「誘導電動機の始動法と速度制御」のミニテスト第3回(全5問)です。
誘導電動機の始動法と速度制御 ミニテスト
第1回 第2回 第3回
テストの使い方
まず自分で答えを考えてから「解答を見る」をタップしてください。間違えた問題は解説記事に戻って確認すると効果的です。
第1問
インバータの出力周波数を50 Hzから25 Hzへ下げる。両方とも基底周波数以下で、巻線などの電圧降下補償を加えずV/fを一定にすると、出力電圧は元の何倍になるか。
(1)変わらない
(2)1/4 になる
(3)1/2 になる
(4)2 倍になる
(5)√2 倍になる
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正解:(3)1/2 になる
V/fを一定にするので、電圧比も周波数比と等しく、25÷50=1/2です。(1)の電圧一定ではV/fが2倍、(2)の1/4なら1/2倍、(4)の2倍なら4倍、(5)の√2倍なら2√2倍となり、一定になりません。
巻線内の電圧降下を小さいとみなせる範囲では、磁束をほぼ一定にできます。低周波数では電圧降下を補うトルクブーストが必要な場合があります。基底周波数を超えて電圧上限に達すると、同じV/fを保てません。参考:富士電機のV/f制御FAQ。
第2問
巻線形誘導電動機の線形等価回路で、電圧・周波数・極数と他の回路定数を一定にして二次外部抵抗を増やす。最大トルク点が0<s≦1にある範囲で比較すると、その最大トルクの大きさはどうなるか。sはすべりとする。
(1)大きくなる
(2)小さくなる
(3)変わらない
(4)ゼロになる
(5)負になる
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正解:(3)変わらない
二次合成抵抗Rとすべりsを同じ倍率で増やすと、R/sが同じになり同じトルクを得ます。この比例推移により、最大トルクが出るすべりは大きくなっても、山の高さは変わりません。
(1)大きくなる、(2)小さくなるは山の高さの説明として誤りです。(4)ゼロ、(5)負にもなりません。ただし、同じすべりで比べたトルクや電流は変わります。
抵抗を増やしすぎて数式上の山がs>1へ移れば、停止から同期速度までの範囲ではその山に届きません。その範囲内での最大値まで常に同じとは言えません。参考:速度・トルク特性と比例推移。
第3問
一般的なかご形誘導電動機では、回転子の構造上、適用できない始動法はどれか。二次抵抗始動は、回転子巻線に外部抵抗を接続する方式を指す。
(1)全電圧始動
(2)Y-Δ 始動
(3)インバータ始動
(4)二次抵抗始動
(5)始動補償器
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正解:(4)二次抵抗始動
巻線形では回転子巻線からスリップリングを介して外部抵抗を接続できます。かご形は導体の両端を短絡環で結んだ構造で、この外部接続ができません。
(1)全電圧、(3)インバータ、(5)始動補償器は固定子側への電源供給を工夫する方法です。(2)Y-Δも固定子側の結線変更ですが、通常運転時のΔ定格が電源に適合し、6端子を取り出せるなどの条件が必要です。すべてのかご形に無条件で使えるという意味ではありません。
深溝かご形などの内部構造で始動特性を改善する方法と、外付けの二次抵抗始動は区別します。
第4問
リアクトル始動で、k=電動機端子線間電圧÷電源線間電圧(0<k<1)とする。同じ電動機・結線・周波数で停止時のインピーダンスを一定とし、直入れ全電圧始動時と比較した説明として正しいものはどれか。
(1)始動線電流はkの2乗倍
(2)始動トルクはk倍
(3)始動線電流はk倍、始動トルクはkの2乗倍
(4)始動線電流と始動トルクがともにk倍
(5)かご形には使えない
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正解:(3)始動線電流はk倍、始動トルクはkの2乗倍
直列リアクトルで端子電圧をk倍にすると、電動機側の線電流はk倍です。電源側にも同じ線電流が流れます。トルクは電圧の2乗に比例するのでk²倍です。
(1)のk²は理想的な始動補償器の電源側電流比と混同しています。(2)と(4)はトルクをk倍としており、2乗を落としています。(5)かご形にも使えるため誤りです。
kはリアクトル自体の巻数やタップ位置の比ではなく、電動機に実際に加わる電圧の比です。同じkなら補償器の電源側電流はk²倍ですが、リアクトルではk倍にとどまります。参考:各種始動法の電流とトルク。
第5問
必要流量が少ない時間にポンプやファンを減速できる設備で、インバータによる省エネが期待できる主な理由はどれか。
(1)力率を改善するため
(2)必要な回転速度で運転し、無駄な電力を使わないため
(3)銅損をゼロにするため
(4)鉄損をゼロにするため
(5)すべりをゼロにするため
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正解:(2)必要な回転速度で運転し、無駄な電力を使わないため
回転速度を必要流量に合わせることで、一定速度のまま弁などで絞る運転より必要な軸動力を減らせる場合があります。(1)力率改善そのものが主な理由ではありません。(3)銅損、(4)鉄損はゼロにはなりません。(5)誘導機が電動運転でトルクを出すにはすべりが必要です。
同じ羽根車・流体密度で相似な運転点を比べ、効率変化を無視できる場合、軸動力は速度の3乗に比例します。速度80 %なら0.8³=0.512で、軸動力は元の51.2 %です。これは設備全体の消費電力が必ず51.2 %になるという意味ではありません。静水頭などの設備条件、電動機・インバータの効率や補機入力も確認します。参考:ポンプ・ファンの回転数制御による省エネ。
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