この5問で身につくこと
- 炉筒と煙管を燃焼ガスの経路から見分ける
- コルニッシュとランカシャの炉筒本数を区別する
- 炉筒を胴の中心からずらす理由を水循環で説明する
- 反転室の構造と保有水量から保守・運転特性を判断する
丸ボイラーは、名前だけ覚えるより燃焼ガスがどこを通り、水がどこにあるかを追うと見分けやすくなります。基本構造と各形式の違いは「丸ボイラーの種類と特徴|炉筒・煙管・立てボイラー」で確認できます。
まず「胴・炉筒・煙管」の役割を分ける
| 部分 | 主な役割 |
|---|---|
| 胴 | 多量のボイラー水と上部の蒸気部を持つ |
| 炉筒 | 胴内の太い筒。内部で燃料を燃焼させる |
| 煙管 | 多数の細い管。内部を燃焼ガスが通る |
| 管の外側 | 炉筒・煙管の壁を介して熱を受けるボイラー水 |
炉筒煙管ボイラーでは、炉筒と煙管を一つの胴へ組み合わせます。ある機種では、燃焼ガスが炉筒を進み、後部反転室で向きを変えて煙管を戻ります。ただしパス数や反転室の配置は製品ごとに異なるため、外観だけで決めつけず図面を確認します。
四つの形式を「ガス側の構成」で比較する
| 形式 | 見分ける点 |
|---|---|
| 炉筒 | 太い炉筒内で燃焼。1本・2本の形式がある |
| 煙管 | 多数の煙管内を燃焼ガスが通る |
| 炉筒煙管 | 炉筒と煙管の両方を持つ |
| 立て・立て煙管 | 胴を縦に配置し、据付面積を小さくする |
コルニッシュボイラーは炉筒1本、ランカシャボイラーは炉筒2本です。どちらも炉筒ボイラーの分類です。一方、炉筒煙管ボイラーは炉筒で受けた後の燃焼ガスも多数の煙管へ通し、胴内の伝熱面を増やします。
丸ボイラーの長所と短所は同じ原因から生まれる
大径の胴側に
多量の水を持つ
冷間時に加熱する
水の質量が大きい
保有する熱が
負荷変動を緩和
「起動が遅い」と「蒸気使用量の変化に対して圧力が変動しにくい」は、反対の特徴に見えて原因は同じです。水量が多いほど冷たい状態からの昇温には時間がかかりますが、運転中は大きな熱容量が急な負荷を受け止めます。
反転室は水冷か非水冷かで保守点が変わる
| 方式 | 後部反転室 | 点検の着眼点 |
|---|---|---|
| ドライバック | 耐火材で形成する非水冷構造 | 耐火材の亀裂・脱落・損耗 |
| ウェットバック | ボイラー水に囲まれた水冷構造 | 水側とガス側、漏れ・腐食・付着物 |
ドライ/ウェットの本質は、反転室が胴の内外のどこにあるかという単純な位置ではなく、水冷される構造か、耐火材を使う非水冷構造かです。停止・冷却・隔離を確実に行い、製造者の点検手順に従って確認します。
公式資料の確認先
構造・試験情報確認日:2026年7月30日。問題文・機器事例は独自作成し、公表試験の設問本文や外部図表は転載していません。
第1問:燃焼ガスの経路から形式を判定する
【問1】横置きの大径胴内に太い炉筒と多数の煙管があり、ある運転経路では燃焼ガスが炉筒を進み、後部で反転して煙管を通ります。この形式として最も適切なものはどれですか。
(1) 炉筒煙管ボイラー
(2) 自然循環式水管ボイラー
(3) 強制循環式水管ボイラー
(4) 貫流ボイラー
(5) 鋳鉄製組合せボイラー
第2問:炉筒1本と2本を見分ける
【問2】炉筒ボイラーの名称と炉筒本数の組合せとして最も適切なものはどれですか。
(1) コルニッシュ1本、ランカシャ2本
(2) コルニッシュ2本、ランカシャ1本
(3) どちらも炉筒を持たない
(4) どちらも煙管だけを持つ
(5) コルニッシュ3本、ランカシャ4本
第3問:炉筒を中心からずらす理由
【問3】横置き炉筒ボイラーで、炉筒を胴の中央から片側へ少しずらした構造があります。その主な狙いとして最も適切なものはどれですか。
(1) 炉筒内へボイラー水を流すため
(2) 温度上昇した水・気泡の上昇側と低温水の下降側をつくり、水循環を促すため
(3) 蒸気部をなくすため
(4) 安全弁を不要にするため
(5) 煙管内を真空にするため
第4問:ドライバックで優先して見る部分
【問4】ドライバック式炉筒煙管ボイラーを停止・冷却して点検します。後部反転室で特に確認すべきものはどれですか。
(1) 非水冷部を形成する耐火材の亀裂・脱落・損耗
(2) 水管内の循環ポンプだけ
(3) 鋳鉄製セクションの組合せボルトだけ
(4) 貫流管出口の気水分離器だけ
(5) 反転室は点検不要
第5問:保有水量から運転特性を予測する
【問5】同程度の蒸気条件で比較したとき、保有水量が多い丸ボイラーの一般的な運転特性として最も適切なものはどれですか。
(1) 冷間起動は速く、急な蒸気需要で圧力が大きく変動する
(2) 冷間起動には時間がかかるが、急な蒸気需要に対する圧力変動は比較的緩やか
(3) 冷間起動も圧力変動も保有水量と無関係
(4) 水量が多いほど高圧・大容量化に最も適する
(5) 水量が多いほど伝熱面は不要になる
採点結果と誤答別の復習先
| 正解数 | 次の行動 |
|---|---|
| 5問 | 第2回へ進み、他形式も比較 |
| 3〜4問 | 誤答した部位をガス側・水側へ分ける |
| 0〜2問 | 役割表と形式比較表から復習 |
- 問1・2を誤答:炉筒と煙管の有無・本数で分類
- 問3を誤答:偏心は上昇流と下降流をつくる
- 問4を誤答:ドライバックは非水冷の耐火材を点検
- 問5を誤答:多い保有水量は起動を遅くし、圧力変動を緩和
次の練習と学習ルート
まとめ
炉筒は内部で燃焼する太い筒、煙管は内部へ燃焼ガスを通す多数の細い管です。両方を一つの胴内に持つのが炉筒煙管ボイラーで、コルニッシュは炉筒1本、ランカシャは2本です。
炉筒の偏心は水循環を促し、ドライバックの反転室では耐火材を点検します。多い保有水量は冷間起動を遅くする一方、急な蒸気需要に対する圧力変動を緩やかにします。形式名だけでなく、ガス・水・熱の流れから判断しましょう。
最終更新日:2026年7月30日
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