結論:半導体は「電気の流れをコントロールする素子」
ここでは電子回路の基本部品――ダイオード、トランジスタ、FET、オペアンプを学びます。電験三種では暗記中心の出題が多く、公式よりも各素子の特徴や動作原理を問われます。
➡ ダイオード
電流を一方通行にする
📡 トランジスタ
小さな信号で
大きな電流を増幅
🔌 FET
電圧で電流を
制御する素子
半導体の基礎 ― 導体と絶縁体のあいだ
半導体とは?
物質は電気の通しやすさで3つに分類されます。
| 分類 | 抵抗率 | 例 |
|---|---|---|
| 導体 | 低い | 銅、アルミニウム |
| 半導体 | 中間 | シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge) |
| 絶縁体 | 高い | ガラス、ゴム |
n型とp型
純粋なシリコンに不純物を混ぜる(ドーピング)ことで、電気的性質を変えられます。
| n型半導体 | p型半導体 | |
|---|---|---|
| 不純物 | 5価(リン、ヒ素) | 3価(ホウ素、インジウム) |
| 多数キャリア | 電子(−) | 正孔(+) |
| 名前の由来 | negative(負) | positive(正) |
覚え方:「n型 = 電子が多い = 5価の不純物」「p型 = 正孔が多い = 3価の不純物」。5価の元素は電子が1個余り、3価の元素は電子が1個足りない(=正孔ができる)と覚えましょう。
半導体の温度特性
試験頻出:半導体は温度が上がると抵抗が下がる(負の温度係数)。金属とは逆です。温度上昇でキャリアが増えるため、電流が流れやすくなります。
ダイオード ― 電流の一方通行
pn接合ダイオード
p型とn型を接合した素子。順方向(p→n)にだけ電流を流す「電気の逆止弁」です。
| バイアス | 状態 | 説明 |
|---|---|---|
| 順方向 | 導通 | p側に+、n側に−をつなぐと電流が流れる |
| 逆方向 | 阻止 | p側に−、n側に+をつなぐと電流が流れない |
特殊なダイオード
| 種類 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| ツェナーダイオード | 逆方向に一定電圧で降伏(ツェナー降伏) | 定電圧回路 |
| 発光ダイオード(LED) | 順方向電流で発光 | 表示灯、照明 |
| フォトダイオード | 光を受けると電流が流れる | 光センサー |
トランジスタ ― 小さな信号を大きくする
バイポーラトランジスタの構成
npn型またはpnp型の3層構造。ベース(B)・コレクタ(C)・エミッタ(E)の3端子を持ちます。
トランジスタの電流関係
IE = IC + IB
IC = hFE × IB
hFE(エイチ・エフ・イー)は直流電流増幅率で、ベース電流がコレクタ電流の何倍に増幅されるかを表します。一般的な値は50〜300程度です。
かみ砕くと:トランジスタは「水道の蛇口」のようなもの。ベース電流(蛇口のひねり具合)を少し変えるだけで、コレクタ電流(水の量)を大きくコントロールできます。
FET ― 電圧で電流を制御する
FETの特徴
FET(電界効果トランジスタ)は、電圧(ゲート電圧)で電流を制御する素子です。
| 比較項目 | バイポーラ | FET |
|---|---|---|
| 制御方法 | 電流制御 | 電圧制御 |
| 入力インピーダンス | 低い | 非常に高い |
| 端子名 | B・C・E | G(ゲート)・D(ドレイン)・S(ソース) |
| キャリア | 多数+少数 | 多数キャリアのみ |
演算増幅器(オペアンプ)
オペアンプの理想特性
| 特性 | 理想値 |
|---|---|
| 電圧増幅度 | ∞(無限大) |
| 入力インピーダンス | ∞(電流が流れ込まない) |
| 出力インピーダンス | 0(理想電圧源) |
反転増幅回路と非反転増幅回路
反転増幅回路の増幅度
Av = −RfR1
非反転増幅回路の増幅度
Av = 1 + RfR1
試験のコツ:反転増幅は「マイナスがつく+Rf/R1だけ」、非反転は「1を足す」。入力が反転端子(−)に入るか、非反転端子(+)に入るかで区別します。
まとめ ― 覚えるべきポイント
| 素子 | 最重要ポイント |
|---|---|
| 半導体 | n型=5価=電子、p型=3価=正孔、温度↑→抵抗↓ |
| ダイオード | 順方向のみ導通、ツェナーは定電圧用 |
| トランジスタ | IE=IC+IB、IC=hFE×IB、電流制御 |
| FET | 電圧制御、入力インピーダンス極大、G・D・S端子 |
| オペアンプ | 反転:−Rf/R1、非反転:1+Rf/R1 |
学習アドバイス:半導体の問題は暗記が中心です。n型とp型の違い、トランジスタとFETの違い、オペアンプの2つの増幅回路――これらをきちんと区別できれば得点できます。計算量は少ないので、確実な知識の定着がカギです。
※当サイトの画像にはAI生成のものが含まれており、実際の機器・器具とは外観が異なる場合があります。問題・解答の内容には細心の注意を払っておりますが、誤りが含まれる可能性があります。学習の参考としてご活用いただき、最終的な確認は公式テキスト・法令等で行ってください。当サイトの情報に基づく判断によって生じた損害について、一切の責任を負いかねます。
内容の誤りやお気づきの点がございましたら、お問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。正確な情報をお届けできるよう、随時修正してまいります。