この記事で分かること
- 完成検査・保安検査・定期自主検査の目的とタイミング
- 誰が検査し、どの施設が対象になるか
- 3年に1回と1年に1回以上の違い
- 定期自主検査の記録事項と電子保存
結論:設置・変更、3年ごと、毎年の3本線で整理する
3つの検査は、目的・実施者・対象が異なります。完成検査は許可施設の設置や特定変更工事の後、保安検査は第一種製造者の特定施設に3年に1回、定期自主検査は第一種製造者と一定の第二種製造者が1年に1回以上行います。
公式情報の確認先
この記事は、高圧ガス保安法第20条・第35条・第35条の2と、冷凍保安規則第40条〜第44条の2を中心に整理しています。
法令確認日:2026年7月26日
3つの検査を一覧で比較
| 検査 | 主な対象・時期 | 実施者 | 確認するもの |
|---|---|---|---|
| 完成検査 | 許可施設の設置工事・特定変更工事の完成後 | 都道府県知事、KHK、指定完成検査機関など | 技術上の基準への適合 |
| 保安検査 | 第一種製造者の特定施設・3年に1回 | 都道府県知事等、KHK、指定保安検査機関など | 技術上の基準への適合 |
| 定期自主検査 | 第一種・一定の第二種の対象施設・1年に1回以上 | 事業者自身 | 耐圧試験を除く技術上の基準への適合 |
時系列で見る検査の位置づけ
設置・特定変更
工事の完成後に完成検査
使用開始
基準適合が確認されてから使用
運用中
毎年の定期自主検査+3年ごとの保安検査
完成検査:許可施設を使い始める前の確認
高圧ガス保安法第20条により、製造許可を受けた施設の設置工事を完成したときは、技術上の基準に適合していると認められた後でなければ施設を使用できません。許可を受けた変更工事のうち特定変更工事も、完成検査の対象です。
すべての軽微な変更に完成検査が必要という意味ではありません。「設備を変えたら必ず」ではなく、許可や特定変更工事の範囲とセットで判断します。
- 都道府県知事が行う完成検査
- KHKまたは指定完成検査機関が行い、適合した旨を都道府県知事へ届け出る方法
- 認定完成検査実施者が特定変更工事を自ら検査し、記録を届け出る方法
保安検査:特定施設を3年に1回確認
保安検査は、高圧ガス保安法第35条に基づき、第一種製造者の特定施設が技術上の基準に適合しているかを定期的に確認する制度です。冷凍保安規則第40条では、ヘリウム・フルオロカーボン21・フルオロカーボン114の施設や認定指定設備部分を対象から除き、原則3年に1回としています。
都道府県知事等のほか、KHKまたは指定保安検査機関の検査を受けて届け出る方法、認定保安検査実施者が自ら行う方法があります。
用語の区別:「指定保安検査機関」は第三者として検査する機関です。「認定保安検査実施者」は経済産業大臣の認定を受け、自らの特定施設を自ら検査できる事業者です。
定期自主検査:対象事業者が1年に1回以上実施
定期自主検査は、高圧ガス保安法第35条の2と冷凍保安規則第44条に基づき、事業者自身が行います。対象は第一種製造者だけではありません。認定設備を使用する第二種製造者や、冷凍では一定能力以上の第二種製造者も対象になり得ます。
冷凍保安規則では、第二種製造者について、アンモニアまたは不活性でないフルオロカーボンを冷媒とする場合の基準値を20トンとしています。ただし、一定のユニット型アンモニア施設など対象外となる施設もあるため、冷媒・能力・施設要件を合わせて確認します。
- 頻度:原則1年に1回以上
- 判定:技術上の基準への適合。ただし耐圧試験に係るものを除く
- 監督:冷凍保安責任者の選任が必要な事業者は、選任した責任者に実施を監督させる
- 届出:定期自主検査そのものの実施届ではなく、検査記録を作成・保存する
定期自主検査の記録事項
冷凍保安規則第44条第5項では、次の事項を記録します。
- 検査をした製造施設
- 設備ごとの検査方法と結果
- 検査年月日
- 検査実施を監督した者の氏名
高圧ガス保安法は記録の作成・保存を求めています。冷凍保安規則第44条の2により電磁的方法で保存でき、必要に応じて直ちに表示できる状態にしておきます。
注意:現行の冷凍保安規則第44条・第44条の2は記録事項と電子保存方法を定めていますが、「次の保安検査まで」という保存期間の表現ではありません。試験では、条文にない期間を付け足した選択肢に注意します。
3つの検査で混同しやすい点
- 定期自主検査は第一種だけ:誤り。一定の第二種製造者も対象です。
- 保安検査は毎年:冷凍則の特定施設は原則3年に1回です。
- 定期自主検査は製造方法も検査する:条文は対象施設が技術上の基準に適合するかを検査します。
- 完成検査はすべての変更工事に必要:誤り。許可対象の特定変更工事などが対象です。
- 認定保安検査実施者は第三者機関:誤り。認定を受けて自ら検査する事業者です。
理解度チェック
【問1】冷凍保安規則に基づく保安検査の原則周期はどれですか。
(1) 1年に1回
(2) 3年に1回
(3) 5年に1回
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正解:(2)
冷凍保安規則の特定施設は原則3年に1回です。
【問2】定期自主検査について正しいものはどれですか。
(1) 都道府県知事だけが実施する
(2) 第一種製造者だけが対象である
(3) 対象事業者が1年に1回以上行い、記録を作成・保存する
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正解:(3)
一定の第二種製造者も対象になり、事業者自身が実施します。
【問3】許可施設の設置工事後、完成検査で基準適合が認められる前に施設を使用できますか。
(1) できる
(2) できない
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正解:(2)
技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、その施設を使用できません。
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まとめ
完成検査は許可施設の設置・特定変更工事の後、保安検査は第一種製造者の特定施設に3年に1回、定期自主検査は第一種製造者と一定の第二種製造者が1年に1回以上行います。
実施者の違いに加え、完成検査は使用開始前、保安検査は外部または認定による定期確認、定期自主検査は事業者自身の継続確認という目的までセットで覚えましょう。
最終更新日:2026年7月26日
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