砂・ほこり・泥は「水で取れるから水溶性」ではありません。水にも油にも溶けない固体汚れです。乾式で先に回収し、床材・床維持剤・汚れに合う摩擦と洗剤を選び、回収した汚水や排気を再び広げないところまでが清掃です。
この第1回は、入口マットの捕集率85%、強すぎるパッドの診断、自動床洗浄機の実効能率893m²/時、汚水回収率84%、掃除機排気の粒子低減98.5%と筐体漏れを扱う独自5択5問です。
資料確認日:2026年8月12日。厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル 第5章 清掃の管理」、国土交通省「建築保全業務共通仕様書 令和5年版」、米国EPAのHEPA掃除機資料を照合しました。作業能率・捕集量・粒子数は演習用条件です。機械の性能表示やパッド色はメーカー試験条件・製品系列で異なるため、取扱説明書と床材・床維持剤の仕様を優先してください。
解く前の3分整理|除去・回収・再飛散を分ける
| 段階 | 確認する値 | 失敗の例 |
|---|---|---|
| 持込み防止 | 入口での捕集量 | 飽和マットを放置 |
| 摩擦選定 | 光沢・傷・変色 | 強いパッドへ即変更 |
| 機械導入 | 幅×速度×稼働率 | 理論能率で積算 |
| 汚水回収 | 投入量と回収量 | 残留水を無視 |
| 粉じん回収 | 排気と継ぎ目の粒子 | フィルターだけ確認 |
清掃機械を選ぶときは、「汚れを床から離す力」と「離した汚れを回収する力」を分けます。洗浄力が高くても、汚水を残せば再付着や転倒の原因になります。フィルターが高性能でも、筐体の継ぎ目から空気が漏れれば粉じんは戻ります。
第1問|入口2段で850gを捕集、通過は150g
ある雨天日に、靴底から持ち込まれる土砂を簡易計量した。屋外マットで620g、風除室の屋内マットで230gを回収し、屋内床へ通過した量は150gだった。2段のマットによる総捕集率と判断の組合せはどれか。
- 15%。大半を捕集できている
- 62%。屋外マットだけで十分である
- 76.7%。屋内マットの量だけで計算する
- 85%。150gは通過するため床の除じんも必要である
- 100%。マットを2段にすれば土砂は通過しない
第2問|指定赤パッドを緑へ変え、光沢72から48へ低下
床維持剤メーカーの補修手順は赤パッドを指定している。担当者が早く汚れを落とそうと緑パッドへ変更したところ、同じ測定点の光沢度が72から48へ下がり、細かな擦り傷が増えた。最も適切な初動はどれか。
- 黒パッドへ替え、研磨力をさらに上げる
- 回転数を最大にして傷を熱で消す
- 作業を止め、指定パッド・洗剤・回転条件へ戻して目立たない場所で試験する
- 光沢度は清掃品質と無関係なので、そのまま全面施工する
- メーカーを問わずパッド色の用途は完全に同一なので、緑のままでよい
第3問|理論1,540m²/hでも実効は893m²/h
洗浄幅0.55mの自動床洗浄機を2.8km/hで走行させる。旋回、給排水、什器回避を含む稼働率は0.58だった。実効作業能率と2,700m²の所要時間に最も近い組合せはどれか。
- 319m²/h・8.5時間
- 893m²/h・3.0時間
- 1,540m²/h・1.8時間
- 2,800m²/h・1.0時間
- 5,600m²/h・0.5時間
第4問|150L散布して126L回収、残留24L
床洗浄で洗浄液150Lを散布し、回収タンクの増加量は126Lだった。この簡易収支での回収率・未回収量と対応の組合せはどれか。
- 回収16%・未回収126L。散布量を増やす
- 回収24%・未回収114L。そのまま開放する
- 回収84%・未回収24L。スクイージー、吸引、床勾配を確認して再回収する
- 回収119%・未回収0L。測定は正常である
- 回収100%・未回収24L。未回収量は無視できる
第5問|排気98.5%低減でも、筐体継ぎ目2,600個/L
微細粉じんの回収中、簡易粒子計で吸込側12,000個/L、排気口180個/L、筐体の継ぎ目付近2,600個/Lを測定した。最も適切な判定はどれか。
- 排気口の低減率は1.5%なので、フィルターは無効である
- 排気口は98.5%低減だが、継ぎ目の高値からシール・取付け・ホース接続の漏れを疑う
- HEPAはフィルター単体のため、筐体からの漏れは性能に影響しない
- 継ぎ目の値は吸込側より低いので、点検せず作業を続ける
- この3点測定だけでHEPAの99.97%規格適合を証明できる
採点|「落とす」だけでなく「回収する」まで判断できたか
| 正解数 | 判定 | 復習の焦点 |
|---|---|---|
| 5問 | 機械診断は安定 | 自館の実測へ |
| 4問 | 1工程を再確認 | 回収か漏れ |
| 2〜3問 | 名称暗記に偏る | 収支・稼働率 |
| 0〜1問 | 親記事から復習 | 固体汚れと機械 |
現場での確認順|乾式回収から排気まで追う
- 入口:マットの捕集量、飽和、交換周期、通過土砂を記録する
- 乾式:砂・ほこりを先に回収し、湿らせて広げない
- 適合:床材・床維持剤・汚れに対するパッドと洗剤を試験施工する
- 能率:幅×速度の理論値を、実測稼働率で補正する
- 回収:散布量と回収量、床面残留、スクイージー・吸引系統を見る
- 排気:フィルターだけでなく、筐体・ホース・ガスケットの漏れを確認する
間違えた分野の戻り先
- 固体汚れ、機械、パッド、廃液:汚れの分類と清掃用具・機械
- 作業工数と品質評価:清掃計画と品質評価
- 洗剤の液性・希釈・床維持剤:洗剤と床維持剤
- 床材ごとの適合と復旧:床材別清掃方法
追加演習
変質汚れ、ポリッシャー、自動床洗浄機、ウェットバキュームの用語は「汚れの分類と清掃用具・機械 ミニテスト第2回」、除じんマット、酸性洗剤、スクイージーは「同 第3回」で復習できます。この第1回は、別の測定値を使った代表診断として役割を分けています。
公式資料の確認先
- 厚生労働省「建築物における維持管理マニュアル」
- 厚生労働省「同マニュアル 第5章 清掃の管理」PDF
- 国土交通省「建築保全業務共通仕様書」
- 国土交通省「建築保全業務共通仕様書 令和5年版」PDF
- 米国EPA「HEPA掃除機の選定で確認すること」
まとめ|捕集85%・実効893m²/h・回収84%を一続きで見る
入口2段のマットは1,000g中850gを捕集しても150gを通すため、屋内床の除じんが必要です。指定赤パッドを緑へ変えて光沢が72から48へ下がったなら、研磨力を上げず、指定条件へ戻して試験します。
自動床洗浄機は理論1,540m²/hでも、稼働率0.58なら実効893m²/hで、2,700m²に約3.0時間かかります。150L中126Lの回収は84%で、24Lの未回収を追います。掃除機は排気口で98.5%低減しても、筐体継ぎ目の高値があればバイパス漏れを疑います。汚れを離す、回収する、再び広げない、の3段階で判断してください。
資料確認日/最終更新日:2026年8月12日
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