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圧縮機の構造・圧力比・体積効率の練習問題5問【第1回】

このミニテストの使い方

  • 全5問・目安10分。構造・容量制御・弱点を一組で答える
  • 圧力比はゲージ圧を絶対圧力へ直してから計算する
  • 体積効率は実際の吸込体積を理論押しのけ量で割る
  • 液戻り・液圧縮・油上がりを別の現象として判断する

結論:方式名だけでなく圧縮する動きと弱点で見分ける

圧縮機は、蒸発器から戻る低圧の冷媒蒸気を吸い込み、高圧・高温の蒸気として凝縮器へ送ります。往復式はピストン、ロータリー式はローラ等、スクリュー式はねじ状ロータ、スクロール式は固定・旋回渦巻きで圧縮空間を小さくします。

試験では「スクリューは必ず10~100%制御」「スクロールには弁が一切ない」「液に強い方式なら液戻りしてよい」といった一律表現を避けます。製品差を踏まえた基本は「圧縮機4方式の構造と特徴」で復習できます。

内容の確認先

このページの問題文・数値・解説は学習用に新規作成したもので、公表試験問題を転載していません。構造・制御範囲・保護機能は機種ごとの資料を優先してください。

解く前に4方式を比較

方式 圧縮する動き 代表的な要点
往復式 ピストンの往復 弁・すきま容積・アンローダ
ロータリー式 ローラ等の偏心回転 小形化・回転数制御
スクリュー式 ねじ状ロータの回転 スライド弁・油分離
スクロール式 渦巻きの旋回 連続圧縮・回転数制御

圧力比:rp=吐出し絶対圧力÷吸込み絶対圧力

体積効率:ηv=実際の吸込体積流量÷理論押しのけ量

圧縮機の構造・計算ミニテスト

第1回 第2回 第3回

第1問:構造と容量制御を対応させる

【問1】圧縮機の構造・制御に関する説明として最も適切なものはどれですか。

(1) 往復式は吸込弁・吐出し弁を使わず、渦巻きで圧縮する
(2) ロータリー式は必ず雄・雌2本のねじ状ロータを使う
(3) スクリュー式にはツイン形とシングル形があり、スライド弁は代表的な容量制御の一つである
(4) スクロール式には逆流防止弁を含め、どの機種にも弁が一切ない
(5) 4方式はすべてアンローダだけで容量制御する

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正解:(3)
ツインスクリュー形は雄・雌ロータ、シングルスクリュー形は主ロータとゲートロータを使います。スライド弁は代表例ですが、制御範囲は機種ごとに異なります。スクロールも圧縮機構として吸込弁を必要としないのが一般的な一方、吐出し逆止弁などを持つ製品があります。

第2問:ゲージ圧から圧力比を求める

【問2】吸込み圧力0.20MPaG、吐出し圧力1.60MPaG、大気圧0.10MPaとします。圧力比はいくらですか。

(1) 1.40
(2) 3.00
(3) 5.33
(4) 5.67
(5) 8.00

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正解:(4) 約5.67
絶対圧力へ直すと、吸込み0.20+0.10=0.30MPaA、吐出し1.60+0.10=1.70MPaAです。したがってrp=1.70÷0.30≒5.67。ゲージ圧をそのまま割った8.00は誤りです。

第3問:体積効率を求める

【問3】往復圧縮機の理論押しのけ量が10.0m³/min、実際の吸込体積流量が7.6m³/minです。体積効率ηvはいくらですか。

(1) 0.24
(2) 0.76
(3) 1.32
(4) 2.40
(5) 7.60

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正解:(2) 0.76(76%)
ηv=7.6÷10.0=0.76です。往復圧縮機では、すきま容積に残ったガスの再膨張などにより実吸込量が理論値より小さくなります。圧力比が大きいほど再膨張が長く続き、一般に体積効率は低下します。

第4問:開放形・半密閉形・全密閉形を見分ける

【問4】圧縮機と電動機の構成に関する説明として正しいものはどれですか。

(1) 開放形は電動機と同一の溶接ケーシングに入り、外部軸封がない
(2) 半密閉形は圧縮機と電動機を同じケーシングへ収め、ボルト接合部を開けて整備できる構造が一般的である
(3) 全密閉形は外部電動機と軸で接続するため、軸封点検が中心となる
(4) 全密閉形なら配管接続部を含めて冷媒漏えいは起こらない
(5) 密閉形の電動機は全機種で必ず吸込冷媒ガスだけにより冷却される

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正解:(2)
開放形は外部電動機と軸で接続し、軸封部があります。全密閉形は溶接ケーシング内に一体収納し、通常は現場で分解しません。全密閉形でも配管接続部などから漏えいし得て、電動機の冷却経路も製品により異なります。

第5問:液戻りと液圧縮を診断する

【問5】圧縮機吸込みの過熱度がほぼ0Kとなり、油の泡立ちと異常な打撃音が見られました。最も適切な判断はどれですか。

(1) 液戻りのおそれがあり、運転手順に従って安全を確保し、膨張弁・負荷・除霜・アキュムレータ等を点検する
(2) スクリュー式なら液冷媒を連続吸込みしても必ず損傷しない
(3) 油の泡立ちは油粘度が上がった証拠なので、そのまま運転する
(4) 液戻りと液圧縮は常に同じ現象なので区別不要である
(5) 打撃音は油上がりだけで発生し、冷媒液とは無関係である

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正解:(1)
液戻りは蒸発し切れない冷媒液が圧縮機へ戻る現象で、油への溶解・粘度低下や液圧縮につながります。液圧縮は非圧縮性に近い液体を圧縮しようとして部品へ大きな力がかかる状態です。形式を理由に安全と決めず、メーカー手順と設備の保護制御に従います。

採点結果と誤答別の復習先

正解数 理解度 次の行動
5問 構造・計算・異常が定着 第2回へ進む
3〜4問 圧力換算か形式を再確認 誤答だけ解き直す
0〜2問 4方式の対応を整理する段階 本記事の比較表へ戻る
  • 問1を誤答:圧縮する部品と代表的な容量制御を対応させる
  • 問2を誤答:MPaGへ大気圧を足し、MPaAへ直してから割る
  • 問3を誤答:実際値÷理論値の順序を確認する
  • 問4を誤答:電動機の位置・外部軸封・分解可否を3列で比較する
  • 問5を誤答:液戻りを原因側、液圧縮を損傷状態として分ける

次の練習と学習ルート

まとめ

圧縮機は圧縮する部品、容量制御、密閉形式を対応させて比較します。製品差のある制御範囲や弁構成を一律に断定しないことが重要です。

圧力比は絶対圧力で求め、往復圧縮機では圧力比の増加に伴う体積効率低下へ注意します。過熱度消失、油の泡立ち、打撃音が重なったら液戻りを疑い、安全な停止・原因診断へつなげましょう。

最終更新日:2026年7月29日

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