このミニテストの使い方
- 全5問・目安10分。種類の暗記だけでなく選定理由を説明する
- 濃度は「高いほどよい」と決めず、凝固点と粘度を両方見る
- 流量計算ではkW=kJ/sを使って単位を確認する
- 腐食管理は濃度・pH・防食剤・外観を一組で考える
結論:最低液温に必要な濃度だけを使う
ブラインは、冷凍機で冷やされて負荷側へ冷熱を運ぶ二次冷媒です。一般的な単相ブラインは液体のまま循環し、顕熱で熱を運びます。一次冷媒と負荷側を分けられる一方、熱交換器の温度差とポンプ動力が必要です。
選定では最低液温から凍結余裕を決め、採用製品の濃度曲線で必要濃度を選びます。過濃度にすると粘度が上がり、塩化カルシウムでは共晶点を越えて凝固・結晶化温度が逆に上がることもあります。詳しい解説は「ブラインの種類・凝固点と濃度管理」で確認してください。
内容の確認先
- ASHRAE Handbook 2025:二次冷媒の物性と防食
- OxyChem:Calcium Chloride Handbook
- NSF:偶発的食品接触用熱媒体の登録例
- CDC/NIOSH:エチレングリコールの危険性
- 日本冷凍空調学会:氷スラリーとブラインの手引書
- 高圧ガス保安協会:国家試験問題・正解答
このページの問題文・数値・解説は学習用に新規作成したもので、公表試験問題を転載していません。実設備では採用製品の技術資料・SDS・機器仕様を優先してください。
解く前に種類と計算式を確認
| 種類 | 長所 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 塩化カルシウム | 安価で低温域を得やすい | 塩化物腐食・過濃度で析出 |
| エチレングリコール | PGより低温流動性・熱物性で有利 | 誤飲毒性・漏えい管理 |
| プロピレングリコール | EGより低毒性の製品を選べる | 粘度・価格・製品全体の適合 |
顕熱搬送量:Q=ṁcpΔT
Q:kW、ṁ:kg/s、cp:kJ/(kg・K)、ΔT:K。体積流量は質量流量÷密度で求めます。
第1問:一次冷媒とブラインを区別する
【問1】一般的な単相ブラインを使う間接冷却方式の説明として正しいものはどれですか。
(1) ブラインを圧縮機で圧縮し、蒸発・凝縮させる
(2) ブラインは液体のままポンプで循環し、負荷側から顕熱を受け取る
(3) 一次冷媒とブラインは同じ密閉回路を流れる
(4) 間接冷却では熱交換器の温度差もポンプ動力も不要である
(5) ブラインは冷凍機油として圧縮機だけを潤滑する
第2問:塩化カルシウムの過濃度を見抜く
【問2】塩化カルシウム水溶液について、OxyChemの凝固点データに沿う説明はどれですか。
(1) 濃度0%の純水が最も凍りにくい
(2) 29.6質量%付近で約−51℃の最低域となり、それ以上では凝固・結晶化温度が上がり得る
(3) 32質量%では29.6質量%より必ず低い温度まで液体を保てる
(4) 濃度を上げれば凝固点は無限に下がる
(5) 質量%と容量%は数値が同じなので換算不要である
第3問:必要質量流量と体積流量を求める
【問3】ブラインで54kWを運びます。比熱cp=3.6kJ/(kg・K)、往還温度差ΔT=5K、密度ρ=1,080kg/m³のとき、必要な質量流量と体積流量の組合せはどれですか。
(1) 0.30kg/s ― 1.0m³/h
(2) 3.0kg/s ― 10.0m³/h
(3) 3.6kg/s ― 12.0m³/h
(4) 10.0kg/s ― 3.0m³/h
(5) 54.0kg/s ― 180.0m³/h
第4問:食品を扱う設備のブラインを選ぶ
【問4】食品へブラインが偶発的に接触する可能性がある設備で、最も適切な選定方法はどれですか。
(1) エチレングリコールは甘味があるため食品用途に適する
(2) プロピレングリコールが主成分なら、添加剤や認証を確認しなくてよい
(3) 自動車用クーラントを成分名だけで選び、そのまま流用する
(4) 漏えいリスクを評価し、製品全体の偶発的食品接触適合・SDS・機器仕様を確認する
(5) 低毒性製品なら食品へ直接添加してよい
第5問:濃度低下と腐食を一緒に管理する
【問5】漏えい修理後に水だけを補給したブライン回路で、濃度低下と赤さび・沈殿が確認されました。対応として最も適切なものはどれですか。
(1) 濃度だけ合うまで原液を足し、pHや防食剤は確認しない
(2) 古い教材どおり六価クロム系防食剤を自己判断で補給する
(3) 異なる銘柄のブラインを混ぜ、色だけを元に戻す
(4) 代表液を分析し、濃度・凝固点・pH・防食剤・腐食生成物を確認してメーカー指定の処置を行う
(5) 凍らなければ腐食やストレーナ閉塞は無視する
採点結果と誤答別の復習先
| 正解数 | 理解度 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 5問 | 選定と管理を結び付けられる | 第2回へ進む |
| 3〜4問 | 濃度曲線か流量を再確認 | 誤答だけ解き直す |
| 0〜2問 | 種類と役割を整理する段階 | 本記事の比較表へ戻る |
- 問1を誤答:一次冷媒回路とブライン回路を別々に描く
- 問2を誤答:共晶点の前後で濃度と凝固点の関係が変わることを確認する
- 問3を誤答:質量流量を先に求め、密度で割ってから秒→時間を換算する
- 問4を誤答:成分名と製品全体の用途適合を分ける
- 問5を誤答:凍結防止と腐食防止を別の管理項目として点検する
次の練習と学習ルート
まとめ
ブラインは液体のまま冷熱を運ぶ二次冷媒です。塩化物系は低温域と価格、EGは流動性と熱物性、PGは低毒性製品を選べる点に特徴がありますが、どれも濃度・材料・防食・SDSを含めて選びます。
濃度は最低液温に必要な分だけとし、採用製品の凍結曲線を使います。運転後は濃度だけでなく、pH、防食剤、沈殿、差圧、流量、漏えいまで継続して管理しましょう。
最終更新日:2026年7月29日
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