ミニテスト

冷凍附属機器の配置・受液容量・異常診断 ミニテスト5問【第1回】

この5問で身につくこと

  • 附属機器を高圧側・低圧側へ正しく配置する
  • 受液器に必要な内容積を計算する
  • 油分離効率からサイクルへ流出する油量を求める
  • サイトグラスの気泡と液戻りを測定値で診断する

附属機器は、主要4機器だけでは処理できない冷媒液、油、水分、異物を管理して装置を守ります。名称が似ていても、設置位置・分離するもの・守る対象の3点で整理すると判断できます。

詳しい構造は「冷凍装置の附属機器|受液器・油分離器・液分離器」で確認できます。計算条件は理解のために独自作成したものです。実設備の容量、乾燥剤、油戻し方法はメーカー仕様と保安手順を優先してください。

解く前にサイクル上の位置を確認する

機器 代表的な位置 主な役割
油分離器 圧縮機吐出し側 吐出しガスから油を分離・返油
高圧受液器 凝縮器の下流 高圧液を保持し液管へ供給
ドライヤ・サイトグラス 主に液管 水分・異物除去と液状態確認
吸込み液分離器 蒸発器と圧縮機の間 液を一時保持し液戻りを緩和

これは直膨式装置の代表例です。低圧受液器、凝縮器と一体の受液部、吸込み配管用ドライヤなど別構成もあります。「すべての装置がこの順」と暗記せず、冷媒の状態と機器図面を確認します。

受液器の内容積:必要液量÷許容充填率

油の通過量:流入油量×(1-分離効率)

公式・メーカー資料の確認先

技術情報確認日:2026年7月29日。公表試験の設問本文・外部資料の図表は転載していません。

附属機器 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

第1問:機器を冷凍サイクルへ配置する

【問1】直膨式冷凍装置の代表的な配置として、最も適切なものはどれですか。

(1) 圧縮機→吸込み液分離器→凝縮器→蒸発器→油分離器
(2) 圧縮機→油分離器→凝縮器→高圧受液器→ドライヤ→膨張弁→蒸発器→吸込み液分離器→圧縮機
(3) 圧縮機→高圧受液器→膨張弁→油分離器→凝縮器
(4) 蒸発器→高圧受液器→ドライヤ→圧縮機吐出し側
(5) 全附属機器は高圧側にだけ設置する

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正解:(2)
油分離器は吐出し側で油を回収し、高圧受液器とドライヤは凝縮後の液を管理します。吸込み液分離器は蒸発器の下流で液戻りを緩和します。装置によって省略・一体化・別配置があるため、代表順序と実図面を区別します。

第2問:必要な受液器内容積を求める

【問2】保守時に回収する冷媒液57Lを受液器へ収め、液量を内容積の95%以下にします。必要な受液器内容積の最小値はどれですか。

(1) 54.2L
(2) 57.0L
(3) 60.0L
(4) 95.0L
(5) 108.3L

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正解:(3) 60.0L
内容積=57÷0.95=60.0Lです。5%の蒸気空間を残す計算になります。これは学習条件であり、95%を通常運転液面の目標にする意味ではありません。実機は運転変動、ポンプダウン量、法令・設計基準に基づき選定します。

第3問:油分離器を通過する油量を計算する

【問3】油分離器へ7.5kg/hの油が流入し、その運転条件での分離効率が94%でした。冷媒とともに下流へ通過する油量はいくらですか。

(1) 0.06kg/h
(2) 0.45kg/h
(3) 0.71kg/h
(4) 7.05kg/h
(5) 7.50kg/h

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正解:(2) 0.45kg/h
通過率は100-94=6%なので、7.5×0.06=0.45kg/hです。油分離器は油を100%止める装置ではありません。負荷、ガス速度、油滴径、構造で効率が変わるため、配管側の油戻り設計も必要です。

第4問:サイトグラスの気泡を決めつけない

【問4】フィルタドライヤ直後のサイトグラスに運転中も気泡があり、ドライヤ出口配管だけが冷えて結露し、前後差圧も大きくなっています。最初の判断として最も適切なものはどれですか。

(1) 気泡だけで冷媒不足と断定し、冷媒を追加する
(2) ドライヤの目詰まりによる圧力降下・フラッシュガスを疑い、仕様に従って差圧と温度差を確認する
(3) サイトグラスの気泡は常に正常なので無視する
(4) 吸込み液分離器が満液になった証拠と断定する
(5) 油分離効率が100%になった証拠である

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正解:(2)
絞りとなったドライヤで圧力が落ちると液の一部がフラッシュし、出口側が冷えて気泡が見えます。気泡は冷媒不足、過冷却不足、液管の圧力損失、起動直後などでも生じるため、一つの観察だけで充填量を判断しません。

第5問:吸込み液分離器の限界を理解する

【問5】除霜復帰のたびに吸込み液分離器の液位が上がり、圧縮機で油の泡立ちも見られます。最も適切な対応はどれですか。

(1) 液分離器があるので連続的な液戻りでも安全と判断する
(2) 液分離器を短絡し、液を直接圧縮機へ送る
(3) 運転手順に従って安全を確保し、除霜復帰、膨張弁、負荷、液戻り量、分離器容量・返油経路を点検する
(4) すべての液が瞬時に蒸発するまで圧縮機回転数だけを上げる
(5) サイトグラスの色だけ見て原因を確定する

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正解:(3)
吸込み液分離器は液を一時保持し、ガスと分けながら設計された小孔などで油・冷媒を戻しますが、無限の液を処理できません。根本原因を放置すると液圧縮や油希釈につながります。容量、配管、除霜・給液制御を一体で確認します。

採点結果と誤答別の復習先

正解数 理解度 次の行動
5問 配置・計算・診断が定着 第2回へ進む
3〜4問 高低圧か測定値を再確認 誤答だけ解き直す
0〜2問 役割を整理する段階 本解説の配置図へ戻る
  • 問1を誤答:高圧・低圧と冷媒の流れ方向を先に書く
  • 問2・3を誤答:許容率は割り算、通過率は100%から引く
  • 問4を誤答:気泡、前後温度差、差圧、過冷却度を組み合わせる
  • 問5を誤答:保護機器の存在と原因除去を分けて考える

次の練習と学習ルート

まとめ

附属機器は設置位置と守る対象で整理します。受液器は高圧液の保持、油分離器は吐出し油の回収、吸込み液分離器は圧縮機への液戻り緩和、ドライヤとサイトグラスは液管の清浄度・状態確認を担います。

サイトグラスの気泡や液位だけで原因を断定せず、温度差、差圧、過冷却度、運転タイミングを組み合わせて診断することが大切です。

最終更新日:2026年7月29日

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