ミニテスト

高圧ガスの貯蔵・移動・廃棄の判定問題5問【第1回】

この5問で身につくこと

  • 液化ガス10kg=1m³の換算で貯蔵所のラインを判定する
  • 充塡容器と残ガス容器を「2分の1」で区別する
  • 移動時の警戒標が要らない25L・50Lの例外を使い分ける
  • 廃棄は「容器とともに行わない」が出発点だと理解する

貯蔵・移動・廃棄は暗記項目に見えますが、実際は数字を換算してラインの上か下かを決める作業です。液化ガスは質量のまま判定せず容積に直す、容器は内容積で例外が変わる。この2点を押さえると迷いません。全体像は「高圧ガスの貯蔵・移動・廃棄|許可・届出と安全基準」で確認できます。

貯蔵量から手続を決める

換算後の容積 必要な手続
300m³未満 貯蔵所の許可・届出は不要。貯蔵の方法の技術上の基準は適用される
300m³以上
第一種貯蔵所に当たらない範囲
第二種貯蔵所(あらかじめ都道府県知事に届出)
政令で定める値以上
第一種ガスのみ3,000m³/第二種ガスのみ1,000m³
第一種貯蔵所(あらかじめ都道府県知事の許可)

ポイントは法第16条第3項です。貯蔵するのが液化ガスのときは、10kgをもって容積1m³とみなして判定します。液化アンモニア3,000kgでちょうど300m³という関係を覚えておくと、現場の数字をすぐ換算できます。

容器の内容積で例外が変わる

基準 境目
転落・転倒等の衝撃およびバルブ損傷の防止措置 内容積5Lを超える充塡容器等に必要(貯蔵時・移動時とも)
移動時の警戒標 内容積25L以下の充塡容器等のみ(毒性ガスを除く)で、積載容器の内容積の合計が50L以下なら不要
充塡容器と残ガス容器の区分 充塡時の質量から2分の1以上減少していれば残ガス容器
温度管理 貯蔵時・移動時とも常に40℃以下

現行法令・公式資料の確認先

法令・公式情報確認日:2026年7月29日。問題文と数値例は独自作成し、公表試験の設問本文や外部図表は転載していません。

高圧ガスの貯蔵・運搬・廃棄の基準 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

第1問:液化ガスの貯蔵量を換算する

【問1】ある事業所で液化アンモニアを容器で2,800kg貯蔵します。高圧ガス保安法上の扱いとして、最も適切なものはどれですか。

(1) 2,800m³に換算されるので第一種貯蔵所が必要である
(2) 280m³に換算され300m³未満なので貯蔵所の許可・届出は不要だが、貯蔵の方法の技術上の基準は守らなければならない
(3) 液化ガスは換算せず、質量のまま基準と比べる
(4) 質量にかかわらず、液化ガスの貯蔵はすべて届出が必要である
(5) 280m³なので第二種貯蔵所の届出が必要である

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正解:(2)
法第16条第3項(第17条の2第2項で準用)により、液化ガスは10kgをもって容積1m³とみなします。2,800÷10=280m³で300m³未満なので、貯蔵所の許可・届出は不要です。ただし法第15条の貯蔵の方法の技術上の基準は量に関係なく適用されます。3,200kgなら320m³となり、第二種貯蔵所の届出が必要になります。

第2問:容器置場でやっていないことを見つける

【問2】フルオロカーボンの充塡容器等を容器置場で貯蔵しています。一般高圧ガス保安規則の基準に照らして、適切でないものはどれですか。

(1) 充塡容器と残ガス容器を区分して置いている
(2) 充塡容器等の温度を常に40℃以下に保っている
(3) 内容積40Lの充塡容器に、転落・転倒等による衝撃およびバルブの損傷を防止する措置を講じていない
(4) 容器置場に、計量器など作業に必要な物以外を置いていない
(5) 容器置場の外部から見やすいように警戒標を掲げている

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正解:(3)
一般高圧ガス保安規則第6条第2項第8号トは、内容積5L以下のものを除き、転落・転倒等による衝撃およびバルブの損傷を防止する措置を求め、粗暴な取扱いを禁じています。40Lは5Lを超えるので措置が必要です。(1)はイ、(2)はホ、(4)はハ、(5)はイの警戒標に対応し、いずれも適切です。

第3問:残ガス容器かどうかを質量で判定する

【問3】充塡時のガスの質量が30kgだった容器があり、現在の残量は12kgです。一般高圧ガス保安規則上の区分として、最も適切なものはどれですか。

(1) 中身が残っているので充塡容器である
(2) 充塡時の質量から2分の1以上減少しているので残ガス容器である
(3) 空でなければ区分して置く必要はない
(4) 区分は質量ではなく容器内の圧力で決める
(5) 残量が20kgを下回った時点で廃棄すべき容器になる

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正解:(2)
一般高圧ガス保安規則第2条第10号は、充塡容器を「充塡された後にガスの質量が充塡時における質量の2分の1以上減少していないもの」とし、第11号でそれ以外の現に充塡してある容器を残ガス容器としています。境目は 30×1/2=15kg。残量12kgは18kg減っているので残ガス容器、残量16kgなら14kg減で充塡容器です。両者は容器置場で区分して置きます。

第4問:移動時に警戒標が要るかを合計内容積で決める

【問4】内容積20Lのフルオロカーボン充塡容器を3本、車両に積載して移動します。警戒標の扱いとして最も適切なものはどれですか。

(1) 1本あたり25L以下なので、本数にかかわらず警戒標は不要である
(2) 積載容器の内容積の合計が50Lを超えるので、車両の見やすい箇所に警戒標を掲げる
(3) 毒性ガスではないので移動に係る基準は適用されない
(4) 警戒標には「危険物」と表示する
(5) 警戒標は目的地に到着してから掲げればよい

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正解:(2)
一般高圧ガス保安規則第50条第1号は、充塡容器等を車両に積載して移動するときに警戒標を掲げるよう定め、内容積25L以下の充塡容器等(毒性ガスを除く)のみを積載し、かつ積載容器の内容積の合計が50L以下の場合だけを除いています。20L×3本=60Lなので例外に当たりません。2本(40L)なら例外に当たります。移動中は温度40℃以下(第2号)、5Lを超える容器は転落・転倒防止措置(第5号)も必要です。

第5問:廃棄の出発点を選ぶ

【問5】一般高圧ガス保安規則の廃棄に係る技術上の基準として、最も適切なものはどれですか。

(1) 廃棄は容器ごとまとめて行う
(2) 廃棄は容器とともに行わず、可燃性ガスや特定不活性ガスを大気中に放出するときは火気を取り扱う場所などを避け、通風の良い場所で少量ずつ放出する
(3) 毒性ガスは密閉した室内で放出する
(4) 廃棄した後はバルブを開けたままにしておく
(5) 容器を加熱する必要があるときは直火を用いる

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正解:(2)
第62条は、第1号で廃棄を容器とともに行わないことを定め、第2号で可燃性ガス・特定不活性ガスの大気放出は火気を取り扱う場所や引火性・発火性の物をたい積した場所とその付近を避け、通風の良い場所で少量ずつ行うとしています。毒性ガスは第3号で「危険または損害を他に及ぼすおそれのない場所で少量ずつ」。第6号で廃棄後はバルブを閉じ、転倒とバルブ損傷を防止します。第8号で加熱は熱湿布、40℃以下の温湯、所定の空気調和設備に限られ、直火は認められません。
なお、フルオロカーボン冷媒はフロン排出抑制法によりみだりに大気へ放出できず、第一種フロン類充填回収業者への引渡しが必要です。

採点結果と誤答別の復習先

正解数 理解度 次の行動
5問 換算と例外を自分で判断できる 第2回へ進む
3〜4問 数値の境目があいまい 誤答だけ解き直す
0〜2問 用語と手続の整理が先 2つの比較表へ戻る
  • 問1を誤答:液化ガスは10kg=1m³で換算してから比べる
  • 問2・4を誤答:5L・25L・50Lはそれぞれ別の役目を持つ
  • 問3を誤答:基準は充塡時質量の2分の1
  • 問5を誤答:廃棄は容器とともに行わないが出発点

次の練習と学習ルート

まとめ

貯蔵は、液化ガスを10kg=1m³で換算してから300m³のラインと比べます。300m³未満でも貯蔵の方法の基準は適用され、300m³以上で第二種貯蔵所の届出、政令第5条の値以上で第一種貯蔵所の許可へと進みます。

移動と貯蔵では、容器の内容積5L・25L・50Lがそれぞれ別の役目で登場します。廃棄は容器とともに行わないことが出発点で、ガスの性質に応じた場所と方法が決まっています。実務では、冷媒の回収についてフロン排出抑制法の手続も必ず確認してください。

最終更新日:2026年7月29日

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