換気の計算では、総送風量と外気量を分けることが出発点です。総送風量が大きくても、その大部分が還気ならCO2を屋外へ排出する量は増えません。ダンパ開度も、そのまま風量比とは限りません。
この第1回は、外気換気回数、CO2発生量からの必要外気量、実風量での定常濃度、退室後のパージ、排気と給気の収支を扱う独自5択5問です。計算後に何を実測するかまで選んでください。
制度・資料確認日:2026年8月8日。厚生労働省の建築物環境衛生管理基準、国土交通省の換気情報、現行の建築基準法施行令、CDC/NIOSHの換気資料を照合しました。換気方式と法令の全体は「換気量の計算と第1~3種換気」で解説し、このページは新しい数値の計算演習に特化しています。
解く前の3分整理|風量の名前と単位をそろえる
| 量 | 単位 | 計算 |
|---|---|---|
| 外気量Q | m3/h | 屋外と室内の入れ替え |
| 換気回数n | 1/h・回/h | Q/室容積V |
| CO2発生量G | m3/h | 人数×1人当たり |
| 濃度C | ppm | 計算時は10-6へ変換 |
定常・完全混合・他の発生源や除去がない練習条件では、Q=G/(Ci-Co)とします。実際の室は不完全混合で、発生量も活動量によって変わるため、計算値は実測の代わりではありません。
第1問|総送風6,000m3/hでも外気は900m3/h
室容積420m3の事務室に、総送風6,000m3/hの空調機が送風している。測定した外気量は900m3/h、還気量は5,100m3/hだった。外気による換気回数はどれか。
- 0.15回/h
- 2.14回/h
- 6.67回/h
- 12.14回/h
- 14.29回/h
第2問|18人のCO2を900ppmに抑える外気量
在室18人、1人当たりCO2発生量0.018m3/h、外気CO2 520ppm、設計目標の室内900ppmとする。定常・完全混合の練習条件で必要な外気量に最も近いもはどれか。
- 324m3/h
- 474m3/h
- 600m3/h
- 853m3/h
- 1,620m3/h
第3問|実測外気720m3/hでは何ppmになるか
第2問と同じ合計CO2発生量0.324m3/h、外気520ppmだが、実測外気量は720m3/hだった。定常・完全混合の練習条件で予測される室内CO2に最も近いもはどれか。
- 450ppm
- 520ppm
- 720ppm
- 970ppm
- 1,240ppm
第4問|退室30分後のCO2パージ
室容積400m3、外気量800m3/h、退室直後の室内CO2 1,500ppm、外気500ppmとする。退室後は発生がなく、完全混合でC(t)=Co+(C0-Co)e-ntとすると、30分後のCO2はどれか。
- 500ppm
- 632ppm
- 868ppm
- 1,000ppm
- 1,250ppm
第5問|トイレ排気650m3/hに対し移送空気は420m3/h
トイレの機械排気を650m3/hと実測した。給気ファンはなく、廊下からガラリを通る移送空気は420m3/hだった。ドアが強く引かれるとき、最も適切な判断はどれか。
- 650-420=230m3/h程度が他の隙間・シャフト・ドア周辺等から流入している可能性がある。必要な負圧と給気経路を測定して再調整する。
- 第3種換気なので、流入経路に関係なく必ず理想的な圧力差になる。
- 排気650m3/hはそのまま屋外からの新鮮外気650m3/hを意味する。
- ドアが強く引かれるほど良いので、排気をさらに増やし、差圧は測らない。
- 不足230m3/hは空気の質量保存に関係なく、どこからも流入しない。
採点|風量・濃度・時間を同じ式で追えたか
| 正解数 | 判定 | 復習の焦点 |
|---|---|---|
| 5問 | 収支と診断は安定 | 実測で仮定を確認 |
| 4問 | 1計算を再確認 | ppm変換か時間減衰 |
| 2~3問 | 風量の種類が混在 | 外気・還気・総送風を分ける |
| 0~1問 | 親記事から復習 | Q・V・G・Cの単位 |
CO2は人由来の換気状態を見る実用的な手がかりですが、空気のすべてを代表しません。外気量、人数、測定位置といった条件を残し、目的に応じてCO、粒子、VOC、差圧、温湿度を別に確認します。
間違えた分野の戻り先
- 外気量・換気回数・第1~3種:換気量の計算と第1~3種換気
- CO2・CO・粉じんの切り分け:室内空気汚染の見分け方
- 建築物環境衛生管理基準と測定:空気環境基準と測定法
- VAV・FCU・個別方式:空調方式の選び方
追加演習
換気回数・空気齢・第2種/第3種の基礎は「換気の基礎と換気量計算 ミニテスト第2回」、温度差換気・置換換気・法令の区別は「換気の基礎と換気量計算 ミニテスト第3回」で確認できます。
公式の確認先
まとめ|外気量で収支を立て、実測で確かめる
総送風6,000m3/hの空調機でも、外気実測が900m3/hなら、420m3室の外気換気回数は2.14回/hです。18人のCO2を520ppmから900ppmへ抑える練習例の必要外気量は853m3/h、720m3/hなら定常予測は970ppmです。
退室後、換気回数2.0/hで30分パージする例は868ppmです。トイレ排気650m3/hに対し、把握できた移送空気が420m3/hなら、差の230m3/hがどこから入るかを調べます。「方式名」や「ダンパ開度」だけで安心せず、風量・濃度・差圧の結果を同じ時系列で記録してください。
制度・資料確認日/最終更新日:2026年8月8日
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