「同期機の原理と特性」のミニテスト第2回(全5問)です。
テストの使い方
まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。
第1問
低速で回る水車に直結する、多極の巻線界磁式同期発電機で、代表的な回転子の形状はどれか。
(1)円筒形
(2)突極形
(3)かご形誘導機の回転子
(4)巻線形誘導機の回転子
(5)永久磁石形
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正解:(2)突極形
突き出した磁極を円周上に多数配置できる突極形は、低速・多極の水車用に適しています。同じ周波数なら、極数を増やすほど同期速度を下げられます。
(1)円筒形は高速のタービン発電機で代表的な形です。(3)かご形と(4)巻線形誘導機の回転子は、誘導機の分類です。(5)は永久磁石で界磁を作る方式で、本問の巻線界磁式とは異なります。
「巻線形」という語だけでは界磁巻線を持つ同期機とも混同するため、選択肢では誘導機と指定しています。水力発電設備すべての回転速度や発電機形式が同じという意味ではありません。
第2問
巻線界磁式同期電動機を、一定の端子電圧・周波数・軸負荷で安定して同期運転する。その負荷で力率1となる界磁電流より増やした過励磁側では、端子電圧に対する電機子電流の性質はどれか。
(1)遅れ力率
(2)進み力率
(3)力率 1.0
(4)無効電力ゼロ
(5)電流ゼロ
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正解:(2)進み力率
電動機へ流れ込む電流を基準にすると、過励磁側の電流は端子電圧より位相が進みます。誘導性負荷の遅れ無効電力を補償できる性質です。
(1)遅れは不足励磁側です。(3)力率1と(4)無効電力ゼロは境目の状態です。(5)負荷と損失に必要な有効電流があるので、電流はゼロになりません。
内部起電力Eと端子電圧Vの大きさだけで進み・遅れを決めず、負荷角も含む位相関係で判断します。参考:日本電気技術者協会の同期電動機・V曲線の解説。
第3問
回転速度 750 min⁻¹ で 50 Hz を発電する同期発電機の極数はどれか。
(1)4
(2)6
(3)8
(4)10
(5)12
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正解:(3)8
同期速度N[min⁻¹]、周波数f[Hz]、極数pにはN=120f/pの関係があります。したがって
p=120×50÷750=8極。
(1)4極なら1500 min⁻¹、(2)6極なら1000 min⁻¹、(4)10極なら600 min⁻¹、(5)12極なら500 min⁻¹となり、750 min⁻¹と一致しません。8極はN極・S極を合わせた数で、極対数なら4です。参考:日本電気技術者協会の同期速度と極数の説明。
第4問
制動巻線などの始動用機構を持たない巻線界磁式同期電動機に、停止状態から定周波数の三相交流を加える。この条件での制約として正しいものはどれか。
(1)効率が必ず低い
(2)定速度運転ができない
(3)同期トルクだけでは始動できない
(4)界磁による力率調整ができない
(5)大容量化できない
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正解:(3)同期トルクだけでは始動できない
停止した回転子に対して回転磁界が高速で通過し、同期トルクの向きが交互に変わるため、継続した加速が得られません。
(1)効率は負荷率や損失などで変わり、必ず低いとは言えません。(2)同期が成立すれば定周波数・固定極数で定速度運転できます。(4)巻線界磁式は界磁を調節して力率を変えられます。(5)大容量機にも使われます。
実機には制動巻線を利用する自己始動や、別の電動機で加速する方式があります。対応するインバータで低周波数から始動する方式もあり、「同期電動機はすべて自力始動不可」とは言い切れません。参考:同期電動機の始動法。
第5問
巻線界磁式同期電動機の端子電圧・周波数・軸負荷を一定とする。安定した同期運転を保ち、その負荷で力率1となる界磁電流より減らした不足励磁側では、端子電圧に対する電機子電流の基本波はどのような性質を持つか。
(1)進み力率
(2)遅れ力率
(3)力率 1.0
(4)直流
(5)高調波
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正解:(2)遅れ力率
電動機へ流れ込む電流は端子電圧より位相が遅れ、系統から遅れ無効電力を受け取ります。(1)進みは過励磁側、(3)力率1は境目の状態です。(4)電機子は交流回路で、直流の界磁電流とは別です。(5)高調波は基本周波数の整数倍の成分で、基本波の力率の分類ではありません。
永久磁石式には同じように増減できる界磁巻線電流がありません。また、界磁をどこまでも弱めて同期運転を保てるわけではなく、安定性や電流の限度があります。
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