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同期機の原理と特性ミニテスト第1回|同期速度・V曲線・調相機の5問

同期機の問題では、運転状態と測る場所を先に確認しましょう。始動途中の速度と同期運転中の速度は別です。発電機の相電圧と線間電圧、電動機の力率と効率、調相機の軸出力と電気入力も分けて考えます。

この5問では、装置の条件を読み、計算と理由を組み合わせて答えます。各問で選択肢を1つ選び、「解答を見る」を開いて、ほかの選択肢が成立しない理由まで確認してください。

電験三種「機械」の学習用に作成した独自問題です。各問は別の装置を想定しています。基本の構造や用語は、同期機の原理と特性の解説で復習できます。

同期機の原理と特性 ミニテスト

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第1問|始動途中の測定値を、定常速度と取り違えない

次の2台の三相同期電動機について考える。電圧・電流の定格や負荷は、指定の運転が成立する範囲内にある。

  • A機:6極の巻線界磁式。60 Hzの電源で制動巻線を使って誘導電動機として加速しており、途中で1140 min−1を記録した。その後、界磁を励磁して同期に引き入れ、負荷を駆動しながら安定した同期運転に入った。
  • B機:10極の永久磁石式。インバータから基本波40 Hzの電源を受け、安定した同期運転をしている。回転子に直流を流す界磁巻線はない。

A機の同期運転中の回転速度と、B機についての説明の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. (1)A機は1140 min−1。B機は480 min−1で回る。
  2. (2)A機は1200 min−1。B機は480 min−1で回り、回転子の磁界は永久磁石が作る。
  3. (3)A機は1200 min−1。B機は永久磁石を使うので、負荷を駆動しても固定子への電力供給は不要である。
  4. (4)A機は1260 min−1。負荷を駆動するには同期速度を超える必要がある。
  5. (5)A機は1200 min−1。B機は240 min−1で回る。

第2問|Δ結線の測定電圧から、磁束を逆算する

三相対称の同期発電機を無負荷で運転した。1相の直列巻数は125巻、巻線係数は0.96、周波数は60 Hzである。Δ結線で測定した線間電圧の実効値は399.6 Vだった。

磁束分布と電圧は正弦波とし、高調波や巻線内の電圧降下は無視する。1相の誘導起電力には E=4.44kwfNΦ を用いる。kw は巻線係数、N は1相の直列巻数、Φは1極当たりの磁束 [Wb] である。

磁束Φと、同じ巻線をY結線にした場合の無負荷線間電圧の組み合わせはどれか。結線を変えても回転速度・磁束・1相の直列巻数は変わらないものとする。

  1. (1)約7.22 mWb、約400 V
  2. (2)12.5 mWb、約231 V
  3. (3)25.0 mWb、約1384 V
  4. (4)12.0 mWb、約692 V
  5. (5)12.5 mWb、約692 V

第3問|V曲線の底と、増磁後の力率を求める

Y結線の巻線界磁式三相同期電動機が、相電圧240 V、三相の交流有効入力5.76 kWで運転している。電圧・電流は正弦波で三相対称とする。

端子電圧・周波数・機械的負荷を一定にして界磁電流をゆっくり増やす。損失の変化は無視でき、交流有効入力も5.76 kWで一定とする。最初は線電流10 A・遅れ力率、力率1の点を通過した後は線電流17 Aで、電流が対応する相電圧より進んでいることを測定した。全過程で安定した同期運転を保つ。

途中で得られる線電流の最小値と、最後の運転点の力率はどれか。

  1. (1)最小8 A、最後は約0.471の進み力率
  2. (2)最小0 A、最後は約0.471の進み力率
  3. (3)最小8 A、最後は約0.471の遅れ力率
  4. (4)最小8 A、最後も力率1
  5. (5)最小10 A、最後は約0.471の進み力率

第4問|調相機の損失も含めて、受電点の力率を計算する

ある三相平衡負荷は、有効電力150 kWと遅れ無効電力200 kvarを受電している。同じ母線に同期調相機を接続して定常運転したところ、調相機設備全体は有効電力10 kWを消費し、負荷の遅れ無効電力のうち80 kvarを補償した。

調相機の外部への軸出力は0。10 kWには、励磁・補機を含む調相機設備の損失をすべて含める。元の負荷の電力は変わらず、配線・変圧器の損失は無視する。電圧・電流は正弦波とする。

受電点から負荷側へ流れる有効電力を正、遅れ無効電力を正としたとき、調相機接続後の受電点の有効電力 P、無効電力 Q、力率はどれか。

  1. (1)P=150 kW、Q=120 kvar、約0.781の遅れ力率
  2. (2)P=160 kW、Q=280 kvar、約0.496の遅れ力率
  3. (3)P=140 kW、Q=120 kvar、約0.759の遅れ力率
  4. (4)P=160 kW、Q=120 kvar、0.800の遅れ力率
  5. (5)P=160 kW、Q=−120 kvar、0.800の進み力率

第5問|一瞬の位相一致と、周波数一致は別

同期発電機を大きな系統へ並列投入する前に、遮断器の両側の端子電圧を調べた。両側とも同じ大きさの三相対称正弦波で、相順も同じである。系統側は50.00 Hz、発電機側は50.05 Hzだった。

時刻0秒には、対応する相の電圧の位相が一致していた。そのまま遮断器を開いた状態で2.0秒待つ。両側の周波数は一定とする。次のうち、2.0秒後の位相関係と、その後に投入条件を整えて接続した後の有効電力分担の説明が正しいものはどれか。

  1. (1)位相差は0°のまま。電圧の大きさと相順が同じなら、周波数差は影響しない。
  2. (2)発電機側が36°遅れる。接続後の有効電力分担は主に原動機入力で調整する。
  3. (3)発電機側が36°進む。接続後の有効電力分担は主に原動機入力で調整する。
  4. (4)発電機側が180°進む。両側の電圧の実効値が同じなら、そのまま投入できる。
  5. (5)発電機側が36°進む。接続後の有効電力分担は主に界磁電流だけで調整する。

解いた後に整理する2つの表

計算の出発点 この5問で確かめたこと
速度 同期運転中は周波数と極数で決まる。始動途中の値を持ち込まない。
起電力 1相で計算し、結線から線間電圧へ換算する。巻数と導体数を区別する。
V曲線 電圧と有効入力が一定なら同相成分は一定。進み・遅れは位相から判定する。
力率改善 受電点の有効・無効電力を別々に合計する。調相機の損失も含める。
位相変化 周波数差×時間が周期数の差。電気角へ直すには360°を掛ける。
操作・状態 主に変わるもの/残るもの
インバータの周波数を変更 同じ極数なら同期速度が変わる。
巻線界磁式電動機の励磁を変更 一定電圧・一定負荷のもとで、無効電流と力率が変わる。
調相機で遅れ分を補償 受電点の無効電力が減る。機器の損失入力は必要。
系統並列後に原動機入力を変更 系統電圧・周波数一定の近似では、主に有効電力分担が変わる。
系統並列後に発電機の励磁を変更 同じ近似では、主に無効電力分担が変わる。

計算を間違えたときは、式に入れる前に「始動中か同期運転中か」「相の値か線の値か」「どの設備まで含む入力か」を書き添えて解き直すと、原因を見つけやすくなります。

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根拠を確認できる技術資料

以下は原理と機器の構成の確認先です。問題の数値、測定条件、選択肢と解説は、このページの学習用に独自に構成しています。

2026年10月15日確認・改訂。公式試験問題ではなく、運転状態と計算条件を読み分けるための独自の学習問題5問です。

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