結論:計測は理論科目の「総まとめ」テーマ
電気計測は、これまで学んできた直流・交流・磁気の知識を「測定」という実践的な視点で問い直すテーマです。各種計器の動作原理や測定法は、ビルメンの現場で使うテスターやクランプメータの原理そのものです。
📏 指示計器
動作原理で5種類に
分類される
⚠ 測定誤差
測定値の信頼性を
判断する力
⚖ ブリッジ測定
高精度な抵抗・L・Cの
測定法
指示計器の種類と動作原理
5つの指示計器
| 計器の種類 | 動作原理 | DC/AC | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 可動コイル形 | 永久磁石+コイルの電磁力 | DCのみ | 高精度、均等目盛 |
| 可動鉄片形 | 鉄片の磁化と反発 | DC/AC | 丈夫、不均等目盛 |
| 電流力計形 | 2つのコイルの電磁力 | DC/AC | 電力計に使用 |
| 静電形 | 静電力(クーロン力) | DC/AC | 高電圧測定、電力消費なし |
| 誘導形 | 回転磁界(誘導電流) | ACのみ | 電力量計(積算)に使用 |
覚え方:「可動コイル形はDCのみ、誘導形はACのみ、残りは両方OK」。可動コイル形は永久磁石を使うので交流では針が振れません。誘導形は回転磁界が必要なので交流専用です。
測定範囲の拡大 ― 分流器と倍率器
分流器(電流計の測定範囲拡大)
電流計の測定レンジを拡大するために、電流計に並列に接続する低抵抗が分流器です。
分流器の抵抗値
rs = ran − 1 [Ω]
ra は電流計の内部抵抗、n は倍率(何倍に拡大するか)です。
倍率器(電圧計の測定範囲拡大)
電圧計のレンジを拡大するために、電圧計に直列に接続する高抵抗が倍率器です。
倍率器の抵抗値
Rm = (n − 1)rv [Ω]
暗記のコツ:分流器は「並列に小さい抵抗 → (n−1)で割る」、倍率器は「直列に大きい抵抗 → (n−1)を掛ける」。割ると小さくなる=並列、掛けると大きくなる=直列と対応しています。
測定誤差
誤差の種類
| 誤差の種類 | 意味 |
|---|---|
| 絶対誤差 | 測定値 − 真の値 [同じ単位] |
| 相対誤差 | 絶対誤差 / 真の値 × 100 [%] |
| 補正値 | 真の値 − 測定値(絶対誤差の逆符号) |
確度(階級)
計器の精度は階級で表されます。たとえば「0.5級」の計器は、フルスケールの ±0.5% の誤差範囲に入ることを保証しています。
注意:階級の誤差はフルスケールに対する割合です。フルスケール100Vの0.5級計器なら最大誤差は ±0.5V。測定値が20Vのとき、相対誤差は0.5/20=2.5%にもなります。フルスケールに近い値で測るほど相対誤差は小さくなるのがポイントです。
各種測定法
ブリッジ測定
| ブリッジの名称 | 測定対象 |
|---|---|
| ホイートストンブリッジ | 中程度の抵抗(DC) |
| ケルビンダブルブリッジ | 低抵抗(DC) |
| 交流ブリッジ | L・C・インピーダンス(AC) |
電力の測定
| 測定法 | 内容 |
|---|---|
| 電力計法 | 電流力計形電力計を使う(電圧コイル+電流コイル) |
| 三電圧計法 | 3つの電圧を測って電力を計算(電力計が不要) |
| 三電流計法 | 3つの電流を測って電力を計算 |
| 二電力計法 | 2つの単相電力計で三相電力を測定 |
試験に出る!典型的な計算パターン
パターン1:分流器の計算
例題
内部抵抗 10 Ω、最大目盛 1 mA の電流計で 100 mA まで測れるようにしたい。分流器の抵抗値を求めよ。
【解答】
倍率 n = 100/1 = 100
rs = 10100 − 1 = 1099 ≈ 0.101 Ω
パターン2:計器の誤差
例題
フルスケール150 V の1.0級電圧計で電圧を測定したところ 100 V を示した。この測定値の最大相対誤差を求めよ。
【解答】
最大絶対誤差 = 150 × 1.0/100 = 1.5 V
最大相対誤差 = 1.5/100 × 100 = 1.5%
まとめ ― 覚えるべきポイント
| テーマ | 最重要ポイント |
|---|---|
| 指示計器 | 可動コイル形=DCのみ、誘導形=ACのみ |
| 分流器 | 並列に接続、rs=ra/(n−1) |
| 倍率器 | 直列に接続、Rm=(n−1)rv |
| 誤差 | 階級はフルスケール基準、フルスケール付近で測るのが高精度 |
学習アドバイス:これで理論科目の全13テーマが完了です! 静電気から始まり、コンデンサ、磁気、直流回路、交流回路、半導体、計測と一通り学びました。ここからは電力・機械・法規の科目に進みます。理論で身につけた計算力が他の3科目でも大きな武器になりますよ。
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