法令 第三種冷凍機械責任者

【第三種冷凍機械責任者・法令】製造の許可・届出|第一種・第二種製造者の区分

この記事で分かること

  • 第一種・第二種・その他製造者を分ける50・20・5・3冷凍トンの境界
  • 冷媒名だけでは決められず、法令上のガス区分を先に確認する理由
  • 許可と届出の手続、完成検査、製造開始後の義務の違い
  • 認定指定設備を使う場合に区分が変わる仕組み

結論:冷媒区分と1日の冷凍能力の2段階で判定する

冷凍設備で高圧ガスを製造するときは、まず冷媒が政令上の第一種ガス、アンモニアまたは第一種ガスに該当しないフルオロカーボン、その他のガスのどれかを確認します。次に、冷凍保安規則で算定した1日の冷凍能力を境界値と比べます。

第一種製造者は事業所ごとに許可、第二種製造者は製造開始日の20日前までに届出が原則です。ただし、その下にも法第13条の技術上の基準を守る「その他製造者」と、冷凍能力が小さく製造規制から除かれる帯があります。届出不要=何の基準もないではありません。

「製造」は冷媒を新しく作ることだけではない

高圧ガス保安法の「製造」には、圧縮、液化その他の方法で高圧ガスの状態を作る行為が含まれます。冷凍装置は圧縮機で冷媒蒸気を圧縮するため、冷媒そのものを化学的に合成していなくても製造に当たります。

また、第一種・第二種は冷凍機の製品等級ではなく、高圧ガスを製造する者の法的区分です。法第5条は事業所ごとの許可・届出を定めています。試験では「設備が第一種」と省略して表現されることがありますが、条文上は第一種製造者・第二種製造者と読み替えます。

現行の能力境界は冷媒区分ごとに異なる

冷媒の法令区分 第二種・届出 第一種・許可
第一種ガス 20以上50未満 50以上
アンモニア、第一種ガスに該当しないフルオロカーボン 5以上50未満 50以上
その他のガス 3以上20未満 20以上

数値の単位は1日の冷凍能力(冷凍トン)で、「以上」は境界を含みます。したがって、第一種ガスを使う50冷凍トンちょうどの設備は第一種、アンモニアを使う5冷凍トンちょうどの設備は第二種です。

第一種ガスには、ヘリウム、窒素、二酸化炭素、空気のほか、政令の要件を満たすフルオロカーボンなどが含まれます。ここでいう「第一種ガス」は「第一種製造者」と別の用語です。フルオロカーボンは冷媒番号や通称だけで早合点せず、現行規定、SDS、メーカー資料を使って法令区分を確認します。

許可・届出の下に「その他製造者」と適用除外がある

第一種ガス
5以上20未満:その他製造者
5未満:製造規制から除外
アンモニア等
3以上5未満:その他製造者
3未満:製造規制から除外
その他のガス
3未満:製造規制から除外
3以上は第二種以上

その他製造者は法第5条の許可・届出の対象ではありませんが、法第13条により、製造施設と製造方法を技術上の基準に適合させる必要があります。これに対し、政令で製造規制から除かれる能力帯は、第5条から第13条までの冷凍製造規制の対象外です。

重要:小型だから事故届、冷媒関係法令、労働安全衛生、消防、建築、メーカーの安全条件まで消えるわけではありません。「高圧ガス保安法上の製造許可・届出が不要」という範囲を越えて判断しないでください。

判定は5つの確認を順番に行う

  1. 冷媒を特定:冷媒名、混合組成、SDSを確認します。
  2. 法令上のガス区分を特定:第一種ガス、アンモニア等、その他に分けます。
  3. 法定冷凍能力を算定:冷凍保安規則第5条の設備形式別計算を使います。
  4. 事業所・設備の範囲を確認:共通冷媒系統や共通ブライン系統など、能力を合算する関係を調べます。
  5. 認定指定設備などの特則を確認:認定証と設置条件を確認して最終区分を決めます。

冷媒充填量が多いか少ないか、カタログの冷房能力が何kWかだけでは区分できません。法定冷凍能力は圧縮機の標準吸込みガス量、原動機定格出力、遠心式圧縮機の性能など、設備形式に応じた規則上の方法で計算します。詳しい算定は冷凍能力の算定基準で確認してください。

第一種製造者は許可と完成検査が原則

事前相談・申請
事業所ごと
許可
設置前
工事・完成検査
基準適合を確認
製造開始
開始後に届出

第一種製造者は、都道府県知事等の許可を受けてから施設を設置し、原則として完成検査で技術上の基準に適合すると認められた後でなければ使用できません。自治体への権限移譲により、窓口が指定都市などの長になっている地域もあります。

変更も自由ではなく、製造施設の位置・構造・設備や製造するガスの種類、製造方法の変更は、軽微な変更を除き事前の変更許可が基本です。完成検査には認定完成検査実施者などの法定ルート・特則があるため、「すべて知事が直接検査する」と一律に覚えないことが大切です。

第二種製造者は開始20日前までの届出が原則

第二種製造者は許可制ではありませんが、製造開始の日の20日前までに、製造施設等を記載した書面を都道府県知事等へ届け出ます。届出書を出した直後から自由に運転できるという意味ではありません。

第二種も、製造施設と製造方法を冷凍保安規則の技術上の基準へ適合させる必要があります。変更時の事前届出、製造開始・廃止時の届出に加え、能力や冷媒などの条件によっては定期自主検査、冷凍保安責任者の選任などが必要です。第一種・第二種の区分だけで、その後の義務を全部決めないでください。

比較 第一種製造者 第二種製造者
開始前 許可を受ける 20日前までに届出
設置後 完成検査が原則 届出内容と技術基準に適合
変更 変更許可が原則 事前届出が原則

認定指定設備は第一種相当から第二種扱いへ変わり得る

認定指定設備は、高圧ガス保安法第56条の7に基づき、冷凍保安規則の所定基準を満たす安全性の高い冷凍設備として認定されたものです。KHKは、これを使って製造する場合、通常なら第一種製造者の規制を受ける能力でも、第二種製造者としての規制を受ける例を示しています。

ただし、単に同じ型式に見えるだけでは足りません。認定証、適用冷媒、設置条件を確認し、移設や冷媒ガスの種類変更では認定が無効になる場合があります。試験では「認定指定設備なら許可ではなく届出となり得る」と押さえ、実務では認定証と所管行政庁の確認を優先します。

独自判定例で境界を確認する

条件 区分 判断理由
アンモニア・4冷凍トン その他製造者 3以上5未満
アンモニア・15冷凍トン 第二種 5以上50未満
二酸化炭素・15冷凍トン その他製造者 第一種ガスで5以上20未満
二酸化炭素・35冷凍トン 第二種 第一種ガスで20以上50未満
プロパン・15冷凍トン 第二種 その他のガスで3以上20未満
アンモニア・60冷凍トン 第一種 50以上

この例は、単一の通常設備で特則がない前提です。同じ15冷凍トンでも、二酸化炭素、アンモニア、プロパンでは区分が異なります。この違いが、能力だけを先に見てはいけない理由です。

試験で間違えやすい5つの思い込み

  • 「20以上はすべて第一種」:第一種ガス、アンモニア、フルオロカーボンには50の境界があります。
  • 「アンモニアは能力に関係なく第一種」:3未満、3以上5未満、5以上50未満、50以上に分かれます。
  • 「第二種は届出後すぐ開始できる」:開始日の20日前までの届出です。
  • 「届出不要なら技術基準もない」:その他製造者には法第13条の技術基準があります。
  • 「第一種・第二種で資格選任も自動決定」:冷凍保安責任者、検査、危害予防規程は各条文の対象条件を別に確認します。

理解度チェック

【問1】アンモニアを冷媒とし、1日の冷凍能力が12冷凍トンの通常設備は、原則どの区分ですか。

(1) 第一種製造者
(2) 第二種製造者
(3) その他製造者
(4) 製造規制の適用除外
(5) 冷媒充填量が不明なので必ず第一種

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正解:(2)
アンモニアは5以上50未満が第二種です。能力は冷凍保安規則の方法で算定します。

【問2】二酸化炭素を冷媒とし、1日の冷凍能力が15冷凍トンの通常設備について適切なものはどれですか。

(1) 50未満なので製造規制の適用除外
(2) 第一種製造者として許可を受ける
(3) 第二種製造者として20日前までに届け出る
(4) その他製造者で、許可・届出は不要だが法第13条の基準に従う
(5) アンモニアと同じ5冷凍トン境界を使う

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正解:(4)
二酸化炭素は第一種ガスです。5以上20未満はその他製造者に当たります。

【問3】法令上の第一種ガスを使い、1日の冷凍能力がちょうど50冷凍トンの通常設備は、原則どの区分ですか。

(1) 第一種製造者
(2) 第二種製造者
(3) その他製造者
(4) 製造規制の適用除外
(5) 50はどの区分にも含まれない

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正解:(1)
第一種ガスは50以上が第一種です。「以上」は境界値を含みます。認定指定設備などの特則がある場合は別途確認します。

【問4】第二種製造者の製造開始手続について適切なものはどれですか。

(1) 開始後20日以内ならよい
(2) 開始直前に口頭連絡だけすればよい
(3) 届出後は技術上の基準が適用されない
(4) 開始日の20日前までに届出し、施設・製造方法を技術上の基準へ適合させる
(5) 第一種と同じ許可を必ず受ける

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正解:(4)
第二種は開始日の20日前までの届出が原則です。許可制ではなくても、技術上の基準と対象となる保安義務を守ります。

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まとめ

第一種・第二種の判定は、冷媒の法令区分を確認してから1日の冷凍能力を50・20・5・3の境界へ当てはめます。第一種ガスは20以上50未満が第二種、アンモニア等は5以上50未満が第二種、その他のガスは3以上20未満が第二種です。

第一種は許可と完成検査、第二種は開始20日前までの届出が原則です。その他製造者、適用除外、認定指定設備、能力の合算を切り分け、実務では現行法令と所管行政庁で最終確認しましょう。

最終更新日:2026年7月28日

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