この5問で身につくこと
- kWと運転時間から投入熱量を求める
- Q=mcΔTで水の顕熱を計算する
- 水から蒸気までの顕熱と潜熱を合計する
- 凝縮量と過熱度を逆算する
熱と蒸気は、用語を選ぶだけでは計算問題に対応できません。まず単位をそろえ、温度が変わる区間と状態が変わる区間を分けることが大切です。基礎事項は「熱と蒸気の基礎|顕熱・潜熱・飽和蒸気・過熱蒸気」で確認できます。
最初に使う三つの関係式
| 求めるもの | 関係式 |
|---|---|
| ヒーターの投入熱量 | Q=P×t(1kW=1kJ/s) |
| 水の温度上昇 | Q=m×c×ΔT |
| 蒸発・凝縮 | Q=m×r(r:蒸発潜熱) |
このページでは、水の比熱を4.187kJ/(kg・K)、大気圧付近・100℃の蒸発潜熱を2,257kJ/kgとします。物性値は圧力・温度で変わるため、問題文に値が与えられたらその値を使います。
計算は「顕熱→潜熱→過熱」の順に区切る
水を飽和温度まで上げる
Q=mcΔT
飽和水を蒸気へ変える
Q=mr
飽和蒸気をさらに加熱
過熱度=蒸気温度-飽和温度
一定圧力で沸騰している間は、加えた熱が主に液体から蒸気への相変化へ使われます。乾き飽和蒸気になった後、同じ圧力の飽和温度より高く加熱したものが過熱蒸気です。
単位をそろえてから数値を入れる
| 変換 | 値 |
|---|---|
| 時間 | 1分=60s、1h=3,600s |
| エネルギー | 1MJ=1,000kJ |
| 仕事率 | 1kW=1kJ/s、1kWh=3.6MJ |
| 温度差 | 1Kの差=1℃の差 |
よくある失敗は、分を秒へ直さずkWを掛けることと、最終温度そのものをΔTへ入れることです。20℃から80℃なら温度差は80ではなく60Kです。
公式・標準情報の確認先
物性値・試験情報確認日:2026年7月30日。5問の数値・条件・文章は独自作成し、公表試験の設問本文は転載していません。
第1問:ヒーター出力から熱量を求める
【問1】出力5kWのヒーターを30分間運転しました。熱損失を無視すると、与えた熱量はいくらですか。
(1) 150kJ
(2) 900kJ
(3) 3,600kJ
(4) 9,000kJ
(5) 18,000kJ
第2問:水の温度を60K上げる
【問2】水25kgを20℃から80℃まで加熱します。比熱を4.187kJ/(kg・K)、熱損失なしとすると、必要な熱量に最も近いものはどれですか。
(1) 2.51MJ
(2) 4.19MJ
(3) 6.28MJ
(4) 8.37MJ
(5) 10.47MJ
第3問:20℃の水を100℃の蒸気にする
【問3】大気圧付近で、水10kgを20℃から100℃の乾き飽和蒸気にします。比熱4.187kJ/(kg・K)、蒸発潜熱2,257kJ/kg、熱損失なしとすると、必要な総熱量に最も近いものはどれですか。
(1) 3.35MJ
(2) 12.96MJ
(3) 22.57MJ
(4) 25.92MJ
(5) 33.50MJ
第4問:凝縮した蒸気の質量を逆算する
【問4】100℃の乾き飽和蒸気が同温度の飽和水へ凝縮し、4,514kJを放出しました。蒸発潜熱を2,257kJ/kgとすると、凝縮した蒸気の質量はいくらですか。
(1) 0.5kg
(2) 1kg
(3) 2kg
(4) 4kg
(5) 10kg
第5問:蒸気の過熱度を求める
【問5】絶対圧力0.5MPaの飽和温度を約152℃とします。同じ圧力で蒸気温度が212℃のとき、この蒸気の状態と過熱度の組合せとして最も適切なものはどれですか。
(1) 湿り蒸気・60K
(2) 乾き飽和蒸気・0K
(3) 過熱蒸気・60K
(4) 過熱蒸気・152K
(5) 飽和水・212K
採点結果と誤答別の復習先
| 正解数 | 次の行動 |
|---|---|
| 5問 | 第2回へ進み、用語問題も確認 |
| 3〜4問 | 途中式を書き、単位変換を再確認 |
| 0〜2問 | 三つの関係式から復習 |
- 問1を誤答:kWはkJ/s。分を秒へ直す
- 問2を誤答:ΔTは最終温度-初期温度
- 問3を誤答:水から蒸気までは顕熱と潜熱を合計
- 問4・5を誤答:式を求める量について変形してから代入
次の練習と学習ルート
まとめ
ヒーターの熱量はQ=Pt、水の温度上昇はQ=mcΔT、蒸発・凝縮はQ=mrで計算します。水から蒸気までを求めるときは、飽和温度までの顕熱と蒸発潜熱を分けてから合計します。
過熱度は、蒸気温度から同じ圧力の飽和温度を引いた差です。問題を見たら、単位をそろえる、区間を分ける、式を求める量について変形する、の順で進めてください。
最終更新日:2026年7月30日
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