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冷凍装置の運転記録・異常診断・保守問題5問【第1回】

この5問で身につくこと

  • 圧力と配管温度から過熱度・過冷却度を計算する
  • サイトグラスの気泡を単独で診断しない
  • ポンプダウンの順序と停止条件を説明する
  • 凝縮圧力上昇と水分混入を測定値から切り分ける

運転管理で大切なのは、圧力計やサイトグラスを一つだけ見て部品交換や冷媒追加を決めないことです。同じ「気泡」でも、冷媒不足、過冷却不足、液管の圧力損失、起動直後の変動で原因が異なります。

先に「冷凍装置の運転管理と保守|記録から異常を切り分ける」を読むと、起動前から停止後までの確認順序が分かります。数値条件は学習用に独自作成しています。正常範囲・操作手順は対象機器の仕様を優先してください。

解く前に運転値を「同じ時刻・同じ負荷」でそろえる

測定 計算・比較 主な判断材料
低圧+吸入管温度 過熱度 蒸発器への給液
高圧+液管温度 過冷却度 液の確保、放熱
平常記録+現在値 傾向差 異常の発生時点

過熱度:吸入管温度-蒸発飽和温度

過冷却度:凝縮飽和温度-液管温度

圧力は使用冷媒の圧力温度表で飽和温度へ換算します。混合冷媒では露点・沸点の使い分け、圧力計ではゲージ圧・絶対圧の違いも確認します。数値一つでは合否を決めず、同条件の平常値と比較します。

冷凍装置の運転管理と保守 ミニテスト

第1回 第2回 第3回

第1問:過熱度と過冷却度を同時に求める

【問1】定常運転時、低圧から求めた蒸発飽和温度は−8℃、対応する吸入管温度は4℃です。高圧から求めた凝縮飽和温度は42℃、対応する液管温度は39℃です。過熱度・過冷却度の組合せはどれですか。

(1) 過熱度4K・過冷却度3K
(2) 過熱度12K・過冷却度3K
(3) 過熱度12K・過冷却度81K
(4) 過熱度−12K・過冷却度3K
(5) 過熱度34K・過冷却度−3K

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正解:(2) 過熱度12K・過冷却度3K
過熱度=4-(−8)=12K、過冷却度=42-39=3Kです。平常時より過熱度が増え、過冷却度が減っているなら給液不足や冷媒量を疑う材料になりますが、この一組だけで冷媒不足と断定せず、負荷・膨張弁・液管損失・漏れを確認します。

第2問:サイトグラスの気泡を原因まで追う

【問2】フィルタドライヤ下流のサイトグラスに気泡が見えます。上流では十分な過冷却がありますが、ドライヤ前後に6Kの温度差があり、出口側だけ冷えています。最初に疑う内容として最も適切なものはどれですか。

(1) 気泡だけで冷媒不足と断定し、直ちに追加充填する
(2) ドライヤの詰まりによる圧力損失とフラッシュガスを確認する
(3) 高圧遮断装置を短絡して圧力を上げる
(4) 膨張弁を全閉にすれば原因確認は不要である
(5) 冷媒を大気へ放出し、気泡を消す

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正解:(2)
ドライヤの大きな圧力損失で液圧が下がると、その液温の飽和圧力を下回って気泡が生じます。Danfossも、気泡の原因としてドライヤ差圧、過冷却不足、冷媒不足を分け、気泡だけで補充しないよう示しています。差圧・温度・霜・水分指示を確認し、適切な手順で交換します。

第3問:ポンプダウンの停止順序を並べる

【問3】液管電磁弁と低圧スイッチを使う一般的なポンプダウンサイクルの停止順序として、最も適切なものはどれですか。

(1) 圧縮機停止→液電磁弁を開く→低圧側へ液をためる
(2) 液電磁弁を閉じる→圧縮機が低圧側の大部分を高圧側へ移す→設定圧力で停止する
(3) 真空ポンプを起動→冷媒を大気へ放出→圧縮機停止
(4) 低圧スイッチを短絡→深い真空まで圧縮機を運転する
(5) 受液器容量を確認せず、全冷媒を必ず押し込む

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正解:(2)
先に給液を止め、圧縮機で低圧側の冷媒の大部分を高圧側へ移し、低圧スイッチの設定値で停止します。低圧側を完全に空にする操作ではありません。受液器等の収容容量、圧縮機運転範囲、逆流による短時間再始動も設計時に確認します。

第4問:凝縮圧力上昇を放熱側から調べる

【問4】空冷凝縮器の運転で、外気35℃に対して凝縮飽和温度が55℃まで上昇しました。点検すると送風機1台が停止し、フィンも汚れています。最初の対応として最も適切なものはどれですか。

(1) 不凝縮ガスと即断し、冷媒と一緒に手動放出する
(2) 冷媒不足と即断し、サイトグラスを見ずに追加する
(3) 安全手順に従って送風機とフィンを是正し、風量回復後の圧力・温度を再確認する
(4) 高圧スイッチの設定を上げ、停止しないようにする
(5) 凝縮器を覆い、外気の流入を減らす

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正解:(3)
風量不足と汚れは、すでに確認できた放熱不足です。まず既知の原因を安全に是正し、同じ負荷で圧力・凝縮温度・電流を再測定します。それでも高い場合に、過充填、計器誤差、不凝縮ガスなどを順に調べます。原因確認なしの放出・追加充填は行いません。

第5問:開放修理後の空気・水分を除く

【問5】配管を開放して部品交換した後、装置内への水分混入を抑える作業として最も適切なものはどれですか。

(1) 装置を長時間開放し、自然乾燥だけで済ませる
(2) 圧縮機を真空ポンプ代わりに使い、深い真空まで運転する
(3) 開放時間を短くし、適切な漏れ確認・真空乾燥・保持確認・ドライヤ管理を行う
(4) 水分は油の潤滑性を上げるため、そのまま残す
(5) 冷媒を流しながら接続部を開き、空気を追い出す

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正解:(3)
空気と水分は凝縮圧力上昇、吐出し温度上昇、酸生成、銅析出、潤滑不良などの原因になります。真空ポンプを適切な位置へ接続し、対象機器の到達真空度・保持基準で乾燥を確認します。圧縮機を真空引きに使わず、冷媒・油に合うフィルタドライヤを管理します。

採点結果と誤答別の復習先

正解数 理解度 次の行動
5問 記録から診断できる 第2回へ進む
3〜4問 計算か順序を再確認 誤答だけ解き直す
0〜2問 単独症状から離れる段階 本解説へ戻る
  • 問1を誤答:圧力を飽和温度に換算してから配管温度との差を取る
  • 問2を誤答:気泡の前後にある温度差・差圧・過冷却を確認する
  • 問3を誤答:給液停止→圧縮継続→低圧設定で停止の順に並べる
  • 問4・5を誤答:測定できた原因から直し、冷媒操作や復帰を先にしない

次の練習と学習ルート

まとめ

運転診断は、圧力を飽和温度へ換算し、過熱度・過冷却度、サイトグラス、ドライヤ前後、放熱側の状態を同じ運転条件で比較します。単独の気泡や高圧だけで、冷媒量や不凝縮ガスを決めません。

ポンプダウンは低圧側の冷媒の大部分を高圧側へ移す操作です。開放修理後は、漏れ確認、真空乾燥、保持確認、ドライヤ管理をつなげ、空気・水分を残さないことが重要です。

最終更新日:2026年7月29日

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