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機体の履歴と検査目的からボイラー手続を判定する問題5問【第1回】

この5問では、機体の履歴と検査の目的を手掛かりに、構造検査・使用検査・落成検査・使用再開検査・小型ボイラーの設置報告を選び分けます。

「設置前か後か」だけでは足りません。新製品か、輸入品か、廃止済みか、休止中かを先に確認すると、手続の順序を崩さず判定できます。

最初に機体の履歴を確認する

機体・状態 設置前に確認する検査 設置後の主な手続
国内で新たに製造 構造検査 落成検査
輸入・長期未設置・廃止済み 使用検査 落成検査
有効期間を越えて休止 使用再開検査 検査証へ裏書
小型ボイラー 個別検定を確認 設置後遅滞なく設置報告

落成検査は、据付後のボイラー室、配管の配置、基礎、燃焼室、煙道を確認する検査です。機体そのものの水圧試験を一律に行う検査ではありません。

以下はすべて当サイト作成の独自問題です。移動式ではないボイラーを前提とし、問題文に示した以外の要件は満たしているものとします。

問1 設置届の期限を工事開始日から逆算する

構造検査に合格した国内新製の定置式ボイラーについて、設置工事を11月1日に始める。認定事業者ではない場合、ボイラー設置届の提出期限として最も適切な日はどれか。

  1. 11月1日
  2. 10月31日
  3. 10月18日
  4. 10月2日
  5. 設置後であれば任意の日
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正解:4 10月2日

安衛法88条の期限は、使用開始日ではなく「工事開始日の30日前まで」です。11月1日から30日さかのぼると10月2日なので、この日までに所轄労働基準監督署長へ提出します。14日前の10月18日では間に合いません。届出後に据え付け、落成検査に合格して検査証が交付されてから使用します。

問2 廃止して検査証を返還した機体を再設置する

以前の事業場で使用を廃止し、ボイラー検査証を返還した定置式ボイラーを、別の事業場へ再び設置する。2026年7月現在、最初に必要となる検査として最も適切なものはどれか。

  1. 使用再開検査
  2. 使用検査
  3. 落成検査だけ
  4. 性能検査だけ
  5. 検査は不要
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正解:2 使用検査

廃止した機体は「休止中の機体」ではありません。ボイラー則12条は、輸入品、構造検査等の後に一定期間設置されなかった機体、廃止後に再設置・再使用する機体を使用検査の対象としています。2026年施行の現行規定では、原則として登録設計審査等機関の使用検査に合格した後、設置届、据付、落成検査へ進みます。

問3 水圧試験と落成検査を混同しない

最高使用圧力1.2MPaの一般的な鋼製ボイラーについて、構造規格上の水圧試験と落成検査の説明として最も適切なものはどれか。

  1. 落成検査で一律に1.2MPaの水圧をかける
  2. 落成検査で一律に1.8MPaの水圧をかける
  3. 構造検査に関係する水圧試験は1.56MPaが基本で、落成検査は据付状態等を確認する
  4. 水圧試験は0.2MPaで固定し、落成検査は材料だけを見る
  5. 構造検査と落成検査は同じ検査である
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正解:3 1.56MPa・構造と据付を分ける

鋼製ボイラーの一般則は最高使用圧力の1.3倍で、1.2×1.3=1.56MPaです。ボイラー則6条でも構造検査を受ける際に水圧試験の準備を求めています。一方、落成検査の法定確認項目はボイラー室、ボイラー・配管の配置、基礎、燃焼室、煙道です。鋳鉄製や温水ボイラーの一部などには別基準があるため、1.3倍を全機種へ機械的に当てはめないでください。

問4 小型ボイラーの提出書類一式を監査する

個別検定済みの小型ボイラーを設置した後、担当者が表紙を「小型ボイラー使用届」とし、購入カタログだけを添付して提出準備をした。認定事業者ではない場合の是正として最も適切なものはどれか。

  1. 表紙を小型ボイラー設置報告書へ直し、構造図・小型ボイラー明細書・設置場所周囲の図面を添える
  2. 表紙だけボイラー設置届へ直し、工事30日前の日付にする
  3. 購入カタログだけで足りるため、そのまま提出する
  4. 書類を破棄し、落成検査申請書だけを提出する
  5. 個別検定済みなので書類一式を提出しない
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正解:1 正式様式名と3種類の添付書類を直す

ボイラー則91条の正式な様式名は「小型ボイラー設置報告書」です。設置後、遅滞なく、構造図、小型ボイラー明細書、設置場所周囲の状況を示す図面を添え、所轄労働基準監督署長へ提出します。「使用届」ではなく、購入カタログだけでも足りません。また、小型ボイラーに一般ボイラーの設置届・落成検査を当てはめないでください。

問5 良好に保管された未設置機の期限を判定する

構造検査に合格してから一度も設置せず、1年6か月保管した定置式ボイラーがある。保管状況が良好であると都道府県労働局長に認められている場合、保管期間だけを理由とする使用検査の判定として最も適切なものはどれか。

  1. 1年を過ぎた時点で必ず使用検査が必要
  2. 認定があるため2年未満の1年6か月では、まだ使用検査の対象期間に達していない
  3. 6か月を過ぎた時点で使用再開検査が必要
  4. 保管中でも毎年落成検査が必要
  5. 認定があれば何年保管しても使用検査は不要
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正解:2 良好な保管を認められた場合は2年が境界

通常は構造検査または使用検査後、1年以上設置されなかった機体が使用検査の対象です。ただし、保管状況が良好と都道府県労働局長に認められた機体は2年以上が境界になります。1年6か月は2年未満なので、保管期間だけを理由とする使用検査にはまだ該当しません。2年以上なら認定があっても対象です。

採点結果の見方

正解数 復習ポイント
5問 機体の履歴、検査目的、期限まで整理できています。
3~4問 廃止と長期未設置、構造検査と落成検査の違いを再確認しましょう。
0~2問 最初の表で「新製・廃止・休止・小型」の4経路をたどり直しましょう。

関連する解説と次の問題

現行法令・公式資料

法令確認日:2026年7月31日。実際の申請では、機体の履歴、移動式か否か、認定の有無、保管期間・状態、検査証の状況を確認し、所轄労働基準監督署または検査機関へ照会してください。

まとめ

新製機は構造検査、輸入・長期未設置・廃止機は使用検査、据付状態は落成検査、有効期間を越えた休止機は使用再開検査で確認します。小型ボイラーは、設置後遅滞なく「小型ボイラー設置報告書」を提出します。水圧試験と落成検査を別の目的として覚えることが、手続問題の誤答を減らす近道です。

法令確認日・最終更新日:2026年7月31日

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