特定建築物は、建物全体の床面積だけでは判定できません。建築基準法上の建築物か、政令の特定用途か、その用途に関係する専用・共用・附属部分が何㎡かを順番に見ます。
この第1回は、単純な数字暗記では解けない5択5問です。面積の足し算、学校の種類、法律と政令の読み分け、届出、非該当建物の扱いまで、実際の判定順で確認します。
法令・資料確認日:2026年8月8日。建築物衛生法第2条・第4条・第5条、同法施行令第1条、厚生労働省の特定建築物Q&Aを確認しました。制度の詳しい説明は「建築物衛生法と特定建築物」に分け、このページは判断問題と誤答分析に特化しています。
解く前の3分整理|建築物・用途・面積の順に見る
| 判定 | 確認すること | ひっかけ |
|---|---|---|
| 1 建築物 | 建築基準法上の一つの建築物か | 敷地全体で合算 |
| 2 用途 | 政令の特定用途があるか | 法律の例示だけで判断 |
| 3 面積 | 専用+共用+附属部分 | 専用部分だけで判断 |
面積基準は原則3,000㎡以上です。例外の8,000㎡基準は、「専ら学校教育法第1条の学校または幼保連携型認定こども園として使う建築物」に限られます。専修学校・各種学校・研修所まで一律に8,000㎡ではありません。
第1問|専用・共用・附属部分を合計する
一つの建築物に、事務所専用部分2,480㎡、その事務所に附随する廊下・階段310㎡、事務所附属の駐車場240㎡がある。ほかに用途はない。特定建築物の面積判定として、最も適当なものはどれか。
- 専用部分2,480㎡だけを見るため、面積要件を満たさない。
- 専用部分と廊下・階段の2,790㎡を見るため、面積要件を満たさない。
- 駐車場がある建築物は、用途にかかわらず対象外である。
- 2,480+310+240=3,030㎡として判定し、面積要件を満たす。
- 事務所にも8,000㎡以上の面積が必要である。
第2問|専修学校は8,000㎡基準か
一つの建築物が、専ら延べ面積7,900㎡の専修学校として使われている。ほかの要件を満たす場合、面積基準の判断として正しいものはどれか。
- 学校という名称なので8,000㎡基準となり、特定建築物ではない。
- 専修学校は第一条学校等以外の学校に当たり、3,000㎡基準となる。
- 専修学校は政令の特定用途に含まれないため、面積に関係なく対象外である。
- 7,900㎡を8,000㎡へ切り上げて判定する。
- 学校の面積基準は、国立なら8,000㎡、私立なら3,000㎡である。
第3問|法律の例示と政令の列挙を分ける
共同住宅だけに使われる建築物について、建築物衛生法上の特定建築物に該当するかを判断する説明として、最も適当なものはどれか。
- 法律第2条に「共同住宅等」とあるため、3,000㎡以上なら必ず該当する。
- 共同住宅は現在の施行令第1条の特定用途に列挙されていないため、共同住宅だけなら特定建築物に該当しない。
- 共同住宅は、戸数が50戸以上なら面積に関係なく該当する。
- 共同住宅は学校と同じ8,000㎡基準で判定する。
- 建築基準法上の建築物であれば、用途を問わず該当する。
第4問|増築で新たに該当した日の届出
使用中の事務所が増築により、8月20日に新たに特定建築物へ該当した。法第5条の届出として、正しいものはどれか。
- 次の年度末までに、管理技術者本人が厚生労働大臣へ届け出る。
- 増築工事の着工前に、施工業者が保健所長へ届け出る。
- 該当した日から1か月以内に、特定建築物所有者等が知事等へ届け出る。
- 使用開始時の届出だけが対象なので、増築後の届出は不要である。
- 該当した日から6か月以内に、建築確認を行った機関へ届け出る。
第5問|特定建築物ではない建物の扱い
政令の特定用途に該当せず、特定建築物ではないが、多数の人が使用する建築物について、法第4条第3項に最も合う記述はどれか。
- 建築物衛生法上、環境衛生への配慮は一切求められない。
- 特定建築物と同じ届出と管理技術者選任が必ず必要である。
- 面積に関係なく、直ちに建物全部の使用停止となる。
- 建築物環境衛生管理基準に従って維持管理するよう努める。
- 空気環境だけ管理し、水・清掃・防除は対象外とする。
採点|間違えた判断段階へ戻る
| 正解数 | 判定 | 復習する点 |
|---|---|---|
| 5問 | 判定順は安定 | 全誤答を1文で否定する |
| 4問 | 境界を1つ確認 | 用途・面積・届出を見直す |
| 2〜3問 | 条件が混在 | 3段階表から解き直す |
| 0〜1問 | 本記事へ戻る | 法2条・令1条・法5条を読む |
正解番号ではなく、「どの面積を足すか」「どの学校に8,000㎡を使うか」「法律と政令のどちらを見るか」「期限の起算日はいつか」を説明できる状態を目指してください。
間違えた分野の戻り先
- 第1〜3問:建築物衛生法と特定建築物|用途・面積・届出
- 第4問:建築物環境衛生管理技術者|選任・届出・帳簿
- 第5問:建築物環境衛生管理基準|空気・水・清掃の数値と頻度
- 行政概論の全体像:ビル管理士の衛生行政入門
追加演習
同じテーマを別の角度から解く場合は「建築物衛生法と特定建築物 ミニテスト第2回」「建築物衛生法と特定建築物 ミニテスト第3回」へ進めます。まず本ページで判定順を固め、追加問題で定着させてください。
公式の確認先
まとめ|面積だけを見ず、3段階で判定する
特定建築物は、建築基準法上の建築物、政令の特定用途、その用途に関係する面積の順に判定します。面積は専用部分だけでなく、附随する共用部分と附属部分も確認します。
原則は3,000㎡以上で、8,000㎡基準は専ら第一条学校等として使う建築物です。新たに該当した場合は1か月以内の届出が必要です。非該当でも、多数の人が使う建物には管理基準に沿う努力義務があります。
法令・資料確認日/最終更新日:2026年8月8日
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