法規

電気工事士法と電気用品安全法 ミニテスト第1回|資格の範囲・資格不要の作業・PSEの5問

電気工事士法は「誰がその作業をしてよいか」、電気用品安全法は「どの製品を作り、売り、工事に使ってよいか」を決めています。資格があれば何でも施工できるわけではなく、PSEマークもすべての電気製品に付くわけではありません。

ビルの改修計画や資材の受け入れを任された場面を想定した5問です。まず自分で1つ選び、それから解答を開いて、5つの選択肢それぞれの理由を読んでください。

電験三種の法規科目に向けて作った問題です。仕組みから復習したいときは、電気工事士法と電気用品安全法の解説に、設備の区分・資格の範囲・軽微な工事・PSEの仕組みをまとめています。

2026年11月4日時点の法令に基づきます。問題文の「工事士法」は電気工事士法、「電安法」は電気用品安全法です。施行令・施行規則は、どちらの法律のものかを毎回書き分けています。

第1問|受電ビルの4つの作業に、誰が従事できるか

6,600Vで受電する事務所ビルがあります。最大電力は360kWで、発電所・蓄電所・変電所ではなく、小規模事業用電気工作物でもない通常の需要設備です。今回の改修では、次のA~Dを予定しています。どれも軽微な工事や、資格を要しない作業には当たらないものとします。

  • A:地下機械室で、400Vの電動機へつながる分岐回路の配線を変更する。電線路に係る工事ではない。
  • B:受電設備の中で、6,600Vの高圧ケーブルの端末を取り替える。
  • C:屋上に置く非常用予備発電装置の、発電機の電気工事。配電盤と他の需要設備との間の電線との接続部分ではない。
  • D:同じ敷地にある別棟の倉庫へ200Vで電気を送る、建物間の架空電線路を張り替える。

電気工事士法による資格の考え方として、正しいものはどれですか。

  1. (1)Aは600V以下の作業なので、第二種電気工事士の免状でも従事できる。
  2. (2)Aには、第一種電気工事士も、認定電気工事従事者も従事できる。
  3. (3)Bは600Vを超える部分なので、第一種電気工事士であっても従事できない。
  4. (4)Cは自家用電気工作物の工事なので、第一種電気工事士であれば、特種電気工事資格者認定証がなくても従事できる。
  5. (5)Dは200Vなので簡易電気工事に当たり、認定電気工事従事者が従事できる。

第2問|住宅で、免状がなくても従事できる作業

一般用電気工作物である戸建て住宅で、電気工事士免状を持たない家族が、次の作業を自分の手で行おうとしています。どれも電源を切ってから行うものとします。

電気工事士法施行規則第2条により、免状がなくても従事できる作業はどれですか。

  1. (1)壁に埋め込まれたコンセントを新しい埋込型に取り換え、屋内配線をつなぎ直す。
  2. (2)壁の表面に取り付けられた露出型コンセントを、同じ露出型のコンセントに取り換える。
  3. (3)天井裏で、照明回路の電線どうしを差込形コネクタで接続する。
  4. (4)屋外に接地極を埋め、接地線と接続する。
  5. (5)電線をつながない作業なので、壁の中の電線管に電線を通して収める。

第3問|同じケーブルでも、仕様でPSEの区分が変わる

改修工事の資材として、次の4種類のケーブルが届きました。どれも交流で使用し、線心は3本、外装は合成樹脂です。特定の用途の承認などの例外はありません。

  • A:定格電圧600V、直径2.0mmの単線を導体とするVVFケーブル
  • B:定格電圧600V、導体の公称断面積38mm²のケーブル
  • C:定格電圧600V、導体の公称断面積150mm²のケーブル
  • D:定格電圧6,600V、導体の公称断面積38mm²のケーブル

選択肢の「特定」は特定電気用品、「特定以外」は特定電気用品以外の電気用品、「対象外」は電安法の電気用品に当たらないことを表します。電安法施行令の別表第一・別表第二による区分の組合せとして、正しいものはどれですか。

  1. (1)A:特定 B:特定 C:特定 D:対象外
  2. (2)A:特定 B:特定以外 C:対象外 D:対象外
  3. (3)A:特定以外 B:特定 C:特定以外 D:対象外
  4. (4)A:特定 B:特定以外 C:特定以外 D:特定
  5. (5)A:特定 B:特定以外 C:対象外 D:特定以外

第4問|海外製の電気温水器を輸入して売るとき

国内の会社が、海外の工場で作られた家庭用の電気温水器を輸入し、国内で販売する事業を始めます。定格は単相200V・50/60Hz、定格消費電力4.4kWで、交流の電路に使用します。

試験的な輸入や特定の用途の承認には当たりません。同じ型式の証明書を既に保存しているなどの特例もありません。電気用品安全法上の扱いとして、正しいものはどれですか。

  1. (1)電気温水器は家庭用の電熱器具なので特定以外の電気用品に当たり、登録検査機関の検査は不要である。
  2. (2)輸入の事業を始める前に、経済産業大臣の許可を受けなければならない。
  3. (3)登録検査機関の適合性検査を受けて証明書を保存すれば、自社での検査と検査記録の作成は省略できる。
  4. (4)販売する時までに適合性検査を受け、証明書の交付を受けて保存する。自社で行う検査の記録は、検査の日から3年間保存する。
  5. (5)輸入した会社が義務を果たしていなくても、販売店が店頭でひし形のPSEマークを付ければ販売できる。

第5問|施主が買ってきたコンセントを、工事に使えるか

第二種電気工事士が、住宅の改修で埋込型コンセントを取り付けます。施主が海外の通販サイトで買った品(定格125V・15A・2極の差込み接続器)を持ってきて、「これを使ってほしい」と頼みました。

調べると、電安法第10条第1項の表示が付されていません。特定の用途の承認などの例外もありません。正しい説明はどれですか。

  1. (1)電気工事士は電気用品を販売する事業者ではないので、表示のない品を工事に使っても電安法の規制は受けない。
  2. (2)施主が自分で買った物であれば、表示がなくても、電気工事士が取り付ける工事に使用できる。
  3. (3)電気工事士は、表示のない電気用品を電気工作物の設置・変更の工事に使用してはならないので、この品は使えない。
  4. (4)取り付けた後に絶縁抵抗を測定し、基準を満たしていれば、表示がなくても使用できる。
  5. (5)この使用の制限は電気工事士だけが対象で、自家用電気工作物を設置する者や認定電気工事従事者は対象外である。

復習表|作業の区分と、必要な資格

作業・設備の区分 根拠と扱い
軽微な工事 工事士法施行令第1条。電気工事の定義から外れる。例:600V以下の接続器・開閉器へのコードの接続、二次36V以下の小型変圧器の二次側配線(電鈴・インターホーン等)。
資格を要しない作業 工事士法施行規則第2条。電気工事に含まれるが、列挙された作業以外は免状が要らない。露出型コンセント・露出型点滅器の取換え、有資格者の作業の補助など。
一般用電気工作物等 第一種又は第二種電気工事士(工事士法第3条第2項)。小規模事業用電気工作物も含む。
自家用:簡易電気工事 600V以下で使用する部分の工事(電線路に係るものを除く)。第一種電気工事士又は認定電気工事従事者(同条第1項・第4項)。
自家用:特殊電気工事 ネオン工事・非常用予備発電装置工事。認定証に記載された種類の特種電気工事資格者(同条第3項)。
自家用:上記以外の工事 第一種電気工事士(同条第1項)。高圧部分や電線路の工事も含む。
最大電力500kW以上の需要設備など 工事士法の自家用電気工作物から除かれる。電気事業法に基づく保安体制で工事を管理する。

復習表|電気用品安全法を確認する順番

確認の順番 見るところ
① 対象か 電安法施行令の別表第一・第二に、品目と定格の条件で当たるか。当たらなければ電気用品ではない。
② 特定か、特定以外か 別表第一なら特定(ひし形のPSE)、別表第二なら特定以外(丸形のPSE)。例:600Vのケーブルは22mm²以下が特定、22mm²を超え100mm²以下が特定以外。
③ 届出事業者の義務 事業開始の日から30日以内の届出、技術基準への適合、自主検査と記録(検査の日から3年保存)。特定は、販売する時までの適合性検査が加わる。
④ 表示 義務を果たした届出事業者が付す。それ以外の者は、PSEや紛らわしい表示を付けてはならない。
⑤ 販売・使用 表示のない品は、原則として販売・販売目的の陳列ができず(法第27条)、電気工事士等が工事に使うこともできない(法第28条)。

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根拠と公式の確認先

問題の場面、選択肢、解説、整理表はこのページのための独自作成です。公式過去問や市販教材の問題文・解説を転載したものではありません。

確認・改訂:2026年11月4日。参照した版は、電気工事士法(2025年6月1日施行)、同法施行令(2025年11月14日施行)、同法施行規則(2023年12月28日施行)、電気用品安全法とその施行令・施行規則(いずれも2025年12月25日施行)です。受験する回の適用法令も確認してください。運営者は資格を独学中の個人です。

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