ミニテスト

膨張弁・ポンプダウン・圧力制御 ミニテスト5問【第1回】

この5問で身につくこと

  • 温度自動膨張弁を動かす3つの力を計算する
  • 蒸発器の圧力損失から外部均圧式を選ぶ
  • 電磁弁と低圧スイッチのポンプダウン順序を理解する
  • 高低圧スイッチ、EPR、CPRを目的で使い分ける

自動制御機器は、給液量、流路の開閉、圧力、運転順序を分担します。部品名を覚えるだけでなく、何を検出し、どちら向きに動き、どの機器を守るかを時系列で考えることが重要です。

各弁の構造は「冷凍装置の自動制御機器|膨張弁・電磁弁・圧力調整弁」で確認できます。数値は力の釣合いを理解するための独自条件です。実機の設定変更、復帰、バイパスは行わず、メーカー仕様と有資格者の手順を優先してください。

解く前に制御対象を整理する

機器 制御するもの 判断の要点
温度自動膨張弁 蒸発器への給液量 出口過熱度と3力の釣合い
液電磁弁 液管の開閉 連続調節ではなく通す・止める
圧力スイッチ 圧力による接点動作 運転制御用か安全用かを確認
EPR / CPR 蒸発圧力 / 吸入圧力 上流を下げ過ぎない / 下流を上げ過ぎない

キャピラリチューブは細管の抵抗を使う固定絞りで、圧力差や入口液状態に応じて流量は変わりますが、温度自動膨張弁のように過熱度を検出するフィードバック機構はありません。冷媒充填量と設計条件の影響を強く受けます。

TXVを開く側:感温筒圧力

TXVを閉じる側:蒸発圧力+ばね力

自動制御機器 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

第1問:膨張弁を動かす3つの力を計算する

【問1】温度自動膨張弁で、感温筒圧力が0.62MPa、蒸発圧力が0.50MPa、ばね力を圧力換算すると0.08MPaです。ダイヤフラムの有効面積を同じとみなすと、弁に作用する正味の向きと大きさはどれですか。

(1) 開く側へ0.04MPa相当
(2) 閉じる側へ0.04MPa相当
(3) 開く側へ0.12MPa相当
(4) 閉じる側へ0.20MPa相当
(5) 釣り合って0MPa相当

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正解:(1) 開く側へ0.04MPa相当
開く側0.62-閉じる側(0.50+0.08)=0.04MPa相当です。実際の弁は開度変化に伴って給液量と出口過熱度が変わり、新しい釣合い点へ近づきます。感温筒圧力だけで動く弁ではありません。

第2問:外部均圧式が必要な理由を読む

【問2】ディストリビュータと蒸発器の入口圧力が0.52MPa、出口圧力が0.44MPaです。圧力損失を正しく補正する方法はどれですか。

(1) 内部均圧式で入口側0.52MPaだけを検出する
(2) 外部均圧管を蒸発器出口の適切な位置へ接続し、0.44MPaを閉じる側の圧力として検出する
(3) 感温筒を凝縮器出口へ移す
(4) 均圧管を高圧液管へ接続する
(5) 圧力損失0.08MPaは過熱度制御に影響しない

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正解:(2)
内部均圧式が入口側0.52MPaを検出すると、実際の出口0.44MPaより閉じる力を0.08MPa大きく見積もり、給液不足になりやすくなります。外部均圧式は蒸発器出口圧力をダイヤフラム下側へ伝えます。接続位置はメーカー指示に従います。

第3問:ポンプダウンの停止順序を並べる

【問3】液電磁弁と低圧スイッチを使うポンプダウン停止の代表的な順序はどれですか。

(1) 圧縮機停止→液電磁弁を開く→低圧側へ液をためる
(2) 液電磁弁を閉じる→圧縮機が低圧側冷媒を高圧側へ移す→吸入圧力低下→低圧スイッチで圧縮機停止
(3) 高圧スイッチをバイパス→圧縮機を連続運転→受液器を満液にする
(4) 膨張弁を全開→電磁弁を開く→圧縮機停止
(5) 低圧スイッチを外し、時間だけで停止する

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正解:(2)
先に給液を止め、圧縮機で低圧側の冷媒の大部分を高圧側へ移します。設定圧力まで下がると低圧スイッチが圧縮機を止めます。再始動は一般に電磁弁が開き、吸入圧力が復帰してから行います。真空化や受液器満液を目的とする操作ではありません。

第4問:圧力スイッチの復帰方法を決めつけない

【問4】高圧スイッチが作動して圧縮機が停止しました。対応として最も適切なものはどれですか。

(1) すべての高圧スイッチは自動復帰なので放置する
(2) すべての高圧スイッチは同じ設定値・同じ手動復帰方式である
(3) 作動原因、圧力計、凝縮器の水量・風量・汚れを確認し、機種の復帰方式と手順に従う
(4) 接点を短絡して再発しないようにする
(5) 圧力が下がる前に繰り返しリセットする

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正解:(3)
安全用途では手動復帰が採用されますが、復帰方式・設定・法的要件は機種と設備で確認します。低圧スイッチも運転制御用と保護用があります。原因を除かず反復復帰したり、安全回路を短絡したりしてはいけません。

第5問:EPRとCPRを使い分ける

【問5】1台の圧縮機へ冷蔵用と冷凍用の蒸発器を接続し、冷蔵用蒸発器の圧力低下を防ぎたい一方、除霜復帰時には圧縮機の吸入圧力上昇も制限したいとします。適切な組合せはどれですか。

(1) 冷蔵用蒸発器出口にEPR、共通吸入管の圧縮機手前にCPR
(2) 冷蔵用蒸発器入口にCPR、凝縮器出口にEPR
(3) 両方とも高圧液管へ直列に設置する
(4) EPRで圧縮機吐出し圧力を制限し、CPRで凝縮圧力を維持する
(5) 目的が異なるため同じ装置では絶対に併用できない

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正解:(1)
EPRは蒸発器出口で上流側の蒸発圧力を設定値より下げ過ぎないようにします。CPRは圧縮機手前で下流側の吸入圧力を設定上限より上げ過ぎないよう絞り、起動・除霜復帰時の過負荷を抑えます。名称ではなく「上流下限」と「下流上限」で区別します。

採点結果と誤答別の復習先

正解数 理解度 次の行動
5問 力・順序・圧力制御が定着 第2回へ進む
3〜4問 均圧か順序を再確認 誤答だけ解き直す
0〜2問 制御対象を整理する段階 本解説の配置図へ戻る
  • 問1・2を誤答:感温筒が開く側、蒸発圧力とばねが閉じる側
  • 問3を誤答:給液停止→圧縮継続→吸入圧力低下→停止の順に並べる
  • 問4を誤答:制御用と安全用、手動復帰と自動復帰を仕様で確認する
  • 問5を誤答:EPRは上流圧力の下限、CPRは下流圧力の上限を守る

次の練習と学習ルート

まとめ

温度自動膨張弁は、感温筒圧力、蒸発圧力、ばね力の釣合いで過熱度を制御します。圧力損失が大きい蒸発器では、出口圧力を伝える外部均圧式が必要です。

ポンプダウンは電磁弁と低圧スイッチの時系列、EPR・CPRは守る圧力の位置で整理します。安全装置が作動したときは原因を除去し、仕様に沿って復帰することが最優先です。

最終更新日:2026年7月29日

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