の酸性洗剤を100mL、面積10cm²の範囲にこぼす

水素イオン = 0.01mol/L × 0.1L = 1×10⁻³mol

溶ける炭酸カルシウム = 1×10⁻³ ÷ 2 = 5×10⁻⁴mol = 0.050g

体積(密度2.71g/cm³)= 0.050 ÷ 2.71 = 0.0185cm³

10cm²に広がったときの深さ = 0.0185 ÷ 10 = 約18.5μm

コップ半分ほどの酸性洗剤で、0.018mmの深さが失われます。小さく見えますか。「洗剤と床維持剤の選定」で計算したフロアポリッシュの乾燥被膜は1層6.7μmでしたから、その約3層分です。大理石の光沢は表面がどれだけ平滑かで決まるため、この程度の溶解でも艶は明らかに落ちます。しかも研磨で直すしかありません。

この計算は「酸がすべて反応する」と置いた上限値で、実際は拭き取りまでの時間や洗剤の緩衝成分で変わります。それでも桁の感覚としては十分です。トイレ用の酸性洗剤を持ったままロビーを横切らない、といった運用ルールに具体的な根拠を与えてくれます。

硬性床の種類 主成分 酸への強さ
大理石 炭酸カルシウム 非常に弱い
セメント系テラゾ 種石+セメント 大理石以上に弱い
花崗岩(御影石) けい酸塩鉱物 比較的強い
セラミックタイル 焼成した陶磁器質 強い(目地は別)

テラゾは大理石より酸に弱いと考える

テラゾ(人造石研ぎ出し)は、日本左官業組合連合会の説明では、セメントや石灰に大理石や玉石の骨材を混ぜ、天然石のように見せる仕上げです。現場テラゾでは10〜12mm程度、研ぎ出し仕上げでは5mm目程度の砕石を使い、着色したセメントペーストで練って研磨します。

ここで判断が一段深くなります。テラゾは、種石もマトリックス(つなぎ)も両方がカルシウム系です。種石は大理石ですから炭酸カルシウム、セメント硬化体も水酸化カルシウムや炭酸カルシウムを含みます。つまり、酸に対して逃げ場がありません

実務上は次のように表れます。酸がかかると、まずセメント部分が先に侵されて種石の周囲がへこみ、表面がざらつきます。研ぎ出して平滑にした仕上げなので、この凹凸は光沢の喪失に直結します。「大理石には気をつけるがテラゾなら平気」は逆だと覚えてください。

花崗岩(御影石)は、けい酸塩鉱物が主体のため酸に比較的強く、大理石ほど神経質になる必要はありません。ただし「強い」は「何でもよい」ではなく、含まれる鉄分がさびて着色することがあります。硬性床は原則すべて中性洗剤を基本にし、それ以外を使うなら目立たない場所で試すのが安全です。

木質床|体育館は「水拭き・ワックス掛けを行うべきではない」

ここが、この記事でいちばん更新が必要な部分です。

体育館の床板が剥離して人体に刺さる事故が続き、消費者庁の消費者安全調査委員会が調査報告書をまとめました。平成18年から平成27年までに7件の事故が確認されており、竣工または床板の全面改修から事故発生までは2年から31年、入院日数は4日から27日に及びます。内臓裂傷に至った例もあります。

さらに文部科学省は、令和6年12月から令和7年2月にかけて事故が相次いだことを受け、令和7年5月に手引きを作成しました。そこに示された事故の特徴は次の3点です。

特徴 意味すること
水拭き・ワックス掛けをしていない学校でも発生 清掃方法だけでは防げない
築10年の比較的新しい学校でも発生 経年だけの問題ではない
目視の日常点検をしていても発生 目視だけでは見落とす

そのうえで、維持管理のポイント1として「水拭き及びワックス掛けの禁止」が挙げられています。手引きの表現は「水拭き及びワックス掛けは、床板等の不具合発生の観点からは行うべきではない」で、やむを得ず使用する場合は水分の影響を最小限にするよう求めています。

理由は水分だけではありません。手引きは、ワックスが塗られているとポリウレタン樹脂塗料の重ね塗りができない場合があると明記しています。体育館の床は、塗膜を定期的に重ねて維持するのが本来の設計です。ワックスを塗ると、その本来の維持管理が成り立たなくなる。ここが決定的です。

点検方法も具体化されています。目視だけでなく、ストッキングや柔らかい布をかぶせたモップで床板の長手方向に両方向から拭き取り、ササクレ・割れ・欠けによる引っかかりがないか確かめる触診が示されています。応急措置にはライン用テープなど粘着力の弱いものを使い、ガムテープは塗膜や表面材まで剥がす恐れがあるため使わないとされています。

体育館の床は2〜3年・10年・20年で回す

木質床の維持管理は、清掃の話だけでは完結しません。文部科学省の手引きは、塗膜の耐用年数を10年程度としたうえで、中長期の改修計画を示しています。

周期 実施内容
2〜3年 ポリウレタン樹脂塗料の重ね塗り
10年 全面サンダー掛け後の再塗装
20年 床下地を含む床全面取替え

20年で何回、床に手を入れるか(重ね塗りを2.5年ごととした場合)

重ね塗り = 20年 ÷ 2.5年 = 8回。ただし10年目と20年目は別工程に置き換わる

内訳 = 重ね塗り6回+全面再塗装1回+全面取替え1回

1回あたりの間隔 = 平均2.5年。予算計上を忘れられる長さである

この「2.5年」という間隔が曲者です。年次予算では毎年出てこないため、担当者が替わると抜け落ちます。床の改修は日常清掃の延長ではなく、長期修繕計画の項目として管理する。手引きが計画策定・実施・記録保管・見直しのサイクルを求めているのは、このためです。清掃の計画と記録の考え方は「清掃計画と品質評価」で整理しています。

なお、事務所や店舗の一般的なフローリングでは、床材メーカーが水性の木床用フロアポリッシュを指定していることもあります。「木質床には乳化性か油性」と一律に覚えないでください。判断の順序は、①その床が何の用途か(競技床か一般床か)、②塗装仕様は何か、③メーカーの維持管理指示は何か、です。体育館は①の時点で扱いが分かれます。

繊維床|パウダー方式とドライフォーム方式は別物

カーペットの洗浄方式は混同されやすく、とくに「パウダー方式=ドライフォーム方式」と同一視する説明は誤りです。使うものが違います。

方式 使うもの 回収の仕方
パウダー方式 吸水性の粉末 乾燥後にバキューム
ドライフォーム方式 多泡性洗剤の泡 乾燥後にバキューム
シャンプークリーニング 洗剤とブラシ すすぎと吸引
エクストラクション 洗浄液の噴射 同時に吸引回収

パウダー方式は、洗剤を含ませた吸水性の粒子をまき、ブラシで繊維に入れて汚れを吸わせ、乾いた粉ごとバキュームで回収します。ドライフォーム方式は、多泡性の洗剤を専用機で泡立て、泡をブラシで擦り込んで汚れを包み、乾燥後に泡のカスごと吸い取ります。粉か泡か、ここが違いです。

選定の軸は、洗浄力ではなく「どれだけ濡らすか」と「洗剤がどれだけ残るか」です。エクストラクションは洗浄液を噴射しながら同時に吸引するため、洗剤の残留は少なく、カーペット内部まで届きます。反面、全体が濡れるので乾燥に時間がかかります。ホテルの客室のように翌日すぐ使う区画では、乾燥時間の短い方式が選ばれます。

洗剤が残ることは、単に気持ちの問題ではありません。残留した洗剤成分が新しい汚れを引き寄せ、洗ったところから先に黒ずみます。「洗ったのに前より汚れが早い」という苦情の多くはこれです。すすぎまたは吸引回収を省かないでください。

日常清掃は、回転ブラシでパイルを起こしながら吸うアップライト型が基本です。パイルの根元に残った砂が内側から繊維を切るため、除じんの精度がカーペットの寿命を決めます。用具の選び方は「汚れの分類と清掃用具・機械」で扱いました。

カーペットは製法で汚れ方と直し方が変わる

製法 作り方 よく使われる場所
タフテッド 基布に針でパイルを刺す オフィス全般(国内で最多)
ウィルトン パイルと地組織を同時に織る ホテルの客室・宴会場
ニードルパンチ 短繊維を針で絡めフェルト状に 展示会場・催事

製法が分かると、現場での判断が具体化します。タフテッドは基布にパイルを刺してバッキングで固定する構造のため、過剰な水分はバッキングの接着に効きます。濡らしすぎる洗浄を繰り返すと、パイル抜けや端部のめくれにつながります。

ウィルトンはパイルと地組織を織り込むため、構造としては丈夫です。ホテルの客室に多いのはこのためですが、密度が高いぶん内部に入った汚れは表面清掃では出てきません。定期洗浄の周期を空けすぎると回復しにくくなります。

ニードルパンチはパイルではなくフェルト状で、安価な代わりに復元性がありません。一度つぶれた箇所は戻らないため、催事のたびに張り替える前提の材料です。恒久的な区画に敷かれていたら、清掃で直すのではなく更新の相談をするのが正解です。

床材別の早見表

床材 使ってよい洗剤 床維持剤・仕上げ
ビニル床タイル 中性〜弱アルカリ性 水性フロアポリッシュ
リノリウム 中性(pH9以上は不可) メーカー指定品のみ
大理石・テラゾ 中性のみ(酸は厳禁) 石材用の仕上げ材
体育館の木質床 水拭きも行わない ポリウレタン樹脂塗装
カーペット 専用洗剤(残留に注意) 床維持剤は塗らない

この表は出発点であって、最終判断ではありません。同じ「ビニル床タイル」でも、表面に工場出荷時のコーティングが施された製品では、フロアポリッシュを塗らない前提のものがあります。竣工図書と床材メーカーの維持管理指示を確認したうえで、この表を当ててください。

理解度チェック

【問1】JIS A 5705(ビニル系床材)に関する記述のうち、正しいものはどれですか。

  1. コンポジションビニル床タイルはバインダー含有量が30%以上である
  2. コンポジションビニル床タイルはバインダー含有量が30%未満である
  3. バインダーとはビニル樹脂だけを指す
  4. 単層ビニル床タイルと複層ビニル床タイルはバインダー含有量で区別される
  5. リノリウムはJIS A 5705のビニル系床材に含まれる
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正解:2
コンポジションは30%未満、単層と複層はいずれも30%以上です。したがって1は誤り、4も誤りで、単層と複層を分けるのは含有量ではなく層構成です。3はバインダーがビニル樹脂・可塑剤・安定剤を組み合わせた基本材料と定義されるため誤り。5もリノリウムは亜麻仁油や石灰石からなる別系統の材料です。

【問2】pH2(水素イオン0.01mol/L)の酸性洗剤100mLがすべて反応したとき、溶ける炭酸カルシウムの質量に最も近いものはどれですか。式量は100とします。

  1. 0.005g
  2. 0.050g
  3. 0.10g
  4. 0.50g
  5. 1.0g
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正解:2
水素イオンは0.01mol/L×0.1L=1×10⁻³mol。CaCO₃+2H⁺の反応なので炭酸カルシウムは5×10⁻⁴mol、質量は0.050gです。密度2.71g/cm³で10cm²に広がれば深さ約18.5μmとなり、フロアポリッシュの乾燥被膜1層6.7μmの約3層分に相当します。

【問3】文部科学省が示す体育館の床板の維持管理に関する記述のうち、誤っているものはどれですか。

  1. 水拭き及びワックス掛けは、不具合発生の観点からは行うべきではない
  2. ワックスが塗られているとポリウレタン樹脂塗料の重ね塗りができない場合がある
  3. 床板の塗膜の耐用年数は10年程度とされている
  4. 目視による日常点検を実施していれば、剥離による事故は防止できる
  5. 応急措置にはライン用テープなど粘着力の弱いものを使用する
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正解:4
手引きは、目視による日常点検を実施している学校でも事故が発生していることを事故の特徴として挙げています。だからこそ、ストッキング等の柔らかい布を用いた触診による点検が示されています。ガムテープは塗膜や表面材まで剥がす恐れがあるため使いません。

【問4】床材とその取扱いの組合せのうち、最も不適当なものはどれですか。

  1. リノリウム ── pH9以上の強アルカリ製品は避ける
  2. セメント系テラゾ ── 酸に対して大理石以上に注意が必要
  3. 花崗岩 ── けい酸塩鉱物が主体で酸に比較的強い
  4. カーペット ── パウダー方式は泡を擦り込んで乾燥後に吸引する
  5. ニードルパンチカーペット ── 復元性が低くつぶれた箇所は戻りにくい
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正解:4
泡を擦り込むのはドライフォーム方式です。パウダー方式は洗剤を含ませた吸水性の粉末をまき、ブラシで繊維に入れて乾燥後にバキュームで回収します。両者を同一視する説明は誤りです。2はテラゾが種石もセメントもカルシウム系のため酸に逃げ場がなく、正しい記述です。

公式の確認先

まとめ|材質から弱点を導き、メーカー指示で確定する

床材は名前で覚えるより、何でできていて何に負けるかで整理したほうが応用がききます。カルシウム分を含む材料(大理石、テラゾ、リノリウムの石灰石)は酸に、油分を含む材料(リノリウムの亜麻仁油)はアルカリに、繊維や木質は水分に負けます。

数字で押さえるのは3つです。ビニル床タイルを分けるバインダー含有量30%、pH2の洗剤100mLが大理石を削る約18.5μm、リノリウムに使えないpH9以上。テラゾは種石もセメントもカルシウム系で酸に逃げ場がないため、大理石より条件が悪いと考えてください。

そして体育館の木質床。文部科学省は水拭き及びワックス掛けを行うべきではないとしています。ワックスがあると本来のポリウレタン樹脂塗装の重ね塗りができない場合があるためです。維持は2〜3年で重ね塗り、10年で全面再塗装、20年で全面取替えという長期計画で回し、点検は目視に加えて柔らかい布による触診を行います。

繊維床では、パウダー方式(粉)とドライフォーム方式(泡)は別物です。選定の軸は洗浄力ではなく、どれだけ濡らすか、洗剤がどれだけ残るか。残留は次の汚れを呼びます。

最後に一つ。ここに書いたすべては出発点で、確定させるのは竣工図書と床材メーカーの維持管理指示です。次は薬剤側の理屈を「洗剤と床維持剤の選定」で、演習は「床材別清掃方法 ミニテスト第1回」で確認してください。外装や窓ガラスは「外装清掃・窓ガラス清掃」、科目全体の攻略は「科目4・5・6・7の出題傾向と攻略法」へ進めます。

制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月5日

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