ミニテスト 建築物環境衛生管理技術者

室内空気ミニテスト第1回|CO2・CO・粉じんの判断5問

CO2、CO、浮遊粉じんは、同じ空気測定でも意味が違います。CO2上昇は在室人数と外気導入、CO警報は不完全燃焼・排気流入、粉じん上昇は外気・室内作業・ろ過系を切り分けます。

この第1回は、測定値から初動を選ぶ独自5択5問です。単位換算、1日平均、センサーで「分からないこと」まで説明できるか確認してください。

制度・資料確認日:2026年8月8日。建築物環境衛生管理基準、厚生労働省のCO中毒防止資料、環境省のPM2.5環境基準を確認しました。診断手順は「室内空気汚染の見分け方|CO2・CO・粉じん・酸欠の初動」で解説し、このページは数値と行動を結ぶ演習に特化しています。

解く前の3分整理|数値ごとの役割

項目 主に分かること 分からないこと
CO2 人に対する外気導入の目安 CO・粒子・VOC濃度
CO 不完全燃焼・排気流入 においやCO2の代用
浮遊粉じん 粒子の質量濃度 粒子の成分・毒性

建築物環境衛生管理基準の現行値は、CO2 1,000ppm以下、CO 6ppm以下、浮遊粉じん0.15mg/m3以下です。数値だけでなく、通常使用中の測定位置、1日の平均、設備と在室条件を一緒に記録します。

第1問|室内外差800ppmをどう読むか

会議中、室内CO2が1,280ppm、同時刻の外気が480ppmだった。COと粉じんは平時値である。最初の切り分けとして、最も適当なものはどれか。

  1. 室内外差800ppmなので、CO中毒と確定する。
  2. 在室人数、会議時間、外気ダンパ、外気ファン、給排気バランスを確認し、是正後に同条件で再測定する。
  3. 粒子フィルタを高性能品へ替えれば、CO2も必ず下がる。
  4. 外気CO2は常に400ppmとして、実測480ppmを捨てる。
  5. CO2が高いので、カビ濃度も高いと確定する。
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正解:2

人の呼気が主な室内発生源なら、室内外差は在室負荷と外気導入の釣り合いを見る手掛かりです。1,280-480=800ppmの差を記録し、人数、外気ダンパ・ファン、VAV制御、扉の運用等を同じ時刻で確認します。

1のCO中毒はCOを測らず確定できません。3の粒子フィルタはCO2を外へ排出する換気の代わりにはなりません。4は地域・時刻・排気源で変わる外気実測を捨てています。5もCO2計だけではカビ、VOC、感染性エアロゾル等を判定できません。

第2問|CO警報と頭痛が同時に起きた

業務用厨房でCO警報が作動し、表示は12ppm、従業員2人が頭痛を訴えた。最初の対応として、最も適当なものはどれか。

  1. COは無臭なので、においがなければ通常営業を続ける。
  2. 1日平均が6ppm以下になるか、閉店まで待つ。
  3. 人を安全な場所へ退避させ、緊急手順に従って通報し、安全にできる範囲で燃焼機器を停止し、無防備で再入室しない。
  4. CO2計が正常なら、CO警報を故障とみなす。
  5. 加湿器を運転してCOを除去する。
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正解:3

COは無色・無臭で、不完全燃焼や排気流入により発生します。警報と複数人の症状が同時にある場面は、定期測定の法令平均を計算する前に、人の退避、救護、消防・ガス事業者等への連絡を優先します。機器停止は自分の安全を確保できる場合に限ります。

1は臭覚でCOを除外し、2は急性事故を平均で薄めようとしています。4はCO2とCOを混同、5はCOの除去方法として成立しません。原因確認のために無防備で戻ると二次被害の危険があります。

第3問|0.15mg/m3を換算しても直接比較しない

建築物の浮遊粉じん基準0.15mg/m3と、PM2.5の1日平均環境基準35μg/m3を比較する説明として、最も適当なものはどれか。

  1. 0.15mg/m3は150μg/m3へ換算できるが、粒径、測定方法、平均化時間、法的目的が異なるため、許容度を直接比較しない。
  2. mgとμgは相互に換算できない。
  3. 0.15mg/m3は0.15μg/m3である。
  4. PM2.5は気体なので、粉じんとは無関係である。
  5. 数字が35より小さい0.15の方が、単位を見なくても厳しい。
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正解:1

1mg=1,000μgなので、0.15mg/m3=150μg/m3です。ただし、建築物の浮遊粉じんは相対沈降径がおおむね10μm以下を対象にした室内管理基準、PM2.5は2.5μm分粒装置を用いる一般環境大気の環境基準です。

2・3・5は単位換算を誤り、4は粒子を気体としています。単位をそろえても、対象粒径、測定法、時間平均、制度目的が違うため、「150対35だから片方が約4倍安全・危険」とは判定できません。

第4問|CO2正常は空気全体の安全証明ではない

内装改修後の事務室で、CO2は850ppmだが、刺激臭と目の違和感の訴えが同じ区画に集中した。設備側の対応として、最も適当なものはどれか。

  1. CO2が1,000ppm以下なので、すべての汚染物質が安全と判断する。
  2. CO2計でホルムアルデヒドとVOCの濃度も算出する。
  3. 訴えの時刻・場所、改修材料、換気運転、温湿度を記録し、対象物質に合う測定・発生源調査へ進み、健康症状は医療者につなぐ。
  4. 外気導入を止め、臭気を室内に閉じ込める。
  5. においが消えるまで、記録を残さない。
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正解:3

CO2計が示すのはCO2濃度です。CO、ホルムアルデヒド、他のVOC、粉じん、微生物を一括測定する装置ではありません。改修後という時間関係を手掛かりに、材料・接着剤、換気スケジュール、区画、温湿度、症状分布を同じ時間軸で整理します。

1・2は一つの測定値の意味を広げすぎています。4は発生物を滞留させるおそれがあり、5は原因追跡に必要な記録を失います。設備担当者は病名を決めず、測定事実と設備条件を医療・労働衛生の担当者へ渡します。

第5問|1日の平均値を計算する

通常使用中のCO2について、等しい時間を代表する3値が800、950、1,150ppmだった。この練習条件での平均値と評価として、最も適当なものはどれか。

  1. 平均は800ppmで、必ず適合する。
  2. 平均は966.7ppmで1,000ppm以下だが、1,150ppmとなった時間帯の人数・換気運転も確認する。
  3. 平均は1,150ppmなので、必ず不適合である。
  4. 平均は2,900ppmである。
  5. 最大値を無視し、設備記録は不要である。
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正解:2

等しい時間を代表するという条件なので、(800+950+1,150)÷3=966.7ppmです。建築物環境衛生管理基準のCO2は1日の使用時間中の平均値で1,000ppm以下を見ます。この練習計算では平均は基準内です。

ただし、実測では測定方法・時刻・使用状況を法定方法に合わせます。平均が基準内でも、会議や外気ファン停止時だけ上がる運用不良は改善対象です。急性のCO警報や体調不良を、この平均の考え方で待機させてはいけません。

採点|測定値から次の行動を選べるか

正解数 判定 復習ポイント
5問 切り分けは安定 室内外と設備を同時記録
4問 1項目を再確認 平均と緊急警報を分ける
2~3問 指標が混在 測定器の対象を確認
0~1問 基礎から復習 CO2・CO・粒子を分ける

数値だけでなく、測定位置・時刻、室内外、在室人数、空調運転、発生作業、体調訴え、是正、再測定を一つの記録へまとめてください。急性の警報・症状があるときは、原因調査より退避・救護を先にします。

間違えた分野の戻り先

追加演習

粉じん測定と受動喫煙対策は「空気環境と汚染物質 ミニテスト第2回」、酸素欠乏や発生源の横断問題は「空気環境と汚染物質 ミニテスト第3回」へ進めます。第1回で測定値の役割と緊急時の優先順位を固めてから利用してください。

公式の確認先

まとめ|一つのセンサーで空気全体を判定しない

CO2が高いときは在室人数と外気導入を確認し、外気値を固定せず同時測定します。CO警報と体調不良があれば、1日平均を待たず退避・救護を優先します。粒子フィルタはCO2やCOを下げる換気の代わりにはなりません。

0.15mg/m3は150μg/m3ですが、PM2.5の35μg/m3とは対象粒径・測定・平均時間・目的が違います。CO2の1日平均も計算条件と運用履歴を残し、正常値を他の汚染物質の安全証明に使わないでください。

制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月8日

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