空気環境測定は、基準値を暗記するだけでは判定できません。粉じん・CO・CO2は1日の使用時間中の平均で比較し、温度・湿度・気流は測定した各時点を確認します。測定場所や時刻が不適切なら、数字が正しくても建物を代表しません。
この第1回は、CO 6.4ppm、粉じん0.153mg/m3、8階建ての測定計画、10月使用開始後のホルムアルデヒド、3室の異常診断を扱う独自5択5問です。基準内・外の次に、どの設備を調べるかまで選んでください。
制度・資料確認日:2026年8月8日。厚生労働省の建築物環境衛生管理基準、現行の施行令・施行規則、空気環境の定期測定に関する説明資料を照合しました。7項目と測定器の全体は「空気環境測定の基準と実務」で解説し、このページは新しい実測値の判定演習に特化しています。
解く前の3分整理|平均する3項目と各時点を見る3項目
| 評価 | 対象 | 現行基準 |
|---|---|---|
| 1日の平均 | 粉じん・CO・CO2 | 0.15mg/m3・6ppm・1,000ppm以下 |
| 各時点を確認 | 温度・湿度・気流 | 18~28℃・40~70%・0.5m/s以下 |
| 所定時期に1回 | ホルムアルデヒド | 0.1mg/m3以下 |
定期6項目は2か月以内ごとに1回、通常の使用時間中に各階の適当な居室で測ります。粉じん・CO・CO2は、始業後から中間時までと、中間時から終業前までの適切な2時点の算術平均で評価します。
数値は「おおむね基準に適合させる」という維持管理基準です。ただし、平均が基準内でも一時的な上昇を無視してよいわけではありません。時間帯、在室人数、外気量、発生源を記録し、設備診断へつなげます。
第1問|CO 6.4ppmだけが現行基準を超える
空気調和設備を設けた事務室で、1日の評価値が粉じん0.14mg/m3、CO 6.4ppm、CO2 940ppmだった。温度24.5℃、相対湿度55%、気流0.28m/sである。2026年現在の判定として最も適切なものはどれか。
- すべて基準内である。
- 粉じんだけが基準を超える。
- COだけが基準を超える。
- CO2だけが基準を超える。
- 相対湿度と気流が基準を超える。
第2問|粉じん132・174µg/m3の平均を判定する
通常使用中の適切な2時点で、浮遊粉じんを132µg/m3と174µg/m3と測定した。単純化して算術平均で評価すると、判定はどれか。
- 平均76.5µg/m3で、基準内
- 平均153µg/m3=0.153mg/m3で、基準を超える
- 平均306µg/m3=0.306mg/m3で、基準を超える
- 高い方だけを使い、174mg/m3として判定する
- 粉じんは平均せず、2時点とも0.5m/s以下かを判定する
第3問|8階建てを2階の5点だけで代表できるか
8階建ての特定建築物で、担当者は2階の事務室だけを選び、同じ室内の5点を測れば全館を代表できると計画した。定期6項目の法定測定計画として最も適切な修正はどれか。
- 2階の5点だけでよい。測定点の合計が階数より少なくても問題ない。
- 屋上外気1点だけへ変更し、全居室を代表させる。
- 各階ごとに1か所以上、適当な居室の中央部・床上75~150cmで、通常使用中の適切な2時点を測る。
- 各階の吹出口直下・床上10cmで、終業後に1回だけ測る。
- 最上階だけを連続測定すれば、2か月以内ごとの法定測定は不要になる。
第4問|10月15日使用開始後のホルムアルデヒド
大規模修繕を終えた特定建築物が2026年10月15日に使用を開始した。ホルムアルデヒドの法定測定時期と、測定値0.12mg/m3だった場合の対応として正しいものはどれか。
- 2026年10月15日にだけ測定し、超過しても再測定は不要
- 2026年12月中に測定し、0.12mg/m3は基準内
- 2027年6月1日~9月30日に1回測定し、低減策後、2028年の同期間にも1回再測定
- 2027年10月15日以降に測定し、毎月繰り返す
- 2028年6月まで測定せず、0.15mg/m3以下なら対応不要
第5問|CO2・粉じん・COの異常を一つにまとめない
会議室はCO2 1,350ppm、コピー室は粉じん0.19mg/m3、地下駐車場に近い事務室はCO 7.2ppmだった。他の主要項目は通常範囲である。最初の診断として最も適切なものはどれか。
- 3室を平均すれば基準内になるため、何もしない。
- CO2だけを見て、3室すべて外気量不足と決める。
- 会議室は人数・外気量、コピー室は発生源・清掃・ろ過、事務室は燃焼排気・外気取入口を分けて確認する。
- 粉じんが高いので、全室の外気取入口を閉じる。
- CO 7.2ppmは旧基準10ppm以下なので、駐車場系統の確認は不要。
採点|数値の先に測定条件と発生源を置けたか
| 正解数 | 判定 | 復習の焦点 |
|---|---|---|
| 5問 | 判定と診断は安定 | 実測記録で再現性を高める |
| 4問 | 1条件を再確認 | 平均項目か測定時期 |
| 2~3問 | 基準と計画が混在 | 単位・各階・2時点 |
| 0~1問 | 親記事から復習 | 現行7基準を整理 |
法定測定は最低限の共通条件をそろえる仕組みです。異常値や苦情があれば、法定点だけで診断を終えず、発生源、外気取入口、給排気経路、在室状況に合わせて追加測定します。
間違えた分野の戻り先
- 現行7基準・測定位置・粉じん計:空気環境測定の基準と実務
- CO・CO2・粒子・VOCの切り分け:室内空気汚染の見分け方
- 必要外気量とCO2収支:換気量の計算と第1~3種換気
- VOC・ホルムアルデヒドの発生源:VOC・ホルムアルデヒドの発生源と対策
追加演習
粉じん計の較正・濃度換算は「室内環境基準と空気汚染物質 ミニテスト第2回」、発生源・空調設備・湿度の基礎は「室内環境基準と空気汚染物質 ミニテスト第3回」で確認できます。
公式の確認先
- 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」
- e-Gov法令検索「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」
- e-Gov法令検索「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行規則」
- 厚生労働省説明資料「建築物の空気環境に係る定期測定・点検について」
まとめ|平均・各時点・測定時期を分けて判定する
CO 6.4ppmは現行の6ppm以下を超えます。粉じん132µg/m3と174µg/m3の平均は153µg/m3、つまり0.153mg/m3で、0.15mg/m3をわずかに超えます。単位と平均方法が違えば判定も逆になるため、計算過程を残してください。
定期測定は各階の適当な居室、床上75~150cm、通常使用中の適切な2時点が基本です。10月使用開始後のホルムアルデヒドは翌年6~9月が最初の測定期間です。最後はCO2・粉じん・COを一つの原因で説明せず、室・時間・設備系統ごとに発生源を切り分けます。
制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月8日
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