法規

【電験三種・法規】電気事業法の目的と電気工作物(一般用・事業用・自家用の分類)

結論:電気事業法は「電気を安全に使うための基本法」

法規科目の中心は電気事業法とその関連法令です。電気事業法は電気の安全を守るための最も基本的な法律で、電気工作物の分類や保安体制を定めています。暗記テーマですが、体系を理解すれば得点源になります。

電気事業法の目的

電気事業法 第1条(目的)

電気事業の運営を適正かつ合理的ならしめることにより、
①電気の使用者の利益を保護し、
②電気事業の健全な発達を図り、
③電気工作物の工事、維持及び運用を規制することにより公共の安全を確保し、
④環境の保全を図ることを目的とする。

試験のコツ:「使用者の利益保護」「公共の安全確保」「環境の保全」は穴埋め問題で出ます。特に「公共の安全」と「環境の保全」がキーワードです。

電気工作物の分類

電気工作物
一般用電気工作物
600V以下で受電
小規模な住宅・小店舗
50kW未満の太陽光
一般家庭の設備
事業用電気工作物
電気事業の用に供するもの
発電所・送配電設備
電力会社の設備
自家用電気工作物
高圧(600V超)で受電
ビル・工場・学校
ビルメンの主な対象

一般用電気工作物の条件

  • 600V以下で受電するもの
  • 受電の場所と同一の構内で使用するもの
  • 小出力発電設備(太陽光50kW未満、風力20kW未満など)
  • 爆発性・引火性の物が存在する場所に設置しないもの

自家用電気工作物とは

600Vを超える電圧で受電する需要設備や、一般用に該当しない電気工作物です。ビル管理の現場では、6,600Vで受電するキュービクルが典型例です。

ビルメンとの関わり:ビル管理の現場で扱う高圧受変電設備は自家用電気工作物です。電気主任技術者の選任が必要で、保安規程を作って届け出る義務があります。

電圧の区分

区分 直流 交流
低圧 750V以下 600V以下
高圧 750V超 7,000V以下 600V超 7,000V以下
特別高圧 7,000V超

注意:直流と交流で境目が違います。交流は600V、直流は750Vが低圧/高圧の境目。「7,000V超は特別高圧」は共通です。

理解度チェック

【第1問】

電気事業法の目的として、含まれないものはどれか。

(1) 電気の使用者の利益を保護する
(2) 電気工作物の工事・維持・運用を規制する
(3) 公共の安全を確保する
(4) 電気料金を低廉にする
(5) 環境の保全を図る

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正解:(4) 電気料金を低廉にする

電気事業法第1条の目的に「電気料金の低廉化」は含まれていません。目的は「使用者の利益保護」「電気事業の健全な発達」「公共の安全確保」「環境の保全」です。

【第2問】

交流で「高圧」に該当する電圧範囲はどれか。

(1) 600V以下 (2) 600V超 7,000V以下 (3) 750V超 7,000V以下 (4) 7,000V超 (5) 1,000V超

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正解:(2) 600V超 7,000V以下

交流の高圧は600V超〜7,000V以下です。(3)の750Vは直流の場合の境目です。

【第3問】

自家用電気工作物に該当するものはどれか。

(1) 一般住宅の100V屋内配線
(2) 50kW未満の太陽光発電設備
(3) 6,600Vで受電するビルの受変電設備
(4) コンセントに差す家電製品
(5) 600V以下の小規模店舗

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正解:(3) 6,600Vで受電するビルの受変電設備

600Vを超える高圧で受電する設備は自家用電気工作物です。(1)(2)(4)(5)は一般用電気工作物に該当します。

【第4問】

一般用電気工作物の条件として、正しいものはどれか。

(1) 7,000V以下で受電する
(2) 600V以下で受電する
(3) 高圧で受電する需要設備
(4) 電力会社の送電設備
(5) 自家発電設備を含む

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正解:(2) 600V以下で受電する

一般用電気工作物は600V以下で受電する小規模な設備です。小出力発電設備(太陽光50kW未満等)も含みますが、通常の自家発電設備は含みません。

まとめ

  • 電気事業法の目的:使用者の利益保護・公共の安全確保・環境の保全
  • 一般用電気工作物:600V以下で受電。一般家庭など
  • 自家用電気工作物:600V超で受電。ビル・工場。電気主任技術者の選任が必要
  • 電圧区分:交流は低圧600V以下/高圧600V超〜7,000V以下/特別高圧7,000V超
  • 直流は低圧750V以下(交流と境目が異なる)

次の記事では、「事業用電気工作物の保安体制」を学びます。保安規程と主任技術者制度に入ります。

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