湿り空気線図の読み方|絶対湿度・露点・結露を計算でつなぐ
湿り空気線図は、空気の「温度」と「水蒸気量」を同じ点で読む道具です。乾球温度と相対湿度から状態点を決めれば、絶対湿度、露点温度、比エンタルピーを読み、冷却でいつ結露が始まるかまで追えます。 この記事では、24℃・60%の空気を例に、絶対湿度11.2g/kg(DA)、露点15.8℃、12℃まで冷却したときの除湿量2.5g/kg(DA)を計算します。前記事のU値計算とは役割を分け、湿気側から結露を診断します。 確認日:2026年8月2日。気象庁の湿度用語、国土交通省の防露資料、NISTの湿り空気物性計算法を照 ...
熱伝導・対流・放射とU値|壁の熱損失・熱橋・表面結露の計算
建物の熱問題は、伝導・対流・放射を分け、最後に熱抵抗でつなぐと解けます。壁のU値が分かれば定常時の貫流熱損失を計算できますが、熱橋、すき間風、日射、蓄熱まではU値一つで表せません。 この記事では、壁のU値0.67W/(m²·K)、熱損失201Wを実際に算出し、室内20℃・相対湿度70%で熱橋部の表面結露が起こり得るところまで一つの例で追います。 確認日:2026年8月2日。建築研究所の熱貫流率計算資料、米国エネルギー省のBuilding Science Education、NISTの建材熱伝導データベース ...
床材別清掃方法|大理石18μm溶解・体育館はワックス禁止
体育館の木質床に「乳化性ワックスを塗る」と覚えていたら、更新が必要です。文部科学省は令和7年5月の手引きで、体育館の床板について水拭き及びワックス掛けは行うべきではないと明示しました。ワックスが塗られていると、本来必要なポリウレタン樹脂塗料の重ね塗りができない場合があるためです。 この記事では、床材を「材質が何に負けるか」で整理します。pH2の酸性洗剤100mLが大理石を約18μm溶かすことを化学量論で計算し、ビニル床タイルはJISのバインダー含有量30%で種類が分かれること、リノリウムはpH9以上が使え ...
洗剤と床維持剤の選定|10倍希釈でpH12・被膜33μm
「油汚れは酸性だから、アルカリ性洗剤で中和して落とす」——この説明は科学的に誤りです。油脂(トリアシルグリセロール)は酸ではありません。強アルカリが油脂に効くのは中和ではなくけん化(加水分解)という別の反応です。水垢も「アルカリ性の汚れ」ではありません。 この記事では、日本家政学会誌に掲載された洗浄科学の論文を根拠にこの誤りを正したうえで、フロアポリッシュの乾燥被膜を1層6.7μm・5層で33μmと計算し、pH13の剥離剤は水で10倍に薄めてもpH12にしかならないことを示します。液性の5区分も、表示規程 ...
汚れの分類と清掃用具・機械|周速12.5倍・1,512m²/時
「砂やほこりは水溶性の汚れ」は誤りです。砂・泥・ほこり・すすは水にも油にも溶けない固体汚れで、水溶性汚れや油溶性汚れとは落とし方が違います。ここを取り違えると、洗剤を強くしても落ちない汚れを相手に時間を使うことになります。 この記事では、標準型ポリッシャーの周速4.19m/sに対して超高速バフ機が52.4m/sと約12.5倍になることを計算し、自動床洗浄機の実効作業能率を1,512m²/時と積算します。用具と機械を、名称の暗記ではなく「汚れの状態にどの力を与えるか」で選べるようにします。 制度・資料確認日 ...
清掃計画と品質評価|1人8時間3,200m²・検出率64%
「日常清掃と定期清掃の区分」を覚えても、人員が足りているかは判断できません。清掃計画で最初に出すべき数字は分類ではなく、面積と作業能率から積み上げた所要時間です。 この記事では、作業能率500m²/時・実働率0.8で積算すると1人8時間で担当できるのは3,200m²が限界になることを計算し、不具合率5%の200室から20室を抽出しても検出率は約64%にとどまることを示します。清掃管理を「掃除の分類の暗記」から「面積・時間・抽出率の設計」へ組み直します。 制度・資料確認日:2026年8月5日。e-Gov法令 ...
配管材料・衛生器具・消火設備|塩ビ42mm・水源20分の根拠
「1号消火栓は2人操作」「スプリンクラーは72℃」は、そのまま覚えると現場で外します。操作人数を決めているのはホースの構造基準であり、ヘッドの温度は取付場所の最高周囲温度から選ぶものだからです。 この記事では、屋内消火栓の水源2.6m³・1.2m³・1.6m³がすべて20分放水から導けることを示し、硬質塩ビ管20mが温度差30Kで42mm伸びるのに対し鋼管は7.0mmにとどまる差を計算します。配管材料、衛生器具、消火設備を、暗記ではなく更新と点検の判断材料としてつなぎ直します。 制度・資料確認日:2026 ...
浄化槽と排水処理の判定|除去率90%・排水量50m³の境界
浄化槽の水質は「放流水BOD 20mg/L以下」だけでは判定できません。浄化槽法は、これと同時に「BOD除去率90%以上」を求めています。放流水が基準内でも、流入が薄ければ除去率で不適合になります。 この記事では、流入BOD180mg/Lのときに必要な放流水質を18mg/L以下と計算し、2つの基準が入れ替わる分岐点が流入200mg/Lであることを示します。さらに、一律排水基準が当たるかどうかを分ける日平均50m³の境界と、2025年4月1日に施行された大腸菌数800CFU/mLまで、判定の順に整理します。 ...
通気設備と排水槽の管理|ポンプ24分・警報余裕50分
通気方式は名称の暗記、排水槽は「6か月清掃」の暗記だけでは、臭気・破封・あふれを診断できません。通気管は、排水が押す空気と引く空気の逃げ道です。排水槽は、流入、貯留、揚水、高水位警報を時間軸で見る設備です。 この記事では、4.8m³を揚水量15m³/h、同時流入3m³/hで排出する時間を24分、高水位警報から越流まで2.5m³、流入3m³/hの猶予を50分と計算します。通気閉塞とポンプ故障を、音や臭いだけでなく測定値から切り分けます。 制度・資料確認日:2026年8月4日。厚生労働省の建築物環境衛生管理基 ...
排水設備とトラップの診断|封水50〜100mm・勾配180mm
排水臭を「トラップに水を足せば終わり」と判断すると、通気不良や排水管圧力の異常を見逃します。排水トラップの封水深は原則50〜100mmです。封水が減る原因には、蒸発だけでなく、自己・誘導サイホン、正圧によるはね出し、毛管現象、漏れ、部品の誤組立があります。 この記事では、呼び径100の屋内横走り排水管を18m、最小勾配1/100で配管したときの必要落差180mmと、排水管内外の圧力差250Paを水頭へ換算した25.5mmを計算します。封水、圧力、通気、勾配、詰まりを事実から切り分けます。 制度・資料確認日 ...









