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熱伝導・熱通過率・平均温度差の計算問題5問【第1回】

このミニテストの使い方

  • 全5問・目安12分。計算問題は電卓を使ってよい
  • λ・α・Kの意味と単位を書き分けてから式を選ぶ
  • 解答を開く前に、途中式と単位まで残す
  • 誤答したら「どの熱抵抗を見落としたか」を確認する

結論:熱交換量は「K×A×平均温度差」で決まる

凝縮器や蒸発器では、高温流体から壁への熱伝達、壁内部の熱伝導、壁から低温流体への熱伝達が続きます。この一連の移動が熱通過です。

熱交換量の基本式はΦ=KAΔtm。Kは熱通過率、Aは伝熱面積、Δtmは平均温度差です。用語と式を詳しく確認したい場合は、先に「熱伝導・熱伝達・熱通過と平均温度差」を読んでください。

内容の確認先

このページの問題文・数値・解説は学習用に新規作成したもので、公表試験問題を転載していません。

解く前に公式と単位を確認

対象 基本式 係数の単位
平板内の熱伝導 Φ=λAΔt/δ λ:W/(m・K)
壁面の熱伝達 Φ=αAΔt α:W/(m²・K)
両流体間の熱通過 Φ=KAΔtm K:W/(m²・K)

単純な平板で面積が等しい場合、1/K=1/α1+δ/λ+1/α2+Rf と考えます。Rfはスケール・油膜・霜などによる汚れ熱抵抗です。

単位の要点:式へ代入する前に、mmはmへ直します。熱交換量をWで求めた後に1,000で割るとkWです。

熱の移動 計算ミニテスト

第1回 第2回 第3回

第1問:熱移動の場所を見分ける

【問1】冷媒から管壁、管壁内部、管壁から冷却水へ熱が移る水冷凝縮器を考えます。この一連の現象の説明として正しいものはどれですか。

(1) すべて熱伝導である
(2) 熱伝達→熱伝導→熱伝達であり、全体を熱通過という
(3) 熱伝導→熱放射→熱伝導であり、全体を対流という
(4) 壁内部が熱伝達、壁面と流体間が熱伝導である
(5) 冷媒が凝縮すると熱移動は起こらない

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正解:(2)
流体と壁面の間は熱伝達、固体壁の内部は熱伝導です。高温側流体から低温側流体までの3段階をまとめた現象が熱通過です。λは材料内部、αは壁面と流体間、Kは全体を表すと整理します。

第2問:平板を通る熱量を求める

【問2】熱伝導率λ=0.8W/(m・K)、面積A=2.0m²、厚さδ=30mmの平板があります。両面の温度差が15Kのとき、定常状態で平板を伝わる熱量Φはいくらですか。

(1) 0.8W
(2) 80W
(3) 400W
(4) 800W
(5) 1,600W

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正解:(4) 800W
30mm=0.030mへ換算し、Φ=λAΔt/δ=0.8×2.0×15÷0.030=800Wです。厚さを30のまま代入すると1,000分の1になるため、長さの単位をmへそろえることが重要です。

第3問:熱抵抗から熱通過率を求める

【問3】α1=500W/(m²・K)、α2=1,000W/(m²・K)、壁厚δ=2mm、λ=20W/(m・K)、汚れ熱抵抗Rf=0.0009m²・K/Wとします。平板近似で熱通過率Kはいくらですか。

(1) 125W/(m²・K)
(2) 250W/(m²・K)
(3) 400W/(m²・K)
(4) 1,000W/(m²・K)
(5) 4,000W/(m²・K)

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正解:(2) 250W/(m²・K)
壁厚は0.002mです。合計熱抵抗は1/500+0.002/20+1/1,000+0.0009=0.002+0.0001+0.001+0.0009=0.004m²・K/W。したがってK=1÷0.004=250W/(m²・K)です。熱抵抗を足した値はKではなく1/Kです。

第4問:対数平均温度差と交換熱量を求める

【問4】熱交換器の両端温度差が20Kと10Kです。K=600W/(m²・K)、A=4.0m²とすると、対数平均温度差を使った交換熱量Φに最も近いものはどれですか。ln2=0.693とします。

(1) 14.4kW
(2) 24.0kW
(3) 34.6kW
(4) 48.0kW
(5) 72.0kW

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正解:(3) 約34.6kW
Δtm=(20-10)÷ln(20/10)=10÷0.693≒14.4K。Φ=600×4.0×14.4=34,560W≒34.6kWです。20Kまたは10Kをそのまま使わず、まず両端温度差の対数平均を求めます。

第5問:着霜による能力低下を診断する

【問5】空冷蒸発器のフィンに霜が厚く付着しました。ほかの条件が同じとしたとき、能力低下の説明として最も適切なものはどれですか。

(1) 霜が熱抵抗を減らし、風量も増やす
(2) 霜が伝熱面積だけを増やすため、能力は必ず上がる
(3) 霜の熱抵抗と通風抵抗が増え、Kと空気流量の両面から能力が下がり得る
(4) 霜は冷媒側だけに影響し、空気側の熱伝達には影響しない
(5) 霜が付いてもΦ=KAΔtmの各項は変わらない

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正解:(3)
霜は伝熱面に熱抵抗を加えてKを下げるだけでなく、フィン間を狭めて空気流量も低下させます。除霜判断では着霜時間だけでなく、風量・差圧・温度差・能力の変化も併せて見ます。

採点結果と誤答別の復習先

正解数 理解度 次の行動
5問 式と現象を結び付けられる 第2回へ進む
3〜4問 換算か熱抵抗を再確認 誤答だけ計算し直す
0〜2問 3つの係数を整理する段階 本記事の基本式へ戻る
  • 問1を誤答:λ・α・Kの対象と単位を表にして書き分ける
  • 問2を誤答:mm→m、W→kWの換算を式の前に済ませる
  • 問3を誤答:熱抵抗をすべて足し、最後に逆数を取る
  • 問4を誤答:対数平均温度差を先に求めてからΦ=KAΔtmへ代入する
  • 問5を誤答:「汚れによるK低下」と「流路閉塞による流量低下」を分けて考える

次の練習と学習ルート

関連する代表教材

凝縮器の種類と特徴

蒸発器の種類と特徴

まとめ

熱移動の計算では、材料内部ならλ、壁面と流体間ならα、熱交換器全体ならKを使います。まず対象と単位を決めれば、式の取り違えを防げます。

熱交換量はΦ=KAΔtmです。Kは熱抵抗の合計の逆数であり、スケール・油膜・霜が加わると小さくなります。計算結果だけでなく、実機で何が能力を下げるかまで結び付けて覚えましょう。

最終更新日:2026年7月29日

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