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【第三種冷凍機械責任者・法令】冷凍設備の技術上の基準|設備・運転・点検を整理

この記事で分かること

  • 設備の基準と製造方法の基準の違い
  • 第一種・第二種・その他製造者に適用される条文
  • 耐圧・気密、安全装置、ガス検知の正確な条件
  • 運転中の点検と修理を安全に行うルール

結論:第7条の17項目を全設備へ一律適用しない

冷凍設備の技術上の基準は、施設の位置・構造・設備と、高圧ガスを製造する方法の両方にあります。ただし、第一種・第二種・その他製造者、定置式・移動式、認定指定設備、冷媒の性質によって適用条項が変わります。

第一種製造者の定置式製造設備は冷凍保安規則第7条、移動式は第8条、製造方法は第9条が中心です。第二種は第11条〜第14条で第7条・第9条の一部を準用し、その他製造者は第15条の基準を守ります。条文の見出しだけを暗記せず、自分の区分から適用条項をたどることが大切です。

旧稿の重要な訂正:現行の第9条第2号は点検を一律「1日1回以上」としていません。製造するガスの種類と設備の態様に応じて施設の異常を点検します。また、耐圧試験は全冷媒設備を一律に設計圧力の1.5倍で試験する規定ではありません。

製造者区分と設備形態から適用条文をたどる

1 製造者区分
第一種・第二種・その他
2 設備形態
定置・移動・認定指定設備
3 冷媒の性質
可燃・毒性・特定不活性等
4 適用各号
施設と製造方法を確認
区分 施設基準 製造方法
第一種・定置式 第7条 第9条
第二種・定置式 第12条が第7条の一部を準用 第14条
その他製造者 第15条 第15条

第二種の定置式では、第12条が第7条のうち適用する号を列挙します。認定指定設備には別の組合せがあります。許可・届出が不要なその他製造者にも、第15条の技術上の基準があります。製造者区分は「第一種・第二種製造者の区分」で確認してください。

第7条は「漏らさない・耐える・異常を止める」を具体化する

第7条第1項は17号まであり、設備周辺の火気、警戒標、換気、漏えい防止、耐震、試験、計器、安全装置、放出管、液面計、消火、流出防止、防爆、漏えい検知、除害、バルブ操作などを定めます。

漏らさない
振動・衝撃・腐食、接合、室内滞留を考慮
耐える
許容圧力、耐圧・気密、耐震性能を確認
被害を抑える
安全装置、検知警報、放出・除害・流出防止

「安全弁を圧縮機吐出し側・凝縮器・受液器へ一律設置」とは書かれていません。第8号は、冷媒ガス圧力が許容圧力を超えた場合に、直ちに許容圧力以下へ戻せる安全装置を求めます。具体的な種類・容量・位置は、設備構成と例示基準、設計資料で確認します。

耐圧試験と気密試験は範囲・媒体・圧力を分ける

第7条第1項第6号は、冷媒設備について許容圧力以上の気密試験を求めます。耐圧試験は配管以外の部分が対象で、原則として許容圧力の1.5倍以上を水その他の安全な液体で行います。液体が困難な場合は、許容圧力の1.25倍以上を空気・窒素等の気体で行います。

試験 主な対象・媒体 条文上の圧力
気密 冷媒設備 許容圧力以上
液体耐圧 配管以外・安全な液体 許容圧力の1.5倍以上
気体耐圧 液体が困難・空気や窒素等 許容圧力の1.25倍以上

独自計算例:許容圧力2.0MPaの配管以外の機器なら、原則の液体耐圧試験は 2.0×1.5=3.0MPa以上、液体が困難で気体を使う場合は 2.0×1.25=2.5MPa以上です。大臣認定試験者等による例外もあるため、数式だけで実施方法を決めません。

気体耐圧は蓄積エネルギーが大きく、破損時の危険も大きくなります。試験区域、昇圧手順、計器、温度補正、安全距離などを含め、承認された手順で実施します。詳しくは「安全装置と圧力試験」を参照してください。

冷媒の危険性に応じて追加措置が変わる

第7条は「フルオロカーボンなら一律に不燃・低毒性」と扱いません。可燃性ガス、毒性ガス、特定不活性ガスなどの区分に応じ、必要な措置を定めています。

  • 滞留防止:可燃性・毒性・特定不活性ガス設備の主要機器等を置く室
  • 漏えい検知警報:これらのガスが滞留するおそれのある場所
  • 消火設備:可燃性ガスの製造施設
  • 防爆電気設備:アンモニアを除く可燃性ガス設備
  • 除害措置:毒性ガスの製造設備(条文上の例外あり)
  • 流出防止:毒性ガスの受液器で内容積1万L以上

安全弁・破裂板の放出管にも例外があり、開口部は冷媒の性質に応じた適切な位置とします。室内へ短く開放すればよいわけではありません。冷媒の安全区分は「冷媒の種類・安全区分と冷凍機油」で整理しています。

第9条の製造方法は4つに整理する

  1. 安全弁の止め弁:常に全開。ただし安全弁の修理・清掃で特に必要な場合を除く
  2. 異常点検:ガスの種類と設備の態様に応じて製造施設を点検し、異常時は補修等の危険防止措置
  3. 修理・復旧:作業計画と責任者、隔離、危険防止、正常作動確認を行う
  4. バルブ操作:材質・構造・状態を考慮し、過大な力を加えない

止め弁は「どんなときも絶対に全開」ではなく、修理・清掃のため特に必要な例外があります。その間も、対象設備を運転したまま安全装置を無効化してよいという意味ではありません。隔離、停止、代替保護、復旧確認を作業計画へ落とします。

点検頻度は一律「1日1回」からリスク基準へ

現行の第9条第2号は、製造する高圧ガスの種類と製造設備の態様に応じて、施設の異常の有無を点検するよう定めています。旧稿にあった「1日に1回以上」という固定表現は現行条文と一致しません。

これは点検を減らしてよいという意味ではありません。冷媒の毒性・燃焼性、充填量、運転状態、常時監視、安全装置、メーカー要求、危害予防規程、自治体の運用を踏まえ、異常を見逃さない頻度と方法を定めます。運転記録の見方は「冷凍装置の運転管理と保守」で確認できます。

検査との区別:日常の異常点検は第9条の製造方法です。定期自主検査・保安検査・完成検査は別制度で、対象・周期・実施者が異なります。詳しくは「定期自主検査・保安検査・完成検査」を参照してください。

修理は計画・隔離・復旧確認までが一組

冷媒設備を修理・清掃するときは、作業計画と責任者をあらかじめ定めます。可燃性・毒性ガスでは追加の危険防止措置を講じ、設備を開放する部分へ他の部分からガスが漏れ込まないよう隔離します。

作業が終わっても、すぐに製造を再開しません。弁位置、漏れ、計器、安全装置、制御、回転方向などを確認し、冷媒設備が正常に作動することを確認してから再開します。ロックアウトや作業許可などの具体策は、設備と事業所の手順へ合わせます。

理解度チェック

【問1】第二種製造者の定置式製造設備について正しいものはどれですか。

(1) 第7条の全号が必ずそのまま適用される
(2) 技術上の基準はない
(3) 第12条が第7条の適用する号を定める
(4) 第15条だけが適用される
(5) 製造方法の基準はない

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正解:(3)
第12条が設備形態に応じて第7条の適用号を列挙し、製造方法は第14条で定めます。

【問2】許容圧力1.6MPaの配管以外の部分を、安全な液体で原則の耐圧試験にかける場合の圧力はどれですか。

(1) 1.25MPa以上
(2) 1.6MPa以上
(3) 2.0MPa以上
(4) 2.4MPa以上
(5) 3.2MPa以上

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正解:(4)
1.6×1.5=2.4MPa以上です。気密試験や気体耐圧試験と倍率を混同しないようにします。

【問3】現行の第9条第2号の点検として適切なものはどれですか。

(1) 全施設で週1回とする
(2) 全施設で月1回とする
(3) ガスの種類と設備の態様に応じて異常を点検する
(4) 常時監視があれば点検不要
(5) 事故後だけ点検する

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正解:(3)
現行条文は固定回数ではなく、ガスと設備に応じた点検と、異常時の危険防止措置を求めます。

【問4】冷媒設備を開放修理した後の対応として最も適切なものはどれですか。

(1) 作業者の判断だけで直ちに再開する
(2) 安全装置を解除して試す
(3) 弁位置だけ見て再開する
(4) 他部分からの漏込みを防ぎ、終了後に正常作動を確認して再開する
(5) 冷媒を大気放出して確認する

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正解:(4)
作業計画・責任者・隔離・危険防止措置・正常作動確認を一連の手順として行います。

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まとめ

冷凍設備の技術上の基準は、製造者区分、設備形態、認定の有無、冷媒の性質から適用条項を確認します。第7条は設備の安全性能、第9条は止め弁、異常点検、修理、バルブ操作という製造方法を定めています。

数値は「設計圧力の1.5倍」と一行で覚えず、許容圧力、試験範囲、液体・気体を分けます。日常点検も固定回数の旧説明に頼らず、現行条文と事業所のリスクに合う方法で行いましょう。

最終更新日:2026年7月28日

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