ボイラーの構造

【二級ボイラー技士・構造】安全弁・逃がし弁・圧力計・水面計・温度計

この記事で分かること

  • 安全弁・逃がし弁・逃がし管を使い分ける温度条件
  • 2026年4月適用の現行規格に基づく圧力計の要件
  • ガラス水面計の個数、例外、験水コックの取付条件
  • 過熱器の安全弁、温度計、水高計の役割

結論:蒸気ボイラーは安全弁、120℃以下の温水ボイラーは逃がし弁または所定の逃がし管、120℃を超える温水ボイラーは安全弁で圧力を制限します。圧力計の最大指示値は常用圧力ではなく最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下です。水面計は形式と例外条件を分けて覚えます。

公式情報の確認先

現行法令確認日:2026年7月26日。2026年4月掲載の公表問題は2025年中の実施分で、2026年1月以降施行の法令に対応していない旨が公式ページに明記されています。最新条文を優先してください。

蒸気・温水・温度で圧力逃がし装置を選ぶ

ボイラーの種類から判断

蒸気ボイラー
安全弁
原則2個以上
温水 120℃以下
逃がし弁
所定の逃がし管なら例外
温水 120℃超
安全弁

安全弁は蒸気圧力の最後の防護

安全弁は内部圧力が設定値に達すると自動的に開き、蒸気を放出して圧力を最高使用圧力以下に保持します。蒸気ボイラーには原則2個以上が必要ですが、伝熱面積50m²以下なら1個とすることができます。

安全弁は、ボイラー本体の容易に検査できる位置へ直接取り付け、弁軸を鉛直にします。2個ある場合は、まず1個を最高使用圧力以下で作動するよう調整し、残りをそれよりわずかに高い圧力で作動するよう調整します。

圧力上昇
設定圧力で開く
蒸気を放出
圧力を制限

過熱器の安全弁

過熱器には出口付近へ、温度を設計温度以下に保持できる安全弁を備えます。運用上は、過熱器用安全弁を胴の安全弁より先に作動するよう調整します。先に流れを確保し、過熱器管の温度上昇を抑えるためです。過熱器の役割は「エコノマイザ・空気予熱器・過熱器」で確認できます。

逃がし弁・逃がし管は120℃を境に整理する

水温が120℃以下の温水ボイラーには、最高使用圧力に達すると直ちに作用し、圧力を最高使用圧力以下に保つ逃がし弁を備えます。ただし、容易に検査できる位置へ同じ機能を持つ逃がし管を備えた場合は、逃がし弁を省略できます。

一方、水温が120℃を超える温水ボイラーには安全弁が必要です。「温水ならすべて逃がし弁」という覚え方では不十分です。また、凍結防止措置が法令で求められるのは逃がし管です。「鋳鉄製・温水ボイラー」の膨張タンクとの関係も併せて確認してください。

圧力計は最高使用圧力を基準に選ぶ

蒸気ボイラーの蒸気部、水柱管、または水柱管へ至る蒸気側連絡管には、指示値を確実に確認できる圧力計を取り付けます。2026年4月適用の現行規格は電子式も想定し、停電時にも有効に機能することを求めています。

最大指示値の範囲

最高使用圧力 × 1.5 以上、最高使用圧力 × 3 以下

例:最高使用圧力1.0MPaなら、最大指示値は1.5〜3.0MPaの範囲。常用圧力を基準にしません。

ブルドン管式では、断面が扁平な曲管が内圧によって伸びようとする動きを歯車等で拡大し、指針へ伝えます。蒸気が直接圧力計へ入らないようサイホン管などを設け、コックまたは弁の開閉状態を分かるようにします。連絡管は容易に閉塞しない構造が必要です。

ボイラー蒸気
高温
サイホン管
水で熱を隔てる
圧力計
圧力を指示

使用中は、圧力計または水高計が有害な振動を受けず、内部が凍結または80℃以上にならないようにします。目盛には最高使用圧力の位置を見やすく表示します。

ガラス水面計の個数と例外

低水位は伝熱面の過熱、高水位は蒸気への水分同伴につながります。現行のボイラー構造規格第69条では、蒸気ボイラーに必要な水面計を次のように定めています。

対象 基本ルール
一般の蒸気ボイラー ガラス水面計2個以上
多管式貫流ボイラー ガラス水面計1個以上
多管式以外の貫流ボイラー 第69条のガラス水面計対象外

一般の蒸気ボイラーでも、次のいずれかなら2個のうち1個をガラス式でない水面測定装置にできます。

  • 胴の内径が750mm以下
  • 遠隔指示水面測定装置を2個取り付けている

混同注意:「遠隔指示水面計があるからガラス水面計は1個でよい」ではありません。現行条文は、遠隔指示水面測定装置を2個備えた場合に、所要2個のうち1個を非ガラス式へ置き換えられるとしています。

ガラス管の最下部は安全低水面を指示する位置にします。反射式は水部と蒸気部の光の反射差で境界を見やすくし、透視式は2枚のガラス越しに水位を確認します。形式名だけで使用圧力範囲を一律に決めず、機器仕様を確認します。

験水コックは3個以上が原則

ガラス式でない水面測定装置として験水コックを使う場合、ガラス管の取付範囲と同等の高さに3個以上取り付けます。ただし、胴の内径750mm以下かつ伝熱面積10m²未満の蒸気ボイラーでは2個にできます。最下位の験水コックは安全低水面の位置です。

水面より上
蒸気が出る
水面付近
状態が切り替わる
水面より下
水が出る

温度計と水高計

装置 取付位置・役割
過熱器の温度計 過熱器出口付近の蒸気温度を表示
温水ボイラーの温度計 ボイラー出口付近の温水温度を表示
温水ボイラーの水高計 本体または温水出口付近に設置。圧力計で代替可能

水高計の最大指示値も、最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下です。圧力計と同様に、コックまたは弁の開閉状態を容易に確認できるようにします。

附属品を設備で確認する順番

  1. 銘板:形式、最高使用圧力、伝熱面積、水温を確認
  2. 安全弁・逃がし弁:個数、直接取付け、弁軸、設定、排出先を確認
  3. 圧力計:最大指示値、最高使用圧力表示、コック、サイホン、指示を確認
  4. 水面計:個数、常用水位・安全低水面表示、連絡管、機能を確認
  5. 温度計:過熱器または温水出口の指示値を確認

実際の点検・機能試験・調整は、取扱説明書と法令に従って行います。「附属品の取扱い」と「附属品の管理規定」も続けて確認してください。

理解度チェック

【問1】水温130℃の温水ボイラーに必要な圧力逃がし装置はどれですか。

(1) 逃がし弁だけ
(2) 安全弁
(3) ガラス水面計だけ
(4) 水高計だけ
(5) 装置は不要

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正解:(2)
120℃を超える温水ボイラーには安全弁を備えます。

【問2】最高使用圧力0.8MPaのボイラーで、圧力計の最大指示値として適切な範囲はどれですか。

(1) 0.4〜0.8MPa
(2) 0.8〜1.0MPa
(3) 1.2〜2.4MPa
(4) 2.4〜4.0MPa
(5) 常用圧力だけで決める

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正解:(3)
最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下なので、1.2〜2.4MPaです。

【問3】一般の蒸気ボイラーに必要なガラス水面計の基本個数はどれですか。

(1) 0個
(2) 1個以上
(3) 2個以上
(4) 3個以上
(5) 伝熱面積に関係なく5個

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正解:(3)
一般の蒸気ボイラーは2個以上です。多管式貫流などは別条件です。

【問4】過熱器用安全弁の調整として適切なものはどれですか。

(1) 胴の安全弁より先に作動
(2) 胴の安全弁より必ず遅く作動
(3) 弁軸を水平にする
(4) 過熱器入口から離す
(5) 常時開放する

解答を見る

正解:(1)
過熱器用安全弁を胴の安全弁より先に作動するよう調整します。

関連学習とまとめ

蒸気か温水か、温水なら120℃以下か超えるかを最初に分けます。圧力計は最高使用圧力を基準にし、水面計は一般・多管式貫流・その他の貫流と例外条件を分けて確認しましょう。

最終更新日:2026年7月26日

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