ミニテスト

冷媒設備の点検・修理・再稼働手順の判定問題5問【第3回】

この5問で身につくこと

  • 2025年改正後の点検義務を正確に説明できる
  • 安全弁の止め弁を閉じてよい場面を判断できる
  • 修理前・開放時・修理後の順序を並べられる
  • 現場監視と異常時の即時通報措置を区別できる

結論から言います。現行の冷凍保安規則第9条は、点検を「1日に1回以上」と固定していません。高圧ガスの種類と製造設備の態様に応じて異常の有無を点検し、異常があれば補修などの危険防止措置を講じて製造するよう求めています。

第3回は設備の数値ではなく、人が運転・点検・修理をするときの順序に絞ります。設備側の基準は「冷凍設備の技術上の基準 数値判定問題5問【第1回】」、圧力試験と安全装置は「冷媒設備の圧力試験・圧力計・安全装置の判定問題5問【第2回】」で確認できます。

旧版の訂正

訂正1:旧版の選択肢に「1日1回以上、製造施設全体を点検」とありました。2025年4月18日施行の改正で、時点や回数を限定した文言は見直されています。点検義務は残っていますが、現行の第9条第2号に「1日に1回以上」はありません。

訂正2:圧力計を「圧縮機の吐出し側に設ける」と限定していました。現行の第7条第1項第7号は冷媒設備に圧力計を求め、一定の圧縮機油圧系統だけを例外としています。吐出し側だけという説明を削除しました。

訂正3:毒性ガスなら防液堤が一律に必要と読める説明がありました。現行の第7条第1項第13号は、毒性ガスの受液器で内容積1万L以上の場合に、液状ガスの流出防止措置を求めています。この条件は第1回で扱っています。

修理は5段階で安全をつなぐ

段階 行うこと 防ぐ危険
1 計画 作業計画・責任者を決める 手順漏れ
2 監視 監視下または即時通報措置 異常対応の遅れ
3 隔離 開放部へ他部から漏らさない 冷媒の流入
4 修理 計画どおり作業する 火災・中毒等
5 確認 正常作動を確認して再稼働 修理不良

たとえば蒸発器側のバルブを交換するため配管を開けるとき、圧縮機側から冷媒が回り込めば、作業者が冷媒を浴びるおそれがあります。開放する部分を他の部分から確実に隔離し、修理後は正常に作動することを確かめてから製造を再開します。

安全弁の止め弁は通常全開

通常運転
安全弁に付帯する止め弁は全開。圧力超過時に安全弁が働ける経路を保つ。
例外
安全弁の修理・清掃のため特に必要な場合は閉止できる。

通常運転中に止め弁を閉じると、圧力が上がっても安全弁まで圧力が伝わらず、保護機能を失うおそれがあります。作業後に開け忘れないことまで含めて、安全弁の機能を維持します。

点検は「回数」より設備に応じた異常確認

改正後も、点検しなくてよいわけではありません。冷媒の性質、設備の構造、運転状態に応じて異常の有無を確認します。異常が見つかれば、補修その他の危険を防止する措置を講じたうえで製造します。

状態監視のデータを利用できる設備と、現場で目視・音・振動などを確認すべき設備では、適切な方法が異なります。条文が回数だけを一律に固定しないのは、設備の態様に合わせて実効性のある点検を行うためです。

現行法令・公式資料の確認先

法令確認日:2026年7月30日。e-Gov法令APIの2026年6月12日施行版で照合し、2025年4月18日施行の点検規定改正を反映しました。問題文・事例は独自作成です。

冷凍設備の技術上の基準 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

第1問:安全弁に付帯する止め弁

【問1】安全弁に付帯して設けた止め弁の扱いとして、冷凍保安規則第9条第1号に照らして最も適切なものはどれですか。

(1) 通常運転中は常に全閉にする
(2) 通常は半開にし、圧力上昇時だけ全開にする
(3) 常に全開とし、安全弁の修理・清掃のため特に必要な場合だけ例外とする
(4) 操作位置は事業者が自由に決めてよい
(5) 安全弁の止め弁を開けることは禁止されている

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正解:(3)
安全弁に付帯する止め弁は常に全開が原則です。閉じたままでは安全弁まで圧力が届かず、異常圧力を逃がせないおそれがあります。安全弁の修理または清掃のため特に必要な場合だけ例外です。作業終了後の開け忘れも防がなければなりません。

第2問:改正後の点検義務

【問2】2025年4月18日施行の改正を反映した現行の冷凍保安規則第9条第2号について、最も適切なものはどれですか。

(1) 点検義務そのものが廃止された
(2) 条文上、使用中は必ず1日に1回以上と回数が固定されている
(3) ガスの種類と設備の態様に応じて異常の有無を点検し、異常時は補修その他の危険防止措置を講じて製造する
(4) 異常があっても運転継続を優先する
(5) 点検は事故が起きた後だけ行う

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正解:(3)
改正で時点や回数を限定する表現は見直されましたが、点検と異常時の措置は引き続き必要です。現行条文は、製造するガスの種類と設備の態様に応じて異常の有無を点検し、異常があるときは補修その他の危険防止措置を講じるよう定めています。「1日1回が消えた=点検不要」ではありません。

第3問:修理時の監視と通報

【問3】冷媒設備を修理するときの作業体制として、最も適切なものはどれですか。

(1) 作業計画は不要で、熟練者の経験だけで進める
(2) 責任者は作業後に決めればよい
(3) 事前に作業計画と責任者を定め、計画に従い、責任者の監視下または異常時に直ちに責任者へ通報できる措置を講じて行う
(4) 遠隔作業なら責任者を定めなくてよい
(5) 可燃性・毒性ガスでも追加の危険防止措置は不要

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正解:(3)
第9条第3号イは、作業計画と責任者をあらかじめ定めるよう求めています。作業は計画に従い、責任者の監視下で行うか、異常があったときに直ちに責任者へ通報する措置を講じて行います。可燃性・毒性ガスの場合は、同号ロにより危険防止措置も必要です。

第4問:配管の一部を開放する

【問4】冷媒配管の一部を開放してバルブを交換します。作業前の措置として最も適切なものはどれですか。

(1) 他の部分から開放部へガスが漏えいするのを防ぐ措置を講じる
(2) 圧縮機を運転したまま開放する
(3) 開放部へ冷媒を送り、内部を冷却する
(4) 少量の漏れなら隔離は不要
(5) 作業後に隔離すればよい

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正解:(1)
第9条第3号ハは、冷媒設備を開放して修理するとき、開放する部分へ他の部分からガスが漏えいするのを防ぐ措置を求めています。バルブ閉止や安全な隔離で冷媒の流入経路を断つ考え方です。作業者の中毒・凍傷や、可燃性冷媒による火災を防ぎます。

第5問:修理後に再稼働する条件

【問5】冷媒設備の修理が終了しました。高圧ガスの製造を再開する前の対応として、最も適切なものはどれですか。

(1) 修理工具を片付ければ直ちに再開できる
(2) 一度運転し、異常が出てから確認する
(3) 冷媒設備が正常に作動することを確認した後に製造する
(4) 責任者が不在のときだけ確認する
(5) 塗装の色だけ確認すればよい

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正解:(3)
第9条第3号ニは、修理終了後、冷媒設備が正常に作動することを確認した後でなければ製造しないよう定めています。隔離に使った弁の復旧、安全弁の止め弁の全開、漏れや異常の有無などを確認し、修理によって新しい危険を持ち込んでいないことを確かめます。

採点結果と誤答別の復習先

正解数 理解度 次の行動
5問 修理の流れを説明できる 関連法令へ進む
3〜4問 改正か順序に弱点 誤答だけ解き直す
0〜2問 作業前後の整理が先 5段階表へ戻る
  • 問1を誤答:安全弁の止め弁は通常全開
  • 問2を誤答:回数の限定は削除、点検義務は存続
  • 問3を誤答:計画・責任者・監視または即時通報
  • 問4を誤答:開放部を他の部分から隔離
  • 問5を誤答:正常作動を確認してから再開

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まとめ

点検の「1日に1回以上」という回数限定は2025年改正で外れましたが、設備に応じた点検と異常時の危険防止措置は必要です。通常運転では、安全弁に付帯する止め弁を全開に保ちます。

修理は、計画と責任者を定め、監視または即時通報ができる状態で行います。開放部を他の部分から隔離し、修理後に正常作動を確認してから製造を再開する。この順序を一続きで覚えてください。

最終更新日:2026年7月30日

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