ミニテスト

冷媒の安全区分・GWP・冷凍機油の練習問題5問【第1回】

このミニテストの使い方

  • 全5問・目安10分。冷媒名だけでなく長所と危険を対で答える
  • 安全区分は毒性側の文字と燃焼性の数字を分けて読む
  • GWPの計算は冷媒質量との掛け算まで行う
  • 冷凍機油は冷媒・圧縮機・メーカー指定を一組で考える

結論:冷媒は環境性だけでなく安全・圧力・材料・油まで見る

冷媒には、熱性能、燃焼性、毒性、運転圧力、環境影響、材料適合という複数の評価軸があります。GWPが小さいだけで「最も安全」とは決められません。たとえばR32はR410AよりGWPが低い一方でA2L、CO₂はGWP1でも高圧です。

冷凍機油も冷媒名だけでは選べません。運転中に冷媒が溶けたときの粘度、相溶性、油戻り、水分への安定性まで含め、圧縮機メーカーの指定に合わせます。詳しい解説は「冷媒の種類・安全区分と冷凍機油」で確認できます。

内容の確認先

このページの問題文・数値・解説は学習用に新規作成したもので、公表試験問題を転載していません。GWPは問題で指定した制度上の値を使います。

解く前に4冷媒の違いを確認

冷媒 安全区分 GWP 主な注意点
R410A A1 2090 R32/R125の混合冷媒・高GWP
R32 A2L 675 微燃性への対策
R717 B2L 1未満 毒性・微燃性・銅材料との不適合
R744 A1 1 高圧・酸欠・臨界温度約31℃

A/Bは許容暴露濃度に基づく毒性側の区分、1・2L・2・3は燃焼性の区分です。A1でも無害・無圧力・酸欠なしを意味しません。またGWPは評価報告書や制度によって値が更新・併記されるため、試験では問題文が指定する値を使います。

冷媒・冷凍機油ミニテスト

第1回 第2回 第3回

第1問:安全区分を正しく読む

【問1】冷媒の安全区分と注意点の組合せとして正しいものはどれですか。

(1) R410A―A2L―微燃性
(2) R32―A1―火炎伝播なし
(3) R717―B2L―毒性側区分と微燃性に注意
(4) R744―B2L―銅を必ず腐食
(5) A1―高濃度でも人体影響や酸欠なし

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正解:(3)
アンモニアR717はB2Lです。R410AとR744はA1、R32はA2L。A1は安全区分上の毒性側・燃焼性を示すもので、高濃度漏えいによる健康影響、酸欠、圧力など別の危険が消えるわけではありません。

第2問:冷媒充塡量からCO₂換算量を比べる

【問2】同じ5.0kgの冷媒を全量放出したと仮定します。GWPをR410A=2090、R32=675とすると、R410AからR32へ変わったときのCO₂換算量の差はいくらですか。

(1) 1,415kg-CO₂e
(2) 3,375kg-CO₂e
(3) 7,075kg-CO₂e
(4) 10,450kg-CO₂e
(5) 13,825kg-CO₂e

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正解:(3) 7,075kg-CO₂e
R410Aは5.0×2090=10,450kg-CO₂e、R32は5.0×675=3,375kg-CO₂e。差は10,450-3,375=7,075kg-CO₂eです。ただし、GWPが低いことと機器へそのまま入れ替えられることは別問題です。圧力・燃焼性・部品・油が異なるため、指定外冷媒へ変更してはいけません。

第3問:混合冷媒の取扱いを判断する

【問3】R410Aなどの混合冷媒について、最も適切な説明はどれですか。

(1) すべての混合冷媒は温度グライドが同じである
(2) 気相と液相の組成差は絶対に生じない
(3) R410AはR32とR125の質量比50/50で、温度グライドは非常に小さい
(4) 混合冷媒は冷媒回路のどこからでも任意の方法で充塡できる
(5) 一部が漏えいしても必ず元の組成のままなので点検は不要である

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正解:(3)
R410AはR32/R125=50/50質量%の混合冷媒で、標準沸点と露点の差は約0.1Kと小さい冷媒です。一方、R407Cのように数Kの温度グライドを持つ混合冷媒もあります。充塡・漏えい後の処置は冷媒と機器のメーカー手順に従い、一般に組成変化を避けるため液相側から扱います。

第4問:CO₂の臨界点を運転へ結び付ける

【問4】CO₂(R744)の高温側温度が35℃で、臨界温度約31.05℃を超えています。この運転の説明として正しいものはどれですか。

(1) 通常の凝縮器内で一定温度のまま液化する
(2) 高温側は超臨界域となり、ガスクーラで冷却する遷臨界運転になり得る
(3) 臨界温度を超えると装置圧力は必ず大気圧になる
(4) R744はA1なので高圧設計や漏えい検知が不要である
(5) 停止中は周囲から入熱しても圧力が上がらない

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正解:(2)
臨界温度を超える高温側では、亜臨界サイクルのような凝縮は起こらず、ガスクーラで超臨界流体を冷却します。CO₂はGWP1・A1ですが、臨界圧力も約7.38MPaと高く、高耐圧機器、圧力保護、換気・検知が必要です。

第5問:冷凍機油の異常へ対応する

【問5】圧縮機の油面が低下し、蒸発器側への油滞留が疑われます。対応として最も適切なものはどれですか。

(1) 銘柄が違っても同じ粘度表示の油を直ちに継ぎ足す
(2) 冷媒と油は接触しないので、油戻りを確認する必要はない
(3) 圧縮機指定油、配管流速、油分離器、運転条件を確認して油戻り不良の原因を調べる
(4) 冷媒が油へ溶けるほど運転粘度は必ず上がる
(5) POE油は吸湿しないため、開放時間や真空乾燥を管理しなくてよい

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正解:(3)
油不足を見つけても、原因を調べず補給だけを繰り返すと蒸発器への油滞留や過充塡を悪化させます。冷媒が油へ溶けると運転粘度は低下し得ます。またPOE油は吸湿性があるため、開放時間を短くし、乾燥とメーカー指定を守ります。

採点結果と誤答別の復習先

正解数 理解度 次の行動
5問 冷媒の比較軸が定着 第2回へ進む
3〜4問 数値か安全区分を再確認 比較表で誤答を直す
0〜2問 冷媒ごとの特徴を整理する段階 本記事へ戻り4冷媒を比較
  • 問1を誤答:A/Bと1・2L・2・3を別々の軸として読む
  • 問2を誤答:CO₂換算量=冷媒質量×GWPで2種類を個別に計算する
  • 問3を誤答:単一成分・共沸に近い混合・非共沸混合を分ける
  • 問4を誤答:CO₂はGWPの小ささと高圧特性を対で覚える
  • 問5を誤答:油面低下を「補給量」だけでなく油循環の問題として診断する

次の練習と学習ルート

まとめ

R410AはA1・GWP2090、R32はA2L・GWP675、アンモニアR717はB2L・GWP1未満、CO₂ R744はA1・GWP1です。安全区分やGWPだけでなく、圧力、材料、漏えい時の危険まで一組で比較します。

冷凍機油は潤滑・密封・冷却を担い、冷媒との溶解性や油戻りが運転状態を左右します。補充や交換では、冷媒・圧縮機・油のメーカー指定を一致させることが基本です。

最終更新日:2026年7月29日

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